プロジェクトロードマップ: その概要とそれが必要な理由

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins2020年11月2日00
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プロジェクトの立ち上げの際は、しっかりとした土台が必要です。オンラインイベントの企画などの短期間のキャンペーンから、新規 IT ツールの導入などのより長期的な取り組みまで、プロジェクトの種類に関わらず、プロジェクトの俯瞰的な全体像を関係者に伝えてメンバー全員の認識を合わせることは、プロジェクトの立ち上げを成功させる上で欠かせない要素です。

では、実際のプロジェクトの立ち上げ方を見ていきましょう。まず、プロジェクト憲章ビジネスケースを作成して、プロジェクトの承認を得ることから始めます。承認を得たら、仕事の主要な青写真であるプロジェクト計画を作成します。次に、関係するステークホルダー全員を招待して、プロジェクトのキックオフとブレインストーミングセッションを設定しましょう。プロジェクトによっては、クリエイティブブリーフの作成が必要な場合もあります。ただし、こうした戦略はプロジェクトの立ち上げに不可欠であるものの、実はプロジェクトロードマップこそ、プロジェクトのスケジュールを可視化し、事業目標に沿ったものにする最適な方法なのです。

プロジェクトロードマップとは?

プロジェクトロードマップとは、プロジェクトの成果物、主要マイルストーン、全体的なプロジェクト目標を含む俯瞰的な全体像です。このツールは、プロジェクト開始の際に、一番初めに作成する必要があります。プロジェクトロードマップを土台とすれば、その内容に基づき、その他の重要なプロジェクト計画用文書 (プロジェクト計画やプロジェクトスケジュールなど) を作成できます。

プロジェクトロードマップの使用経験がない場合には、プロジェクト計画のその他の要素との違いが少々わかりにくいかもしれません。以下にその相違点を説明します。

プロジェクトロードマップとプロジェクト計画の比較

プロジェクトロードマップとプロジェクト計画にはさまざまな共通点があります。どちらもプロジェクト開始時に作成される文書です。そして共に、いったん決定されたら手が加えられることはないルールではなく、継続的に更新できる「生きた文書」です。一方で、プロジェクトロードマップは、主な目的が俯瞰的な概要を記載することのみに絞られる点で、プロジェクト計画とは異なります。プロジェクトロードマップ作成時は、具体的な詳細を加えすぎて本来の目的が薄れてしまわないようご注意ください。「ロードマップ」は「道路地図」を意味する言葉ですが、その目的は、目標地点までの詳細な道順を説明することではなく、鳥瞰図を提供することです。

最適なプロジェクト計画を作成するには、具体的な詳細を検討する必要があります。検討対象には、たとえばプロジェクトのタイムライン、予算の内訳、各関係者の担当内容、プロジェクトの成果を評価するための指標などが含まれます。

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プロジェクトロードマップと製品ロードマップの比較

製品ロードマップとは、製品チームが特定の期間において導入を計画する製品機能のビジョンです。製品ロードマップは、製品機能の導入において、信頼できる唯一の情報源として使用されます。通常は、優先度、導入の対象範囲、製品および開発に関与する関係者、マーケティング資料一覧表などを含めます。

プロジェクトロードマップは、名前は似通っていても、内容としては完全に異なります。プロジェクトロードマップは、新製品発売プロジェクトだけでなく、あらゆるプロジェクトにおいて不可欠なツールとして活用されます。たとえば、バーチャルイベントの計画や IT チームによる展開が予定されているプロジェクトでは、プロジェクトロードマップの作成が推奨されます。どちらの場合でも、プロジェクトロードマップを使えば、プロジェクト目標とその達成方法の全体像を得ることができます。

プロジェクトロードマップとガントチャートの比較

ガントチャートとは、プロジェクトを視覚化するためのツールです。見た目はタイムラインと似通っており、横棒グラフによりタスクと成果物が表されます。タイムラインビューでガントチャートを使ってプロジェクトロードマップが作成されるケースは多くあります。その場合、ガントチャート内の横棒グラフを使って、全体的な取り組みの経時的な変化が表されます。

一方で、ガントチャートには、プロジェクトロードマップ以外の用途で使える機能も多く備わっています。ガントチャートを使えば、タスク間の関係や依存性が簡単に可視化できます。また、ガントチャートを見れば、プロジェクトの各要素の関わり合いや、日程が近い重要なマイルストーンも一目でわかります。

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ガントチャートを使用してプロジェクトロードマップを作成する場合でも、タイムラインだけでなく、かんばんボード、To-Do リスト、カレンダーなど、さまざまな方法で仕事を視覚化でき、それらの表示を簡単に切り替えられるツールを選ぶことをおすすめします。それにより、効果的なプロジェクトロードマップを作成できるだけでなく、関係者が各自自身に最適なビューで仕事の状況を表示できます。

プロジェクトロードマップのメリット

プロジェクトロードマップを作成した経験がない場合、その必要性が実感しにくいかもしれません。プロジェクトロードマップが不要なプロジェクトもあるものの (そのようなケースについても下記で説明します)、関係者に俯瞰的な目標を説明する上で、プロジェクトロードマップは最適なツールです。キックオフミーティングの前にプロジェクトロードマップを作成する主要なメリットは 3 点あります。

1. プロジェクト目標を概説する

プロジェクトロードマップの主要な目的は、キックオフミーティングの予定を立てる前に、プロジェクト目標を定め、プロジェクト計画を作成することです。プロジェクトロードマップは、現状の概要を示すと同時に、最終的に目指すものが何であるのかを捉えます。目標までの詳細な道筋にはそれほど触れませんが、早期にプロジェクト目標を掲げることにより、ビジョンが明確化され、目標達成に向け行動がとりやすくなります。

たとえば、SNS コンテンツカレンダー用のプロジェクトロードマップを作成する場合を想定しましょう。フォロワー数、オーディエンスの反応率などの現状はすでに認識した上で、プロジェクトロードマップにより、何をいつまでに達成したいかを定義することになります。たとえば、Instagram で 6 か月後までにフォロワーを倍増したい、または 1 年後までに反応率を 2 倍にしたいなどといった計画が考えられます。いかなる計画においても、プロジェクトロードマップを使えば、関係者が全体像を把握しやすくなります。

2. プロジェクトの成果物について賛同を得る

プロジェクトロードマップの一環として、プロジェクトにとって重要な成果物は何かをはっきりと決められます。キックオフミーティングを開始する前に成果物を確立すれば、会議に招待すべき参加者が明確になり、関係者にわかりやすく概要を説明できるので、最終的には賛同を得やすくなります。

たとえば、顧客フィードバックを追跡するプロジェクトのロードマップを作成するとしましょう。この場合、ロードマップにより、顧客フィードバックの追跡プロセスの現状と、ロードマップに沿ってプロジェクトを進めればそのプロセスをどのように強化できるかを概説できます。それに加えてプロジェクトの終了時までに作成したい成果物も、プロジェクトロードマップを作成することでより明確になります。たとえば、整理と検索が可能なデータベースを作成する取り組みや、会計年度末までに顧客フィードバックを 100 件以上収集することを目指すケースを想像してください。そういった成果物の明確な定義は不可欠です。

3. 関係者の期待事項を管理する

以上で、概要と成果物が明確になりました。そもそもプロジェクトロードマップを作成する目的は、関係者と重要情報を共有し、最終的に成果物、マイルストーン、プロジェクトのスケジュールに対する賛同を得ることです。こういった情報をすべて最初のキックオフミーティングで提供できるよう用意することにより、プロジェクトスコープ (プロジェクトの対象範囲) と期間の全体像をプロジェクト関係者に理解してもらうことができます。

たとえば、新規のマーケティングキャンペーンに関するプロジェクトロードマップを作成する場合を考えましょう。キックオフミーティングには、プロジェクトで目指したい方向や期待する成果物が異なる他部門の関係者が参加しているかもしれません。しかし、そのキックオフミーティングにおいて、ブレインストーミングを目的とした話し合いを進めるのではなく、重要なマイルストーンとプロジェクト目標について明確なロードマップを提供すれば、プロジェクト開始時から関係者の期待内容をコントロールし、プロジェクトを成功に導くことができます。

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プロジェクトロードマップの例

プロジェクトロードマップの作成方法はさまざまで、正しい方法は 1 つだけではありません。大事なのは、仕事のニーズに応じて、最適な視覚化の形を選ぶことです。プロジェクトロードマップを初めて作成する方向けに、以下に 2 例を紹介します。

バーチャルイベント用プロジェクトロードマップ

バーチャルイベント用プロジェクトロードマップの例

IT プロジェクト用ロードマップ

このプロジェクトロードマップは複数の「スイムレーン」を捉えます。この例では、IT 部門が第 4 四半期に、3 件の大規模な取り組みを計画しています。取り組みの概要と目標はそれぞれ異なりますが、IT 部門のメンバーが 3 件すべてを通じて業務を担当するため、1 つの場所で閲覧できるロードマップがあると便利です。それにより、IT 部門のチーム全員が、信頼できる唯一の情報源をもとに、3 件の取り組みの実施に向け準備を進めることができます。

プロジェクトロードマップの作成方法

効果的なプロジェクトロードマップを作成するためには、プロジェクトのタイムライン、成果物、スケジュールを視覚化する方法が必要です。これらの要素を組み合わせることにより構成されるプロジェクトロードマップは、プロジェクトにおいていつ何が行われ、コラボレーターや関係者がどのような取り組みに関与するのかを大まかに捉えた俯瞰的な全体像です。プロジェクトロードマップの作成における 4 つの主要な要素を以下に紹介します。

  1. プロジェクトスケジュールを概説: プロジェトがいつ始まり、いつ終わるのか。プロジェクトスケジュールを当初から用意しておくことで、成果物やマイルストーンの合理的なタイムラインを無理なく定めることができます。

  2. 成果物とマイルストーンを定義: プロジェクト終了時までに完了される成果物は何か。認識が必要な特定の期日やプロジェクトマイルストーンがあるかを捉えます。

  3. 潜在的リスクを明確化: チームが認識すべきリスクはあるか。プロジェクトの成功を阻む可能性がある課題として何が想定できるでしょうか。

  4. プロジェクト関係者との共有: プロジェクトロードマップを関係者と共有して賛同を得ることができます。

プロジェクトロードマップを作成し、共有するための最適な方法は、Asana のようなワークマネジメントツールを使用することです。Asana は、全関係者に対し、信頼できる唯一の情報源を提供します。また Asana では、ロードマップだけでなく、プロジェクトのあらゆる側面を俯瞰的な視点で確認できます。そして、メンバー全員が信頼できる唯一の情報源を共有することで、タスクを計画、管理、実行する上で、チームの力が最大限に発揮されます。

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ロードマップはすべてのプロジェクトで必要か

プロジェクトロードマップが不要なプロジェクトもあります。たとえば、来月分のブログ管理カレンダーや、優先度が低いバグ修正の取り組みなど、対象範囲が狭いプロジェクトにおいては、プロジェクトロードマップの作成に時間を費やす意味があまりない場合もあります。そういったケースにおいても、プロジェクト関係者と定期的に意識合わせの機会を持つことは役立ちますし、プロジェクトにおいて信頼できる唯一の情報源を確保するのがよいでしょう。しかし、プロジェクトロードマップが不要な場合には、無理に作成することは避けましょう。

チームの GPS

効果的なプロジェクトロードマップを使えば、プロジェクトの目標、達成方法、参加者についてチームと認識を共有できます。プロジェクトロードマップは、プロジェクト計画の開始点であり、優れたロードマップを作成することにより、堅調にプロジェクトを始められます。

初めてのプロジェクトロードマップを作成する準備はよろしいでしょうか?ワークマネジメントのリーダー、Asana をぜひお試しください。あなたのチームに最適なツールを提供します。

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