作業分解図 (WBS): 知っておくべきすべてのこと

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年6月30日00
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作業分解図とは、複数の階層から成るプロジェクトを分割して視覚的に図示したものです。簡単に言えば、プロジェクトに必要な成果物をより把握しやすく視覚化する方法です。

視覚的に表示する作業分解図は、ワークフロー管理ソフトウェアと特定のツールを使って作成します。これらのツールには、タイムライン、かんばんボード、カレンダーなどがあります。

この記事では、作業分解図に何を盛り込むべきかを詳しく説明し、よく使用されるツールでの作成例を紹介します。

プロジェクト管理における作業分解図とは?

まず、作業分解図 (WBS) とは何かを詳しく見ていきましょう。プロジェクトマネージャーは、チームのためにプロジェクトや依存関係にある成果物を視覚化する目的で作業分解図を使用します。

作業分解図は、複雑なプロジェクトスコープに取り組む際や、チームメンバーがリストよりも視覚的な資料を好む場合に特に有効です。視覚化の形式についてプロジェクトマネージャーごとに好みは分かれても、どの作業分解図にも含まれる、カギとなる要素がいくつかあります。

視覚化の形式に関わらず、作業分解図には必ず以下を記載します。

次に、サブタスクの成果物を基本に、作業の階層構造を整理します。多くの場合、プロジェクトは複数のタスクレベルから構成されています。タスクレベルは、必要な業務や全体のプロジェクトのタイムラインに基づいています。

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作業分解図のレベル

作業分解図のレベル (階層) は、依存関係に基づいてタスクを分割する際に便利です。プロジェクトは千差万別のため、作業分解図のレベルも同様にまちまちです。プロジェクトはなんらかの依存関係があるものがほとんどですが、深い階層の依存関係は不要なプロジェクトもあるでしょう。

作業分解図のレベル

WBS には、主に 3 つの依存関係のレベルがあります。ただし、WBS によってはレベルがそれ以上にも以下にもなる場合があります。各レベルは親タスクに結びついており、親タスクを完了するために必要な業務が依存関係によって整理されています。

作業分解図の最上層に位置する 3 つの依存関係を見てみましょう。

レベル 1

作業分解図のレベル 1 は、親タスクが含まれるため、プロジェクトを最も簡易的に示したものになります。これは通常、プロジェクトの目標と一致します。

たとえば、プロジェクトチームがウェブサイトデザインのリニューアルに取り組んでいるとします。その場合の WBS の レベル 1 は次のようになります。

  • ウェブサイトのデザインを刷新する

ご覧の通り、シンプルで一目瞭然です。レベル 1 は、基本的な目標、すなわちプロジェクト管理の様々なフェーズの第一段階に当たります。この目標を達成するために必要な業務は、レベル 2 や 3 に登場します。

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レベル 2

ここから、プロジェクトのスコープに応じて分解図は少し複雑になっていきます。WBS のレベル 2 には親タスクのサブタスクが含まれます。これを依存関係ともいいます。

それでは、先の例のウェブサイトのデザインを刷新するために必要なタスクを見ていきましょう。

  • ブランドのガイドラインを見直す

  • メッセージングフレームワークを作成する

  • ロゴのデザインをリニューアルする

  • 新しい写真を追加する

レベル 1 より少し詳細になりましたが、レベル 2 はまだ、プロジェクト目標の達成に必要な依存関係の概要に過ぎません。

レベル 3

WBS の次のレベルは、これらの依存関係をさらに細かいサブ依存関係に分類します。これには、レベル 2 のタスクを完了するために必要な業務が含まれます。

上記のタスク例を WBS のレベル 3 に分解すると、次のようになります。

  • ブランドカラー

  • ブランドのムードボード

  • UX (ユーザーエクスペリエンス) デザイン

  • 見出し

  • ミッションステートメント

  • トーンのガイドライン

  • スケッチ

  • モックアップ

  • 最終デザイン

  • 写真撮影

  • 写真編集

  • 最終選定

レベル 3 は、各タスクを個別のサブ依存関係に分割するステージです。ご覧のように、プロジェクトの目標を達成するための業務は、ずっと明確になっています。どれだけ具体的に視覚化したいかによって、さらにレベルを追加することもできます。

作業分解図に含まれるもの

作業分解図は、基本的には工程の階層を視覚的に整理した、簡易的なプロジェクト計画です。つまり、WBS には、目標、成果物、タイムライン、主要な関係者といった、優れたプロジェクト憲章に含まれる要素がすべて揃っていなくてはなりません。

作業分解図に含まれるもの

作業分解図を作成するに当たって、まず何を盛り込むかを知る必要がありますが、その点についてはすでに解説した通りです。ここでは、作業分解図に含めるべき重要な要素を詳しく見ていきます。

WBS 辞書

新しくプロジェクトの作業分解図を作成するに当たっては、まず WBS 辞書から始めましょう。従来の辞書とは違い、WBS 辞書の主目的は、各タスクを詳細に説明することです。適切に作成された WBS は視覚的であるために、詳細な説明を書き込む余地がありません。辞書を作ることで、チームメンバーが様々なタスクの必要な詳細を簡単に把握できるようになります。

辞書を作成するのはプロジェクトマネージャーですが、各部門のチームメンバーの協力を求めることにもメリットがあります。これによって、辞書の利便性が高まり、あらゆる項目に正しい説明がつけられるようになります。

辞書に含めるべき項目の例:

項目はいくつでも追加できますが、最も考慮すべきポイントは、タスクの達成に必要なプロジェクトの業務について、チームメンバーが情報を見つけられるようなリソースを作成することです。

タスクの説明

タスクの説明には、タスク名と、目標に関する簡単な説明を入れます。WBS には詳細な説明を記載する余地がないため、追加情報は WBS 辞書にまとめましょう。

タスクの説明は、チームメンバーがタスクの内容を短時間で簡単に把握できるようにするものです。そのため、この段階ではまだそこまで詳細にこだわる必要はありません。

タスクの担当者

タスクの担当者は、責任の所在とコミュニケーションの両方の点で明記しておくべき重要な情報です。情報が見つけやすいほど、タスク達成までの時間が短縮されます。多くの場合、プロジェクトマネージャーがタスクの担当者ですが、タスクのタイプによっては、部門長や経営者も担当者になる場合があります。

プロジェクトの情報を探して時間を無駄にはしたくないものです。タスクの担当者を割り当てることで、プロジェクト関係者は適切な担当者に速やかに質問できるため、チームの生産性を向上できます。

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タスクの予算

必ずとは限りませんが、大規模な予算を要するプロジェクトは、注意深く管理する必要があります。予算が守らているかを簡単に管理するには、タスクの予算上限を設定しておくと便利です。

予算の管理を行わないと、予想より支出が増え、利益率が下がってしまうことになります。ですから、全体予算だけでなく、個別のタスクのコストも必ず管理するようにしましょう。

完了日

目標とする完了日を把握することが重要なのは言うまでもありません。しかし、完了日の変更を念頭においておくことも大切です。

定められた期間を超過しているプロジェクトをいくつも管理するのは大変ですが、避けられないこともあります。スケジュール表やプロジェクト管理ツール内で各タスクを細かい作業に分割して、進捗を正しく管理しましょう。スケジュールの遅れをリアルタイムで把握できるため、締め切りの問題が重なって本来の完了日にプロジェクトが終わらないといった事態を回避できます。

タスクステータス

すばやい進捗確認のためには、スケジュールの管理と合わせて、タスクのステータスを記録することも重要です。記録方法はいくつかありますが、多くのチームは、保留、進捗中、完了といった用語を使用しています。

これによってタスクの進捗を管理しやすくなるだけでなく、チームの生産性を俯瞰的に把握できます。たとえば、一部のチームがタスクを完了できないことが続くなら、根本的な問題が隠れている可能性があります。このように、チームの仕事量やコミュニケーションのつまづきが大きな問題に発展する前に、それらを解決することができます。

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作業分解図の作り方

それではいよいよ作業分解図を作成しましょう。WBS は仕事の階層構造を視覚的に示すものであり、様々な作成方法があります。あなたとチームにとって最適な方法を選べるのが WBS の魅力です。

作業分解図の作り方

チームで一般的に使用される視覚ツールには、タイムライン、かんばんボード、カレンダーがあります。使用しているソフトウェアごとに、少し違う機能もあるかもしれませんが、ここではこの 3 つのツールを紹介し、それぞれを使った WBS の作成方法を細かく解説します。

タイムライン (ガントチャート)

タイムラインは、カラフルに楽しく仕事を視覚化する優れたツールです。また、WBS に必要な機能も揃っています。フローチャートやガントチャートとも呼ばれる、タイムラインの機能をいくつかご紹介します。

  • 従来のスプレッドシートをインポートする

  • 進捗状況を追跡する

  • タスクを調整する

  • 依存関係によってタスクをつなげる

  • 期日の変更を調整する

  • タスクの担当者を割り当てる

  • 未スケジュールのタスクをまとめておく

  • 色別の管理を調整する

  • レベルごとにセクションで分類する

  • タスクの絞り込みやソート

WBS の作成を始めるには、既存のスプレッドシートのインポートや、タイムラインツールで直接作成するなど、様々な方法があります。タイムラインは、視覚的なレイアウトと機能の調整が自在な点が、かんばんボードとカレンダーとは異なります。どの視覚化ツールがチームに適しているかは、お好みで判断してください。

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かんばんボード

かんばんボードはタイムラインと似ていますが、視覚的なレイアウトが異なります。かんばんボードは、タスクを横長のタイムラインで整理するのではなく、数枚のボードを並べたようにデザインされています。かんばんツールは、次のような機能によってプロジェクトの進捗維持に貢献します。

かんばんボードも、WBS の作成に適したツールで、特に日常のリソース管理によく使用されています。このツールの長所の 1 つが、タスクの詳細を前もって確認できる点です。そのため、WBS 辞書を作成できない場合には、かんばんボードがおすすめの選択肢になります。

この方法で WBS を作成するなら、かんばんボードで仕事を階層化することから始めましょう。

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カレンダー

WBS 作成の 3 つ目の選択肢が、チーム用のカレンダーツールを使用することです。タイムラインやかんばんボードに比べると WBS に使用されることは少ないものの、プロジェクトを視覚化するには優れたツールです。また、大規模なプロジェクトでは、1 日単位、週単位、月単位でビューを切り替えられるため、非常に便利です。

プロジェクトの進捗を維持する上で便利なカレンダーの機能は次の通りです。

  • 従来のスプレッドシートをインポートする

  • 進捗状況を追跡する

  • タスクを調整する

  • 依存関係によってタスクをつなげる

  • 期日の変更を調整する

  • コミュニケーションを一元化する

  • 他のカレンダーと連携する

カレンダーは WBS 作成に活用できる優れたツールで、他の 2 つのツールとは違った形でプロジェクトを視覚化します。カレンダーを使って WBS の作成を始めるには、既存のスプレッドシートをインポートするか、カレンダーツールで新しいプロジェクトを作成します。

記事: プロジェクト計画を視覚化する 3 つの方法: タイムライン、カレンダー、ボード

作業分解図の例

WBS を構成する要素と、様々なツールを使って WBS を作成する方法について見てきたところで、今度は具体例をご紹介しましょう。どのツールで作成するかによって多少の違いはあるかもしれませんが、必ずこの例と同様のタスクの階層構造やレベルが含まれるはずです。

作業分解図の例

WBS 作成の際の参考として、先に登場したプロジェクト内容をもとに作成した作業分解図の例をご紹介します。

WBS の名前: ウェブサイトデザイン

説明: 新しいブランディングに基づき、旧ウェブサイトデザインを刷新する。

完了日: 2021年 9月 15日

予算: 50,000 ドル

レベル 1: 

  1. ウェブサイトのデザインをリニューアルする

レベル 2:

  1. ブランドのガイドラインを見直す (完了)

  2. メッセージングフレームワークを作成する (完了)

  3. ロゴデザインのリニューアル (進行中)

  4. 新しい写真を追加する (保留)

レベル 3:

1. ブランドのガイドラインを見直す

  • ブランドカラー — 菊井 紗代

  • ブランドのムードボード — 菊井 紗代

  • UX のデザイン — 武川 智幸

2. メッセージングフレームワークを作成する

  • 見出し — 段田 勝也

  • ミッションステートメント — 段田 勝也

  • トーンのガイドライン — 段田 勝也

3. ロゴデザインのリニューアル

  • スケッチ — 川添 紀夫

  • モックアップ — 菊井 紗代

  • 最終デザイン — 菊井 紗代

4. 新しい写真の追加

  • 写真撮影 — 川添 紀夫

  • 写真編集 — 菊井 紗代

  • 最終選定 — 川添 紀夫

プロジェクトの規模や複雑さ、スケジュール、選択したソフトウェアによって、WBS の見え方は異なるため注意が必要です。いずれにせよ、こうした細かい業務内容の一つひとつが依存関係で結ばれ、プロジェクトの視覚的な階層構造を形作るのです。

作業分解図を使いこなす

こうして見てくると、作業分解図 (WBS) を作成するのはそう難しくありません。コツさえつかめば、タスクの階層構造が視覚化されるおかげで、プロジェクトマネージャーにもチームにもメリットしかないでしょう。ワークマネジメントツールを使えば、視覚的に理解するタイプの人も、言語的に理解するタイプの人も、誰もが WBS を活用できます。

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