概念実証 (POC): 実現可能性の実証方法

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2022年1月5日
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概要

概念実証 (POC) は、提案する製品、方法、またはアイデアが実現可能であることを実証するものです。関係者や投資家が安心してプロジェクトを進められるように、提案したアイデアがなぜ実際に通用するのかを証明しなくてはいけません。この記事では、POC の書き方と、このプレゼンテーションが製品開発において有益な要素である理由をご紹介します。

プロジェクトに時間やお金、エネルギーを費やす前に、そのアイデアが価値あるものかを調査するのは理にかなったことです。車を購入するときも、支払い前にエンジンがかかるかどうか確認しますよね?このように、アイデアや決断を下す前に、時間をかけて検証すれば、よりよい選択を行い、後悔を減らせるはずです。

POC (概念実証) とは、プロジェクトやアイデアにコミットする前に行うフィージビリティスタディ (実現可能性調査) のことです。POC を活用することで、クライアントや製品チームに、なぜ特定のアイデアが実際に機能するのかを証明できます。この記事では、POC の書き方と、このプレゼンテーションがプロジェクトと製品開発の双方にとって有益な要素である理由をご紹介します。

POC (概念実証) とは?

概念実証 (POC) は、提案した製品、方法、またはアイデアの実現可能性を実証するものです。これを活用することで、特定のアイデアが実際に機能することを証明でき、関係者や投資家が自信を持ってプロジェクトを進められるようになります。また、プロジェクトのライフサイクルの早い段階で実行可能性を証明することで、メンバー全員が安心してプロジェクトに取り掛かれるようになります。

POC (概念実証) とは?

さまざまな業界が開発プロセスで概念実証を活用しています。その理由は、プロジェクトのリスクを軽減し、意思決定者がプロジェクトのメリットに関する貴重なインサイトを把握できるからです。しかし、すべてのプロジェクトが新しいアイデアから始まるわけではありません。そのため、概念実証を使う必要のないプロジェクトも存在します。

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概念実証を使う必要のある場面とは?

概念実証は、業界で先例のない新しい製品、方法、理論を開発するときに活用できる最も有益な方法です。ここでは、概念実証が必要になる場面をご紹介します。

  • 新しいプロジェクトのアイデアを生み出す場合: 先行事例のない製品や方法を開発する場合、概念実証はパイロットプロジェクトの役割を果たします。比較対象となる過去のユースケースがない場合、自分のアイデアを検証し、それが実際に機能するかどうかを確認する必要があります。

  • プロジェクトに新機能を追加する場合: プロジェクトに新しい機能を追加すると、既存のプロジェクトが実質的に新しいものになります。概念実証を利用して、新しい機能がプロジェクトの機能に悪影響を与えないことを確認しましょう。

プロジェクトに新しいアイデアや機能を追加しないのであれば、実現可能性を実証するために概念実証を使用する必要がない場合もあります。市場調査を利用して、取り組んでいるプロジェクトに先行事例があるかどうかを判断し、ある場合は、POC の代わりにデータを使用することもできます。

記事: プロジェクト管理でフィージビリティースタディを使用する方法

概念実証を書くための 5 つのステップ

概念実証はパイロットプロジェクトの役割を果たします。プロジェクトを実行しながら、その過程で行ったステップや発見したことをまとめましょう。調査内容を 1 つの文書に読みやすくまとめると、主要な関係者から資金や承認を得られる可能性が高くなります。

概念実証を書くための 5 つのステップ

以下の 5 つのステップを使って、概念実証を書き、実行しましょう。

1. ビジネスアイデアを定義する

ビジネスアイデアを定義することは、開発プロセスの中で当然のことのように思えるかもしれません。しかし、単にアイデアを口にするだけでなく、実現するためにやらなくてはならないことがあります。1 つ目のステップで行うことは次のとおりです。

  • 調査を行って、ターゲットオーディエンスが抱える問題点を特定し、アイデアを採用すると問題点をどのように解決できるかを示す。

  • アイデアをどのように実行するかを説明する。

  • アイデアを使うと、長期的に何を達成できるかを明らかにする。

明確に定義されたアイデアで概念実証を始めると、関係者や投資家は、安心してプレゼンテーションを進めることができます。

2. パフォーマンス目標を設定する

アイデアとそれを実行する方法を定義したら、成功をどのように観測し、測定するかを明確にしましょう。適切な成功指標を使用すると、ターゲット市場での実現可能性を証明できます。

たとえば、ソフトウェア開発で実現可能性を検証するために使用される指標には、投資収益率 (ROI) やリスクの発生確率などがあります。アイデアを実現するために、どのような ROI や安全レベルを満たす必要があるか、ベンチマークを設定しましょう。

記事: よりよい SMART な目標作成のためのヒントと実例

3. POC プロジェクトを実行する

重要業績評価指標 (KPI) を設定したら、テストプロジェクトを実施しましょう。概念実証のこの部分は、製品や成果物のワーキングモデル (機能を果たす試作品) を作成するため、プロトタイプに似ています。

このモデルをターゲットユーザーから集めたサンプルグループに提供し、製品がこのグループの抱える問題を解決するかどうかを判断しましょう。このモデルは関係者や投資家と共有するものではないので、最終製品のように洗練された状態にする必要はありません。

4. 指標を追跡する

ワーキングモデルを検証する際に、サンプルグループから反応、比較情報、価格やその他の機能に関する詳細なコメントなどのフィードバックを集めましょう。この情報を記録し、関連データと成功指標を照らし合わせて追跡します。

ユーザーが何を考えているかは、データを見ればわかりますが、言語や非言語コミュニケーションを活用すると、数字だけではわからない貴重なインサイトを把握することができます。サンプルグループが、プロジェクトのアイデアをオープンに話し合った場合、そのコメントをもとに、プロジェクトの問題点を解決できます。また、グループのボディランゲージや口調を見て、プロジェクトアイデアについてどう感じているのかを確認できる可能性もあります。

ユーザーフィードバックを共有のプロジェクト管理ソフトウェアに記録し、プロジェクトのライフサイクル全体を通して、チームがフィードバックを参照できるようにしましょう。

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5. 結果を提示する

アイデアが実現可能であることが証明されたら、関係者にアイデアを受け入れてもらう必要があります。これが、概念実証の最終段階です。そのために一番効果的なのは、プロジェクトが解決できる問題点や、オーディエンスにどのようなメリットをもたらすかを、POC のプレゼンテーションの軸に据えることです。概念実証のプレゼンテーションでは、これから生み出す機能や成果物をアピールするのではなく、アイデアがどのようにオーディエンスのニーズを満たすかを強調しましょう。

概念実証は、アイデアの長期的な価値を説明するものです。プロジェクトを提示する際には、解決しようとする問題を定義し、このアイデアが解決できる具体的な問題点を説明しましょう。成果物は、これらの問題点を解決するために使われるものですが、全体的な目標達成を支援するためのツールでもあります。

記事: 6 つの明確なステップに分割したプロジェクトのリスク管理プロセス

概念実証、プロトタイプ、MVP の違い

概念実証、プロトタイプ、MVP (実用最小限の製品) などの用語が同じ意味で使われているのを見かけることがあります。これらの用語はすべて製品づくりに関連するものですが、注目すべき違いがあります。

POC、プロトタイプ、MVP の違い

概念実証、プロトタイプ、MVP の違いは以下のとおりです。

  • 概念実証 (POC): POC とは、実現可能性を証明するために行われるプレゼンテーションのことです。概念実証の作成にかかる時間は、プロジェクトのアイデアの複雑さによって数日から数週間までさまざまです。目的は、開発者や研究者に概念実証を提示し、アイデアに価値があることを納得してもらうことです。先行事例のないアイデアを検証する際には、概念実証が役に立ちます。

  • プロトタイプ: プロトタイプは、製品の作り方や完成後のイメージを示すために使用されます。プロトタイプはプロジェクトの初期段階で作られるため、正確に仕上げるまでに数週間かかることがあります。完成したプロトタイプは、開発者、関係者、または限られた数のエンドユーザーに公開されます。プロジェクトの資金確保に、プロトタイプを活用することもできます。

  • 実用最小限の製品 (MVP): MVP とは、プロジェクトの中で最も完成に近い製品のことです。プロトタイプや概念実証を限られた数のグループに提供した後、フィードバックを利用して変更を加え、MVP を完成させます。MVP は、エンドユーザーのために作成されるもので、作成には数か月かかることもあります。MVP の目的は、早い段階でユーザーの声を聞き、製品の方向性を検証することです。市場での競争力を獲得することにもつながります。

概念実証は、製品やアイデアを初歩的なレベルで検証し、プロトタイプは、アイデアを実現し、他の人たちと共有できるようにするものです。MVP は、製品やアイデアを世の中に提供する前に作成するプロトタイプの最終段階です。

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概念実証でプロジェクトアイデアを検証する

世の中を変えられるようなアイデアを思いついたら、とてもわくわくするでしょう。しかし、そのアイデアを実現できるかどうかを把握するには、実用性を検証する以外に方法はありません。概念実証は、アイデアを実現するための第一歩であり、関係者や投資家に、これから始まるプロジェクトの最終形態を少しだけ味わってもらう機会です。

プロジェクトアイデアを明確に伝え、そのアイデアを検討する価値があると周囲に納得させる POC を作成するためには、厳密なプロジェクト管理計画が必要です。プロジェクト管理ソフトウェアを使って、プロジェクト開発の初期段階でチームのワークフローを確立すると、作業の重複を防ぎ、全体の効率を高めることができます。

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