プロジェクトのポストモーテム会議を成功に導く 6 つのヒント

寄稿者 Sarah Laoyan の顔写真Sarah Laoyan2021年9月2日00
facebooktwitterlinkedin
プロジェクトのポストモーテムのヒント - ヘッダー画像

概要

プロジェクトポストモーテム会議とは、プロジェクト終了後に実施する会議です。その主な目的は、プロジェクトの進行の様子を振り返り、プロセスをより合理化するために今後変更するとよい点を洗い出すことです。この記事では、プロジェクトのポストモーテム会議の主なメリットと、会議をうまく進行するために求められるステップについてお話しします。

プロジェクト管理プロセスの醍醐味はなんといっても、プロジェクトそのものを無事完了させることです。そして、ここまでたどりつけたのはチームの協力のおかげです。そこで、次の計画に進む前に大切なことは、チームの業績をたたえてねぎらい、振り返る時間を持つことです。 

この「振り返り」にうってつけなのが、ポストモーテム会議です。この記事では、プロジェクトのポストモーテムの主な特徴について考えながら、会議をうまく進行するために手軽にできる 6 つの手順を紹介します。 

プロジェクトのポストモーテム会議とは?

ポストモーテム会議とは、プロジェクト終了後に実施する会議です。この会議は、プロジェクト全体で首尾よく進んだ点、改善が望まれる点を、プロジェクトチームが確認する場となります。 

プロジェクトのポストモーテム会議は、成功をたたえ、チームのワークフローを振り返り、プロセスを反復して次回に向けての改善点を見いだすことができるよい機会です。 

ポストモーテム会議の他にも、同様の目的の会議があります。代表的なものは以下のとおりです。

  • プロジェクトのデブリーフィング: もともとは軍隊用語で、任務完了時の事実確認と状況報告を「デブリーフィング」といいます。

  • 振り返り (レトロスペクティブ): アジャイルプロジェクト管理では、プロジェクトの振り返り (レトロスペクティブ) という言葉がよく使われます。アジャイルの主な目的は継続的改善であるため、スプリント期間の後に、レトロスペクティブ会議が行われるのが一般的です。

  • プロジェクトのリキャップ (要約): 典型的なリキャップとは、会議の要点を書面にまとめたものです。プロジェクトのリキャップも同様で、プロジェクト全体の重要なポイントを取り上げます。

  • 最終確認会議: 一般的には、プロジェクトの最後に、まとめや整理、後処理を行います。

  • 教訓会議: プロジェクトマネジメント協会では、プロジェクト終了時の会議をこう呼んでいます。スムーズに進んだ点、難航した点、改善すべき点について、プロジェクトリーダーが明確に把握するのに役立つ会議です。

ポストモーテムとプレモーテムの比較

ポストモーテム会議とプレモーテム会議の大きな違いは、会議が行われるタイミングです。プレモーテム会議は、プロジェクトの始動前に行われます。プレモーテム会議は、プロジェクトの失敗につながるあらゆる可能性をチームで洗い出すリスク軽減方法です。 

ポストモーテム会議は、プロジェクトの終了後に行われます。プロジェクト中に起こったことを振り返る回顧的な会議です。 

プロジェクトのポストモーテム会議を行うべき理由とは?

プロジェクトのポストモーテムは、プロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトのプロセス改善に役立つ多くのアイデアを得られる場となります。このような会議が役立つのは、特に次の点です。

過去の経験から学ぶ

プロジェクトのポストモーテム会議が重要なのは、今後のプロジェクトに備え、プロジェクトマネージャーがプロセスの合理化に役立つアイデアを得られる点です。プロジェクトで首尾よく進んだ点を振り返る時間を設けることで、そこから得たフィードバックを次のプロジェクトの計画に生かすことができます。プロジェクトで問題が発生したのであれば、取り組み方を調整するよい機会です。 

また、過去のプロジェクトでの反省点を踏まえた対策で、ミスを防ぎ、リスク軽減につながります。類似するプロジェクトが定期的に発生するのであれば、過去のプロジェクトのプロセスをベースにしたテンプレートを作成するとよいでしょう。テンプレートがあれば、プロジェクトチームは、プロジェクト計画に含めるべきアクションアイテムや成果物が何かすぐわかります。 

アジャイルプロジェクト管理手法では、レトロスペクティブとイテレーションが重要な柱となっています。アジャイルプロセスでは、イテレーションが優先されます。首尾よく進んだ点、難航した点を振り返る時間を設けなければ、次のスプリントに向けてプロセスを調整することができません。

記事: 仕事を順調に進めるプロジェクト計画の作り方

チームのコミュニケーションを活性化する

プロジェクトのポストモーテム会議の大きなメリットは、プロジェクトでの自分の役割に対するチームメンバーの気づきを、プロジェクトマネージャーが客観的な立場で聞き、振り返る機会を与えてくれることです。 

プロジェクトの成功はチームのまとまり具合次第ですので、それぞれの感じたことや体験をチームで話し合える場を作ることが重要です。それぞれが抱える問題点について話し、同じ問題が起こらないよう、次のプロジェクトに備えて一緒に解決策を考える機会なのです。

チームの士気を高める

チームの士気を高める手軽な方法として、チームが成し遂げた成果を振り返る時間を持つことがあげられます。プロジェクトを終えたらすぐに次に取りかかりたいところですが、チームが成し遂げた素晴らしい成果をたたえる時間を持つことも、チームの絆を深めるためには大切なことです。 

ポストモーテム会議は、プロジェクトの成功のために力を尽くして取り組んだチームメンバーの功績を評価できるまたとない機会です。チームメンバーの功績を評価することは、チームの士気高揚につながります。

士気を高めるためにポストモーテム会議に取り入れるとよい方法は次のとおりです。

  • プロジェクトの振り返り用テンプレートに、「成功」というセクションを追加しましょう。

  • 各チームメンバーに、プロジェクトに参加した他のチームメンバーにあてた「賞賛の言葉」を少なくとも 1 つ発表してもらいましょう。

  • 会議の前に、成功した点をいくつかまとめておきましょう。

記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響

ポストモーテム会議を成功に導く 6 つのヒント

ポストモーテムのプロセスは複雑でなくてもかまいません。ここでは、ポストモーテム会議を成功に導くための簡単なステップをご紹介します。

1. プロジェクト完了後、数日以内に会議を開く

ポストモーテムは、プロジェクトでの経験がチームメンバーの記憶に新しいうちに行うのが最も効果的です。適切な時期にポストモーテムを行えるように、プロジェクトの始動時に会議の予定を立てておくと簡単です。ポストモーテムのプロセスをワークフローに組み込んでおけば、忘れずに実施できます。

ポストモーテムの実施時期は、プロジェクト終了から数日後にするのがよいとされています。これは、プロジェクトが終了した後、チームでの振り返りを行う前に、各自が自分なりの振り返りの時間を持つことができるからです。

2. 会議前アンケートを配布する

プロジェクト終了からポストモーテム会議までの間には、チームメンバーにアンケートに回答してもらい、プロジェクトについてのメンバーの意見や感想を、事前に把握しておくといいでしょう。複数のチームメンバーが言及している問題があれば、ポストモーテム会議で重要トピックとして取り上げましょう。 

会議前アンケートの質問例:

  • 今回のプロジェクトでうまくいった点を 3 つあげてください。

  • 今回のプロジェクトで、うまくいかなかった点を 3 つあげてください。

  • 次のプロジェクトに向けて、改善できる点があれば書いてください。

話し合うべきトピックを把握したら、議題を作成して、会議の前にチームに配布します。

3. ポストモーテム会議の議題を共有する

ポストモーテム会議に限らず、議題を会議の前に共有しておくことは、よいことです。前もって最新情報を伝えておけば、チームは重要なトピックを事前に知ることができ、考えをある程度まとめておくことができます。

議題の例:

  • 導入 (2 分半)

  • 感謝表明 (5 分)

  • 首尾よく進んだ点について (5 分)

  • 改善の余地がある点について (5 分)

  • 次のプロジェクトへの提案 (5 分)

  • まとめ (2 分半)

記事: 会議を成功に導く 5 つのヒント

4. 書記と司会の担当者を決める

会議が始まる前に、書記と司会者を決めます。一人二役では会話が中断してしまうため、担当者はなるべく 2 人としましょう。主担当のプロジェクトマネージャーが会議の司会を担当し、他の人が書記を担当することが多いようです。 

バーチャル形式での会議の場合は、会議の様子を録画しておくと、出席者があとで会議を振り返ることができ、議事録を見直す際の参考にもなります。

5. 会議を開催する

実際に会議を開催する際には、会議の進め方について基本的なルールを決めておくことが大切です。司会者は通常、議題の主なトピックに沿って発言を誘導していくのですが、もしも、話が弾まない場合どうしたらよいでしょうか? 

会話を続け、プロジェクトに関する議論を促していくのが司会者の仕事です。発言を促したいときに、司会者がチームメンバーに尋ねるとよい質問の例を紹介します。

  • プロジェクト計画で設定されたスケジュールを守るのに苦労していた人はいませんでしたか?思いあたらない場合、あなたにとって障害となったことはありましたか?

  • 設定した期限までにプロジェクトを完了させるのに十分なリソースがあったと思いますか?そう思わない場合、期限を守るために、他にどんなリソースが必要でしたか?

  • 今回の経験を振り返って、もしこのプロジェクトをやり直すとしたら、何を変えますか?

  • 類似するプロジェクトにまた取り組みたいと思いますか?そう思う、または、思わないのはなぜですか?

  • このプロジェクトは成功したと言えるでしょうか?そう思う、または、思わないのはなぜですか?

このような自由形式の質問から、プロセスの進行中に自分で気づくことがなかったプロジェクトのプロセスの一面が明らかになります。このようなチームからの見解を参考にして、次のプロジェクトに向けてよりよいプロセスを検討することができます。

無料のポストモーテムの振り返り用テンプレート

6. 出席者に会議の要約を配布する

会議が終わったら、主なポイントをまとめたレポートをチームに配布しましょう。会議中に判明したアクションアイテムを必ず記載し、次のプロジェクトでチームに取り組んでもらいたい事項に関するさしあたっての考えを共有します。

プロジェクト管理に欠かせないスキルについて詳しく見る

プロジェクトのポストモーテム会議から学びを得たら、次のプロジェクトでは、プロジェクトの計画や、キックオフ会議の開催など、プロジェクト管理に重要なスキルを身につけて、プロジェクトの成功に向けて段取りよく準備を進めましょう。 

プロジェクト管理スキルを磨く方法について、詳しくご覧になりたい方は、Asana のプロジェクト管理リソースライブラリをお読みください。

関連記事

記事

What is a project sponsor? (Role + duties breakdown)