戦略プランニングは初めてですか?ここから始めましょう。

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年4月16日00
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貴社が小規模な会社やスタートアップ企業なら、戦略計画を作成すれば、メリットがもたらされることを期待できます。組織が目指すものを明確に把握すれば、貴社にとって一番大きなインパクトをもたらすプロジェクトに各チームが注力できるようサポートできます。

戦略プランニングのプロセスは、目指すゴールを特定するために役立ちますが、メリットはそれだけではありません。計画プロセスの際には、従業員や関係者と共有できる文書も作成するので、全員の認識を揃えられます。この記事では、戦略計画をスタートし、策定する方法について解説します。

戦略計画とは?

戦略計画は、組織が目指すゴールとその目標を達成するために必要なアクションを定義するためのツールです。通常、戦略計画は、会社のビジョンおよびミッションの両ステートメント、長期目標 (および短期目標と年次目標) に加え、正しい方向に進むためのステップを定める行動計画から成ります。

組織に綿密な戦略計画があれば、明確性を向上し、最も重要な目標に集中できます。このような明確性は必ずしもすべての組織で実現できているわけではありません。Asana の調査によると、自分の勤め先が会社目標を効果的に設定し、コミュニケーションできていると回答したナレッジワーカーはわずか 16% でした。戦略計画に時間を投資すれば、会社の今後 3 ~ 5 年間のビジョンを具現化できます。また、この戦略により、さらに年次、四半期の会社目標も明確化されます。

戦略計画は必要か?

戦略計画は、目標を計画し、達成するために使える各種ツールの内の 1 つです。戦略計画と他のプロジェクトツールやビジネスツールの違いを以下に紹介します。

戦略計画とビジネス計画の比較

ビジネス計画は、起業の際またはビジネス戦略を大幅に転換する場合に作成します。ビジネス計画を使えば、ビジネスを立ち上げる際に戦略を文書化することにより、ビジネスの主要な優先事項や目標に関するチーム全員の認識を揃えることができます。このツールを使えば、ビジネスを始動して軌道に乗せる際に戦略を文書化し、主要な投資家や関係者と共有できます。

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ビジネスがすでに確立されている場合には、ビジネス計画ではなく戦略計画を作成することを検討しましょう。比較的新しい会社でも、ビジネス計画を土台とした戦略計画を使えば、正しい方向に進めます。戦略プランニングの際には、今後 3 ~ 5 年間の戦略を確立するために、当初会社の基礎として定めたビジネス要素を十分に盛り込みましょう。

戦略計画とミッションおよびビジョンの両ステートメントの比較

戦略計画、ミッションステートメント、ビジョンステートメントの間には密接なつながりがあります。戦略プランニングの際には、ミッションとビジョンの両ステートメントを基軸として、戦略計画の詳細を定めていきます。

そのため、ミッションとビジョンの両ステートメントは、戦略計画を作成する前に準備しておく必要があります。これらのステートメントは、ビジネス計画の策定段階または起業の直後に作成することが理想です。ミッションステートメントまたはビジョンステートメントがない場合には、この機会に作成する時間を取りましょう。ミッションステートメントには、会社の目的とあなたの組織が解決しようとしている問題を記載します。一方、ビジョンステートメントには、その目的を達成する方法を非常に大まかな形で記載します。

戦略計画には、ミッションとビジョンの両ステートメントを組み込みながらも、より具体的な内容とする必要があります。ミッションおよびビジョンの両ステートメントは、理論上は会社のライフサイクルを通じて同じものを使えます。戦略計画は、ミッションおよびビジョンの両ステートメントを基軸として、今後正しい方向に進むために実施するアクションを概説する文書です。

たとえば、ペット安全用品の製造会社を想定した場合、以下のようなミッションステートメント、ビジョンステートメント、戦略計画が考えられます。

  • ミッションステートメント: 「世界の動物たちの安全を守ること。」

  • ビジョンステートメント:「使用が簡単なペットの安全・追跡用の製品をつくること。」

  • 戦略計画は、会社をミッションとビジョンに近づけるために、今後数年間に実行するステップを概説する文書です。そのステップの例としては、新しいペット追跡用スマート首輪の開発や、マイクロチップ装着の際に飼い主の顧客体験を向上するなどといった施策が考えれます。

記事: 完璧なビジョンステートメントを書くための 7 つのステップ

戦略計画と会社目標の比較

会社目標は、全般的な目標です。会社目標は毎年または四半期ごとに設定する必要があります (ペースが速い組織の場合)。その目標により、会社が一定期間内に何を達成しようとしているのか、チーム全員が明確に認識できます。

戦略計画は、会社計画よりもさらに先を越した考え方に基づき、今後 1 年を超える期間に行う仕事を対象とします。別の言い方をすれば、会社目標は全体戦略に向けて組織全体の足並みを揃えるのに対し、戦略計画は数年先まで見据えるため、会社目標よりも大きい計画が必要です。

記事: 目標と主要な結果 (OKR) とは?

戦略計画とビジネスケースの比較

ビジネスケースは、会社の大幅な投資または大規模な取り組みを売り込む際に使います。ビジネスケースを作成すれば、投資のメリットに加え、その大規模なプロジェクトがビジネスにプラスの効果をもたらす方法を説明できます。

戦略計画のロードマップの一部を描き出すビジネスケースを作成する場合もありますが、戦略計画の対象はビジネスケースより広い必要があります。戦略計画は、1 つの取り組みだけでなく、会社全体の複数年のロードマップを包括するツールです。

記事: ビギナーズガイド: 効果的なビジネスケースの書き方

戦略計画とプロジェクト計画の比較

戦略計画は、今後 3 ~ 5 年間に達成したいことと、その達成方法について記載した会社全体の複数年の計画です。それに対し、プロジェクト計画は、特定のプロジェクトを達成する方法を説明するものです。そのプロジェクトは、特定の会社目標に貢献する多数の取り組みの内の 1 つかもしれません。そして、その特定の会社目標も、戦略計画に貢献する複数の目標の内の 1 つかもしれません。

プロジェクト計画は以下の 7 つの要素から成ります。

記事: 仕事を順調に進めるプロジェクト計画の作り方

戦略プランニングとは?

戦略プランニングとは、戦略目標を達成するために計画を作成するプロセスです。戦略プランニングのプロセスには、情報収集、戦略策定、そして計画完成後のパフォーマンス管理を含む複数の段階があります。

戦略計画はどの時点で作成すべきですか?

戦略計画は、今後 3 ~ 5 年間に会社が進む方向を定義し、共有するためのツールです。この種の計画を使えば、大きな賭けや投資を定義し、そういった大規模な取り組みが会社のミッションとビジョンの達成にどう貢献するのかを説明し、日々のプロジェクトがそれらのビジネスイニシアチブにどうつながるのかを示す青写真を作成できます。チームや会社が現在戦略計画を持っていない場合には、作成することを推奨します。すでに戦略計画がある場合には、目標を大半または全部達成した時点で更新しましょう。

戦略計画は、組織のペースにより、3 ~ 5 年ごとに作成することを目指しましょう。ペースが速い組織なら、戦略計画を 2 ~ 3 年ごとに作成することを検討しましょう。それにより、ビジネスの優先事項が新しくなったり、変動したりするのに伴い、戦略を常に最新の状態に保てます。

戦略計画のメリット

戦略プランニングを行えば、会社が今後 3 ~ 5 年間にどのような方法でミッションとビジョンの両ステートメントに描き出した姿に近づくのかを説明する明確な目標を定義できます。会社の軌道を地図上の線にたとえるなら、戦略計画は、A 地点 (現状) から B 地点 (数年後に目指す姿) まで移動する方法を数値化できるツールです。

明確な戦略計画を作成し、チームと共有すれば、以下を行えます。

  • 共通の目的に向けて全員の足並みを揃える

  • 目指すゴールに到達できるよう、先を見据えた目標を立てる

  • 長期目標を定義した上で、それを支える短期目標を設定する

  • 現在の状況と機会を脅威も含めて評価する

  • 長期的な思考を行うことで、ビジネスの耐久力を向上できる

  • 従業員の意欲と参画意識を高める

戦略プランニングのプロセス

戦略プランニングのプロセスは、戦略プランニングを担当する主要関係者から成る少人数のチームにより実施しましょう。管理委員会と呼ばれることもあるこのグループは、5 ~ 10 名の主要関係者と会社の主要な意思決定者を含む少人数のチーム体制としましょう。それ以外にも計画策定に関与する関係者はいますが、取り組みを推し進めるのはこのグループメンバーです。

管理委員会を設けたら、戦略プランニングのプロセスを開始できます。

ステップ 1: 現在の立ち位置を判断する

戦略計画を作成して、目指すゴールを定義できる前に、まず現状を定義する必要があります。これを行うためには、管理委員会が、従業員や顧客など、管理委員会外のメンバー以外の関係者から、各種の情報を収集する必要があります。以下の情報を収集することは特に重要です。

  • 業界と市場の重要データにより、市場機会に加え、近い将来に想定できる潜在的な脅威を把握します。

  • 顧客に関するインサイトにより、たとえば製品改良や追加サービスなど、顧客が自社に期待するものを理解します。

  • 従業員のフィードバックにより、製品、ビジネス慣行、会社の文化など、対処が必要なニーズを把握します。

  • SWOT 分析より、既存および将来のビジネスの潜在的可能性を評価します。SWOT とは、「強み (Strengths)」「弱み (Weakness)」「機会 (Opportunities)」「脅威 (Threats)」を表す略語です。戦略プランニングのプロセスにおいては、定期的にこの分析に立ち帰ります。

SWOT の各項目を分析するために、管理委員会は次の一連の質問に答えます。

強み:

  • 現在あなたの組織がうまくできていることは何ですか?

  • 自社を競合他社と差別化するものは何ですか?

  • 社内の最も貴重なリソースは何ですか?

  • 現在有している有形資産を教えてください。

  • 一番の強みは何ですか?

弱み:

  • 現在あなたの組織がうまくできていないことは何ですか?

  • 現在不十分なものは何ですか (製品、リソース、プロセス) ?

  • 自社より競合他社が勝っている点を教えてください。

  • あなたの組織の障害となっているものは何ですか?

  • 改善が必要なプロセスまたは製品を教えてください。

記事: ビギナーズガイド: 制約理論

機会:

  • あなたの組織に今与えられている機会は何ですか?

  • 会社独自の強みを生かすにはどのような方法を取れるでしょうか?

  • 機会として活用できるトレンドはありますか?

  • マーケティングや広報の機会を最大限に活用するにはどのような方法が取れるでしょうか?

  • 取り扱っている製品やサービスに対し、新たなニーズは発生していますか?

脅威:

  • 注意が必要な新規の競合会社を教えてください。

  • あなたの組織をリスクにさらす弱みはありますか?

  • 市場シェアの縮小につながり得る否定的な報道はありましたか?もしくは今後その可能性がありますか?

  • 自社に対する顧客の行動が変わる可能性はありますか?

ステップ 2: 戦略を立案する

このステップが会社の潜在力を引き出すカギとなります。戦略を立案するには、現在の立ち位置 (現状) を考慮しましょう。その上で、既存のビジネス文書を基軸として、目指すゴールを明確化しましょう。戦略を立案することは、基本的にコンパスを取り出して、「次の目的地はどこか」を問うことを意味します。これを行うことで、ゴールへの道筋を正確に定められます。

戦略プランニングのこの段階では、以下のような重要な会社文書を基軸として、会社を正しい方向に進める戦略計画を立案しましょう。

  • ミッションステートメントにより、組織の中核を占める目的に向けてどのように前進し続けられるかを理解する。

  • ビジョンステートメントにより、戦略計画が長期的なビジョンにおいてどのような役割を担うのかを明確にする。

  • 会社の価値観に関する文書により、会社が最も重視する価値観に沿うすべを見出す。

  • 競争優位性に関する文書により、市場に提供する自社独自のメリットを理解する。

  • 長期目標により、今後 5 ~ 10 年間に目指すゴールを追跡する。

  • 財務予測と財務計画により、今後 3 年間の財務業績の見通し、予想されるキャッシュフロー、潜在的な投資機会を理解する。

ステップ 3: 戦略計画を作成する

現状と目指すゴールが明確になったら、いよいよそれを書き出すステップに移ります。この計画は、会社のポジションと戦略を考慮した上で、今後 3 ~ 5 年間の組織全体の計画を定義するものです。戦略計画自体は長期的なものですが、その一部は四半期または年次ベースで作成する必要がある点に留意しましょう。

戦略計画の作成の際には、以下を定義する必要があります。

  • SWOT 分析と戦略に基づく今後 3 ~ 5 年間の会社の優先事項。

  • 1 年目の年次目標。戦略計画のすべての年に対して目標を定義する必要はありません。年度の経過に伴い、全体戦略目標に結びつく新しい年次目標を毎年作成しましょう。

  • 1 年目の関連性のある主要な結果 (KR: Key Results)と KPI。管理委員会による設定が必要なものと、より実務に近い特定のチームによる設定が必要なものとがあります。主要な結果と KPI は、必ず測定可能で具体的な行動に結びつくものを設定しましょう。

  • 会社の財務予測と方針に基づく、今後 1 年間または数年間の予算。製品開発、チーム構築、マーケティングの効果向上などに積極的に投資する必要性はありますか?最重要な取り組みとそれらに対してどのように予算を確保するのかを明確にしましょう。

  • 俯瞰的なプロジェクトロードマップ。プロジェクトロードマップは、複雑な取り組みのタイムラインを視覚化するためにプロジェクト管理において使われるツールですが、戦略計画においても非常に俯瞰的なプロジェクトロードマップを作成できます。特定の四半期または年度に取り組む予定のプロジェクトを記載すれば、戦略に結びつく具体的なアクションが理解しやすい計画になります。

ステップ 4: 戦略計画を共有し、モニタリングし、管理する

この時点では、すでに戦略計画が完成しているはずです。計画プロセスの最後のステップは、計画をモニタリングし、管理することです。

  1. 戦略計画を共有しましょう。これは隠しておくべき文書ではありません。自分たちの仕事が会社の優先事項と全体戦略目標にどのように結びついているのか理解できるよう、必ずチーム全員がアクセスできるようにしましょう。俯瞰的な目標をより簡単に日々の業務とつなげていくために、仕事の管理と追跡を行っているのと同じツールを使って共有することを推奨します。ワークマネジメントツールを未使用の場合には、使うことを検討しましょう。

  2. 計画を定期的に更新する (四半期毎および年度毎)。短期目標を作成する際には、必ず戦略目標を活用し、それに沿って定めましょう。また、戦略計画は不変なものではありません。会社が方針を変えたり、新しい投資を行ったりする場合には、更新が必要になることが予想できます。新たな市場機会や脅威が発生するのに伴い戦略計画を調整すれば、今後数年間に向けて最善の方向に舵を取りつつ組織づくりを行えます。

この計画は、たとえ頻繁に更新したとしても、永久に使えるものではないことに留意しましょう。戦略目標をほとんどすべて達成した場合、または戦略が当初計画した時から大幅に変容を遂げた場合には、新しい戦略計画を作成するときかもしれません。

計画を着実に遂行する

会社戦略を計画へ、そしてやがてはインパクトへと変換するには、会社目標を積極的に日々の実務に結びつけることが必要です。このつながりを明確にすることは、チームメンバーが最高の仕事を行うために必要なコンテキスト (担当業務の背後にあるビジネス全体の流れ) を把握できることを意味します。優先事項を明確にすれば、チームメンバーは会社にとって一番インパクトが大きい仕事に集中できる上、その作業に対し意欲を傾けて取り組めます。

以上のステップを開始することにご興味をお持ちの方は、Asana を使って日々の仕事を目標に結びつける方法の詳細に関する記事をご覧ください。

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