ビジネスにおける効率と効果の違い: チームに両方が必要な理由

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins2021年3月11日00
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「効率的」と「効果的」の違いについて考えたことはありますか?なくても心配いりません。実際のところ、ほとんどのチームがこの 2 つを同じ意味で使っています。しかし、この 2 つのビジネス戦略の違いを理解することが、チームの成功につながります。

Peter Drucker 氏は著書『The Effective Executive』(経営者の条件)で、「効率的とは物事を正しく行うことであり、効果的とは正しい物事を行うことである」と述べています。理想としては、効率的で効果的なチームを作りたいと考えるでしょう。誰でも正しいことを正しく行いたいと思うはずです。2 つをうまく両立できるようなポイントを見つけるためには、まずそれぞれの言葉の意味を理解し、それぞれの指標にいつ集中すべきか理解する必要があります。

効率とは何か?

効率的とは物事を「正しく」行うことです。それは速く動くことや、仕事をより少ないリソースで完了すること、大きなプロジェクトを小さな予算で達成すること、言い換えれば「より少ない」もので「より多く」を行うということです。

効率的なチームの特徴には以下のようなものがあります。

  • プロセスベースでプロジェクトを実行している

  • リソース管理計画を作成している

  • オートメーションを活用している

  • 限られたリソースで成功している

  • 目の前の仕事に集中している

  • 具体的な指標をもとに進捗状況を測定している

効果とは何か?

効果的とは「正しい」ことを行うことです。つまり、ビジネス価値を高め、会社の目標に向けて針が進むようなことです。現在、今の仕事をより広範な会社の目標に結び付けて効果的に働いているチームはごくわずかです。最近の 6000 人のナレッジワーカーに対して実施した調査では、自分の仕事が会社の目標とどのように関連しているかを非常に明確に理解していると回答した従業員は 26% にとどまり、会社が目標の設定や伝達を効果的に行っていると答えたのはわずか 16% でした。

効果的なチームは重要な作業にうまく優先順位をつけ、適切なリソースを投入する方法を知っています。自分の仕事が会社の戦略や目標とどのように結びついているかを明確に把握し、その知識をもとに何に取り組み、どこにリソースを割くべきかを判断しています。

効果的なチームの特徴には以下のようなものがあります。

  • 目標志向型である

  • 結果に投資している

  • 顧客やエンドユーザーを重視している

  • 自分の仕事を全体像と結びつけている

重要なのはどちらか?

本当にすばらしいチームを運営するには、効率性と効果性 (有効性) の両方が必要です。効率的ではあるものの効果的でないチームは、仕事は早く終わらせることはできますが、重要度の低い仕事を優先している可能性があります。逆に、効果的ではあるものの効率的でないチームは正しい仕事を終わらせることはできても、理想的な速度で終わらせることができません。

あなたのセールスチームが、新しい大企業クライアントに製品を売り込んでいるとします。クライアントの購買部と IT 部門に対して、導入を検討されている 3 製品のプレゼンとデモを行う必要があります。チームが効率的か、効果的か、どちらでもないか、もしくはその両方であるかどうかによって、プロセスがどのように変わってくるかを説明します。

  • 効率的であるが効果的でない: チームはたったの 3 日でプレゼン資料とデモを用意しました。しかし実際にプレゼンテーションを行ってみると、内容の焦点がズレていてクライアントに満足してもらえませんでした。結局、プレゼン資料はそのクライアントのニーズに語り掛けるようなものではなかったのです。クライアントは競合他社の製品を選びました。

  • 効率的ではないが効果的: チームは協力して最先端のデモとプレゼン資料を作りますが、2 週間かかってしまいます。お客様はチームからの返答が来るまでの待ち時間の長さに不満を持ってしまいました。そして交渉や売り込みにさらに数週間を費やします。

  • 効率的でも効果的でもない: 営業のプロセスがまだ確立していないため、誰がプレゼン資料やデモを作るのか明確になっていません。最終的に、チームは何かを作り上げることができますが、それはクライアントに製品の真の価値や競争力を伝えるものではありませんでした。クライアントは競合他社の製品を選びました。

  • 効率的で効果的: チームは明確なワークフローを持ち、5 日間でプレゼン資料とデモを作ることができました。その翌週にはプレゼン資料が期待通りの結果を得て、製品の導入が決まりました!

効果性のアップが効率性のアップにつながる仕組み

効率的で効果的なチームを作ることが理想ですが、まずどちらかから始めなくてはなりません。両方の方法を一度に導入すると、あまりいい効果が得られないかもしれません。効率性の向上に取り組む前に、まずは効果性から改善していきましょう。

効果性を優先することで、関連する会社の目標に向かって歩みを進めるような仕事に取り組めていることが確認できます。そして効果性が習慣として身についたら、効率性の向上に向けて最適化していきます。つまり、同じ効果性の高い仕事をより短い時間で行うのです。

クリエイティブチームと Web デザインチームの部門間プロジェクトを例に挙げてみましょう。目標は、会社の価値提案をよりうまく伝えるために会社のホームページをデザインし直すことです。最初は、チームは効果的でも効率的でもありません。どんな価値提案を伝えるのか、顧客にとってどんなメリットがあるのか、ホームページではどんなメッセージを優先すべきなのか、明確になっていません。

チームはまず効果性を向上させるための手順を踏み、全員で同じ認識を持つことから始めます。組織内のさまざまな階層に散らばっている情報を整理し、個人の取り組みをより大きな会社の目標と結びつけるために、ワークマネジメントプラットフォームに投資します。大局的な戦略への理解が深まったことで、チームは会社をうまく表現した、顧客にとって役立つホームページを作ることができました。

チームはまだ効率性が高いとは言えません。プロジェクトの立ち上げやレビューのプロセスに想定より時間がかかってしまいました。しかし、効果性を重視することで自分たちのプロジェクト成果物が会社の目標に沿ったものであることが確認できました。次のステップは、それをもっと速く、効率的に行うことです。

効率的「かつ」効果的なチームを作る

最終的な目標は、チームを効率的かつ効果的にすることです。そうすることでチームは全体像を把握しつつ、速さと生産性も重視できます。最初のステップは効果性を最大限まで向上させることですが、その後もチームが効率的で効果的なベストプラクティスを構築するためにできることとして、いくつかのステップがあります。

1. 目標を日々の仕事とつなげることから始める

自分の仕事がどのように会社の目標に影響するかを理解していなければ、効果的には働けません。仕事が会社の目標とビジョンにどのように貢献しているのか、明確に見えるようにしましょう。そのために最適なのは、ワークマネジメントツールです。

ワークマネジメントを行うと、組織内のさまざまな階層の人々と仕事をまとめられ、一番大事な仕事を達成するために必要な情報を誰もが得られるようになります。ワークマネジメントツールはタスクやプロジェクトを他の部門から分断せず、日々の仕事と会社の目標の間にあるギャップを埋める役割を果たします。そうすることで、チームは優先順位の低い仕事に時間を浪費せず、ビジネス価値を最大限に高めるタスクを効果的に優先できます。

優先すべき仕事を優先していることを確認するために、私たちは OKR を使い、半年ごとの目標へとつながる四半期ごとの目標を設定しています。チームリーダーは毎週チームがその目標へ向かって進んでいることを確認しています。
記事: ワークマネジメントの紹介

2. 部門間の可視性を向上させる

効果的なチームは、部門ごとに分断して働くことはしません。チームが成功するためには、自分の仕事が他の取り組みやプロジェクトとどのように関連しているか理解する必要があります。誰がいつ何をしているのか、全員が把握することができれば、チームメンバーは作業の調整に費やす時間を減らし、影響の大きいプロジェクトに時間を割くことができます。

説明責任、可視性、そして見つけやすさは、適切なプロジェクトマネジメントツールを使用することで得られるメリットです。

3. 自動化や連携に投資する

チームが効果性を理解したら、次は効率性を高めましょう。効率性を高める一つの手法として、手動作業や繰り返しの仕事を自動化するというものがあります。「仕事の解剖学」インデックスによると、平均的なナレッジワーカーは、承認を得る、情報を探す、すでに完了した作業を繰り返すなど、「仕事のための仕事」に約 60% もの時間を使っています。手動作業を自動化することで、戦略的な、スキルを要する仕事にもっと時間を割くことができるようになります。

自動化で、スプリントごとに 40 ~ 50 件の顧客からの依頼に対して、2 ~ 6 段階のステップを削減できるようになりました。タスクが自動的に別のプロジェクトに追加され、勝手にステージを進んでいくからです。

「仕事のための仕事」のみならず、ナレッジワーカーはアプリの切り替えや、情報の検索でも大事な時間を失っています。調査によると、ナレッジワーカーは 1 日に 10 個のアプリを、最大 25 回も切り替えて使用していることがわかりました。ビジネスツールは互いに連携できないことが少なくありません。そのため従業員はメール、メッセージングプラットフォーム、機能別ツール、プロジェクト管理ソフトウェアなどを切り替えて使わなくてはいけません。重要なビジネスツールを連携する手段を探し、1 か所から重要な情報すべてにアクセスできるようにしましょう。

お気に入りのツールを 1 か所で連携

4. 改善すべき点を特定する

効率を上げるには、どこで遅延が発生しているのか理解する必要があります。仕事が期日を超過したり、チームメンバーが働き過ぎているなどといったストレスポイントを早期に発見することで、必要に応じて見直しやリソースの再配分を行うことができます。

問題を知らせ、改善点を特定するための明確なプロセスを作ることで、チームは事後ではなく事前に手を打つことができます。不必要な作業を減らすことで、効率が上がります。それだけではなく、チームが作業の内容や意義に気を配ることで、効果性の向上にもつながります。

ではどうすればいいのでしょうか?すべての取り組みに定期的なチェックポイントを設け、プロジェクトの進捗状況や問題点を共有できるようにしましょう。この作業は会議としてスケジュールに入れるのではなく、仕事をしているのと同じ場所でプロジェクトステータスレポートとして共有することで、何が遅れているのかをすぐに確認し、必要に応じて再調整できます。

非効率・非効果的なものを排除し、新しいものを取り入れる

効率的で効果的なチームを作るには時間がかかります。そのためには、まずは効果性に焦点を当てて会社の目標と優先事項を明確にし、チームを強化することから始める必要があります。その後、自動化への投資や、「仕事のための仕事」を減らすことで効率性を上げましょう。 詳しくは、今日から生産性を向上させるための 12 のヒントをご確認ください。

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