プロジェクトのキックオフミーティングを 10 のステップでパワーアップ

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins2021年3月16日00
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プロジェクトのキックオフミーティング

チームがプロジェクト始動に向けてどれだけ努力を注いだかに関わらず、開始前からすでに先行きが懸念される状況に悩むケースは多くあります。その理由は、プロジェクトのメンバーや関係者によって、知識、期待内容、優先事項がそれぞれ異なるからです。作業を開始する前に全員がその認識を統一する機会を設けない限り、後にどれだけ方向修正を試みたとしても、プロジェクト全体を通じて状況が悪化することになります。でも幸いなことに、こういった問題を最初から避けられる、プロジェクトキックオフミーティングという手段があります。

キックオフミーティングは、作業を開始する前にチームの足並みを揃える効果的な方法です。キックオフの際には、プロジェクトの目的を策定し、詳細を深く検討し、次に行うべきことを議論します。それを土台にしてスタートを切れば、プロジェクト計画を実施する際に生じるあらゆる変化に対し、チームが一丸となって臨むことができます。

プロジェクトキックオフミーティングとは?

プロジェクトキックオフミーティングとは、プロジェクトの開始前にチームメンバーやその他の関係者が顔合わせして、主要な内容について認識を合わせ、重要なマイルストーンに関する賛同を得る機会です。プロジェクト憲章が承認されてプロジェクト計画を作成したら、このプロジェクトキックオフミーティングを開催し、プロジェクトに実際に取り掛かる、という順序になります。キックオフミーティングでは、プロジェクトの目的、目標、計画などの概要を説明し、同時にチームメンバーが質問したり、次のステップを確認したりする時間を設けます。ミーティングの終了時点では、チーム全員が取り組みの内容やその理由、どのように業務を達成するかについて認識を一致させている必要があります。

キックオフミーティングの目的とは?自分のチームにとっても本当に必要?

一言で言うと、答えは「YES」です。キックオフミーティングを開催すれば、主要なプロジェクト情報をチームに伝え、その場で質問してリアルタイムで疑問点を解消する貴重な機会を提供できます。プロジェクト計画やメールの文面を通じて詳細情報を共有する方法と異なり、キックオフミーティングを開催すれば、コミュニケーションの行き違いを防ぎ、全員が同じスタート地点に立った状態でプロジェクトを始動できます。逆に、キックオフミーティングを開催しない場合、チームメンバーや関係者の間でプロジェクトに対する期待内容の不一致が生じる可能性があります。その場合、スコープクリープや、最悪の場合にはプロジェクトの失敗につながります。

とはいえ、すべてのプロジェクトで同じ形式のキックオフミーティングを繰り返す必要はありません。たとえば対顧客の仕事、または複雑な取り組みに関わるプロジェクトであれば、プロジェクトのタイプに応じて、きちんとしたプレゼンや、場合によっては製品デモなど、大掛かりな準備を伴う正式なキックオフミーティングの出番です。逆に、関係者数が少ないプロジェクトや簡易なプロジェクトなど、パワーポイント資料やプレゼンを使用しないインフォーマルなキックオフミーティングを開催できるプロジェクトもあります。

キックオフミーティングの種類

どのような種類のミーティングであっても、共通して含めるべき要素があります。しかし、プロジェクトキックオフミーティングは、すべてが同一の形式を取るわけではありません。プロジェクトキックオフのさまざまな種類を知っておけば、どれだけフォーマルな、またはインフォーマルなキックオフミーティングを開催すべきか、その程度を決める際に役立ちます。

プロジェクトチーム内部キックオフミーティング

これは、最もシンプルなプロジェクトキックオフの形態です。プロジェクトチーム内部キックオフミーティングの目的は、プロジェクトを開始する前に、プロジェクトチーム全員の認識を合わせ、足並みを揃え、不明な点について質問できる機会を設けることです。他の種類のキックオフミーティングと同様に、事前の資料作成は必要ですが、フォーマルなイベントのようなレベルの準備は必要はありません。

プロジェクト例:

必要な資料:

プロジェクトキックオフの際に上記の資料を共有することに加え、プロジェクト情報を 1 つのワークマネジメントプラットフォームで保管することが推奨されます。そうすれば、チーム全員が、主要なプロジェクト文書に簡単にアクセスできます。

役員スポンサー向けプロジェクトキックオフミーティング

役員スポンサー (エグゼクティブスポンサー) が参加するプロジェクトや取り組みにおいては、全役員の認識を一致させるため、上層部向けのキックオフミーティングを開催することが一般的です。このタイプのキックオフミーティングでは、プロジェクトの目的や目標に加え、プロジェクトが会社目標の達成にどのように貢献するかに主眼が置かるので、それらについて十分説明する準備が必要です。

役員向けキックオフミーティングでは、プロジェクトの個別のマイルストーンや詳細に時間をかけすぎないよう留意しましょう。また、プロジェクトチーム向けに、プロジェクトチーム内部キックオフミーティングも別途開催することを推奨します。

プロジェクト例:

必要な資料:

  • プロジェクトが事業に与えるインパクトを会社目標に関連付けて、明確に定義したプロジェクト目的。

  • 該当する場合は、このイニシアチブのために作成したビジネスケース

  • プロジェクトの完了時点で達成予定の内容をステークホルダーに示す、簡潔なプロジェクト目標

  • プロジェクトの主要情報 (成功指標、プロジェクトのスケジュール、関係者など) をまとめたプロジェクト計画

  • プロジェクトの重要タスクのタイムラインを俯瞰するプロジェクトロードマップ

  • これらの主要情報をすべて含むプロジェクトの要旨。キックオフミーティングでは、プロジェクトの要旨の簡易版を紹介し、詳細は各自ミーティング後に確認できるよう、関係者と文書を共有します。

  • 正式なプレゼンまたはパワーポイント資料。

社外または対顧客プロジェクトキックオフミーティング

顧客向けプロジェクトに取り組む場合には、自社プロジェクトチームと顧客側の主要関係者の両者がプロジェクト目標と成果物について認識を共有するためのキックオフミーティングを開催する必要があります。これは、プロジェクトキックオフミーティングのうち、最もフォーマルなタイプになります。

この種のプロジェクトキックオフは、期待内容を定め、プロジェクト目標について認識を一致させる機会となります。キックオフミーティングの開催時には、プロジェクトチームを紹介し、顧客とのコミュニケーションの頻度について合意し、効果的なコラボレーションの目指す姿を明確化する時間を取ります。顧客の参加が必要な評価のタイミングや、プロジェクトの進捗を伝える方法については、両者の理解が必要です。

プロジェクト例:

必要な資料:

アジャイルプロジェクトキックオフミーティング

ほとんどのアジャイルチームでは、2 週または 4 週ごとに繰り返される仕事のサイクルである「スプリント」に基づきプロジェクトを進められます。新たなスプリントのたびに毎回プロジェクトキックオフを行うことは、逆にプロジェクトのスピードを落とすことになるので、必要ありません。しかし、チーム全員の足並みを揃えるために、年 1 回以上はプロジェクトキックオフミーティングを計画することを推奨します。また、チームが新しいプロジェクトを開始する場合や、新しいチームメンバーを迎える場合には、全員の認識合わせのため、プロジェクトキックオフミーティングを開催することをおすすめします。

アジャイルプロジェクトキックオフミーティングは、スプリント中にチームが必要とするものをすべて準備する機会です。そのため、スプリント計画スプリントの振り返り会議を活用すれば、継続的改善に取り組めます。

必要な資料:

  • チームにとって「完了」が意味することの定義を含む成功基準。

  • 各メンバーの役割を正式に定めたプロジェクト体制。特にスクラムを実行しているチームではこれが重要になります。

  • チームの開催イベントとそのタイミングの一覧。

  • チームがコミュニケーションを取る場とその手段を明確に定めたコミュニケーション計画 (例: Slack、メール、Asana)。

  • チーム内の毎日のスタンドアップミーティングの議題。

プロジェクトの効果的なキックオフミーティングを計画し、開催するための 10 のステップ

主要な取り組みにおけるプロジェクトマネージャーの責任には、プロジェクトキックオフを計画し、ミーティング当日にプレゼンテーションを行うことが含まれます。同様に、より大規模な取り組みにおいても、ほとんどの場合には、プロジェクトマネージャーが取り組みのキックオフを計画し、ミーティングの司会進行を務めます (もちろん個々のプロジェクトリーダーも各自担当部分の説明を行います)。

キックオフミーティングを計画したことがなくても、心配は無用です!効果的なキックオフミーティングを開催するための 10 のステップを以下に紹介します。

1. ミーティングの準備をする

プロジェクトキックオフミーティングを開催する上で、最初のステップは、ミーティングの参加者と所要時間を決定することです。準備作業の程度と詳細の度合いは、どれほど正式なキックオフミーティングが必要か (たとえば、役員関係者や社外パートナーを招待するミーティングなのか、それともプロジェクトチーム内部の主要メンバーのみのインフォーマルなキックオフなのか) により決まります。ミーティングに向けて、以下を準備しましょう。

  1. 招待者リストを最終化する。この段階では、開催したいプロジェクトキックオフミーティングの種類は明らかになっているはずなので、それにより参加者も決められます。ミーティングの招待を送信する前に、必ず参加者一覧を再度確認し、重要なプロジェクト関係者を全員含めたかチェックしましょう。

  2. 日時を予定に入れる (所要時間を含む)。質疑応答の時間も必ず確保しましょう。

  3. 議事録作成者を任命する。ミーティングに出席できない関係者用に、議事録を取る記録係を任命しましょう (自分以外)。オンラインのミーティングを開催する場合は、出席できないメンバーが後で確認できるよう、録画することも検討しましょう。

  4. ミーティングの議題を作成する。事前にミーティングの議題を送信しておけば、全員が十分に準備が整った状態でプロジェクトキックオフに参加できます。また、ミーティングの議題の送信は、事前に確認してもらいたいプロジェクト計画やタイムラインなどの資料を参加者と共有するよい機会でもあります。

プロジェクトキックオフミーティングの議題例

[Task] Meeting agenda, project kickoff in Asana無料ミーティング議題テンプレート

2. 参加者を紹介する

プロジェクトチームの初回ミーティングである場合には、過去に一緒に仕事をしたことがないメンバーがいるかもしれません。まず、自己紹介またはアイスブレイク質問から始め、全員が知り合う機会を設けましょう。

3. 初めにプロジェクトの目的を説明する

プロジェクトキックオフミーティングの際に、最も重要なのは、仕事を通じて目指すもの、そしてそれが大切な理由が何であるかについて認識を統一することです。直近の調査によれば、自分の仕事の会社目標との関連性について十分明確に理解できていると感じている従業員は、全体の 26% にすぎません。このように透明性を欠けた状態では、チームメンバーは、どの仕事を優先すべきなのか判断する方法も、変化する優先事項を管理する方法も持ちえません。

プロジェクトの目的を共有する際には、プロジェクトが事業全体の目標、会社目標とどのように関連するのか説明する時間を取りましょう。そして、「このことに取り組んでいる理由は何か」、「目指しているものは何か」という問いへの答えを明らかにしましょう。ミーティングの後の時点で、プロジェクトの詳細や個別のワークフローをより詳しく説明する機会がありますが、ミーティングの冒頭でプロジェクトの目的を共有すれば、全員が同じ理解のもとスタートできます。

プロジェクトの目的例

このプロジェクトの目的は、第三四半期に、デジタルブランドキャンペーンを通じて、北米、欧州、中東、アフリカ地域におけるブランド知名度を高めることである。

4. プロジェクト計画を共有する

理想的には、プロジェクト計画をミーティングの議題に含め、参加者がミーティング前にそれを読んでおけるよう準備することを推奨します。プロジェクトキックオフミーティング中には、プロジェクト計画の詳細をすべて説明する必要はなく、プロジェクトのタイムライン、重要なマイルストーン、主要成果物など、主要な情報に焦点を絞りましょう。

プロジェクト計画例

[リストビュー] Asana を使ったブランドキャンペーンプロジェクト計画 (スプレッドシートタイプのリスト)プロジェクト計画用の無料テンプレート

5. プロジェクトスコープを概説する

全員の認識を合わせて議論すべき最も重要なことの 1 つに、プロジェクトのスコープに含まれるのは何かということがありますが、同等に重要なのは、スコープ外のものは何かという情報です。全員が初めに共通の認識を持たないと、後に危機が発覚した時には手遅れだったり、プロジェクトが進行するにつれて成果物が変わったりといった状況につながります。プロジェクトの遅延や失敗の原因となるスコープクリープを防ぐ最善の方法は、早い段階から頻繁にプロジェクトスコープを明確化することです。

プロジェクトスコープ例

プロジェクト目標: 第三四半期にディスプレイ広告と動画広告の配信を開始し、北米、欧州、中東、アフリカ地域におけるブランド知名度を高めること。

リソース:

  • ブランドデザインチーム (6 名)、週 15 時間 x 4 週間

  • メディア費予算 500 万円

成果物:

  • ランディングページのデザイン

  • ディスプレイ仕様書に基づくサイズのディスプレイ広告 (A/B テスト用に 2 種類)

  • 動画仕様書に基づくサイズの動画広告 (6 秒および 30 秒の広告)

クリエイティブな要件: ディスプレイ

  • アニメーション全体を通じてロゴと CTA を表示

  • スタティックバナーと HTML5 バナーの両方が必要

動画

  • 最初の 5 秒以内にブランディングを表示

  • ボイスオーバーを含む

ランディングページ

  • 広告とランディングページを通じて、視覚的経験の一貫性が必要

スコープ外:

ブランドキャンペーンのアセットを翻訳

6. プロジェクトでの役割と責任を決定する

これは、シンプルな社内プロジェクトでは不要な場合もありますが、プロジェクトチームのメンバーが過去に一緒に仕事をしたことがなかったり、社外パートナーを含む場合には必ず、役割と責任について全員の認識を合わせることが必要です。「プロジェクトの主要な連絡窓口は誰なのか」、「プロジェクトにスポンサーまたは役員リーダーはいるのか」、「承認者または承認者のグループはいるのか」といった点を明確にしましょう。

プロジェクトのどの段階で情報共有が必要となるのかは、個々の関係者により異なります。役割と責任に関して、プロジェクトチームの認識がキックオフ時に明確でない場合には、RACI 図を作成し、共有することをアクションアイテムにしましょう。

プロジェクトの役割分担例
  • 実行責任者: 段田 勝也

  • 説明責任者: 川添 紀夫

  • 協業先: 菊井 紗代、武川 智幸

  • 報告先: 芥川 佳美

7. プロジェクトデータとリアルタイムの情報更新をどこで追跡するのかを共有する

一般的な知識労働者は、情報を追いかけたり、文書を検索したりといった「仕事のための仕事」に勤務時間の 60% を費やしています。仕事のための仕事がこれだけ多いことは、よりインパクトの大きい仕事に注ぐ時間が奪われていることを意味します。

仕事のための仕事を減らし、チームの効率性を高めるためには、プロジェクトのすべての主要作業に関し、信頼できる唯一の情報源を使用しましょう。プロジェクトのすべての情報を 1 つの場所で簡単に入手できるようにすれば、チーム全員がプロジェクト文書を迅速に検索し、リアルタイムの情報更新を取得し、重要なプロジェクトマイルストーンを確認し、プロジェクトの成果物について常に最新の情報を把握できます。

8. 質問の時間を設ける

キックオフ後、ミーティング中に説明した内容、たとえばプロジェクトのスコープや特定のタスクに関する期待内容などについて、プロジェクトチームからの質問が生じるかもしれません。プロジェクトキックオフで目指すのは、全員の認識が揃い、始動に向けて準備が整った状態でミーティングを終えることなので、キックオフミーティングの最後に、質疑応答の時間を十分取ることが大切です。

9. 次のステップを概説する

プロジェクトのキックオフミーティングの最後の部分は、「次のステップは何か」という問いに答えるものであることが大切です。この時点では、次のステップの仕事内容がどこに記録されているのかを明確にし、ミーティング中に特定したアクションアイテムを再度確認しましょう。チームが今後最初に行う作業を簡単に説明することも推奨されます。

今後プロジェクトのステータス更新を共有する場と方法について明確にしましょう。会議の数が多すぎることは、2021年に生産性を下げている 3 つの主な障害の 1 つです。対面またはオンラインのステータスミーティングを計画するかわりに、ワークマネジメントシステムを通じてプロジェクトステータスレポートをバーチャルに共有することを検討しましょう。そうすれば、どのような変化が新たに生じても、チームメンバーが効率的に、足並みを揃えて連携し合えます。

10. ミーティング後の To-Do

ミーティングが無事完了したら、共有したプロジェクト内への議事録のアップロードを議事録担当者にお願いしましょう。オンラインのミーティングの場合は、ミーティングの録画または書き起こしも必ず共有しましょう。最後に、ミーティングで決定されたアクションアイテムがある場合には、それを必ず記録し、適切な担当者に割り当てましょう。

キックオフミーティング後

プロジェクトのキックオフミーティングを終えたら、プロジェクトの作業開始に向けた準備は完了です。プロジェクトキックオフ後にもチームのまとまりと情報の明確性を維持する最善の方法は、信頼できる唯一の情報源をもとにコラボレーションを進めることです。たとえば、ワークマネジメントツールなどを使用して、1 つの場所ですべての仕事、ステータスアップデート、メッセージを共有すれば、チームが 1 つになって前進する状態をプロジェクトの最後まで保てます。

チーム全員が、To-Do はもちろん、それが大切な理由も、仕事を完成させる方法も明確に把握できる Asana の使用方法について、詳しい情報をご覧ください。

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