チームを成功させるために役割と責任を確立する 4 つの方法

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana
2024年2月25日
facebookx-twitterlinkedin
役割と責任の記事バナー画像
テンプレートを表示

概要

明確な役割と責任がなければ、プロジェクト計画を遂行することは困難です。チームの役割を明確にすることで、チームメイトが協力し合い、より効率的にプロジェクトを進められるようになります。このガイドでは、役割と責任を明確にする方法と、それがチームにもたらすメリットについて説明します。

役割分担が曖昧なままプロジェクトを進めていくと、何かと混乱しますよね。たとえば、デザイン担当者とコンテンツ担当者が、どちらも画像に含まれるキャッチコピーは自分の担当だと思ってキャッチコピーを書いていた、なんてことがあるかもしれません。このようなコミュニケーション不足や作業の重複が原因で、キャッチコピーの納品に予定以上の時間がかかると、プロジェクトのスケジュールを遅延せざるを得なくなります。

明確な役割と責任がなければ、簡単にプロジェクト計画を遂行することはできません。チームの役割を明確にすることで、チームメイトが協力し合い、より効率的にプロジェクトを進められるようになります。マネージャーとして、チームの生産性を向上させたいのであれば、プロジェクトの初期段階で各チームメンバーの具体的なタスクを明確にすることが重要です。

このガイドでは、役割と責任を明確にする方法と、それがチームにもたらすメリットについて説明します。

Asana で仕事の生産性を向上させる方法

1. やるべきことを決める

組織レベルとプロジェクトレベルの両方で役割と責任を特定する際には、以下のステップを使用できます。チームの役割を定義する最初のステップは、実行する必要のあるさまざまなタスクを決定することです。タスクを特定するための質問には、次のようなものがあります。

  • 過去のプロジェクトは成功したか。

  • 成功しなかった場合、改善できる点はあったか。

  • チームの To-Do リストに残っているタスクはあるか。

  • それぞれのチームメンバーはどのようなタスクを毎日こなしているか。

  • それらのタスクは各チームメンバーの職務内容の一部なのか。

どのくらいの量の仕事をこなさなければならないかがわかれば、それに応じてタスクを他の人に割り当てることができます。

記事: 任せ上手なマネージャーになる 10 のヒント

2. 責任におけるギャップを特定する

このステップは、組織レベルで役割を定義する際に最も重要となることですが、プロジェクトに取り組む段階になって責任のギャップが生じることもあります。

To-Do リストを作成した後、これらのタスクとチームメンバーが実際に行っていることを比較対照します。この比較を行うことで、責任のギャップを特定できます。このようなギャップは、チームメンバーの本来の仕事内容が不明確であったり、後から他の人に別のタスクを任されたりすることで、知らず知らずのうちに生じることがあります。

責任のギャップが明らかになれば、それがチームを調節し直す際の出発点となります。そして、チームメンバーを本来の役割に戻し、メンバーが受け持っていた余分なタスクを誰が引き継ぐべきかを考えます。

責任におけるギャップを特定する

3. RACI チャートを使って役割を明確にする

RACI 図とは、チームメンバーの役割を特定するための手段です。RACI は、responsibility (実行責任者)、accountable (説明責任者)、consulted (協業先)、informed (報告先) の頭文字をとったものです。Y 軸にタスク、X 軸にチームメンバーを配置して RACI 図 (または RACI チャート) を作成しましょう。

それぞれのタスクとチームメンバーに、RACI の 4 文字のうち 1 つを割り当てます。これにより、チームメンバーは、各タスクにおける自分の具体的な役割を簡単に知ることができます。

チームのどのような役割が RACI チャートの各文字に該当するのか、以下の凡例で詳しく説明します。

  • R は Responsible (実行責任者) で、実際に仕事を行う人です。質問や報告を誰にすればよいのかわかるように、実行責任者は、各タスクにつき、必ず 1 名のみに限定する必要があります。

  • A は Accountable (説明責任者) で、仕事の承認を担当します。多くの場合マネージャーがこれに該当します。

  • C は Consulted (協業先) で、仕事について意見を述べるべき人です。チームメンバーのみならず、別のチームの誰かがこれに該当する場合もあります。

  • I は Informed (報告先) で、仕事の進捗状況や結果に関し報告を受ける人です。作業中に意見を言うことはありません。

RACI チャートの例

RACI チャートに関するその他のヒント:

  • 担当者が誰かわかるように、実行責任者 (R) は、各タスクにつき、必ず 1 名のみに限定する必要があります。タスクの実行責任者が 2 名以上になると、混乱が生じるおそれがあります。

  • 説明責任者 (A) は、各タスクにつき必ず 1 名のみに限定する必要がありますが、説明責任者が実行責任者を兼任する場合もあります (AR) 。

  • また、プロジェクトが不必要に複雑になる可能性があるので、報告先の数を制限する (I の数を少なくする) ことも重要です。

RACI チャートは、チームメンバーの役割の明確化や、プロジェクト遂行時の参考資料に活用できます。

4. チームメンバーからフィードバックを得る

RACI チャートを完成させた後、チームメンバーに率直なフィードバックを求めることで、チームのコラボレーションを促進し、割り当てた役割でうまくいくかどうか判断するための材料を得ることができます。

チームメンバーが自分の意見を述べることができれば、コミュニケーションが円滑になり、職場に健全なチームダイナミクスが生まれます。

フィードバックを求める方法をいくつかご紹介します。

  • チームミーティングを開き、「私が割り当てたチームの役割について意見のある人はいますか?」と尋ねる。

  • 1on1 ミーティングを予定し、チームメンバーが気になっている点を遠慮せずに挙げられる機会を設ける。

  • 匿名のアンケートを実施し、チームメンバーが率直に意見を共有できるようにする。

役割と責任を明確にするタイミング

役割と責任は、組織レベルとプロジェクトレベルで存在します。プロジェクトマネージャーの仕事は、それぞれのタイミングでチームの両レベルでの役割と責任を定義することです。組織レベルでしっかりとしたチーム構造を作ることは非常に重要です。この段階でギャップを感じているのであれば、まずはそこから取り組みましょう。

たとえば、ライターがプロジェクトの企画を多く担当している場合、優先順位とタスクを再検討する必要があるでしょう。また、デザイナーが一日中メールの返信をしている場合は、チームの構成を調節し直して、制作に集中できる時間を確保しましょう。

チームが組織レベルで自分の役割と責任を把握したら、各プロジェクトに個別にアプローチすることができます。たとえば、役割に沿った一般的な業務を担当しているデザイナーでも、特定のプロジェクトではデザインのやりとりも担当するといったことがあるかもしれません。

記事: リモートチーム: コラボレーション志向の文化を築くための 10 の方法

役割と責任を明確にすることのメリット

役割と責任を明確にすることで、長持ちするチーム構造を作ることができます。個人が自分に与えられた職務に自信を持てば、チームのパフォーマンスは向上します。

役割と責任を確立すべき 4 つの理由

チームメンバーが個々の役割を持つことで、チームは以下のような面でもメリットを得ることができます。

  • 生産性の向上: それぞれのチームメンバーに重要な責任を割り当てると、生産性が向上します。チームメンバーが自分の役割と責任を明確に把握していれば、優先すべき仕事を優先でき、最もインパクトの大きな仕事をこなすことができます。

  • 採用プロセスの改善: それぞれの役割における責任を明確にすることで、採用担当者が新規採用者を探す際に、難なくチームのニーズを満たすことができるようになります。責任の明確なリストがなければ、採用担当者が候補者に職務内容を説明することは難しいでしょう。

  • チームの士気を高める: チームメンバーが何をすべきかが明確でないと、自分のスキルに自信が持てなくなることがあります。役割と責任を明確にすることで、全員が達成すべきタスクを持つことができ、チームの士気を高めることができます。また、チームメンバーが自信を持って日々の仕事に取り組めるように、それぞれの能力に合ったタスクを任せることもできます。

  • リソースの効率化: チームメンバーが適切な役割を果たすことで、組織は時間やコストの無駄を減らすことができます。最初に挙げた例では、あるプロジェクトで自分の役割を理解していない 2 人のチームメンバーが、重複して仕事をしていました。仕事が重複すると、プロジェクトの貴重な時間を無駄にし、結果的にコストも無駄にしてしまいます。チームが効率的であればあるほど、予算やタイムラインはコンパクトに抑えられます。

チームの役割が明確かつ具体的であれば、チームメンバーは自信を持って責任を果たすことができ、モチベーションも高まるはずです。

役割と責任の例

すべての役割には、その立場に合った重要な責任があります。適切に調整されていれば、チームメンバーは自分の役割を理解し、自分の職務に適合したタスクのみを担当することができます。ここで、一般的な役割と、その役割に伴う責任についてご紹介します。

役割: プロジェクトマネージャー

責任:

役割: ビジュアルデザイナー

責任:

役割: コンテンツライター

責任:

  • リサーチを行い、キャッチコピーを書く

  • デザイナーやマネージャーと進捗状況を確認する

  • クライアントからフィードバックを受け取り、キャッチコピーの修正を行う

これらの責任は、組織文化、職場環境、個々のチームメンバーの能力に応じて変化します。チームメンバーが誰に報告するのか、役割の要件など、詳しい内容を含む独自の職責テンプレートを作成することもできます。

記事: プロジェクトマネージャーになるために知っておくべきすべてのこと

明確なコミュニケーションと構造で強いプロジェクトチームを作る

チームリーダーの仕事は、プロジェクトごとにチームメンバーの準備を整えることです。強力なチーム構造を作るには、オープンなコミュニケーションが必要です。チームコミュニケーションソフトウェアを使えば、全員が自分の役割と責任、タスクの期日、仕事の進捗状況を把握することで、締め切りを守り、チームの目標を達成することができます。

Asana でチームのコミュニケーションを改善

関連リソース

記事

グループワークとは?効率的な進め方をわかりやすく解説