OKR と KPI の比較: どちらの目標設定フレームワークがよいのか?

Asana チームの寄稿者の画像Team Asana2022年10月15日
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概要

OKR と KPI は、どちらもパフォーマンス管理の手法ですが、目標達成に向けたサポートの形が異なります。OKR は目標設定のフレームワークですが、KPI は目標のパフォーマンスを追跡するものです。この記事では、これらのフレームワークのメリットを組み合わせて、パフォーマンスを向上させる方法をご紹介します。

OKR と KPI は一見すると、アルファベットを適当に並べただけように見えますが、この 2 つの頭字語は目標を設定し達成する上で貴重な役割を果たします。プロジェクトマネージャーの重要な役目は、全員がやりがいを感じ、モチベーションを維持できるよう、意欲的な目標を設定することです。また、目標に対する進捗状況を把握することで、問題点を特定することや、達成したことを祝うことが容易になります。

この記事では、OKR (目標と主要な結果) と KPI (重要業績評価指標) の違いについてご紹介します。これらのフレームワークを理解すれば、それぞれのメリットを組み合わせて、ビジネス目標を計画し、モニタリングできるようになります。

Asana で目標を設定し、達成する

OKR とは?

OKR (目標と主要な結果) は、ビジネス目標と、それを達成するために実行できる測定可能な一連の方法を組み合わせたものです。OKR は、長期的なキャリア目標、四半期ごとのチーム目標、個人的な目標など、多くの目的に使用できます。

OKR を設定する際には、次の形式に従って文章を作成しましょう。

[主要な結果]に基づき測定される[目標]を達成する。

ここで言う目標とは、簡単に達成できるものであれ、遠大なものであれ、達成を目指すゴールのことです。目標には、次のようなものが含まれます。

  • 顧客維持率を向上する

  • ウェブサイトのコンバージョン率を向上する

  • クオリファイドリード (品質が保証された見込み客) を獲得する

主要な結果は、目標達成に向けて計画する測定可能な方法であり、各目標に対して複数の主要な結果を設定できます。KPI とは異なり、主要な結果は必ずしも定量的である必要はありません。主要な結果には、次のようなものがあります。

  • ポイントプログラムを導入する

  • ウェブサイトに良質なコンテンツを追加する

  • CRM ソフトウェアをアップグレードする

OKR のフレームワークは柔軟ですが、企業の OKR は他部署やチームメンバーの OKR と連携することでより効果を発揮します。Asana の調査によると、34% のチームメンバーが、自分の仕事が会社のミッションとどのように結びついているかを理解できれば、仕事に対するモチベーションが高まると回答しています。チームメンバーのモチベーションが高まれば、仕事もはかどり、目標達成も早くなります。

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KPI とは?

KPI (重要業績評価指標) とは、ビジネス目標やプロジェクトを追跡する定量的な成功指標です。KPI は、プロジェクト、プログラム、その他の会社のイニチアチブの追跡に役立ちます。

KPI にはさまざまな用途がありますが、それぞれの KPI に選択する指標は、達成しようとしている目標に特化したものでなければなりません。たとえば、SNS キャンペーンと IT プロジェクトの進捗をモニタリングするために、同じ KPI を使用すべきではありません。ビジネス目標につながった、関連性のあるターゲット値を測定できるよう、それぞれのイニシアチブに関連する指標を調べましょう。

次の要素を含む KPI を選択しましょう。

  • 戦略的目標に結びつく

  • ベンチマークに照らして測定できる

  • リソース計画の意思決定材料となる

  • 管理可能で影響を及ぼしうる対象を追跡する

KPI を設定したら、イニチアチブの全期間にわたってモニタリングしましょう。これにより、目標に向かって順調に進んでいるのか、目標が達成しないリスクがあるのか、あるいは要対応な状態なのかを把握できます。プロジェクト管理ソフトウェアを使用すると、簡単に KPI を追跡し、プロジェクトの関係者とその情報を共有できるようになります。進捗状況をリアルタイムで報告することで、全員がイニシアチブの進捗を確認でき、延々と進捗会議を続ける必要がなくなるのです。

OKR と KPI の違い

OKR と KPI は、どちらもパフォーマンス管理の手法ですが、異なる方法で目標達成をサポートします。OKR は目標設定のフレームワークであり、KPI は目標のパフォーマンスを追跡するものです。

OKR と KPI の比較

OKR はどんな目標設定にも役立ちますが、企業ではより大胆でアグレッシブな目標に OKR を使うことが多いようです。OKR は大きな目標を示すものですが、BHAG (社運を賭けた大胆な目標) よりは野心的でない方がよいでしょう。何年も続く OKR もありますが、ほとんどの場合、一年以内が最も適した長さです。そうしないと、OKR は徐々に大きくなり、対処が難しくなります。

企業は、定量的な目標に対して KPI を使用します。これらの指標は、以下のような場合に役に立ちます。

  • ビジネスの健全性をモニタリングする

  • 経時的な成長パターンを分析する

  • マーケティングキャンペーンの進捗を測定する

  • うまくいっていないプロジェクトの問題を解決する

  • 改善の機会を見つける

  • 古いイニシアチブを調節する

  • 将来の目標達成のために仕事を順調に進める

通常、目標設定のプロセスは、目標のブレインストーミングを行い、OKR の「O」である目標 (Objectives)、つまりビジネス目標を設定することから始めるものです。そして、目標を設定したら、それを達成するために必要な実行可能なステップを特定します。このステップこそが、主要な結果です。適切な OKR を設定したら、目標達成への進捗を測定するために、各 OKR に KPI を割り当てましょう。

OKR と KPI は併用することもできますが、単独でも活用できます。たとえば、顧客満足度の向上が目標であれば、カスタマーサービス担当者を増員し、カスタマーレビューを記録することが主要な結果となるでしょう。このような OKR は定量化できないので、KPI によるサポートは必要としません。

OKR の例

企業が大局的な OKR を設定した場合、それを部門別や個人別の OKR に小分けすることで、目標をより達成しやすくできます。また、このような OKR の構成を作ることで、全員の OKR が主な目標につながるようになります。

OKR の例

たとえば、SaaS (サービスとしてのソフトウェア) を販売している会社の OKR が「業界のマーケットリーダーになること」だとします。そのためにあなたは、会社の経営陣と協力して、この目標を達成するために実行可能な方法を、部門に応じていろいろと考えることになります。この例では、「業界のマーケットリーダーになる」という会社の OKR を支える 2 つの OKR として、現在のウェブサイトの改善 (製品チーム) と顧客の獲得 (マーケティングチーム) が挙げられます。この場合、マーケティング部門と製品部門は、それぞれ別の OKR で会社の OKR をサポートすることになります。これには、新しいウェブサイトの開発やオンライン集客キャンペーンの実施などが含まれます。

会社の目標: SaaS 業界のマーケットリーダーになる

  • 主要な結果 1: ウェブサイト 2.0 版を公開する

  • 主要な結果 2: 第 3 四半期に 1,000 人の新規顧客を獲得する

マーケティングチームの目標: すべてのデジタルプラットフォームでターゲット層へのリーチを広げる

  • 主要な結果 1: Facebook、LinkedIn、Instagram で有料広告キャンペーンを設定する

  • 主要な結果 2: ウェブサイトや SNS に掲載する良質な SEO コンテンツを作成する

製品チームの目標: パフォーマンスの高いウェブサイトを開発する

  • 主要な結果 1: プロダクトバックログを利用して現在のウェブサイトをデバッグする

  • 主要な結果 2: デザイナーと協力して、ウェブサイトのレイアウトを刷新する

それぞれの部門内では、チームメンバーが部門の OKR をサポートする個々の OKR を作成できます。これらの小さな目標は、ウェブサイトのコーディングやコンテンツ開発などのタスクに適用されます。

KPI の例

KPI が効果を発揮するためには、4 つの要素が必要です。これらの構成要素には、測定可能な目標、目標達成に設ける期間、モニタリングに使われるデータソース、およびモニタリングの頻度が含まれます。

KPI の構成の例

生産能力新規インバウンドリードなど、ターゲットの指標だけが記載されている KPI をよく見かけます。しかし、4 つの要素による背景情報がなければ、なぜ対象の指標をモニタリングするのか、どのように測定するのかさえも、明確になりません。

次に、部門別に分類された KPI の例をご紹介します。これらの例には、それぞれ上記の 4 つの要素が含まれています。

セールス部門の KPI の例:

  • 第 4 四半期末までに 20 件の新規インバウンドリードを獲得する。顧客関係管理 (CRM) ソフトウェアを使用し、毎週進捗を確認する。

  • 第 4 四半期にリードのレスポンスタイムを平均 2 日短縮する。レポートソフトウェアを使用して、リードのレスポンスタイムを毎日追跡する。

マーケティング部門の KPI の例:

  • 第 4 四半期にリードあたりのコストを 0.50 ドル削減する。プロジェクトを計画するたびに、リードあたりのコストを計算する。

  • 第 4 四半期に新規顧客を 100 人獲得する。プロジェクト管理ソフトウェアを使用して、顧客基盤の継続的な状況を記録する。

プロジェクト管理の KPI の例:

  • 第 4 四半期に生産能力 85% 以上を維持する。Asana ワークロードを使用して、毎週の生産能力を追跡する。

  • 第 4 四半期にすべてのプロジェクトで 10% 以上の投資収益率 (ROI) を達成する。Asana を使用して、プロジェクト予算の見積もりと実際のプロジェクトコストを追跡し、ROI を計算する。

OKR と KPI のどちらがよいのか?

OKR と KPI のどちらを選ぶ際に「正解」や「不正解」はありません。どのフレームワークが適しているかを決めるには、自分の意思をはっきりさせる必要があります。現在のプロジェクトや過去のイニシアチブを改善したいのであれば、KPI が最も適しています。KPI を使うと、指標をニーズに応じてカスタマイズし、リアルタイムで進捗を確認できます。

会社が大きな目標の達成を目指している場合は、OKR の方が適しています。その大きな目標を、組織内の誰もが参加できる実行可能な要素に小分けできます。また、OKR を活用すると、チームのモチベーションを維持しながら目標に向かえます。

OKR と KPI のどちらか 1 つを選ばなければいけないというわけではありません。この 2 つのフレームワークを組み合わせて目標を設定し、測定すると、最適な業績を実現できます。

記事: 目標管理制度 (MBO) とは?手順、メリットとデメリット

OKR と KPI を活用して組織の足並みを揃える

OKR と KPI は成功の測定に役立ち、成功に対する期待感を高めます。また、これらのパフォーマンス管理手法を活用すると、チームのモチベーションが高まり、全員が重要なことに集中できるようになります。

ワークマネジメントソフトウェアにイニシアチブと業績評価指標を入力すると、チームメンバーは自分の仕事が会社の全体像とどのように結びついているかを明確に把握できるようになります。こうすることで、結果として、社内で起こる対立を減らし、組織内でチームの足並みを揃えられます。

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