過去にプロジェクトを立ち上げたとき、あるいは大きな目標を達成しようとしたときのことを思い浮かべてみてください。どんな気分になったでしょうか。ワクワクしたり、ドキドキしたりしたでしょうか。
目標にたどり着くまでの道のりを想像するよりも、ゴール地点を思い描く方が簡単な場合があります。特に、目標が大きい場合や長期にわたる場合はなおさらです。しかし、ゴール地点にたどり着くことは不可能なことではありません。必要なのは、そこに到達するまでの明確な道のりです。
そこで役に立つのが、短期目標のテンプレートです。このテンプレートを使えば、大きな目標を小さく分割して、管理しやすい現実的なタスクに落とし込み、最後まで順調に作業を進められるようになります。
短期目標とは、数週間から数か月以内など、すぐに達成すべき目標を指します。一般的に、短期目標は大きな目標の進捗を確認するためのマイルストーンやベンチマークとして使用されます。しかし、短期目標を単独で設定したり、小規模なプロジェクトの計画を立てたりすることもできます。
長期目標とは、数か月から数年といった長い時間をかけて達成する大きな目標のことです。一般的には、この目標は「北極星」のように、常に目指すべき道しるべとなり、意思決定プロセスの指針となるものです。
以下の例で、短期目標と長期目標の違い、そして互いにどのように関連しているのかをご覧ください。
長期目標: ウェブサイトのオーガニックトラフィックを前年比 30% 増加させる。
短期目標:
第 1 四半期末までにキーワード戦略を策定する。
1月から 3月の間に、再最適化に向けてウェブサイト監査を実施する。
キーワードを意識した記事を月 10 本掲載する
短期目標を設定したことがある人なら、目標設定ワークシートを使ったことがあるかもしれません。カラフルで印刷可能なこの目標設定シートには、「アクションプラン」や「目標達成へのステップ」といった項目が設けられています。このようなシートはオシャレに見えるかもしれませんが、特にビジネスの目標を達成しようとする場合、実用的ではありません。たとえば、締め切りが変わってしまったら、一から作り直すことになってしまいます。
締め切りが次々と変わり、優先順位が変動する環境下にあるプロジェクトマネージャーには、仕事のペースに合わせて柔軟に対応できるツールが必要です。幸いなことに、このようなニーズにぴったりのテンプレートがあります。
短期目標テンプレートは、短期目標を設定し、達成するために、チーム内で使用できるテンプレート形式のツールです。プロジェクト管理ツールを使えば、目標設定のために、繰り返し使えるテンプレートを作成し、それを複製して何度も使うことができます。目標や目的に応じてテンプレートの内容は変わりますが、テンプレートの構成は何度でも複製できるので、事前準備を軽減し、設定した目標の達成に集中する時間を確保できます。
その他にも、デジタル版の短期目標テンプレートを使用することで、以下のようなメリットが期待できます。
短期目標を簡単に計画し、優先順位をつけ、経過を確認できる。
短期目標と長期目標のつながりを一目で確認できる。
大きな目標を小さく分割し、管理しやすく、実行可能なタスクに落とし込むことで、達成可能なベンチマークと正の強化をチームに提供できる。
小さなタスクをこなして意欲を高め、チーム全体が長期的な目標に向かって前進できる環境を整える。
自分の目標を、大規模なチームや社内の関係者に伝える。
チームの目標を組織全体の目標につなげる。
短期目標のテンプレートは、チーム内で目標を達成するために必要なアクションステップを作る際に、絶好のスタート地点となるものです。このテンプレートを使うことで、チームに明確な情報を提供し、目標を達成するために必要な作業を視覚的に示し、締め切りから資料まですべての情報を一か所にまとめて管理できます。つまり、目標設定テンプレートを使えば、資料を探し出したり、詳細を調べたりする時間を減らし、実際に目標を達成するために費やす時間を確保できるのです。
では次に、テンプレートの設定方法と使い方をご紹介します。
プロジェクト管理ソフトウェアを使えば、短期目標のテンプレートを簡単に作成できます。新しいプロジェクトを作成し、テンプレートにカスタムタグを設定するだけで、タスクのステータスや優先度など、さまざまな情報を To-Do にタグ付けし、ゴールに向けて順調に前進できるようになります。
目標: Asana では、目標がその達成のために行っている作業に直結しているため、チームメンバーは、何を目指しているのかを簡単に確認できます。目標は、その達成に向けた作業と切り離されていることも多いでしょう。チームや会社の目標と、それを支える作業を結びつけることで、チームメンバーは、自分の仕事がチームや会社の成功にどう直接貢献しているかをリアルタイムに把握し、明確にすることができます。結果としてチームメンバーは、よりよい意思決定が行えるのです。必要であれば、会社の戦略をサポートするプロジェクトを特定し、測定可能な結果をもたらすような仕事を優先することもできるようになります。
マイルストーン: マイルストーンは、プロジェクトの重要なチェックポイントを表すものです。プロジェクトにマイルストーンを配置することで、目標に向かってどういうペースで進んでいるかを、チームメンバーやプロジェクト関係者に知らせることができます。マイルストーンは、プロジェクトの大きな目標に向かう過程で、小さな成果を一つ一つ祝う機会となります。
依存関係: タスクの依存関係を設定し、あるタスクが他のタスクを待機していることを示します。自分の作業が他の誰かの仕事をブロックしてしまっていることを知り、それにより優先順位を調整することができます。コラボレーションに基づいたワークフローを抱えたチームは、他のチームのどのタスクを待っているのかを簡単に確認でき、自分たちの作業に取り掛かるべき時がわかるのです。前のタスクが完了すると、依存しているタスクを開始できるという通知を担当者が受けます。あるいは、自分の作業が依存しているタスクのスケジュールが変更された場合、Asana から通知が送られ、自分の期日も調整すべきかどうかを判断できます。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、仕事のタグ付け、ソート、絞り込みにぴったりの方法です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが瞬時にわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
Dropbox: Asana タスクウィンドウに直接組み込まれた Dropbox ファイル選択機能を使って、Asana のタスクに直接ファイルを添付できます。
Google Workspace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana でファイルをタスクに直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。
Slack: Slack 上にあるアイデアや仕事のリクエスト、アクションアイテムを追跡可能な Asana のタスクやコメントに変換しましょう。ちょっとした質問やアクションアイテムが、期限と担当者つきのタスクに変わります。仕事を簡単に取り込めるので、やるべきことが Slack の中に埋もれ、流れることはありません。
Gmail: Asana for Gmail の連携を使用すると、Gmail の受信トレイから直接 Asana タスクを作成できます。Gmail から作成するタスクには、それまでの経緯を完全に把握できるよう、メールのコンテキストが自動的に含まれるようになっています。メールの作成中に Asana タスクを参照する必要があるときは、わざわざ Asana を開かなくても、Asana for Gmail アドオンを使い、直接 Gmail の受信トレイから簡単にそのタスクを検索できます。
テンプレートの基本的な設定が終わったら、それを特定のゴール用に複製し、タスク、タスクの担当者、プロジェクトの依存関係など、目標特有の情報を追加します。ここでは、具体的な目標が決まった後のプロジェクトの設定方法について、簡単に解説します。
SMART な目標のフレームワークに従い、難しいけれども実現可能で、長期的な目標がある場合はそれに沿う、短期目標を決めます。
目標を達成するために、チーム全員が行うべき実行可能なステップをテンプレートに記入します。
タスクが順調に進むように、各アクションアイテムに担当者と締め切りを割り当てます。
各タスクに優先度をつけて、緊急度や目標への進捗に与える影響を簡単に確認できるようにします。
タスクの依存関係などのデジタル管理機能を使って、ワークフローを管理し、進行を妨害している問題を把握します。
小さな成果を祝い、進捗を把握するために、プロジェクトのマイルストーンを設定します。
長期的なビジネス目標が、年末までに新しい市場で製品をリリースすることだったとしましょう。これは、あなたにとって大きく、高遠な目標であり、進むべき方向性を示す指針です。しかし、それだけではあまりにも規模が大きすぎます。もっと実行可能で達成可能な目標に近づけるために、目標を実行しやすい大きさに分割して、短期間で達成できるようにしましょう。たとえば、新しい市場に進出するために必要なステップには、次のようなものが考えられます。
現在の市場、製品、ターゲット層を見直し、拡大の機会を見出す。
競合他社リサーチを行い、進出する市場の候補を決定する。
進出を目指すターゲット市場を選択する。
拡大とリリースに向けてキーメッセージを決定する。
リリースに向けてマーケティングチャネルを選び、プロモーション戦略を練る。
セールスアウトリーチ計画を作成する。
具体的なタイムラインを設定し、リリースの目標を決める。
新しい市場で製品をリリースする。
リリース後のパフォーマンスを確認する。
これらのステップに期日を設定し、短期目標に変換します。短期目標のテンプレートを使えば、進捗を確認し、長期的なリリース目標の全体的な進捗と照らし合わせることができます。
短期目標の目標設定プロセスの第一歩は、多くの場合、長期目標を定義することから始まります。長期目標を決めたら、それを実行可能なタスクに分割しましょう。たとえば、オーガニックトラフィックを前年同期比で増加させることが大きな目標である場合、第 1 四半期末までにキーワード戦略を策定することを、管理しやすい大きさの短期目標に設定できます。
SMART な目標とは、具体的で (Specific)、測定可能 (Measurable)、達成可能 (Achievable)、現実的 (Realistic) で、期限付き (Time-bound) の 5 つの要素からなる目標です。これは、よく使われる目標設定方法で、いつ何をすべきかを定義するものです。
短期目標は半年以内に達成することを目指しましょう。1 年以上かかる目標は、それをさらに小さく、達成しやすい目標に分割すると効果的です。
短期目標のテンプレートは、達成すべきすべての短期目標の設計図となるものです。そのため、テンプレートには、タスク、期日、タスクの優先度、タスクのステータスなど、さまざまな目標で繰り返し使用できる基本的な情報を含める必要があります。そして、新しい目標を立てる準備ができたら、テンプレートを複製し、進捗の確認に役立つタスクの依存関係やマイルストーンなど、目標特有の情報をあらかじめ作成されたセクションに記入します。
Asana を使って進捗を確認し、短期的なビジネス目標を達成する方法をご紹介します。