目標設定はなぜ重要?明確なビジネス目標設定のコツを紹介

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2024年2月1日
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概要

ビジネス目標は、企業や個人が一定期間に達成することを目指して設定する目標です。この記事では、ビジネス目標の重要性と、チームのためにビジネス目標を設定すべき理由と目標設定方法、またそのコツについて解説します。

更新: この記事は、目標管理に関するさらに詳しい記述を含めて 2022年 11月に改訂されました。

会社や組織で目標を設定することは、広く行われるビジネス慣行ですが、それもそのはず。明確なビジネス目標を設定することでモチベーションが高まり、パフォーマンスや生産性の向上につながるからです。どんな仕事でも目標設定は必要です。小規模ビジネスでも、大企業でも、あるいは個人事業でも、しっかりしたビジネス目標を立てることで成功する可能性が高まります。

しかし、これらは目標設定を行うことで得られるメリットの一部に過ぎません。事業全体を見据えた大きな目標から、小さなステップとしての目標まで、この記事ではビジネスの目標を設定するために知っておくべきすべてをご紹介します。目標設定のコツもまとめるので、参考にしてみてください。

ビジネス目標とは?

ビジネス目標は、企業や個人が一定期間に達成することを目指して設定する目標です。これらの目標は多くの場合、短期目標長期目標に分けられます。つまり、ビジネス目標は、全体を網羅した俯瞰的なものと、特定の測定可能 (measurable) なアクションに関わるものがあります。

全体的なビジネス目標と具体的なビジネス目標

全体的なビジネス目標の好例がミッションステートメントです。ミッションステートメントは、その成功を一つの指標で定義できないという点で、全体的な目標といえます。これらは普通、具体的な数値目標を達成するのではなく、チームの努力の方向性を決める基準として活用されます。

逆に、具体的な目標、つまりチームの進捗を追跡しやすい測定可能な目標を設定することもできます。「目標設定」や「目標設定プロセス」という場合の目標は、この具体的な目標を指しています。よく利用される目標設定プロセスは、SMART な目標設定プロセスです。

Asana で目標を設定し、達成する

短期目標

短期目標は通常、数時間から 2 ~ 3 年の範囲で期間が決まっています。長期目標にも期限がある場合もありますが、長期目標の期限は、かなり先の未来であることが普通です。

短期目標は、より大きな目標達成へのステップとしてしばしば利用されます。一般的にビジネス戦略では、複数の短期目標を設定して、長期目標に到達しやすくします。

短期ビジネス目標の例:

  • 今四半期のネットプロモータースコア (NPS) を 10 ポイント改善する。

  • 年度末までに、新規サポートスタッフを 12 名採用する。

  • 従業員満足度を 20% アップする。

記事: 短期目標の設定が重要な理由 (実例付き)短期目標テンプレートを作成

長期目標

長期目標はより大きなビジョンに関わり、相当先の将来に達成することを目指す目標です。一般的な長期目標は 10 年単位の目標であるため、今から 10 年後のあなたが望むビジネスの姿を考えてみましょう。それまでに達成しておきたいビジネス目標はありますか?もし新規事業を始めるなら、どんな事業に参入したいと思いますか?

長期目標は、多くの場合、ビジョンやミッションステートメントとして使用されます。こうした目標は、ビジネスにとっての羅針盤となり、正しい方向に舵を切る助けになります。長期目標は、ビジネスが到達したい場所へ向かうための地図だと考えましょう。長期目標は、具体的な達成方法を示してくれなくても、正しい方向を教えてくれます。一方、短期目標は、ちょうど GPS のように、目指す場所への道順を一歩一歩示してくれます。以下の組織目標の具体例を参考にしてみてください。

長期ビジネス目標の例:

  • Nike: 世界のすべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす。

  • パタゴニア: ビジネスを手段に、私たちの故郷の惑星を救う。

  • Google: 世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする。

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ビジネス目標の設定が重要な理由

ビジネス目標の設定が重要な理由

仕事で目標設定を行うことは、成功への道標です。ビジネス目標設定が、成功のためのベストプラクティスであることには理由があります。目標はビジネスを正しい方向へ導くからです。ここでは、企業が強力な目標を時間をかけて設定すべき理由をさらに紹介します。

・「成功」を定義する

・仕事と目標がつながる

・チームの足並みが揃う

・説明責任を果たす

・意思決定に役立つ

「成功」を定義する

目標を設定することで、成功の定義づけが可能となります。そのためにも、明確な目標を設定します。目標設定の際は、あなたが把握しているチームの能力を考慮し、予想を少し超えるところまで力を引き出すようにしてみましょう。

目標を定義するために使われる一般的なフレームワークがいくつかあります。中でも、測定可能で具体性の高い目標定義によく利用されるのが、「目標と主要な結果 (OKR)」のフレームワークです。

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仕事と目標がつながる

ビジネス戦略として、チームがすでに行っている仕事とビジネス目標を結びつけることを習慣にしましょう。日常業務と短期目標や長期目標のつながりが明確になると、チームメンバーそれぞれが、自分がするべきこと、それを完了する期限、さらにそうした目標を達成するために自分がとるべき戦略を明確に理解するようになります。

しかもチームメンバーはより自信を持って業務に取り組めるだけでなく、それぞれの仕事に誇りと責任感を持てるようになります。自分が取り組んでいる仕事がビジネスに与える影響や、会社の成功に自分が果たした貢献に対する確信も生まれます。

記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響

チームの足並みが揃う

ビジネス目標を活用することの大きなメリットは、共通の目標に向かってチームの足並みを揃えられることです。明確なビジネス目標を設定することによって、チームリーダーは、こうした目標を達成するために、個々のチームがとるべき戦略を定義することができます。

たとえば、ある会社全体のビジネス目標が収益性を 10% 高めることだとしましょう。この全体目標を会社が達成するために、とれる手段はいくつもあります。ビジネスリーダーは、より小さな、状況に即した目標を立てることによって、全体目標の達成に必要な個別戦略を定義できます。たとえば、セールスチームは販売ノルマを上げる、マーケティングチームは新たなアウトリーチ戦略を実施するといったことが考えられます。このように、最終的に同じ目標を目指して、2 通りの戦略を実行するのです。

説明責任を果たす

ビジネス目標を設定したら、それをレベルごとに細分化していきます。このようなテクニックを使うことで、リーダーからチームメンバーの一人ひとりまで、全員が説明責任を果たしやすくなります。個々のチームメンバーが個人の目標の責任を負うようになれば、マネージャーはチームメンバーのパフォーマンスを測定しやすく、サポートが必要なタイミングも判断しやすくなります。

意思決定に役立つ

会社が定期的にビジネス目標の追跡を行っている場合、過去の目標を意思決定プロセスの材料として使用できます。たとえば、目標とその進捗状況を追跡するために、チームが新しいマーケティング戦略を設定するなら、過去の情報と業績をもとに、次年度のビジネス目標を決められます。

明確な目標設定の方法とコツ

明確な目標設定の方法とコツ

ビジネス目標が重要である理由が明らかになったところで、次はそうした目標設定のやり方とそのコツをいくつかご紹介します。目標を定めるときは、マインドマップを作成すると効果的です。

・目標設定のフレームワークを使用する

・ほかのビジネスリーダーと共同で作成する

・全体像から始める

・ソフトウェアを使って目標を管理する

目標設定のフレームワークを使用する

初めてビジネス目標を設定しようとする場合、どこから手をつけるべきかわからないこともあります。目標は必ず達成可能である必要がありますが、簡単すぎてチャレンジにならないものは避けるべきです。 初めてビジネス目標を設定するなら、SMART な目標や、OKRKPI といった目標設定のフレームワークの使用がおすすめです。

ほかのビジネスリーダーと共同で作成する

あなたのチームは孤立して働いているわけではありません。チームが取り組む仕事は、社内のほかのチームや、ビジネス戦略全体に影響を及ぼします。だからこそ、ビジネス目標は関係者と共同で作成することが重要です。共同作業によって、チームはそれぞれの知識や経験を活用して目標を設定し、堅実なビジネス計画を立てることができます。

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全体像から始める

目標を設定するとき、数値目標や戦術を選ぶだけで途方に暮れることもあります。そうならないために、まず全体像から始めましょう。次の質問の答えを考えてみてください。

  • どのような価値観を体現する会社でありたいか?

  • 会社が設立された理由は?

  • 10 年後、25 年後に、どんな会社でありたいか?

全体的なミッションを定義したら、それをより小さく、具体的な目標に分割します。そのミッションを達成するために、どんなステップが必要か、あるいはどんな新製品を導入すれば、達成に貢献できるかといったことを考えましょう。

目標設定に、これが正解といったものはありません。チームにとって最善の戦略と方法論を見つけることがすべてです。

ソフトウェアを使って目標を管理する

目標を設定しても、文書にまとめてどこかにしまい込み、四半期末に出してくるだけでは意味がありません。そうならないよう、専用ツールやソフトウェアを使って定期的に目標管理を行い、目標の進捗を追跡することが重要です。そのソフトウェアで目標を達成すべき業務に結びつけられれば、申し分ありません。

取り組み中の業務を目標に結びつけるのは簡単です。たとえば Guru は、Asana を使って、会社の OKR をプロジェクトと直結させています。Guru のチームにとって Asana は、全社で明確性と説明責任を確立するための、信頼できる情報源です。Asana で目標を設定しマネジメントを行うには以下の『Asana の使い方:ゴール機能で目標管理を実現』をご覧ください。

記事: 目標管理制度 (MBO) とは?手順、メリットとデメリット

今すぐビジネス目標を設定して成功へ踏み出そう

ビジネスの目標設定方法について、そのメリットとコツをまとめました。どんなビジネスも、スタート時点では小規模です。目標を設定することによって、ビジネスは成功した企業へと成長していきます。多様な目標戦略や、目標の測定方法、計画の立て方などにご興味があれば、Asana の目標に関するリソースページでさらに詳しい情報を入手いただけます。Asana のゴール機能に関しては『Asana ゴールの始め方』をご覧ください。

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