クリエイティブブリーフの書き方 - 完全ガイド

クリエイティブ作業は他のプロジェクトと同様に、開始前に明確な計画や測定可能な目標を設定することが必要です。そこでクリエイティブブリーフの出番です。クリエイティブブリーフを作成すれば、仕事を計画する際に積極的なアプローチが取れ、必須要件をまとめられます。他の重要な要素に加えて、プロジェクトのクリエイティブ作業に特化した作業範囲、期日、成果物を明確にする機会を得られます。

全体的に、クリエイティブブリーフはデザインプロセスがボトルネックとならないように確認しながらチームの不満や混乱を減らし、チーム全員の足並みを揃えるのに役立ちます。

クリエイティブブリーフとは?

クリエイティブブリーフは、プロジェクトへのインスピレーションやガイドの役目を果たし、通常デザイナー、コピーライター、コンテンツマーケティングチームなどとの、部門間のコラボレーションに関わります。すべての関係者がプロジェクト要件を理解し、主要なメッセージを決定し、各人に期待されることを管理し、また、クリエイティブチームによる仕事の達成を容易にすることが目標です。クリエイティブブリーフはクリエイティブチームにとって非常に有益ですが、それだけでなく、プロジェクトの主要な情報がすべて 1 か所にまとまるためプロジェクトのロジスティクスにも重要です。

クリエイティブブリーフは、メッセージ、オーディエンス、成功の測定方法など、プロジェクトのクリエイティブ要件を定義するために使用されます。ブリーフを作成したら、問題点や制限を話し合うために、キックオフミーティングを行うことが理想的です。それにより、プロジェクト開始前にクリエイティブブリーフに修正を加えて更新する時間が得られます。

クリエイティブブリーフは作成したら終わりというものではありません。プロジェクトが始まるまで進化し続け、プロジェクトの範囲が決定されたり調整されたりするとともに変化するドキュメントです。しかし、プロジェクトが始まる時点で、明確な計画として出来上がっているべきです。デザイン、コンテンツ、クリエイティブの各チームがプロセス中いつでも参考にでき、チーム全員が足並みを揃え適切な判断ができるよう、はっきりとした目標が記されている必要があります。

優れたクリエイティブブリーフを作成するための必須要素

リエイティブブリーフがどういうもので、なぜ必要なのかを理解することは重要です。さらに、どんな内容を含むべきかを理解していれば、かなりの時間を節約でき、クリエイティブチームと何度もやり取りする必要もなくなります。適切な情報をあらかじめブリーフに含めておけば、将来的に同じ質問を繰り返したり問題が起きたりすることを避けることができます。

以下は、どんなクリエイティブブリーフでも必要な「マストアイテム」です。この 9 つのステップを踏めば、マーケティングキャンペーンを企画する場合でも、広告エージェンシー向けにクリエイティブブリーフを作成する場合でも、または社内チーム向けにクリエイティブブリーフを作成する場合でも、チームの成功のために必要な主要情報が明確になります。以下に記載されている基準をほぼすべてのクリエイティブブリーフに含めることをおすすめします。もちろん、プロジェクトに関連するその他の要素を追加するのもよいでしょう。

  • タイトルと説明
  • 中長期目標
  • オーディエンス
  • メッセージングとトーン
  • アセットと成果物
  • 関係者
  • 予算
  • タイムライン
  • 配布プロセス
タイトルと説明

最初に、クリエイティブブリーフがプロジェクトの重要な一部だということが関係者から見てわかりやすくなるように、クリエイティブブリーフにタイトルを付けます。クリエイティブ作業に手短な説明を付けて、プロジェクトの意図を伝え、チームメンバーになぜこのプロジェクトに参加してもらっているかを理解してもらいましょう。

例:

タイトル: 新製品リリース用の広告キャンペーン

説明: Apollo Enterprises の最新製品のリリースの準備に伴い、製品を売り出すための一連の広告をまとめておきます。

中長期目標

あなたがこのプロジェクトのクリエイティブを担当することになったのには理由があるはずです。特定のビジネスニーズや、このプロジェクトで何を達成するのかを明らかにしてください。この特定のクリエイティブプロジェクトが成功すると、どのような成果が得られるでしょうか?測定可能な目標を書き出してください。プロジェクトが完了する際にその目標を振り返って、目標を達成できたかを明確に把握できます。

例:

中長期目標: 有料検索を通して 1 か月で 50 万人の見込み客にリーチし、メールリストに 5,000 人の新規購読者を追加する。

オーディエンス

ターゲットオーディエンスをイメージしておけば、クリエイティブをターゲットにうまく合わせるのに役立ちます。具体的な物事を考えることで、後々それが有益な情報となります。成果物 (ビデオ、広告など) を消費するのは誰なのかを明確にしてください。年齢、性別、所得水準、結婚歴、教育レベルなど人口統計学的な概要を決めて、その人がどういうタイプの人なのかをできるだけ定義してみましょう。

また、オーディエンスが重んじるもの、何に興味を持ち、何を望み、何を必要としているかを書き留めましょう。リーチしようとしているのは既存の顧客ですか?見込み客ですか?オーディエンス像についてできるだけ多くの質問をし答えを出すことは、プロジェクトを進めていく上で役に立ちます。

例:

オーディエンス: 男性、30~65 歳、中高所得者、高卒以上。アウトドア愛好家で、ツールや道具を使った手作業を好む顧客。既存の Apollo Enterprise の顧客ではない方。

メッセージングとトーン

オーディエンスが明確になったところで、彼らに伝えたい明確なメッセージを作りましょう。また、ターゲットオーディエンスがそのメッセージを受け取ったとき、彼らが何を考え、どう感じ、何を求め、どういう行動に出るかを考えてください。読み手が行動を取るようなメッセージになっているでしょうか?

ブランドのガイドラインがすでに確立されているなら、クリエイティブブリーフに含めるか、入手できる場所を関係者に示しましょう。ブランドガイドラインに従えば、メッセージを全体的なブランドのトーンやイメージに合わせることができ、マーケティングのイニシアチブ間のメッセージングの一貫性を維持できます。

ブランドガイドラインがまだ確立されていない場合は、適切なチームメンバーと共同でこの特定のプロジェクトが従うべきトーンやイメージについての情報をまとめましょう。メッセージを人間と見立てて、ボイス (人柄) とトーン (雰囲気や態度) をはっきりさせましょう。

例:

メッセージングとトーン: オーディエンスに、クリエイターとなり、Apollo Enterprises の新製品を最も大切なツールの 1 つとして使用するように働きかける。手作業をする彼らを讃え、自分の作品を誇りに感じてもらうことを大切にする。

アセットと成果物

チームの仕事はいくつかの (または多くの) クリエイティブアセットを制作することです。ブリーフのこの箇所では、これらのアセットや成果物がどういうものかを説明してください。たとえば、広告を作成しているなら、最終成果物は実際の広告です。寸法、バージョンの数、デザイン要素などのアセット要件を明確にしてください。

例:

アセットと成果物: それぞれタグラインと画像が異なる 3 つの広告物 (各広告のサイズは 250x250、728x90、120x600)。

関係者

クリエイティブプロジェクトでは通常、部門間のチームコラボレーションが必要となります。マーケティング部門とデザイン部門はほぼ必ず関わり、多くの場合他の部門も関与します。これは異なるチームから集まったメンバーが、同じ望ましい結果を目指して協力しあうということです。

ですので、プロジェクトの関係者を前もって明らかにしておくことが非常に重要です。それぞれのチームメンバーは誰が参加し、他のメンバーが何を担当するのかを知る必要があります。これをクリエイティブブリーフに含めば、将来的に質問に答える時間がかなり節約できます。

例:

関係者:

  • クリエイティブチーム: 北原 (広告コピー)、榎本 (広告デザイン)
  • マーケティングチーム: 花崎 (プロジェクト責任者)、唐木 (キャンペーン用メールマーケティングの設定)、寺島 (広告配信)
  • 製品チーム: 座間 (プロダクトマネージャー)
予算

クリエイティブでもそれ以外の仕事でも、すべてのプロジェクトに予算は必要です。最初に予算を設定すれば、仕事を予算内で進めやすくなり、意思決定にも役立ちます。実際の数字を書き出して、できる限り費用を明確にしましょう。前もって調査を行うことをおすすめします。コストを削減する方法はありませんか?プロジェクトを始める前に、時間をかけて計算してみましょう。そうすれば上司も喜ぶでしょう。

予算: 全体的な予算は $8,000、広告に $5,000、デザイン費用に $1,500、コピーライティングに $1,500 を割り当てる。

タイムライン

仕事のタイムラインをあらかじめ確立することで、チームは仕事を順調に進めることができます。開始日と終了日を決定し、その間に重要な日付を必要なだけ記入します。最初から期日を周知すれば、すべての関係者は自分の担当作業にどの程度の期間が与えられているかを把握できます。メンバーはスケジュールに合わせて仕事を計画し、問題があれば連絡してくれるでしょう。プロジェクトの進捗に合わせて調整が必要なことに留意しつつも、日付や期日はできる限りはっきりと指定してください。

例:

タイムライン:

  • キックオフミーティング: 5月 5日
  • クリエイティブブリーフ最終版期日: 5月 10日
  • 広告コピー期日: 5月 30日
  • 広告デザイン期日: 6月 10日
  • 広告購入計画期日: 6月 15日
  • 広告キャンペーン期間: 7月 1日 ~ 7月 31日
  • 広告効果の測定: 継続的
  • プロジェクト完了: 8月 15日
配布プロセス

メディアアセットがどのようにオーディエンスの手元に届くかを特定することは、クリエイティブブリーフに欠かせないことです。クリエイティブプロセスのあらゆるステップでの努力が実るかどうかは、効果的な配信戦略を実践できるかにかかっています。言い換えれば、どのような方法でメッセージを伝えますか?SNS、メール、ブログの投稿、有料広告など、メディアの配信にはさまざまな方法があります。

例:

配信プロセス: 広告の展開に Google 広告を使用する。

上手に構成されたクリエイティブブリーフの例

素晴らしいクリエイティブブリーフの例を実際に確認できれば、自分のブリーフを策定する際に役立つでしょう。次の素晴らしい例で詳細を確認してください。プロジェクトがスムーズに実行されるように、プロジェクトマネージャーが時間をかけ頭を使って作成されたブリーフであることが一目瞭然です。

クリエイティブブリーフの例

クリエイティブブリーフのテンプレート

まずは、このクリエイティブブリーフのテンプレートで、キャンペーンの目標、クリエイティブの成果物、期日、マーケティング戦略等の項目をまとめましょう。

タイトルと説明:

関係者が容易に特定できる名前、そしてクリエイティブブリーフの意図を伝える短いサマリー。

中長期目標:

クリエイティブブリーフの成功の評価基準を定義。

オーディエンス:

キャンペーンの対象者は誰で、その価値観、関心事、ニーズは何か。このセクションには関連する社会的属性も含めます。

メッセージングとトーン:

目指すトーンの種類は?クリエイティブアセットを目にしたとき、オーディエンスに感じてほしい気持ちは?

アセットと成果物:

  • アセットと成果物 1
  • アセットと成果物 2
  • アセットと成果物 3

関係者

  • 関係者 1
  • 関係者 2
  • 関係者 3

予算:

全体的な予算は?予算の内訳についての具体的な詳細もあれば含めます。

タイムライン:

  • 日付: 説明
  • 日付: 説明
  • 日付: 説明
  • 日付: 説明

配布プロセス:

アセットと成果物の完成時にオーディエンスにリーチする方法を特定する。

代理店と協働する際のクリエイティブブリーフの使用方法

クリエイティブ作業のコラボレーターは、社内関係者のみとは限りません。会社が広告代理店を起用する場合もあります。次のプロジェクトで代理店と協働するなら、以下のクリエイティブブリーフ使用法で、パートナーシップを最大限に活用できます。

クリエイティブブリーフを出発点として使用する

ブリーフを代理店の担当者に配布する際、その機会を利用してプロジェクトの目標について話し合い、クリエイティブブリーフを必要に応じて改善してください。担当者はおそらく同じようなプロジェクトに取り組んだ経験があるので、意見を聞いてみましょう。プロジェクトをサポートすることが彼らの仕事であり、彼らから同意を得ることで全体的なプロセスのすべてのステップが容易になるでしょう。代理店のパートナーから、何がうまくいき、何がうまくいかないかを学んでください。

最終バージョンは、できる限りしっかりとまとめる

重要な情報を含めれば含めるほど、後々の質問の数が減ります。また、代理店はパートナーですが、他の会社とも仕事をしていることを忘れないようにしてください。できるだけ多くの情報を提供すれば、いい意味で自社のプロジェクトを印象付けられるでしょう。たとえば、該当するスタイルガイド、ボイスのトーンについての推奨事項、関連する社内メッセージングの情報、およびクリエイティブプロジェクトにおいて代理店が留意すべきブランドガイドラインを含めるとよいでしょう。

変化に順応する

人やプロジェクトは迅速に動きます。プロジェクトリーダーの中にはクリエイティブブリーフは柔軟性のないものと勘違いしている方もいますが、実際には生きたドキュメントです。仕事が開始するまで、常に進んで会話を行い、編集してください。

過去最高のブリーフを書く

これで自信が持てたでしょうか?クリエイティブブリーフを作成することがそれほど大変ではないことがわかり、次のブリーフを作成する準備ができていれば幸いです。ブリーフを作成したあと、Asana のようなワークマネジメントツールでクリエイティブプロセスの次のステップを管理しましょう。このようなツールは、情報の整理だけでなく、チームの指揮を執るのにも役立ちます。

自分とチームメイトの仕事が楽になるクリエイティブブリーフを作成して、プロジェクトを順調にスタートさせましょう。

キックオフからサインオフまで、次のクリエイティブブリーフを Asana で管理しましょう

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