ガントチャートとは?作り方とメリット、デメリットを解説

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2022年11月14日
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概要

プロジェクトマネジメントにおける代表的なフレームワーク「ガントチャート」。この記事では、数多くあるプロジェクト管理フレームワークの中でも人気が高いガントチャートの作り方とメリットなど、基本知識について詳しく解説します。

更新: この記事は、ガントチャートに含まれる要素と、ガントチャートにおけるクリティカルパスの役割に関する記述を含めて 2022年 11月に改訂されました。

プロジェクトの進捗管理やスケジュール管理などで用いられる「ガントチャート」。意味や作成方法をご存じですか?突然「ガントチャートを作っておいてほしい」と頼まれたら、すぐに作成に取り掛かれますか?

この記事では「ガントチャート」とは何か、その定義や使用目的、作成方法、メリット、デメリットを徹底解説します。ガントチャートの基本をマスターして、今後のプロジェクトマネジメントに役立てましょう。

プロジェクトを計画する際は、祝日がすでに記載されているカレンダーを使って効率的に行いましょう。詳しくは『2023年カレンダーを活用してプロジェクトカレンダーを作る』記事をご覧ください。

ガントチャートとは?

ビジネスシーンでよく使用される「ガントチャート」。まずはその意味から確認しましょう。ガントチャートとは、プロジェクト管理などで工程管理に用いられる管理表です。英語では Gantt chart や Gantt-Diagramm と呼ばれています。ガントチャートは、プロジェクトやプログラム、仕事のタイムラインを横長の棒グラフ (バー) を使ってチャート形式で図示する、次のような表のことをいいます。

[製品 UI] Asana で依存関係と期日を含めて整理したガントチャートプロジェクトのタイムラインビュー (タイムライン)

ガントチャートの目的は?

ガントチャートの目的は、プロジェクトや作業計画の視覚化、可視化です。上の表にある各バーは、プロジェクトのステップやタスクを示し、バーの長さはそれにかかる時間を表しています。ズームアウトして全体像を俯瞰すれば、どの作業を誰がいつ完了する予定なのかもすぐに把握できる仕組みです。プロジェクトのタイムラインやマイルストーンなどを視覚的に捉えることができるため、プロジェクトの見える化に非常に有効なツールとして知られます。

タイムラインテンプレートを作成

ガントチャートに含まれる要素

ガントチャートには通常、次の内容が含まれます。

  • タスクの日付との期間

  • タスク

  • タスクの担当者

  • マイルストーン

また、多くの場合、ガントチャートは、プロジェクトタスクの依存関係、担当者、日程が近い重要な締め切りやマイルストーンなどの追加情報も提供します。ダイナミックなガントチャートを使えば、チームメンバーは、自分の担当業務や、自分の仕事がプロジェクト全体にどのような影響を与えるのかを、一目で確認できるようになります。

プロジェクトのタイムラインを Asana で設定する

ガントチャートにおけるクリティカルパスの役割

ガントチャートを作成する際には、クリティカルパスの役割を理解することが重要です。クリティカルパス法は、個々のタスクが後続のタスクの遅延を引き起こし、プロジェクト全体の遅れや期限超過を引き起こす可能性を軽減するためのアプローチです。

ガントチャートを使えば、プロジェクト全体を成功させ、計画通りに終了させるために実行しなければならないタスク、つまりクリティカルパスを特定できます。

ガントチャートの歴史

プロジェクトのスケジュール表として人気の高いガントチャートですが、そもそもガントチャートの起源はいつ頃まで遡るのでしょうか?最も古いガントチャートは、ポーランドの経済学者 Karol Adamiecki 氏により発明されました。1896年に考案されたこのチャートは harmonogram と呼ばれます。Adamiecki 氏は調査結果をロシア語とポーランド語で出版しましたが、英語圏の国からこの情報にアクセスするのは困難でした。その後 1910年に、Henry Gantt (ヘンリー・ガント) 氏が独自に米国で同様のチャートを普及させます。こちらは工場で働く労働者が、与えられたタスクにどれくらいの時間を費やしたかを表すために考案されたものでしたが、後にこれらの 2 つのシステムは統合され、私たちが知る現代のガントチャートが生まれました。

工場で働く従業員の仕事を追跡することから始まったガントチャートは、その後プロジェクトのスケジュールを追跡する方法となり、普及していきます。初期のものは紙に描かれていたため、スケジュールが変わったときはいつもチャートを書き直さなければなりませんでした。その後、プロジェクトマネージャーたちは紙切れやブロックを使用してガントチャートのバーを表し、必要なときにそれらを動かせるように改善。現在では、ワークマネジメントツールをはじめとするクラウド型ツール上で用いられるのが一般的となっています。

ガントチャートの作り方

1. 時間範囲を定義する

2. 開始日と期日のあるタスクを追加する

3. 依存関係を明確にする

4. マイルストーンを明確にする

5. 計画の変更に合わせて仕事を調整する

プロジェクトのスケジュールをバーグラフで追跡して、正確なタイムラインや進捗を確認できるガントチャート。タスク間の依存関係を明確にし、プロジェクトのマイルストーンをピンポイントでチェックできるソフトウェアを使うようにしましょう。

では、ガントチャートのやり方は具体的にどのようなものなのでしょうか?ここでは、ガントチャート作成時に必ず実行すべき 5 つのステップに沿ってご紹介します。見やすいガントチャート作成ができるよう、ひとつひとつ確認してみてください。

ガントチャートテンプレートを作成

1. 時間範囲を定義する

ガントチャートは開始日と終了日があるプロジェクトで使います。プロジェクトをタイムラインで書き表すのがガントチャートだと考えましょう。タイムラインには、始まりと終わりが必要です。

ヒント: プロジェクトには明確な終点があるべきですが、ゴールに到達した後も、クライアントとの間に何らかのフォローアップタスクが発生する可能性があります。そのようなアイテムについては、後から日付を追加しなくてはいけない場合があります。

2. 開始日と期日のあるタスクを追加する

広範なプロジェクトのタイムラインの中で、ガントチャートに開始日と終了日が指定されたタスクを組み込むと、バーグラフとして可視化できるので、その効果が最も発揮されます。タスクの開始日を追加しないと、タスクは時間の流れの中の一点として表示されるため、全体像の中で可視化することが難しくなります。

ヒント: 開始日と終了日を明確にすることで、チームはいつからそのタスクに取り掛かるべきかを容易に把握できます。そうすれば、明日締め切りの大きなプロジェクトに不意を突かれることもなくなります。

3. 依存関係を明確にする

このような大きなプロジェクトでは、他のタスクが完了するまで開始できないタスクがあるのは当然のことです。プロジェクトをスムーズに進め、すべてのチームの足並みを揃えるために、ガントチャートでタスク間の依存関係を可視化できます。

下の例では、製品ブログの記事を公開できるかどうかは、ブログ記事の推敲に依存しており、推敲もまた記事のドラフト作成に依存しているのです。同様に、メールキャンペーンもメールの下書きを書き終えてからでないと開始できません。これらのタスクの間に依存関係の線を引くことで、次のチームがプロジェクトのどのフェーズで作業を開始できるかを常に把握できるようになります。

ガントチャート製品マーケティングローンチ計画

4. マイルストーンを明確にする

ガントチャートの多くのタスクと異なり、マイルストーンは時点が固定されています。マイルストーンは、大きな仕事のピースが完了したことを示すチェックポイントと考えましょう。これによってチームは優先すべきものを確認できますし、マイルストーンの達成は、成果を祝うよい機会になります。

ヒント: マイルストーンはプロジェクトの各フェーズの最後に設定されることが多いですが、チームやプロジェクトによって異なるため、マイルストーンの作成方法は一つに限られているわけではありません。マイルストーンの例としては、以下のようなものが考えられます。

  • 会議

  • プロジェクトの承認

  • タスクの開始点

  • フェーズの中間チェックイン

  • フェーズの終点

5. 計画の変更に合わせて仕事を調整する

計画は必ず変わるものです。あなたのニーズに柔軟に適応できるガントチャートソフトウェアが必要なのはそのためです。タスクを簡単にドラッグ & ドロップし、依存関係をリアルタイムで自動的に更新できるツールを探しましょう。そうすれば、計画が変化しても常にプロジェクトを順調に進めることができます。

Asana でプロジェクトを計画する

ガントチャートの例

ガントチャートはさまざまなプロジェクトやプログラムに使用できますが、一般的な活用例をいくつか見て、ガントチャートが使われる理由を理解しておくとよいでしょう。以下に 3 つの活用例を示します。

  • 複雑なプロジェクトを作成し、管理する: プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、管理しなければならないタスクは多くなります。ガントチャートを使えば、プロジェクトマネージャーはプロジェクトを簡単に視覚化し、小さなタスクに分割できます。

  • タスクの依存関係をモニタリングする: プロジェクトに遅れはつきものです。プロジェクトマネージャーはガントチャートを使って、タスクの依存関係を自動化し、前のタスクが終了するまで次のフェーズやタスクが開始されないようにモニタリングできます。

  • プロジェクトの進捗を把握する: ガントチャートで進捗状況やマイルストーンをモニタリングすることで、必要に応じて簡単にプロジェクト計画を調整できます。

ガントチャートを使用すべき場面

ガントチャートの一般的な使い方を 3 つご紹介します。

1. マーケティングキャンペーンを綿密に計画する

規模の大きなマーケティングキャンペーンはたくさんのコラボレーションと調整が必要で、進行中の仕事の現状を見失いやすくなります。ガントチャートは担当者が割り当てられている一連のタスクとそれぞれにかかる時間の概略を示すことでプロセスを合理化します。これにより、チームは誰が何を担当しているのかということに限らず、それぞれの仕事がどのようなかたちで他の仕事やより大きな目標に影響するのかということも知ることができます。

2. クライアントに対して成果物の概略を示す

ガントチャートは、クライアントにすべての成果物のタイムラインを提示し、それぞれの暫定所要時間を設定するのに役立ちます。このように計画の概要を開示することで、成果物の完成に必要な作業とそれぞれに要する時間を関係者やクライアントに提示できるので、クライアントは納品日だけでなく、いつ作業が行われているのかも知ることができます。

3. 製品リリースを計画する

製品リリースの場合は、検討段階からリリース、そしてその先にいたるすべてを綿密に計画するためにガントチャートを使用すると便利です。これをガントチャートで視覚化することで、作業を開始する前に競合する箇所を簡単に発見し、ステップ間の依存関係を確認し、リリースまでに行われるすべてのステップとそれがいつ行われるのかを示す明確な概要を得ることができます。

ガイドをダウンロードする: Asana による製品リリースの完全ガイド

ガントチャートのメリット

ガントチャートの意味と歴史を確認したところで、次はそのメリットについて考えます。現在は優秀なオンラインソフトウェア上で使われる事が多いですが、その主な機能やメリットなどをよく理解して、プロジェクト管理の効率化に役立てましょう。

プロジェクトのタイムラインをすべて俯瞰できる

プロジェクト開始時にガントチャートを使えば、プロジェクト全体のタイムラインを最初から見ることができます。関係者とタイムラインを共有することで、スタッフとリソースの活用をより効果的に計画し、何をいつ行う必要があるのかが把握できるので、メンバー全員で順調にプロジェクトを進められます。

マイルストーンを明確化できる

ガントチャートで管理されるプロジェクトの主要な特徴のひとつが、このマイルストーンです。チャート内にある仕事の大半は時間の長さを表す水平のバーですが、マイルストーンはそれらとは異なり、時間軸上の一時点を明瞭に表します。ガントチャートでは、マイルストーンはプロジェクトのタイムラインのチェックポイントであり、重要な節目です。マイルストーンを設定することにより、プロジェクト全体の中で重要な日付が一目でわかるようになります。

リアルタイムチャートとして機能する

現代のガントチャートのほとんどは、あらゆる規模のプロジェクト計画でも役立つクラウドサービスのプロジェクト管理ソフトウェアツールです。オンラインで管理されているものは順調なプロジェクト進行に役立ち、必要に応じて容易に調節できます。日付などのデータを変更するときやマイルストーンを動かす際は、自動的にこれらの変更を反映するので、逐一レポートをシェアする必要はありません。チームメンバーやステークホルダーはプロジェクトの最新進捗情報をリアルタイムで把握できるからです。そうすることでチームのコラボレーションも向上し、生産的かつ効率的にプロジェクトを進めることができるのです。

各タスクの視覚化に役立つ

ガントチャートは多くのタスクが含まれる複雑なプロジェクトの視覚化に理想的です。横軸にあるそれぞれの「バー」はタスクを表していますが、これを使ってチームは各タスクの開始日と終了日を一目で把握できるだけでなく、どの仕事がいつ起こっているか、各仕事にどのくらいの時間がかかるか、明確な感覚を得ることができます。

タスク間の依存関係を把握できる

視覚的かつリアルタイムチャートであるガントチャートは、タスク間の依存関係を容易にマッピングできます。依存関係を把握することは、プロジェクト全体の進捗状況を理解するのに非常に重要です。優れたソフトウェアで管理されているガントチャートであれば、明確に依存関係を識別できるでしょう。何らかの理由で仕事を後回しにする必要がある場合は、事前に問題を特定し、依存関係の競合を回避することも可能となります。

ガントチャートの注意点は?

ガントチャートは必ずしもすべてのプロジェクトに最適なわけではありません。自分のプロジェクトにこのフレームワークが適切かどうかをより正しく判断できるよう、デメリットをいくつかご紹介します。ガントチャートの注意点は何か?作成前に確認しましょう。

セットアップに時間がかかる場合がある

ガントチャートの設定はすばやくできるものではありません。特に、エクセル (Microsoft Excel) やスプレッドシートを使う場合は、ガントチャートのビューで仕事をセットアップするのにかなりの時間を要します。テンプレートを使う場合でも、特定のニーズに合わせてカスタマイズするためには、調整を加えることが必要になる場合があります。

詳細を追加するとスムーズに行かない

マイルストーンの細かいステップやファイル、作業内容の詳細などをガントチャートでプロジェクト計画に加えると、それまで見やすいチャートだったのが一変、圧倒されるような混乱だらけのビューになってしまいます。見やすいガントチャートを目指すには、表示する情報は厳選するようにしましょう。

計画した場所と同じ場所でのプロジェクトの管理が難しい

ガントチャートを作成した場所 (ツールやプラットフォーム) と毎日のタスク管理を行う場所が異なるという状況は珍しくありません。しかし、情報源が複数あるというシチュエーションはチームに混乱を招く恐れがあり、効率性が下がります。チーム全員が信頼できる情報源はひとつに絞り、すべての情報を一か所にまとめておくのがおすすめです。

Asana でプロジェクトとタスクを一元管理する

ガントチャートを最大限活かすヒント

従来のスプレッドシートを使ったガントチャートでは、さまざまな制限やデメリットが目立ちました。そこで、このフレームワークの効果的な使い方を 2 通りご紹介します。

ガントチャートとプロジェクト管理ツールを組み合わせる

Asana のようなワークマネジメント・プロジェクト管理ツールを使うと、プロジェクトの計画、管理、調整、詳細の追加がすべて単一の場所で行えるようになります。しかも、全体をセットアップする時間もずっと短くなります。

記事: ワークマネジメントの紹介

たとえば、ガントチャートのようなビューを提供する Asana のタイムラインを使ってプロジェクト計画を設定すれば、プロジェクトのすべてのピースがどのようにかみ合うのかを綿密に計画できます。ガントチャートと同じように、タイムラインには各ステップの実施のタイミング、所要時間、担当者が表示されます。従来のガントチャートと異なる点は、タイムラインのセットアップとメンテナンスが簡単で、チームは仕事を計画したのと同じ場所でコラボレーションができる点です。

他の種類の視覚的プロジェクト管理方法を試す

管理する仕事の種類によっては、タイムラインでプロジェクト計画を可視化する代わりに、よりシンプルでセットアップが簡単なカレンダーやかんばんボードのほうが有効な場合もあります。

記事: プロジェクト計画を視覚化する 3 つの方法: タイムライン、カレンダー、ボード
[製品 UI] ブランドキャンペーンプロジェクトの例 (ボード)

Asana では、ツール上で簡単にプロジェクトビューを切り替えられ、どのプロジェクトも、タイムライン、To-Do リスト、かんばんボード、カレンダービューで表示し、チームの好みの方法で仕事を確認できます。Premium の無料トライアルでは、これらのビューをすべてお試しいただけます。

記事: Asana の 4 つのビュー (リスト、ボード、カレンダー、タイムライン) を使用する方法

見やすいガントチャートで効率的にプロジェクトを管理する

プロジェクト管理手法のひとつ「ガントチャート」について解説しました。ガントチャートとは何か、そのメリットやデメリット、採用すべきシチュエーションなどを把握して、適した場面で使用するようにしましょう。ガントチャートを使うときは、ご紹介した 5 つのステップに従って行うようにしてみてください。

プロジェクトの可視化についてさらに詳しく知りたい場合は『WBS とは?効率的にプロジェクトを管理する方法』をご覧ください。

ガントチャートを使うことになっても、類似の代替ツールを使うことになっても、プロジェクト計画を視覚化することは、どんなチームにとっても大切なステップです。プロジェクトの各要素がどのように組み合わされているのかを表示し、それをチームと共有し、仕事の進捗に合わせて計画を調整できるので、すべてを順調に進められます。これを手作業で行うのは至難の業です。優れたマネジメントツールを使用しましょう。

Asana のプロジェクトマネジメント機能を試す

関連リソース

ウェビナー

How Asana uses Asana for IT and technical program management