エグゼクティブサマリーの書き方 (実例付)

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins2020年12月11日00
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プロジェクト管理の大きなメリットの 1 つは、チームのすべての仕事を計画、管理、実行できるという点です。こういった情報を一目で確認できると便利です。しかし、プロジェクトの新メンバーやエグゼクティブの関係者などは、プロジェクトの内容を示すシンプルなビューを好むかもしれません。多くの文書を一度に見る代わりに、メンバーの注目を失わずに、プロジェクトの趣旨を共有できる簡単な方法が必要なのです。

それを行う一番の方法がエグゼクティブサマリーを利用するという方法です。この記事では、エグゼクティブサマリーを書くのは初めてという方のために、それを計画して、書いて、チームと共有するために必要なすべての情報をご紹介します。

エグゼクティブサマリーとは?

エグゼクティブサマリーとは、文書の要約のことです。その長さとスコープはどのような文書を要約するかによりますが、大抵の場合は 1~2 ページ程度です。メンバーや重要な関係者が知っておく必要のある情報をすべて書き込んでおくとよいでしょう。

もし経営陣がエグゼクティブサマリーしか読まないとしたら、それだけで必要な情報をすべて伝えることができるだろうか?と想像してみてください。答えが YES なら、そのエグゼクティブサマリーは上手に書けていると言えます。

エグゼクティブサマリーは、多くの場合、以下について書かれています。

  • ビジネスケース

  • プロジェクトの企画案

  • 研究文書

  • 環境調査

  • 市場調査

  • プロジェクト計画

一般的に、エグゼクティブサマリーは以下の 4 つの部分で構成されます。

  1. まずはエグゼクティブサマリーが解決する問題やニーズを記述します。

  2. 推奨する解決策をまとめます。

  3. 解決策がもたらす価値を説明します。

  4. 最後に仕事の重要性について結論を書いて仕上げます。

プロジェクト管理におけるエグゼクティブサマリーとは?

プロジェクト管理では、エグゼクティブサマリーは、他部門のコラボレーターやチームリーダー、プロジェクトの関係者に透明性を提供するための方法として使用されます。プロジェクトのすべての詳細を深く確認する時間やニーズを持たないチームメンバーのために行う「エレベーターピッチ」のようなものと考えてください。

記事: あらゆる場面で使えるクリエイティブなエレベーターピッチ 15 選

プロジェクト管理で使うエグゼクティブサマリーと事業計画で使う従来のエグゼクティブサマリーの主な違いは、前者はプロジェクトの始めに作成される一方で、後者は事業計画を書いた後に作成されるという点です。たとえば、環境調査のエグゼクティブサマリーを書く場合は、調査を完了してから結果や発見に関するレポートを作成します。しかし、プロジェクト管理でのエグゼクティブサマリーでは、プロジェクトが目指す目標やそれが大切な理由を明確にします。

プロジェクト管理のエグゼクティブサマリーにも同じ 4 つの構成要素が適用されます。

  1. まずはエグゼクティブサマリーが解決する問題やニーズを記述します。 なぜこのプロジェクトを実行するのか?どのようなインサイト、カスタマーフィードバック、製品プラン、その他のニーズが背景にあるのか?

  2. 推奨する解決策またはプロジェクトの目標をまとめます。 このプロジェクトを実行すれば、最初に明らかにした問題をどのように解決できるのか?プロジェクトゴールと目標は?

  3. 解決策がもたらす価値を説明します。 プロジェクト終了時にはどのような結果が得られるのか?これによって、最初に明らかにした問題はどのように改善され、解決にいたるのか?

  4. 最後に仕事の重要性について結論を書いて仕上げます。 ここでもう一度、問題が重大な理由、プロジェクトが大切な理由を記述します。また、対象となるオーディエンスについて触れてから、解決策がその人たちの問題をどう解決するのかを言及してもよいでしょう。最後に、関連する次のステップを含めます。

エグゼクティブサマリーを初めて書く人は、プロジェクト管理の他の要素との関係性が気になるのではないでしょうか。各要素との比較は以下のとおりです。

エグゼクティブサマリー vs. プロジェクト計画

プロジェクト計画は、プロジェクトのゴールや目標を実現するために、プロジェクトで達成を目指す主要なタスクをまとめた青写真です。プロジェクト計画には、目標や成功の評価指標、関係者とその役割、予算、マイルストーン、成果物、タイムライン、スケジュール、コミュニケーション計画などが含まれます。

エグゼクティブサマリーは、プロジェクト計画において最も重要な情報を要約したものです。経営陣がプロジェクトに参加するときに、プロジェクト計画を読む前の時点で知っておく必要がある絶対に欠かせない情報は何かと考えてください。それをまとめたものがエグゼクティブサマリーです。

エグゼクティブサマリー vs. プロジェクトの概要

プロジェクトの概要とエグゼクティブサマリーには、プロジェクトの重要な情報をまとめた要約など、類似の要素が含まれることがしばしばあります。しかし、プロジェクトの概要はプロジェクトに直接つながっているものであり、プロジェクトを進めながら常に参照できる必要もあります。

エグゼクティブサマリーは、使用するプロジェクト管理ツールによっては、プロジェクトに含めることもできますが、独立した文書として使用することもできます。

エグゼクティブサマリー vs. プロジェクト目標

エグゼクティブサマリーは、2 つ目の構成要素 (推奨する解決策またはプロジェクトの目標をまとめます) で明記するプロジェクト目標を含み、それについて詳しく述べる必要があります。エグゼクティブサマリーにプロジェクト目標を含めることに加えて、目標を達成することによってどのように価値が生まれるかや、目標を達成する方法の詳細についても説明する必要があります。

エグゼクティブサマリーを作成するメリット

プロジェクトのエグゼクティブサマリーなんて本当に必要だろうか、プロジェクト計画だけで十分なのでは?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?

先述のとおり、プロジェクトを深く分析したり、プロジェクトの目標やそれが大切な理由を見渡して確認したりする時間やニーズを皆が皆持っているわけではありません。Asana のようなワークマネジメントツールを使うと、プロジェクトに関する多くの重要な情報を取り込めるので、誰が何をいつまでに行うのかがチームメンバー全員にはっきりとわかります。エグゼクティブサマリーは、プロジェクトに直接携わるチームメンバーに向けたものというよりは、プロジェクトには直接関与しないが簡単なインサイトやプロジェクトが大切な理由を知りたいという関係者に情報を提供するようデザインされています。

効果的に書かれたエグゼクティブサマリーがあれば、関係者はプロジェクトのすべての詳細を細かく確認しなくても、その全体像と重要な各ポイントを知ることができます。もっと情報が必要だとなれば、プロジェクト計画を読んだり、ワークマネジメントツールで各タスクの内容を確認したりできます。

エグゼクティブサマリーの書き方 (実例付)

エグゼクティブサマリーは 4 つの部分で構成されます。素晴らしいエグゼクティブサマリーを書くには、以下に紹介するテンプレートに従ってください。書き終えたら、その内容をもう一度読み通し、各関係者が知っておく必要のある大切な情報が一つも抜けていないことを確認してください。

1. まずはプロジェクトで解決する問題やニーズを記述します

エグゼクティブサマリーでは、最初にこの文書 (およびそれが表すプロジェクト) が大切な理由を説明します。問題は何かということを、調査結果やお客様からのフィードバックなどを使って説明します。この問題が重大な理由やお客様との関連性、またそれを解決することが大切な理由を明確にします。

たとえば、あなたは時計メーカーに勤めているとしましょう。あなたのプロジェクトは、シンプルで安価でありながらも高級品を好むお客様の興味を引くような時計を発明し、新しい客層の獲得を狙うことを目標にしています。

エグゼクティブサマリーの例:

最近行われたフィードバックセッションでは、お客様の 52% がシンプルで安い製品を求めていることがわかりました。競合メーカーの時計を選ばれたお客様に対して実施されたアンケートでは、87% の割合で価格が理由として挙げられています。既存のお客様にご満足いただき、かつ新たな市場を開拓するには、この市場で適切とされるプライスポイントで販売できる時計のラインナップを開発する必要があります。

2. 推奨する解決策またはプロジェクトの目標をまとめます

問題をまとめたところで、今度は解決策について説明します。要約や概要とは違い、解決策は指示でなければいけません。つまり、あなたの解決策が正しい、と読者を納得させる努力が必要になります。これは、ブレインストーミングのためのセクションというよりも、どちらかと言えば推奨した解決策を支持するための場と言えます。

エグゼクティブサマリーはプロジェクトの始めに作成するものなので、すべての成果物やマイルストーンを達成する計画が細かく決まっていなくても問題はありません。むしろ、これはプロジェクトで何を行うのかを大まかに説明するためのものです。プロジェクトの主な成果物やタイムラインの概要を考案するのが苦手という方は、エグゼクティブサマリーの作成に着手する前に、プロジェクトロードマップを作成することをご検討ください。

エグゼクティブサマリーの例の続き

時計の新ラインナップは、現在一番安価なオプションより 20% も安い価格からスタートし、素材やムーブメントによっては 40% 以上も安くできる可能性があります。こういった価格を実現するために、以下を行います。

  • 時計に新しい素材を使います。シリコンや木を使う可能性もあります。

  • 時計のムーブメントは、内蔵自動巻きではなく、高品質のクォーツ式を使用します。

  • カスタマイズ可能なバンドのオプションを導入します。従来の高級感ではなく、選択肢と柔軟性にフォーカスします。

現在提供している世界クラスのスピードと精度を維持するため、今までと変わらぬ厳密な品質管理をすべての時計に対して行います。

3. 解決策がもたらす価値を説明します

この時点で、推奨する解決策が最初に述べた問題にどう影響し、その問題をどう改善するのかについて詳しく説明します。どのような結果を期待していますか?このセクションでは、関連する財務情報やプロジェクトのリスク、潜在的なメリットなどを記述します。また、このプロジェクトを会社の目標や OKR に関連付けてもよいでしょう。この作業が会社の目標にどう合致するのかを伝えることができます。

エグゼクティブサマリーの例の続き

現在の最も安価なオプションより 20% 〜 40% 安い新しいオファリングを提供すれば、自社のラグジュアリーブランドを維持しながらも、カジュアル腕時計の市場に参入できると予測しています。「ブランドの拡大」という事業年度 2022 の 第 3 目標達成が見えてくるはずです。こういった新しいオファリングが成功すれば、年間利益を最高で 300 万ドル増やすのも夢ではありません。これが実現すれば、「年間利益 700 万ドル」という事業年度 2022 の 第 1 目標も達成できるでしょう。

早期に行ったお客様とのフィードバックセッションでは、安価なオプションはラグジュアリーブランドのバリューや名声には影響しないことが示唆されましたが、このリスクは設計の段階で考慮すべき事柄です。このリスクを抑えるため、製品マーケティングチームはキャンペーン開始の 6 か月前に市場進出戦略の考案に着手します。

4. 最後に仕事の重要性について結論を書いて仕上げます

経営陣の関係者と重要な情報をすべて共有し終わったところで、この最後のセクションでは、この仕事が組織に与えるインパクト、そして組織に対するこの仕事の重要性を経営陣の関係者が理解するのを手助けします。伝えておくべき重要なポイントがあるとすれば、それはどのようなことかを考えます。

エグゼクティブサマリーの例の締めくくり

安価で多様なオファリングを提供すれば、新しい市場への参入が実現するだけでなく、ブランドもポジティブに拡大するでしょう。新しいオファリングが人々の関心を呼び、安価な腕時計の需要が増えれば、マーケットシェアを年間で 2% 増加できると思います。詳しくは、市場進出戦略およびカスタマーフィードバックドキュメントをお読みください。

エグゼクティブサマリーの例

これらの内容をまとめると、このようなエグゼクティブサマリーが出来上がります。

Asana でのエグゼクティブサマリーの例

エグゼクティブサマリーを書くときにやってしまいがちなミス

エグゼクティブサマリーのプロは、突然なれるものではありません。実際に書くときは、本記事でご紹介した 4 部構成のテンプレートをガイドとしてお使いください。エグゼクティブサマリーのスキルを磨くにあたり、ぜひとも避けたい落とし穴がいくつかありますので、以下に対処法をご紹介します。

専門用語を使うのは避ける

エグゼクティブサマリーは、プロジェクトのコントリビューターから経営陣の関係者にいたるすべての人が読んで理解できる文書でなければいけません。自分は関係者と比べて、日々の作業や個々のタスクにずっと近い位置付けであることを覚えておきましょう。エグゼクティブサマリーを一度読み通して、不要な専門用語がないことを確認し、可能であれば、意味を説明するか、完全に省いてください。

完全なレポートではないことを覚えておく

エグゼクティブサマリーは、あくまでも要約です。特定のタスクや期日、添付ファイルなどの具体的な詳細について書き始めることがあれば、一旦手を止めて、エグゼクティブサマリーに本当に必要な情報だろうかと考えてみましょう。もちろん、大切な詳細もあります。サマリーは実行可能で、メンバーの関心をつかむものでなければいけません。ですが、プロジェクトに関する情報の大部分は、ワークマネジメントツールに取り込むものであり、エグゼクティブサマリーに書き出すものではないことを肝に銘じておきましょう。

サマリーには十分な情報を盛り込む

あなたはこのプロジェクトについて詳しくても、関係者はそうとは言えません。エグゼクティブサマリーを書いたら、一度読み返して、情報を付け足す必要がないことを確認します。関係者がサマリーを理解するのに必要なコンテキストはありませんか?あるのなら、エグゼクティブサマリーに盛り込むか、追加情報としてリンクを含めることを検討します。

必ず校正する

エグゼクティブサマリーは、常に編集可能な文書ですので、入力ミスがあれば、いつでも修正できます。しかし、校正したり、同僚に送って意見を求めたりしても損することはありません。

まとめ: エグゼクティブサマリーは不可欠

エグゼクティブサマリーは、プロジェクトの参加者全員に最新情報と共通認識を周知させる非常に便利な手段です。プロジェクトが何を解決するもので、なぜ大切なのかをすばやく確認する必要がある関係者が大勢いるのなら、エグゼクティブサマリーは必要とされる情報を提供する最適の方法です。

経営レベルの戦略と計画を日々の仕事につなげるコツをもっと知りたい方は、組織戦略を構築する方法と題した当社の電子書籍をお読みください。

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