プロジェクト管理で学んだ教訓を記録しておく方法

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年8月19日00
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概要

プロジェクトのライフサイクルを通じて学んだ教訓を正確に記録しておけば、失敗から学び、その内容を他のプロジェクトマネージャーと共有できます。この記事では、教訓を構成する 5 つのステップ (特定、記録、分析、保管、想起) をご紹介します。教訓アンケートとブレインストーミングセッションを実施する方法や、その際に得られた情報を他のプロジェクトマネージャーと共有する方法もご紹介します。

プロジェクトから得られる貴重なポイントとなるのは、成果物だけではありません。イニシアチブが大成功であっても、失敗しても、平凡な結果に終わっても、プロジェクトには必ず何かしら学ぶべき教訓があります。

しかし、学んだ教訓を効果的に記録するには、少し注意が必要です。この記事では、プロジェクト管理の教訓セッションを実施し、記録する方法を紹介していきます。

プロジェクト管理の教訓とは?

プロジェクトでは常に新しい何かを学ぶものですが、教訓セッションは、他のチームとも共有できるように、得た情報をまとめ、体系化するためのものです。教訓セッションを実施し、教訓レポートを作成すると、プロジェクトチーム全体でその後のプロジェクトを改善するのに活用できるドキュメントが出来上がります。

文書化された教訓は、類似のイニシアチブに取り組んでいるマネージャーに伝えることができるほか、類似のプロジェクトに着手するチームメンバーも活用できます。学んだ教訓をチーム間で共有するのは、同じミスを繰り返さないようにする効果的な手段です。教訓レポートがあれば、自分だけでなく、メンバー全員が教訓を学べます。

教訓は、プロジェクトタイムラインのどのタイミングでも記録しておけます。むしろ、プロジェクトの複雑さによっては、情報を新しいうちに記録しておくために、教訓セッションを各プロジェクト管理フェーズの終わりに行ってもよいでしょう。そうすれば、よい結果や悪い結果、学ぶべき教訓を評価できます。

教訓セッションの種類

教訓セッションはさまざまな名前で実施されているかもしれません。エンジニアリングチームは、プロジェクトが失敗に終わった根本的な理由を探る 5 Whys (5 つのなぜ)、スクラムチームは、スプリントセッションの終わりに振り返りのセッションを実施します。またプロジェクトの終わりにポストモーテムを実施するチームもあります。

どの名前で呼ぶにしろ、肝心なのは、情報をまとめ、メンバー全員と共有するこということです。教訓セッションは、プロジェクトごとに少なくとも 1 回は実施するようにしましょう。

記事: 「5 つのなぜ」で問題の根本原因を突き止める

教訓セッションを実施する 5 つのステップ

教訓セッションを取り入れようとお考えの方は、以下に紹介する 5 つのステップに従って、プロジェクトの情報をメンバー全員がアクセスできるかたちで正確にまとめ、記録し、共有してください。

1. 特定する

ステップ 2 で文書化するプロジェクトの教訓を特定します。特定フェーズはさらに 3 つのステップで構成されます。

ステップ 1: 教訓アンケート

プロジェクトが完了した直後、また大規模なイニシアチブの場合ならプロジェクトの重要なフェーズの終わりに、プロジェクトチームのメンバー全員に教訓アンケートを送信します。そうすれば、メンバー全員の記憶が新鮮な間にフィードバックを取り入れることができます。そして、その情報をまとめてメンバー全員がプロジェクトで学んだ教訓を把握します。

教訓アンケートは、教訓セッションのプロセスを構成する非常に重要な要素の 1 つです。下に、便利なテンプレートを記載しています。このアンケートは通常どのプロジェクトでも使用できますが、プロジェクトのニーズに合わせて質問を調整できます。

ステップ 2: 教訓セッションの予定を立てる

教訓セッションを始める前に、進行役を選びます。チームメンバーが自由に発言できると感じられるよう、進行役にはプロジェクトマネージャー以外の人を見つけるのが理想です。チームリーダーや隣のチームのメンバーにセッションの進行を依頼してみましょう。

教訓セッションの予定を立てたら、進行役はプロジェクトのチームメンバーが共通認識を持てるよう、セッション前に読む資料などを提供します。これには、プロジェクト計画プロジェクト目標など、プロジェクト計画のドキュメントを再度共有することも含みます。プロジェクトの複雑さによっては、プロジェクトのタイムラインや成し遂げたことなどを共有してもよいでしょう。

ステップ 3: 教訓セッションを実施する

教訓アンケートに加え、チームメンバー全員参加のブレインストーミングセッションをライブで開催します。これは、チームメンバーがさらに多くの教訓を学ぶ機会となります。このブレインストーミングセッションでは、主に以下 3 つの質問の答えを探ります。

  1. 何に成功したか? 

  2. 何に失敗したか? 

  3. 何を改善できるか? 

2. 記録

教訓セッションを実施する一番の理由は、学んだ教訓をチーム全体と共有するためです。プロジェクトに関するすべての情報やディスカッションのメモ、関連するプロジェクトの関係者によるレビューが必要な教訓をまとめたエグゼクティブサマリーを取り入れた詳細な教訓レポートを作成しましょう。 

教訓レポートを作成するフォーマット

  • エグゼクティブサマリー

  • 結果のまとめ

  • 教訓アンケート

  • 詳しく書き出した推薦事項

記事: エグゼクティブサマリーの書き方 (実例付)

3. 分析

教訓は、他のチームと今後のプロジェクトにプラスとなるように分析し、適用します。これは、教訓セッションをプロジェクトの中間地点で実施する場合は特に重要な意味を持ちます。それ以降のフェーズに向けてプロジェクトを効果的に改善できるよう、教訓アンケートで得た情報を分析します。また、教訓セッションをプロジェクトの終わりに行う場合は、次のプロジェクトを開始する前に分析フェーズを使ってインサイトと改善の機会を探ります。 

4. 保管

教訓は、プロジェクト管理ツールのようなメンバー全員がアクセスできる一元化されたレポジトリに保管しておきます。そのような信頼できる情報源があれば、プロジェクトリーダーは共有された情報にアクセスし、最高のかたちでプロジェクトに備えることができます。

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5. 想起 

以前にも行われているようなプロジェクトを実行する場合は、過去のプロジェクトの教訓レポートを検索して同じ失敗を繰り返さないようにします。こうしたレポートは、一元管理された信頼できる情報源として共有されている必要があり、すべてのプロジェクトマネージャーがプロジェクトの計画プロセスに着手する前にレビューできるものでなくてはいけません。 

教訓アンケートのテンプレート

教訓セッションの最初のフェーズを実行する間に教訓アンケートを配布し、プロジェクトチームから情報を集めます。プロジェクトのディスカッションはチームと直接会って行いますが、教訓アンケートを実施することは、プロジェクトから教訓を得るために正確な情報を収集できていることを確認する上で欠かせないステップとなっています。

以下は、どのプロジェクトにでも使用できる教訓アンケートのテンプレートです。


各ステートメントについて、どの程度賛成または反対するかをお選びください。

「そう思わない」または「まったくそう思わない」を選択する場合は、今後のプロジェクト計画プロセスを改善できるように説明をご記入ください。 

プロジェクト計画

プロジェクト計画には適切なレベルの詳細が含まれていた。プロジェクトの概要を理解するのに必要な情報が提供されていた。 

  • 強くそう思う

  • そう思う 

  • どちらとも言えない 

  • そう思わない 

  • まったくそう思わない 

  • 該当しない

プロジェクト計画にはプロジェくトの目的が明確に説明されていた。 

  • 強くそう思う

  • そう思う 

  • どちらとも言えない 

  • そう思わない 

  • まったくそう思わない 

  • 該当しない

プロジェクトのスコープは明確に定義されていた。 

  • 強くそう思う

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  • そう思わない 

  • まったくそう思わない 

  • 該当しない

プロジェクトのスケジュールは明確で従いやすかった。 

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  • そう思わない 

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プロジェクトのコミュニケーション計画にはプロジェクトの作業に関するコミュニケーションを行う方法と場所が明確に定義されていた。 

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プロジェクト計画はすべての関係者と共有されていた上に簡単に見つけられるようになっていた。 

  • 強くそう思う

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プロジェクトの関係者として、プロジェクト計画のプロセスに参加できた度合いに満足している。 

  • 強くそう思う

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プロジェクトの実行

プロジェクトのライフサイクルを通じてメンバー全員の役割を把握できた。

  • 強くそう思う

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プロジェクトの関係者はプロジェクトの作業に熱心にかつ効果的に取り組んでいた。

  • 強くそう思う

  • そう思う 

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プロジェクトはお互いを助け合うよい環境であった。 

  • 強くそう思う

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  • そう思わない 

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プロジェクトマネージャーは連絡が取りやすく、すぐに反応してくれた。 

  • 強くそう思う

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  • まったくそう思わない 

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プロジェクトの変更内容は対応しやすく、スコープの範囲内であった。

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プロジェクト計画に記載されていた当初の予定は実際のスケジュールと厳密に一致していた。 

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プロジェクトの結果はプロジェクト憲章の原文に定義されていた結果と一致していた。 

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プロジェクトチームは目標と個人的な役割について共通認識を持っていた。 

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成果

プロジェクトは現実的で達成できる内容であった。 

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担当業務はプロジェクトのライフサイクルを通じて明確に定義されていた。 

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プロジェクトには成功を定義するための強力なパフォーマンス指標が設けられていた。 

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プロジェクトの目標を達成できたと思う。 

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プロジェクトへの関与 (仕事量、作業時間、労力を含む) は期待通りであった。 

  • 強くそう思う

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  • どちらとも言えない 

  • そう思わない 

  • まったくそう思わない 

  • 該当しない


教訓

教訓を記録しておくと、制度的知識を特定し、他のチームに伝えることができます。一から調べなくても、チームメンバーとプロジェクトリーダーは、何がうまくいき、何がそうではなかったのか、また何に改善の余地があるのかを明確に知ることができます。

過去の教訓をチームの今後の仕事につなげることにより、プロジェクトを快調にスタートすることができます。誰が何をいつまでに行うのかをメンバー全員が正確に把握していると、チームがインパクトの大きな仕事を達成する能力は一層高まります。 

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