プロジェクトデザインとは?7 つのステップとエキスパートのヒント

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2024年2月23日
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概要

プロジェクトデザインは、プロジェクトライフサイクルの初期段階で、アイデアやプロセス、リソース、成果物を 7 つのステップで計画します。詳細なリソースとビジュアル要素を取り入れたプロジェクトデザインを使ってチームの作業効率を合理化する方法をご紹介します。

プロジェクトを管理するにあたり、参加者全員に共通認識を持たせることは容易ではありません。複数の同時進行要素やさまざまな成果物、部門間のコラボレーションが予定されるとき、最初にプロジェクト会議を開くだけでは事足りない場合があります。

プロジェクトデザインは、アイデア、プロセス、および成果物について、チームの認識をそろえるために行います。具体的な詳細ではなく、プロジェクトの概要に重点が置かれるため、多くの場合、プロジェクトのライフサイクルの初期段階、プロジェクト計画やプロジェクト憲章を設定する前に行われます。この初期段階では、プロジェクトの関係者に対してプロジェクトのイメージを示す目的で、フローチャートやガントチャート、タイムラインなど、視覚要素が頻繁に使用されます。 

プロジェクトデザインの基礎からプロジェクトデザインを作成する 7 つのステップ、そのプロセスを理解するのに役立つエキスパートのヒントをご紹介します。

プロジェクトデザインの仕組み

プロジェクトデザインは、プロジェクトライフサイクルの初期段階に位置付けされており、アイデアやプロセス、リソース、成果物が 7 つのステップで計画します。プロジェクトデザインで大まかな概要を描いたあと、プロジェクト計画で詳細を詰めます。

プロジェクトデザインは、目標の定義や視覚要素を用いた目標の伝達など、7 つのステップを踏んで作成します。

プロジェクトデザインとは?

こうした視覚要素には、ガントチャートやかんばんボード、フローチャートなど、さまざまな手法が含まれます。プロジェクト戦略を視覚的に表現すると、関係者の間で透明性が生まれ、プロジェクトの全体的なフィージビリティー (実行可能性) をはじめとする、さまざまな側面が明確になります。 

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プロジェクトデザインを作成する 7 つのステップ

効果的なプロジェクトデザインプロセスは、7 つのステップから成ります。目的やベースライン目標を定義することや、戦略を強化することにより作業を整理しながら新しいプロジェクトを管理するといったステップが含まれます。

プロジェクトデザインを作成する 7 つのステップ

それでは、プロジェクトデザインの作成に必要な各ステップを見ていきましょう。 

ステップ 1. プロジェクト目標を定義する

最初のステップでは、プロジェクト目標を定義します。アイデア会議を開き、プロジェクトの大まかなタイムラインと成果物を文書化することから始めます。

最初に、プロジェクトと関係者のニーズについて考えます。何を解決しようとしているのか?プロジェクトの簡潔な説明と参加メンバーを書き出します。 

プロジェクトの基本的な目標をまとめたら、もっと具体的な目標を詳しく決定します。

プロのヒント: プロジェクトデザインの作成を始めるときは、プロジェクトの方向性をはっきりと視覚化できるように SMART な目標を使います。SMART は、Specific (具体的)、Measurable (測定可能)、Achievable (達成可能)、Realistic (現実的)、Time-bound (期限がある) を意味する頭文字です。 

記事: 効果的なプロジェクト目標の書き方 (実例付)

 ステップ 2. 目指す結果を決定する

次に、プロジェクトで目指す結果を絞り込みます。一般的に、プロジェクトで完了させる具体的なタスクを含めて、ステップ 1 の目標計画段階よりも詳細な結果を決めます。

たとえば、ウェブサイトに新しいランディングページを追加するプロジェクトに取り組んでいる場合なら、メールアドレスの登録フォームを追加することが結果の 1 つになります。

必要な結果と主要な成果物をプロジェクト目標と一緒に文書化したら、タイムフレームを構築します。人気のプロジェクト管理手法を参照した上で、自分のプロジェクトのニーズに合ったものを決定することをおすすめします。 

プロのヒント: 複雑なプロジェクトでは、反復作業を伴うアジャイル手法を使って大きなタスクを小さなスプリントに分割します。従来のプロジェクトの場合は、ステップバイステップのアプローチを徹底するウォーターフォール手法を使います。

ステップ 3. リスクと制約を特定する

結果を特定したら、今度はプロジェクトのリスクと制約について考えます。後にリソースを無駄にしてしまうことがないよう、リスクを引き起こす可能性がある要素を評価します。 

リスクと制約を特定するには、必要なリソース管理ツール、資金、タイムフレームを決定します。プロジェクトが始まる前に、関係者やプロジェクトチームに連絡し、こうした制約の解決に取り組んでおきましょう。 

プロのヒント: プロジェクトで浮上するリスクの分析、記録、解決には、リスク登録簿を使います。 

ステップ 4. 視覚要素を使ってプロジェクト戦略を表す

プロジェクト戦略は、プロジェクトの視覚的なロードマップです。チームメンバーにプロジェクトの目的を伝えるのに役立ちます。関係者と共有できる視覚要素を選んで戦略を作成します。 

視覚要素には数多くの種類があります。その一部を以下に示します。

  • フローチャート: フローチャートは、プロセスを実行するのに必要なステップと判断を視覚的に表現したものです。特に、ステップバイステップのアプローチを視覚化して、効果的にプロジェクト成果物を整理するのに便利です。 

  • ガントチャート: ガントチャートは、プロジェクトのタイムラインを示すための横棒グラフです。ガントチャートの棒はプロジェクトの各ステップを意味し、棒の長さはステップの完了までにかかる時間を意味します。

  • 作業分解構成図 (WBS): WBS は、プロジェクト内のすべてのタスクを分割して図示したものです。プロジェクトマネージャーは、WBS を使って、目標を最優先事項として意識しながらチームが成果物を視覚化できるようにします。 

  • マインドマップ: マインドマップは、プロジェクトとタスクを視覚化するための階層構造 (枝分かれ) ダイアグラムです。マネージャーは、具体的なチーム目標といった中心的なコンセプトやアイデアに成果物をリンクできます。 

  • PERT チャート: PERT チャート (PERT ダイアグラム) は、タスクをスケジュール、整理、計画するためのツールです。複雑なプロジェクトでの使用やタスクを完了させるのにかかる時間を推定するのに便利です。

視覚ツールは、それぞれが多少異なるため、どれを選ぶかはチームの好み次第です。依存関係を細かく図示する作業分解構成図は大規模なチームに適しているのに対し、フローチャートはさほど複雑ではないプロジェクトに取り組む小規模なチームに適しています。

プロのヒント: プロジェクトデザインに追加する視覚要素を 1 つ決める前に、各種視覚ツールのコンポーネントの機能を評価しましょう。各ツールを、表現できる詳細の量、使いやすさ、外観などを基に評価します。そうすれば、ニーズに一番合ったものが見つかります。 

ステップ 5. 予算を見積もる

次に、プロジェクト予算を推定し、リソース配分を開始します。予算には、プロジェクトの収益性、利用可能なリソース、アウトソーシングする必要がある作業を盛り込みます。各成果物を制作するには、経営陣によって決定された数字の範囲内でやりくりすることが必要になる場合もあります。 

予算は、経営陣のサインオフに応じて、承認または変更が必要になる場合もあります。予算を決定したら、予算の受領者、デザインドキュメント、プロジェクトのタスクを割り当てることができます。 

プロのヒント: リソース配分については、オートメーションソフトウェアを使って各プロセスを自動化すれば、効率を高め、プロジェクトにおけるミスを減らせます。 

ステップ 6. コンティンジェンシープランを作成する

タスクの割り当てを開始するには、コンティンジェンシープランを作成します。コンティンジェンシープランは、本プロセスのステップ 3 でまとめたリスクと制約に対処するためのバックアッププランです。問題発生時に系統立ったプランがあると、リアルタイムに解決し、効率を合理化するのに役立ちます。 

このプランを作成するには、ガントチャートやタイムラインを使ってリスクを整理し、各リスクの対応プランを決定します。たとえば、素材が時間どおりに到着しないリスクがあるとすれば、素材を他の場所から調達するか、素材の到着を待つ間にプロジェクトの別の部分に着手するといったコンティンジェンシープランを立てるとよいでしょう。 

各リスクの対応プランをまとめたら、プロジェクトを実行する準備は完了です。 

プロのヒント: Asana を使えば、リストやタイムライン、ガントチャートを表示できるので、一層わかりやすくプロジェクト計画を視覚化できます。 

ステップ 7. マイルストーンを記録する

最終ステップでは、チームのマイルストーン (プロジェクトの節目) を文書化します。これは、作業を予定どおりに完了させ、何か矛盾があれば簡単に特定できるようにする目的で行います。 

これは、プロジェクトの関係者が情報や進捗状況を確認できるプロジェクト管理ソフトウェアを使って行います。こうしたマイルストーンは、各タスクを予定どおりに完了させるために、プロジェクトの最後まで管理し続けるとよいでしょう。 

プロのヒント: タスクの依存関係を追跡し、確実に短期目標を達成できるよう、プロジェクトの関係者とは頻繁に連絡を取ります。 

エキスパートが教えるプロジェクトデザインを改善するためのヒント 3 選

コラボレーションを改善し、作業効率を高めるプロジェクトデザインを構築するのは容易なことではありません。プロジェクトデザインプロセスを構成する 7 つのステップに加え、デザインを一歩前進させるヒントをいくつかご紹介します。

プロジェクトデザインを改善するためのヒント

以下 3 つのヒントを意識しながら、独自のプロジェクトデザインを構築しましょう。

  1. 関係者とは、早い段階で、かつ頻繁にコミュニケーションをとる: どのプロジェクトでも、鍵となるのはコミュニケーションです。プロジェクトの初期段階でコラボレーションを行えば、すべての関係者が共通認識を持ち、最も重要な目標を理解できます。これは、プロジェクト全体を通じてミーティングを率先して開き、ワークフローを使ってチームワークを合理化することによって成し遂げます。

  2. 目標を常に意識する: 目標をプロジェクト成果物につなげると、あらゆる段階で確実に目標を達成できます。これは、目標とその達成に必要な作業を簡単につなげられるタイムラインソフトウェアを使って行います。 

  3. 視覚要素を使ってマイルストーンを追跡する: ビジネスケースや毎日の To-Do は便利ですが、視覚要素を使えば、関係者は全体像を把握しやすくなります。ガントチャートや PERT チャートなど、プロジェクトの作業を視覚化する手段はたくさんあります。 

これら 3 つのヒントを活用するだけでなく、チームの都合を常に意識するようにしましょう。必要な情報を提供し、合理的な期限の中で作業をスケジューリングすれば、チームの意欲と作業効率を維持できます。 

プロジェクトデザインを使ってストーリーを伝える

成功するプロジェクトを実行するにあたり、プロジェクトデザインは重要な役割を果たします。必要な情報やリソースの取集から、チームメンバーとの調整まで、詳細をフル活用することがあなたの仕事です。適切なプロジェクトデザインがあれば、あなたのチームはあらゆる事態に対応できるでしょう。 

ワークマネジメントソフトウェアを使って、プロジェクト計画を一歩前進させましょう。作業の合理化から可視性の向上まで、Asana はチームが透明性と自信を高め、より多くの目標を達成するお手伝いをいたします。

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