RACI 図のガイド (実例付)

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins2021年1月7日00
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自分のプロジェクトにおいて、誰が何をいつまでに行っているのか、各タスク、各マイルストーン、各成果物に対して特定できますか?もしできない場合には、RACI 図の出番かもしれません。

RACI は、プロジェクトの役割分担を明確にし、各タスクの責任の所在をチーム全員が把握できるようにするコンセプトの頭文字をとった略語です。「RACI」という言葉を初めて聞く方も、次回のプロジェクトで RACI 図の作成を検討している方も、このガイドを読めば、RACI 図を作成して使用する方法のすべてをマスターできます。

RACI 図とは?

RACI 図とは、すべてのタスク、マイルストーン、プロジェクト成果物に対し、プロジェクトのチームメンバーの役割と責任を特定するための手段です (責任分担表と呼ばれる場合もあります)。「RACI」の 4 文字を順番に適用することで、責任の所在を明確にし、混乱を減らせます。「RACI」という略語は以下を表します。

  • 実行責任者 (Responsible) は仕事の責任を直接担います。質問や報告を誰にすればよいのかわかるように、実行責任者は、各タスクにつき、必ず 1 名のみに限定する必要があります。タスクの実行責任者が 2 名以上になると、明確性が失われ、混乱を生じるおそれがあります。これを避けるため、関係者を追加する場合には、実行責任者ではなく 1 名を超えてもよい RACI の他の役割にコラボレーターとして追加しましょう。

  • 説明責任者 (Accountable) は、タスクの完了を統括する責任を担いますが、実際にタスクの作業を行うメンバーとは異なる可能性があります。説明責任者を割り当てる方法は、2 通りあります。まず、説明責任者がプロジェクトマネージャーを務めている場合があります (実行責任者を務めているケースもありますが、その場合にはタスクのワークフローにおいて、2 つの異なる役割を兼任することになります)。こういった場合には、仕事をすべて完了させることが説明責任者の責務となります。一方で、説明責任者が、仕事の正式な完了を承認する管理職のリーダーや役員である場合もあります。実行責任者と同様に、説明責任者も必ず 1 人のみに限定する必要があります。

  • 協業先 (Consulted) は、仕事の納品前に、その評価と承認を担当する関係者 (1 人または複数名) です。協業先は、各タスク、プロジェクトのマイルストーン、成果物ごとに複数名 (または複数社) 置かれる場合があります。

  • 報告先 (Informed) は、仕事の進捗と完了に関し報告を受ける人またはグループです。通常、成果物の他の側面には関わりません。

記事: プロジェクト管理における成果物とは?

RACI 図はどのような場合に作成すればよいのか

RACI 図は、タスク、マイルストーン、成果物における関係者の役割分担を追跡する効果的な手段です。意思決定者や内容領域専門家が多数参加する複雑なプロジェクトを管理する場合には、特に役立ちます。RACI 図を使えば、誤った意思決定を防ぎ、承認プロセスにおいて障害を回避することができます。これにより、プロジェクト全体の成功を阻む要素を取り除きます。

RACI 図は、各関係者がプロジェクト期間中に複数の役割を兼任する場合に、特に活躍します。たとえば、あるタスクで成果物に関する責任を負いながらも、別のタスクでは報告先を務める関係者がいるとします。RACI 図があれば、こういった詳細な事柄が明確になり、誰が何を担当しているのか参加者全員が認識を共有できます。

RACI 図の例

RACI 図を作成するには、まずプロジェクトのタスク、マイルストーン、成果物をすべて記載します。次に、それらすべてについて、実行責任者、説明責任者、協業先、報告先の役割を担うチームメンバーをそれぞれ特定します。

たとえば、自社のウェブサイトのトップページ更新を行う場合、次のプロジェクト関係者を想定できます。

  • コピーライター

  • デザイナー

  • ウェブサイト責任者

  • ウェブデベロッパー

この例では、5 つのタスクと成果物を含む RACI 図を作成します。

  • トップページの CTA (バナーやボタンなど) を更新する

  • トップページのお客様体験談を更新する

  • ウェブサイトのデザインをリニューアルする

  • トップページの読み込み速度を改善する

  • トップページのデザインを更新する

RACI 図は以下のようになります。

トップページの CTA を更新するトップページの CTA を更新する

  • 実行責任者: コピーライター

  • 説明責任者: ウェブデベロッパー

  • 協業先: ウェブサイト責任者

  • 報告先: デザイナー

トップページのお客様体験談を更新するトップページのお客様体験談を更新する

  • 実行責任者: コピーライター

  • 説明責任者: ウェブデベロッパー

  • 協業先: ウェブサイト責任者

  • 報告先: デザイナー

トップページのビデオをリニューアルするトップページのビデオをリニューアルする

  • 実行責任者: デザイナー

  • 説明責任者: ウェブデベロッパー

  • 協業先: ウェブサイト責任者

  • 報告先: コピーライター

トップページの読み込み速度を改善するトップページの読み込み速度を改善する

  • 実行責任者 ウェブデベロッパー

  • 説明責任者: ウェブデベロッパー

  • 協業先: ウェブサイト責任者

  • 報告先: コピーライター、デザイナー

トップページのデザインを更新するトップページのデザインを更新する

  • 実行責任者: デザイナー

  • 説明責任者: ウェブデベロッパー

  • 協業先: ウェブサイト責任者

  • 報告先: コピーライター

RACI 図のメリットとデメリット

RACI 図を作成すべきか否かを検討する際には、以下の点を考慮しましょう。RACI 図はプロジェクトにおける責務を特定するために役立つツールですが、プロジェクトのフェーズにより、少々使いにくくなる場合もあります。チームの仕事を管理するため RACI 図を作成するメリットとデメリットを以下に紹介します。

RACI 図のメリット

プロジェクトの役割と責任を明確化すれば、チームは機敏に動けるようになり、「誰が何の作業を行っているのか」といった混乱も減ります。RACI 図を使えば、2 人のメンバーが重複した作業を行うこともなくなります。その結果、チームのコラボレーションが簡単になります。

意思決定プロセスが複数のタスクにまたがる場合には、RACI 図の効果がとりわけ明らかになります。たとえば、あるタスクまたはマイルストーンに報告先として参加する関係者が、別の場面では実行責任者または協業先を務める場合があります。こういった複雑な体制も、RACI 図で仕事を管理すれば、明確に定義できます。

RACI 図を使用する際の注意点

RACI のモデリングは、プロジェクトレベルで仕事を定義するのではなく、プロジェクトの詳細なレベルを対象とします。1 つのタスクにおける協業先が誰なのかを知ることは確かに役に立ちますが、それだけではプロジェクト全体における各種関係者の連携を可視化することはできません。

また、個々のタスクや役割をすべて記載しようとすると、RACI 図の情報量が過剰になる場合があります。加えて、プロジェクトに何らかの変更があった場合には、RACI 図がとたんに過去の情報になってしまいます。そのため、プロジェクトのワークフローにおける各タスクの進捗について、リアルタイムで明確に把握することが困難な場合があります。

RACI 図は、プロジェクトのニーズにリアルタイムで適応するものではないため、その能力には限界があります。プロジェクトレベルで明確な要件を確立し、混乱を解消するためには、プロジェクト管理ツールが必要です。

プロジェクトマネジメントで RACI 図をレベルアップ

プロジェクト管理ソフトウェアを使えば、すべてのタスクに担当者、つまり実行責任者を割り当てられます。そして、仕事をプロジェクトレベルで俯瞰できるため、説明責任者や報告先がメールやステータスミーティングでそれを確認する必要がなくなります。さらに、協業先の承認が必要な事項についても、その評価や承認を 1 つの場所ですべて追跡できます。それにより、RACI チーム全員が、進行中のすべての仕事に関し、信頼できる唯一の情報源を共有できます。

RACI 図 - Asana ワークマネジメントツール

記事: プロジェクトプランを視覚化する 3 つの方法: タイムライン、カレンダー、ボード

仕事の現場から離れた場所で RACI 図を管理する在り方とは異なり、プロジェクト管理ツールを使えば、トピックや担当者のほか、タスク期日、重要度などの大事な情報も 1 つの場所で記録できます。それにより、誰が何をいつまでに行っているのか、プロジェクトチーム全員に対し可視化されます。また、RACI 図を管理し、更新する責任を 1 人のメンバーに任せる必要はありません。プロジェクト管理ツールでは、リアルタイムで更新が行われるので、承認プロセスの正確な進捗状況をいつでも確認できます。

誰が何をいつまでに行っているのか追跡する

期日通りに成果物を納品するためには、チームの役割と責任を明確化することが大きな成功要因となります。関係者のさまざまな役割が複雑に絡み合っている場合にも、RACI 図で追跡すれば、簡単に明確化できます。そして、RACI 図で目標を達成した後も、できることはたくさんあります。詳しくは、ワークマネジメントとそのメリットに関する解説をお読みください。

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