明確なプロジェクトの要旨を作成するための 5 つのステップ

プロジェクト関係者に、あなたのプロジェクトに関する重要な情報の要約を簡単に確認してもらう必要があります。何を送ったらいいでしょうか?

何を送ればいいかわからない場合は、プロジェクトの要旨が必要かもしれません。プロジェクトの要旨があれば、それはプロジェクトの主要な情報がまとめられた、チーム全体にとっての信頼できる唯一の情報源となります。よいプロジェクトの要旨はすばらしいプロジェクト計画への第一歩であり、最終的に成功するプロジェクトへの第一歩でもあります。

プロジェクトの要旨とは?

プロジェクトの要旨とは、プロジェクトの主要な要素をまとめた短い説明です。プロジェクト関係者や別部門のコラボレーターへ向けた簡単な概要だと考えてください。プロジェクトの要旨では、多すぎる情報で関係者を手間取らせることなく、プロジェクトの要件だけを伝えます。

プロジェクト管理のほとんどの要素がそうであるように、どんな場合でも使用できるプロジェクトの要旨のテンプレートやスタイルはありません。プロジェクトの範囲や複雑さによって、作成するプロジェクトの要旨は変化します。要旨の長さは 1 段落程度の場合もあれば、1 ページに及ぶ場合もあるでしょう。

プロジェクトの要旨はプロジェクトの最初期に作成するようにしましょう。プロジェクト管理を始めようとしているなら、早期プロジェクト計画の他の要素をすでにご存じかもしれません。プロジェクトの要旨と、プロジェクト管理におけるその他の要素を比較してみましょう。

プロジェクトの要旨とクリエイティブブリーフの違い

名前から想像できるかもしれませんが、クリエイティブブリーフとはクリエイティブプロジェクトのガイドです。クリエイティブブリーフにはプロジェクトのオーディエンス、メッセージング、トーン、配布プロセス、タイムラインなどが含まれます。外部のエージェンシーやクリエイティブチームとも協力するなら、クリエイティブブリーフはプロジェクトの範囲や成果物を定義する作業指示書 (SOW) としても機能する場合があります。

プロジェクトの要旨とは、プロジェクトの主要な要素の概要です。あなたがクリエイティブプロジェクトに取り組んでいるなら、タイムラインやプロジェクトオーディエンスなど、クリエイティブブリーフの要素もプロジェクトの要旨に含まれるかもしれません。ただし、プロジェクトの要旨はより短く、簡潔であるはずです。

[記事: クリエイティブブリーフの書き方 - 完全ガイド]

プロジェクトの要旨とプロジェクト計画の違い

本質的に、プロジェクトの要旨とはプロジェクト計画の凝縮版です。プロジェクト計画には、以下の 7 つの要素が含まれます。

  1. プロジェクト目標
  2. 成功の評価指標
  3. 関係者と役割
  4. 予算
  5. マイルストーンと成果物
  6. タイムラインとスケジュール
  7. プロジェクトのコミュニケーション計画

[記事: もう失敗しないプロジェクト計画の作り方]

プロジェクトの要旨に含まれるべき要素は、プロジェクト目標、タイムラインとスケジュール、ターゲットオーディエンス、プロジェクトスコープだけです。プロジェクトの要旨とは、上層部が確認でき、プロジェクトチームのメンバーが何度も見直せる短い文書だと考えましょう。

プロジェクトの要旨とエグゼクティブサマリーの違い

プロジェクトの要旨を作るか、エグゼクティブサマリーを作るかは、プロジェクトのスコープ (範囲) や関係者によって異なります。エグゼクティブサマリーとはプロジェクトの要旨と同様、プロジェクト情報の概要を指しますが、一般的には経営陣の関係者に向けて作成されます。上層部の経営陣と協力して大規模なプロジェクトに取り組む場合や、新プロジェクトのビジネスケースのドラフトを作成した場合は、エグゼクティブサマリーが適しているでしょう。一方、別部門のコラボレーターと協力してプロジェクトに取り組む場合はプロジェクトの要旨がおすすめです。

[記事: エグゼクティブサマリーの書き方 (実例付)]

プロジェクトの要旨の主要な要素

プロジェクトの要旨は、これから取り組むプロジェクトの概要です。プロジェクトチームがその取り組みの趣旨について共通理解を持てるよう、プロジェクトの重要箇所に関する主要な情報が含まれていなければなりません。通常、プロジェクトの要旨には以下の 4 つの要素が含まれています。

背景情報

プロジェクトの要旨の最初の部分にはプロジェクトの背景情報を入れましょう。プロジェクト背景のセクションでは、プロジェクト開始に至るまでの流れを把握していない関係者に情報を提供します。以下のような疑問に答えるようにしましょう。

  • なぜこのプロジェクトに取り組むのか?
  • プロジェクトを始めるきっかけとなったビジネスの需要、調査、フィードバックは?
  • このプロジェクトに関連する過去のプロジェクトがある場合、その結果と、そこからチームが学んだことは?
プロジェクト目標と成功の評価指標

プロジェクト計画における初期文書のほとんどには何らかの形でプロジェクト目標を入れるべきです。毎日の仕事をチームや会社の目標と結びつけることは、チームメンバーのやる気と団結力の維持やプロジェクトのスムーズな進行につながります。実際、「仕事の解剖学」インデックスによると個々の仕事が組織にどのような価値をもたらしているかを理解しているチームメンバーは、そうでないメンバーと比べて 2 倍も意欲的になるそうです。

[記事: 効果的なプロジェクト中期目標の書き方 (実例付)]

プロジェクトタイムライン

プロジェクトの要旨にはタイムラインを入れるようにしましょう。プロジェクトタイムラインはチームメンバーに重要な日時やプロジェクトマイルストーンを正確に把握してもらうのに最適です。結局のところ、プロジェクトが成功するかどうかはプロジェクトタイムラインを順守し、プロジェクト目標を予定通りに達成できるかどうかにかかっているのです。

ターゲットオーディエンス

ターゲットオーディエンスこそ、あなたがそのプロジェクトに取り組んでいる理由です。どんなプロジェクトであってもターゲットオーディエンスを示すことは重要です。そうすることでオーディエンスは誰なのか、チーム全体で共通理解を持つことができます。

明確なプロジェクトの要旨を作成するための 5 つのステップ (実例付)

プロジェクトの要旨の主な要素は 4 つですが、完成までは 5 つのステップをたどります。始めたばかりであれば、すべてまとめて書くことに慣れるまで段落やセクションに分けて書いても問題ありません。箇条書きでも大丈夫です。必要な場合は他の文書へのリンクや、画像を追加してもかまいません。結局のところ、あなたやプロジェクト関係者が有用と思えるようなプロジェクトの要旨でなければ役に立ちませんから。

1. 関連する背景を加える

プロジェクトの要旨は、関連する経緯や背景情報から始めるのが最適です。そうすることで全員が同じポイントからプロジェクトを開始でき、別部門の関係者も必要な背景情報を知った上で残りのプロジェクトの要旨 (またはその他のプロジェクト文書) を確認できます。

例:

あなたの会社が友達とオンラインゲームをプレイできるゲームアプリを開発したとしましょう。このプロジェクトでは、最新製品である「アプリ内ライブ動画体験」のリリースをサポートするマーケティングキャンペーンを展開します。プロジェクトの要旨の冒頭は以下のように書くことができます。

現在、「チャット」は 2 番目に人気の機能です (1 番はメールによるフレンドへの連絡)。84% のユーザーは、チャットをある程度利用しています。またユーザーフィードバックでは 63% のユーザーがアプリの使用中に他のプラットフォームでフレンドとビデオチャットやボイスチャットを行っていると回答しています。ビデオチャット機能をアプリ自体に組み込むことで、顧客維持力の向上、無料ユーザーの月額プランへのアップグレードが見込めると考えています。

2. プロジェクト目標と成功の評価指標を示す

プロジェクト目標とは、プロジェクトの終わりに納品するアセットや成果物のことです。優れたプロジェクト目標があれば、プロジェクトを明確に理解することができるでしょう。また、プロジェクト目標では成功の評価指標が定義されるため、完了時にプロジェクトの成功度を評価するのに役立ちます。理想は SMART なプロジェクト目標の設定です。SMART とは、すばらしいプロジェクト目標の設定に役立つ略語で、以下の 5 つの単語からなります。

  • Specific (具体的)
  • Measurable (測定可能)
  • Achievable (達成可能)
  • Realistic (現実的)
  • Time-bound (期限がある)
ビデオチャットの例だと以下のようになります。

ほとんどのユーザーが、アプリをプレイ中に別の動画サービスを利用しています。このマーケティングキャンペーンでは新機能に関する理解を深め、宣伝することで、当社サービスの利用率を高め、他のプラットフォームのビデオチャットからアプリ内新機能への移行を推進します。このプロジェクトの目標は、5月下旬のマーケティングキャンペーン終了までに、現在週に 1 回ログインしている 40% のユーザーに、月に 2 回以上アプリ内ビデオチャットを利用してもらうことです。

成功基準

  • 達成: 40%
  • ほぼ達成: 35%
  • 部分的に達成: 30%
  • 失敗: 30% 以下
3. プロジェクトタイムラインを明確にする

プロジェクト目標では、SMART の「T」の条件を満たすために期日や期間を設定することになるでしょう。しかしプロジェクトタイムラインはただの期間ではありません。プロジェクトタイムラインには、主要なマイルストーンや重要な日付などの情報が含まれます。

ビデオチャットの例だと以下のようになります。

プロジェクト期間: 3月 15日~ 5月 29日

主要なマイルストーン:

  • 3月 15日: キックオフミーティング
  • 4月 5日: 製品チームが最終的なビデオチャット製品のベータ版を納品
  • 4月 22日: 初期デザインアセット納品
  • 5月 7日: デザインアセット承認
  • 5月 17日: 製品の仕上げ & リリース準備
  • 5月 29日: リリース日
4. ターゲットオーディエンスに焦点を当てる

プロジェクトを成功させるためには、ターゲットオーディエンスや人物像を知ることが非常に重要です。関連するオーディエンス層を把握しなければ、最適なアプローチ (先ほどの例で言うところのターゲットオーディエンスに向けたアプリ開発と、そのリリースを増強するマーケティングキャンペーンの実施) は望めません。

早期にターゲットオーディエンスを定義することは、プロジェクトの範囲が当初のプロジェクト目標やタイムラインを超えてしまうスコープクリープの防止にもつながります。ターゲットオーディエンスが明確でなければ、プロジェクトの一部がやり直しになり、タイミングの遅延や予算の圧迫といった形でスコープクリープが発生してしまう可能性があります。

ビデオチャットの例だと以下のようになります。

このキャンペーンのターゲットオーディエンスは放課後や週末に友達と連絡を取り合いたい 15 ~ 18 歳の高校生です。最新のテクノロジーに詳しく、機能性の悪さやバグ、遅延に厳しいターゲット層です。

5. プロジェクト関係者とその他のリソースをつなぐ

プロジェクトプロジェクトの要旨の完成はもうすぐです。しかし、この文書の一番の目的は関係者やプロジェクトチームメンバーにプロジェクトの重要事項についての共通理解を持ってもらうことであることを忘れてはいけません。予算やコミュニケーション計画、プロジェクトにおける役割など、他にも重要なリソースがある場合があります。

プロジェクトの要旨の最後には、必要になる可能性がある関連文書へのリンクを忘れないようにしましょう。たとえばプロジェクト計画がすでに完成している場合はそのリンクを記載しましょう。プロジェクト計画がない場合は RACI 図やプロジェクトの提案、またはプロジェクトロードマップでもいいでしょう。

ビデオチャットの例だと以下のようになります。

詳しくはプロジェクト計画またはプロジェクトロードマップを確認してください。

プロジェクトの要旨の例

プロジェクトの要旨とは、プロジェクトの情報に関する数段落の文章ですが、それだけではありません。プロジェクトの要旨はプロジェクトチーム全体に重要な情報や日程を伝える手段です。信頼できる唯一の情報源として使いやすいようにまとめるようにしましょう。そうすると以下のようなプロジェクトの要旨が出来上がります。

Asana プロジェクトの要旨の例のスクリーンショット

プロジェクトの要旨の役割とは?

プロジェクト管理には多くの要素があります。プロジェクトマネージャーになったばかりなら、何を作成すべきか迷うことでしょう。こちらは各要素とその役割に関する簡単なガイドです。

  • プロジェクトゴールはプロジェクトとビジネス目標の関係をまとめた、大まかな概要です。

  • プロジェクト目標は実際の、プロジェクトの終わりに納品する具体的な成果物です。

  • プロジェクトロードマップはプロジェクト成果物、主要なマイルストーン、プロジェクトゴールに関する大まかな概要です。複雑な取り組みにはプロジェクトロードマップが非常に役立ちます。

  • キックオフミーティングとは、プロジェクトの最初に行うミーティングです。プロジェクトチームや主要関係者とつながり、プロジェクトへの賛同を得る機会となります。

  • プロジェクト計画 (プロジェクト概要) とは、実際にプロジェクトを始めるために必要な情報です。

  • プロジェクトの要旨とは、プロジェクトの主要な情報がまとめられた、チームにとっての信頼できる唯一の情報源です。

  • エグゼクティブサマリーとは、経営幹部レベルの関係者へ向けたプロジェクト計画の概要です。

  • プロジェクトステータスレポートとは、あなた (プロジェクトマネージャー) がプロジェクトチームのスムーズな作業のために、プロジェクトの全過程を通して送る進捗報告です。

  • プロジェクト事後分析は、プロジェクトチームと一緒に何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを振り返り、どういった学びが次のプロジェクトに生かせるかを話し合う機会です。

このガイドの要約: 今すぐプロジェクトの要旨の作成に取りかかりましょう。

プロジェクトの要旨は、プロジェクトの重要な情報をまとめ、その情報をプロジェクト関係者全員に、簡単にアクセスできる形で提供できる優れた手段です。プロジェクトの要旨を使えば、多すぎる情報で関係者やプロジェクトチームを疲れさせることなくプロジェクトの概要を伝えられます。

優れたプロジェクトの要旨に勝るたった 1 つのもの、それはワークマネージメントツールを使ったプロジェクトの管理です。ワークマネージメントツールを使えば、今誰が何をしているか、メンバー全員が把握できます。Asana のようなワークマネージメントツールの使用について詳しくご覧ください。

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