再現性のある明確なワークフローを作成する 7 つの簡単なステップ

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年6月17日00
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ワークフローという言葉の定義は漠然としていて、プロセスと解釈することも、情報の整理方法と捉えることもできます。

この用語の曖昧さは、実害を伴います。ワークフローとは何かが明確でないために、仕事そのものが混乱し、結果的に効率が低下しているのです。たとえば、平均的なナレッジワーカーは就業時間の 60% を、情報の検索や業務のステータスの追跡といった「仕事のための仕事」に費やしています。一方、業務の 4 分の 1 の締め切りが守られていません。1 日中、真面目に忙しく働いていても、なぜか目標に到達できず、仕事が遅れてしまうのです。

何かがうまく噛み合っていません。

そこで注目すべきなのが、ワークフローと、ワークフローについての理解です。ワークフローとは何かをはっきり理解し、その導入の仕方を明確に把握すれば、チームの仕事を効果的に整理して、プロジェクト目標を達成し、長期的に活用できる有効なプロセスを確立できます。その方法を見ていきましょう。

ワークフローとは

ワークフローとは、仕事の開始から終了までをカバーするプロセスで、適切なタイミングで適切な人材と情報を結びつけることによって、チームの目標を達成できるようにサポートします。ワークフローを設定すると、理解しやすく、しかも将来的に再現可能な形で情報を整理することができます。

効果的なワークフローには 7 つのステップがあり、大まかに「計画」「実行」「レビュー」の 3 つのステージに分けられます。

計画: 

1. アイデア出しと情報の収集

2. リクエストの受け付け

3. 優先順位の設定とリソース配分

実行:

4. 作業とレビュー

5. 進捗の追跡

レビュー:

6. 承認

7. 報告

ワークフローを作成すべきケース

ワークフローはチームレベルや部門レベルで真価を発揮します。適切に活用すればチームの必要とする情報が明確になり、より迅速に目標を達成できます。

ワークフローは、マーケティングキャンペーン、新入社員のオンボーディングプログラム、調達といった、最終目標が決まっている時間ベースのプロジェクトにも、コンテンツカレンダー、IT リクエスト、バグ追跡などの反復的に発生するプロセスや常設の業務にも活用できます。

ワークフローが重要な理由

ワークフローにはそれぞれ個性がありますが、どのワークフローも、いわばレゴのセットのように、同じ要素で構成されています。基本的な構成はフレキシブルで、どんなチームや組織のニーズにも対応できます。重要なのは、事業にインパクトを与えるプロセスを体系化して、組織内に仕組みを作り上げることです。それが確立すれば、次のステップや、プロジェクトの業務の担当者について、チームの誰も迷わなくなります。このように曖昧な状況が一掃されることはビジネスにとって画期的です。

こうした優れた仕組みがチームにもたらす具体的なメリットには、次のようなものがあります。

  • プロジェクトチームメンバー間の調整の合理化

  • 質やコストの犠牲を伴わない、生産性の向上

  • 理想的なリソースの配分

  • プロジェクトの可視性の向上

  • プロジェクトの情報すべてを 1 か所で追跡することによって、リーダーがより賢明な決断を下せる

  • 手作業での情報収集や仕事の重複の軽減

  • 全員がアクセス可能な、信頼できる唯一の情報源にあらゆる情報を集めることによって、データのサイロ化を回避

  • チームメンバーに、各自の仕事が全体の中長期目標にどう貢献するのかを明確に把握させる

  • 状況を推量する必要を減らし、チームメンバーが自由に動けるようにする

  • 場当たり的なプロセスや単発のシステムを排除して、すべての情報を集約する場所を作る

毎回、作業工程を一から作る代わりに、ワークフローを導入することで、チームは柔軟かつパワフルに最高の結果を出せるようになります。

ワークフローを定義する 3 つの主なメリット

ワークフローの設定は手間がかかるようですが、適切に定義され、将来も活用できる再現性のあるプロセスこそ、成長をもたらすカギになります。効果的なワークフローがあれば、「仕事のための仕事」を排除でき、イライラが解消され、明確な情報のもとにチームのエンゲージメントが向上します。事前に少し手間をかけることで、将来的に、時間の節約とストレス回避の点で大いにメリットが望めるのです。

リアルタイムで可視化する

アクションにつながる明確な情報や分析をリアルタイムで得られれば、当然チームの効率が上がります。問題はこうした情報を得るのが難しい点ですが、ワークフローはここでも活躍します。

優れたワークフローは、適切なタイミングで適切な人材と情報を結びつけます。これによって、プロジェクト内だけでなくプロジェクト間での可視性が高まり、チーム全員が誰が何をいつまでに完了するのか、そしてなぜそれが重要なのかを正確に把握できます。特にこうした高い可視性がもたらすのは次のようなメリットです。

  • リアルタイムでアクションにつながる情報が入手でき、チームの効率が向上する

  • 正確な計画、リソース配分のほか、必要に応じて業務のスケーリングが可能

  • 経営幹部や他部門も含め、プロジェクト関係者と最新の進捗を共有できる

  • プロジェクトの遅れを回避し、高品質な成果物を生み出す

  • プロジェクトのプロセス全体を俯瞰して、問題点の特定、理解、診断ができる

部門横断チーム内や、各部門間で足並みを揃える

明確に定義されたワークフローがあれば、部門を横断して情報を確実に把握し、コンテクストを共有できます。プロジェクトやツールを結びつけるネットワークがあると、部門横断チームは進行中の作業の手順や意義を正しく知ることができます。

優れたワークマネジメントツールはどんなチームにおいても、ワークフローを定義し、共有する際に活用できます。このツールは、あらゆる業務やデータを集めた信頼できる唯一の情報源となり、チーム間の分断を回避して、より円滑なコラボレーションをサポートします。さらに、個々のプロジェクトを会社全体のワークフローに結びつけることで、チームメンバーは何が最重要の業務なのか、明確に把握できます。全チームメンバーにこうした情報を提供することによって、最もインパクトをもたらす最優先の仕事に全員が集中できるようになります。

記事: Asana ユーザーが業務のサイロ化を打破した 5 つの方法

業務の効率を上げる

ワークフローは、仕事リクエストの受け付けフォーム、自動化、プロジェクトのテンプレート化などを通してプロセスを体系化します。適切な人材を適切な情報に自動的につなげることによって、効率と生産性が向上します。優れたワークフローは「仕事のための仕事」を排除してチームの機動力を高める効果もあります。チームがプロジェクトの全容を明確に把握できれば、インパクトの高い、最重要の仕事に集中しやすくなります。また、ビジネスツール間の連携によって透明性が改善されれば、いわゆるコンテキストの切り替えによる作業の中断も最小限に抑えられます。

ワークフローとその他のビジネスプロセスとの比較

ワークフローの構築には、多様なビジネスプロセスを組み込むことになる場合が多いでしょう。ここでは、こうしたプロセスとワークフローとを比較し、違いを確認します。

ワークフローとビジネスプロセス管理 (BPM)

ビジネスプロセスとは一連のタスクのまとまりです。一方、ビジネスプロセス管理 (BPM) はこれらのタスクを、効率的で効果的な方法で、重要なプロジェクトにまとめあげるプロセスです。

ワークフローを設定する際は、ビジネスプロセスと同様に、業務を整理しプロセスを改善する方法について熟考する必要があります。この 2 つの大きな違いは、ワークフローの主眼が、将来にわたって使用できる持続可能なビジネスプロセスの作成である点です。

記事: ビジネスにおける効率と効果の違い: チームに両方が必要な理由

ワークフローとチェックリスト

チェックリスト、つまり To-Do リストは、するべきことのリストです。チェックリストのタスクは異なるプロジェクトの作業が含まれている場合も多く、順番も特に決まっていないため、チェックリストはビジネスプロセスよりも単純な構造になっています。

チェックリストは、作業の見落としがないようワークフローに組み込むことができます。チェックリストとワークフローは、ペアで活用すると、シンプルながらチームがベストパフォーマンスを出すための、パワフルなツールとして活躍します。ワークフローのプロセス全体にチェックリストを組み込み、チームの目標達成を支援しましょう。

ワークフローとガントチャート

ガントチャートは、プロジェクトのタイムラインを水平の棒グラフとして表示する視覚的なプロジェクト管理ツールです。ガントチャートの棒はそれぞれ、プロセスのステップを表しています。棒の長さはその業務に必要な時間を示します。

ガントチャートは優れた視覚的なプロジェクト管理ツールで、イベント計画や製品リリースなどの時間ベースのプロジェクトを追跡する際に多く使用されます。ワークフローを作成すれば、単発のプロジェクトを今後の仕事でも繰り返し活用できる再現性のあるプロセスに変えることができます。イベント計画や製品リリースのワークフローを作成する際は、ガントチャートや、かんばんボードなどの視覚的なプロジェクト管理機能を利用すれば、目標の達成スピードもアップするかもしれません。

記事: ガントチャートの使用が初めての方はこちらから始めてください

ワークフローとフローチャート

フローチャートは、プロセスのステップを順番に可視化する際に便利です。たとえば、プロジェクトの 5 つのフェーズがどう関係しあうのかを示したり、プロジェクトに影響を与える原因と結果の関係を視覚化したりできます。

プロジェクト全体を見渡す場合、フローチャート、つまりワークフロー図を使って、7 つのワークフローのステップを可視化するのがおすすめです。ワークフローの主なステップを把握したら、リアルタイムで更新される、チーム共有のワークマネジメントプラットフォームでプロセスを作成しましょう。

記事: チームのワークフローを改善する 5 つのプロジェクト管理フェーズ

ワークフローとワークマネジメント

ワークフローは、ワークマネジメントの軸となる要素です。事実、優れたワークマネジメントツールは、チームや部門のワークフローを整理して、組織のあらゆる階層にわたって、人材と業務を容易に調整できるようにします。ワークフローとは基本的に、ワークマネジメントを強化し、全員が、最重要の業務を達成するために必要な情報を入手できるようにするものです。

一方、ワークマネジメントとは、組織のワークフローを調整して、チームが目標をスムーズに達成するために必要な明確性をもたらす体系的なアプローチを指します。最も大きなインパクトをもたらす仕事に必要な情報を全員が確実に入手できるよう、組織のあらゆる階層で人と仕事を調整することがワークマネジメントの狙いです。

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ワークフローの例

ワークフローの定義によるメリットと、独自のワークフローの構築方法について詳しく解説する前に、まずワークフローの例をいくつか見ていきましょう。

顧客フィードバックのワークフロー

  1. アイデア出しと情報収集: 顧客がチケット、リクエスト、またはフィードバックを送信します。

  2. リクエストの受け付け: リクエストは、Zendesk などの CRM (顧客関係管理ツール) で処理されます。

  3. 優先順位の設定とリソース配分: リクエストは自動的に適切なチームへ割り当てられます。たとえば、セールスリクエストなら、Salesforce でセールスチームがトリアージを行います。一方、チケットやフィードバックは、Asana などのワークマネジメントツールで業務管理を行う社内チームに送られます。

  4. 作業とレビュー: チームが顧客の問題の解消に取り組みます。

  5. 進捗の追跡: リアルタイムの連携によって、チーム間の作業をスムーズに自動化します。手作業でのチームへの情報共有や、ツール間での仕事の重複を避けるため、Asana for Zendesk 連携などの連携を活用して、チームの仕事が発生する場所で最新の情報を得られるようにします。

  6. 承認: 最終的な解決策は、顧客チームを通じて顧客に送られます。必要に応じて変更を記録します。顧客のリクエストに十分に応えられなかった場合は、ステップ 4 (作業とレビュー) に戻り、再検討を行います。

  7. 報告: チケットはワークフロープロセスの一部として追跡し、顧客フィードバックワークフローの全体的なインパクトの測定を行います。

キャンペーン管理のワークフロー

  1. アイデア出しと情報収集: チーム全員が集まり、新しいキャンペーンのアイデアのブレインストーミングを行います。

  2. リクエストの受け付け: チームと協力しながら、プロジェクトリーダーは、画像、アニメーション、動画、コンテンツ素材など、キャンペーンに必要なすべてのクリエイティブアセットについて、クリエイティブブリーフを作成します。

  3. 優先順位の設定とリソース配分: プロジェクトリーダーはキャンペーンの各要素のレビューを行い、すべてがどのように関連するのかを理解した上で、プロジェクトやタスクの優先順位を決定します。さらに、プロジェクトリーダーはマスターキャンペーンカレンダーを作成して、チーム全員がキャンペーンで進行しているあらゆる業務の全容を俯瞰できるようにします。

  4. 作業とレビュー: 計画を立てたら、クリエイティブアセットの制作を開始できます。外部の協力者やチームメイトが作業に入ります。クリエイティブアセットの制作物に修正が必要な場合、ワークフローはクリエイティブアセット制作の段階に戻ります。

  5. 進捗の追跡: チームが作業に当たる一方、プロジェクトリーダーはワークマネジメントプラットフォームで進捗をモニタリングします。チームメイトが問題にぶつかったり、プロジェクトの成果物に遅れが生じたりした場合は、直ちに介入してトラブルを解消します。

  6. 承認: すべてが目的にかなっていれば、プロジェクトリーダーが仕事を承認し、キャンペーンがローンチされます。

  7. 報告: キャンペーンが大成功でも、失敗でも、常に多くの学びがあります。プロジェクトリーダーはデータを分析し、チームメンバーに話を聞いて、成功のポイントや今後改善すべき点を探ります。

目標計画のワークフロー

  1. アイデア出しと情報の収集: 企業の経営者が、組織における OKRs (目標と主要な結果) の設定頻度を決定します。そうした作業の追跡に導入されるのが、目標管理システムです。

  2. リクエストの受け付け: チームリーダー、チームメンバー、プロジェクトの主要な関係者が、次の長期目標に関するアイデアを出し合います。

  3. 優先順位の設定とリソース配分: チームリーダーは、次の長期目標期間に向け、一連の中期目標のドラフトを作成します。各中期目標は、上位目標に貢献し、明確で一貫性があるのが理想的です。

  4. 作業とレビュー: 達成すべき内容を把握すると、チームメンバーは仕事に取りかかります。ワークマネジメントプラットフォームを使うことで、日常業務を大きな目標に結びつけられるため、最も優先度の高い業務を全員が認識できます。

  5. 進捗の追跡: チームが作業に当たる一方、チームリーダーはその進捗をモニタリングします。プロセスに遅れが出たり、期限に間に合わない業務が発生したりすると、介入して問題を解消します。チームリーダーとチームメンバーは、ワークマネジメントプラットフォームを使って定期的に最新のステータスを共有します。

  6. 承認: チームメンバーが業務を完了します。チームリーダーはそれを確認して、承認するか、必要に応じて変更をリクエストします。

  7. 報告: 各目標期間の終了後、チームリーダーは目標についてレビューを行い、目標期間中に成功した点と失敗した点を掘り下げます。今後の目標に備え、チームの強みを強化するとともに、弱点を改善します。

効果的なワークフローを作成するための 7 つのステップ

効果的なワークフローを作成する 7 つのステップは、「計画」「実行」「レビュー」の 3 つのフェーズで構成されています。これらのステップに従うことで、理解しやすく、しかも将来にわたって活用できる形で仕事を整理し、体系化できます。

7 つのステップが必要な理由

7 つのステップは、インパクトを最大化しつつ、「仕事のための仕事」を最小限にするワークフローのテンプレートだと考えてください。ワークフローを使えば、チームがすぐに行動に移るための枠組みが手に入り、プロジェクトを開始するたびに、情報収集や不要な会議、やり取りの繰り返しに何時間も、場合によっては何日もかけることはなくなります。ワークフローの 7 つのステップによって、チームは必要なデータ、情報、アセットを手元に揃え、ただちに仕事を開始できるのです。これらのステップによる明確なアクションプランで、チームの全員が果たすべき仕事とその期限を確実に理解できます。

7 つのステップが必要な理由

7 つのステップは、インパクトを最大化しつつ、「仕事のための仕事」を最小限にするワークフローのテンプレートだと考えてください。ワークフローを使えば、チームがすぐに行動に移るための枠組みが手に入り、プロジェクトを開始するたびに、情報収集や不要な会議、やり取りの繰り返しに何時間も、場合によっては何日もかけることはなくなります。ワークフローの 7 つのステップによって、チームは必要なデータ、情報、アセットを手元に揃え、ただちに仕事を開始できるのです。これらのステップによる明確なアクションプランで、チームの全員が果たすべき仕事とその期限を確実に理解できます。

ワークフローは今後も繰り返し利用可能な、再現性のあるプロセスを定義したものであり、プロセスを一から作成する必要がなくなります。情報をリアルタイムで追跡する共有ツールでワークフローを作成すると、より効果的です。

次の例では、Asana でワークフローを作成する方法をご紹介します。どこから手を付けるべきか迷っている場合は、ワークフロー管理ソフトウェアが、どのように適切なタイミングで適切な人材とデータを結びつけ、チームがインパクトをもたらす仕事に集中できるようにするのかをご覧ください。

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ステップ 1: アイデア出しと情報の収集

どのワークフローも、アイデアから始まります。アイデアが完全な形で浮かぶ場合もあれば、いくつかの指針だけをもとに、新しいエキサイティングなプロジェクトに乗り出す場合もあります。

ワークフロープロセスのこのステップでは、ばらばらの情報を集め、ブレインストーミングによってプロジェクトのアイデアを出します。適宜、プロジェクトの限界点、制限事項、必要事項を考慮し、次のステップに進みます。

たとえば、ウェブ制作のワークフローについて見てみましょう。マーケティング部門長が、クリエイティブチームにウェブサイトのトップページの全面リニューアルを指示します。どのような外観や雰囲気のページにしたいか、部門長が意見を述べた上で、プロジェクトをチームに引き継ぎます。ワークフローのこのステージでは、クリエイティブチームは、ブレインストーミングによって初期のアイデアを出し合ったり、お気に入りのウェブサイトからヒントを探して共有したり、ブレインストーミング用のツール Miro で、大まかなモックアップページを作ったりします。

ステップ 2: リクエストの受け付け

これから取り組むことの概要がまとまったら、詳細やプロジェクト計画を調整していきます。ワークフローのこのステージでは、関連性のあるデータ、情報、ビジネス上のニーズをすべて確実に捕捉しておきます。これが、構築するプロセス、協力を募る関係者、最終的な成果物に影響を与えます。

あらゆるワークフローにこれらの要素をすべて取り入れる必要はありません。しかし、プロジェクトの業務の詳細を明確にするために、十分な情報を集めてください。これによって、コンテキストや業務に関する情報など、追加で確認をとるためのやりとりを回避できます。

先ほどのウェブ制作のワークフローの例に戻れば、プロジェクトマネージャーは、チームのブレインストーミングの結果に基づいてクリエイティブブリーフを作成します。Asana のようなワークマネジメントツールを活用して、Miro で作成した初期スケッチをブリーフに取り込み、コミュニケーション計画などのその他のプロジェクト情報もあわせて提供します。

3. 優先順位の設定とリソース配分

計画を立てたら、実行に移します。この段階でリソースの割り当てを開始します。優先順位を効果的に設定し、チームのキャパシティに合わせて仕事の割り当てを行うには、プロセスの可視化が必要です。

優れたワークフローは、単に生産性を最大化し、できるだけ多くの仕事を達成するだけのものではありません。クリエイティビティが生まれる余地を生み出すことが重要です。仕事量の管理を効果的に行うことで、従業員のパフォーマンスを大いに引き出し、混乱を解消することができます。その結果、チームは業務量に圧倒されることなく、充実感をもって毎日の仕事に当たることができます。

こうしたワークフローのステップの再現性を高めるには、ワークフローの自動化も必要です。プロジェクトマネージャーは、各チームメンバーのキャパシティを明確に把握したら、ワークフローのオートメーション機能を使って、適切なメンバーに正しく業務を割り当てるようにしましょう。プロジェクトの優先順位を明示し、チームメンバーが必要に応じて期日の調整ができるようにすることで、全員がインパクトの高い仕事を確実に達成できるようになります。

先ほどの例では、クリエイティブチームは Asana でクリエイティブリクエストプロジェクトを設定します。リクエストが来ると、自動のワークフローで業務が適切なチームメンバーに割り当てられます。各リクエストには優先度が設定されているため、チームメンバーは注力すべき対象を把握できます。同じく Asana を使ってチームのワークロードを確認し、必要に応じてタスクの割り当てを変更したりスケジュールを組み直したりもできます。

記事: 初めてのリソース管理ガイド

4. 作業とレビュー

これがワークフローの「仕事」の中心になります。プロジェクトの成果物に向けて作業し、レビューを行い、フィードバックプロセスに基づいてイテレーションを行い、制作物をブラッシュアップします。また、関係者に承認を求め、フィードバックを得るのもこのステージです。

合理的なワークフローがなければ、この作業の大部分は手作業で行うことになり、必要なタイミングで資料が見つからず困ることも考えられます。「仕事のための仕事」が生まれる大きな原因は、書類探しか承認を受けるための作業です。これらの情報を情報共有ツールに一元的にまとめることで、チームの全員の無駄な作業を削減できます。

コミュニケーションもファイルも同じツールですべて共有されるため、チームメンバーは「仕事のための仕事」に時間を割かずに済み、実際の作業にじっくり取り組めます。さらに、オートメーション機能を使えば、必要なタイミングで必要な情報が提供され、すぐにアクションに移ることができます。

引き続き、ウェブ制作のワークフローの例で見ていきましょう。仕事を割り当てられたデザイナーは、Figma を使って新しいトップページのワイヤーフレームを制作し、プロジェクトに添付します。プロジェクトの関係者は、校正機能で PDF ファイルにコメントして、良い点と改善が必要な点について具体的なフィードバックを行います。関係者がデザインを承認してゴーサインを出したら、プロジェクトマネージャーはデザインをウェブ開発チームへ引き渡します。作業の重複はまったく発生しません。情報はクリエイティブリクエストプロジェクトとウェブ制作プロジェクトにまとめられているため、全員が最新の情報をもとに作業できます。

5. 進捗の追跡

どんなワークフローでも、チーム全員がプロジェクトについて認識を共有できることが重要なポイントになります。しかし、実際には情報が様々なツールに分散していることが多く、プロジェクトの進捗を報告するにはさまざまなツールを切り替えながら、手作業で情報を 1 か所に集めなくてはなりません。しかし、重複しがちな手作業こそ時間の無駄であり、頻繁な進捗会議も歓迎されません。

一方、業務が発生する場所でプロジェクトのステータス更新を共有すれば、全員が担当業務に関連して必要なコンテキストを得られます。プロジェクトに遅れが出ている場合も、ステータスレポートによってプロジェクト関係者は現況と今後の対策を把握できます。

たとえば、ウェブ制作ワークフローには大勢の関係者が参加しています。そもそもこのプロジェクトはマーケティング部門長の発案でした。しかし、プロジェクトの関係者は、プロジェクトの進行に関わる細かな問題点を一つひとつ把握する必要はありません。週 1 回、プロジェクトマネージャーがプロジェクトの最新ステータスを共有し、背景情報を提供して、チームが達成したタスクやマイルストーンのリンクを追加すれば十分です。

記事: チームリードが求めるプロジェクト横断レポートツールの選び方: 究極ガイド

6. 承認

必要なのは最終的な承認だけ、という場合も往々にしてありますが、この承認を得るのが一仕事です。重役クラスのリーダーは多忙なことが多く、決裁さえしてくれればいい場合でも、その時間がなかなか取れないためです。しかし、承認ワークフローならこのステップを自動化して、明確で簡単なプロセスで関係者の最終判断を受け取れます。

先ほどの例では、新しいトップページの公開準備が整い、後はマーケティング部門長から切り替えの了承を得るだけ、という状況がこれに当たります。そこでプロジェクトマネージャーは承認リクエストをマーケティング部門長に送ります。これは通常のタスクの割り当てとは異なります。このリクエスト特有の通知によって、受け取った人は必要なフィードバックのタイプに気づき、素早く簡単に返信できます。クリック 1 つで、プロジェクトマネージャーは承認を受け取れ、予定通りにトップページを公開できます。

7. レポート

大成功に終わったプロジェクトや、途中で暗礁に乗り上げたプロジェクト、どんなプロジェクトにも多くの学びがあります。ワークフローの最後のステップは、進捗に関する報告と、データの検証によってうまくいった点と改善が必要な点を学ぶことです。これを行うことが今後のプロジェクトのよりよい運営につながり、ワークフローのさらなる洗練をもたらします。

それでは、先ほどのプロジェクト例を締めくくりましょう。いよいよトップページが公開されました。最後のステップは、トップページの稼働状況を追跡して、その進捗を段階を追って報告することです。今後、ウェブページの公開が必要になったら、今回のプロジェクトの学びを生かして、よりスムーズにプロジェクトを運営できます。

コラボレーションに役立つデジタルワークフローの構築

「人生は目的地ではなく、その道のりである」という、哲学者ラルフ・ワルド・エマーソンの名言がありますが、ワークフローにも同じことが言えます。仕事のプロセスに注目し、それを改善することによって、成功に必要な手段と情報をチームに与える、それがワークフローなのです。

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