プロジェクトのピッチをするのは大変なことのように感じてしまいがちですが、もっと気楽になれる方法があります。プロジェクト憲章テンプレートを作成すれば、主な関係者から承認を得るのに必要なすべての情報をまとめられるため、ステップを飛ばしてしまう心配がなくなります。この記事では、Asana でこのテンプレートを作成する方法をご紹介します。
テンプレートを作成する登録して独自のテンプレートを作成する
面白そうなプロジェクトのアイデアが浮かんだとき、それをスタートさせるにはどうしたらいいのでしょう?ほとんどの企業では、新しいイニシアチブ (取り組み) を開始するには、まず関係者に対してピッチ (簡潔な提案説明) を行います。ピッチがうまく行けば、関係者の承認を得て、プロジェクトを始動させることができます。
イニシアチブの承認を得るには、効果的なプロジェクトピッチを作成することが欠かせません。プロジェクト憲章テンプレートを使えば、チーム全体で毎回ピッチを成功させることができます。
プロジェクト憲章とは、新しいイニシアチブのエレベーターピッチのことであり、関係者がプロジェクトの内容をすばやく把握 (また理想としてはそれを承認) できるよう、目標やスコープ、必要なリソースといった主な情報を要約するためのものです。
プロジェクト憲章テンプレートとは、効果的なプロジェクト憲章のすべての要素を明確にする再利用可能なアウトラインであり、チームが新しいイニシアチブのピッチを行うたびに使用できるガイドのことです。チームメンバーはプロジェクト憲章を一から作る必要がなく、テンプレートをコピーして、必要な情報だけを入力することができます。
チームリーダーがプロジェクト憲章テンプレートを作成しておけば、チームが新しいイニシアチブをピッチする方法を標準化できます。ピッチの仕方に一貫性を持たせることによって、承認者に対して、承認するかどうかを判断するのに必要なすべての情報を提供できます。また、憲章は標準化された形式で書かれるため、関係者はどこに何が書いてあるかを予測でき、レビューも簡単に行えます。
プロジェクトの承認プロセスがすぐに白黒はっきりすることは滅多にありません。このプロセスでは、関係者と会話をしたり、目標やスコープ、プロジェクトの役割分担が変更される場合などが多々あります。静的な Excel シートや Word 文書は、すぐに古くなり、フィードバックを提供するスペースもないため、この反復的なプロセスを取り込むことができません。
一方で、デジタルなプロジェクト憲章テンプレートを使用すると、以下のようなことを行えます。
関係者と会話をして、相手のコメントからリアルタイムにフィードバックを得る。
必要に応じて、プロジェクト憲章の要素をさっと更新する。
関係者にプロジェクトの信頼できる唯一の情報源を提供する。
プロジェクト憲章の要素のうち、承認されたものを追跡する。
プロジェクトの総コストを自動的に計算する。
ドキュメントや画像、動画を添付して、タスクに背景情報を追加する。
プロジェクト憲章テンプレートの目的は、ピッチの成功に向けてプロジェクト憲章の各要素をまとめることであるため、チームが必要に応じて簡単に情報を入力できるようになっています。適切に書かれたプロジェクト憲章テンプレートには通常、以下の要素が含まれます。
プロジェクトの目的: このプロジェクトはなぜ重要なのか?ビジネスのどのようなニーズを満たすのか?
プロジェクトの目標: プロジェクトの終わりには何を達成したいのか?プロジェクトの成功はどのような指標を使って評価するのか?
プロジェクトのスコープと成果物: 具体的にはどのような成果物を完成させるのか?対象外となるものは何か?
必要なリソースやプロジェクトのニーズ: 人員やツール、予算など、この作業を完了させるには何が必要か?
プロジェクトの関係者: プロジェクトのチームメンバーは誰か?プロジェクト憲章は誰が承認するのか?プロジェクトのスポンサーは誰で主な決定事項は誰と共有するのか?
プロジェクト憲章テンプレートを作成するには、上述した各要素のセクションを追加します。各セクションの中には、チームがプロジェクト憲章の作成を進めるのに役立つ具体的なタスクを追加します。たとえば、プロジェクトの関係者のセクションには、「プロジェクトチームを特定する」タスクと「関係者の担当業務をまとめる RACI チャートを作成する」タスクを追加すると良いでしょう。またプロジェクト計画には、主なターニングポイントとなるプロジェクトマイルストーンを設けるのも良いと思います。
プロジェクト予算や成果物を一か所で追跡するには、各成果物の推定コストを記録する列とプロジェクトチームが推定した所要時間を記録する列を追加します。そうすることによって、承認者にすべての必要なリソースの内訳を示すことができるため、承認者は特定の予算額が申請されている理由を理解できます。
最後に、プロジェクト憲章の各要素の承認状況を追跡する列を追加します。そうすると、確定したものや変更する必要のあるものを確認できます。
リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。
プロジェクトの概要: プロジェクトの概要は、プロジェクトの重要な背景状況をすべて一か所でまとめて把握できる場所です。プロジェクト作業の内容、理由、方法について、チームが俯瞰的に確認できます。プロジェクトの説明を追加し、Asana を使ってどう共同作業するか、方向性を決めます。次に、会議の詳細、コミュニケーションチャネル、プロジェクトの要旨などといった、重要なリソースや背景情報を一か所で共有します。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、仕事のタグ付け、ソート、絞り込みにぴったりの方法です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが瞬時にわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
承認リクエスト: 場合によっては、タスクを完了させるだけでなく、成果物が承認されるかどうか知る必要があります。承認リクエストとは、タスクを「承認」「差し戻し」「却下」するオプションが備わった、Asana の特別なタスクです。これにより、タスクの担当者は、自分の仕事が承認されたかどうかを知り、とるべきアクションについて明確な指示を受け取れます。
Google Workspace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana でファイルをタスクに直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。
OneDrive: Asana のタスクウィンドウには Microsoft OneDrive のファイル選択機能が組み込まれているため、Word や Excel、PowerPoint などのファイルを Asana のタスクに簡単に添付できます。
Dropbox: Asana タスクウィンドウに直接組み込まれた Dropbox ファイル選択機能を使って、Asana のタスクに直接ファイルを添付できます。
Microsoft Teams: Microsoft Teams と Asana を連携すると、必要な情報を Teams から直接検索して共有できます。Teams を離れることなく、Teams の会話を Asana の実行可能なアイテムに簡単につなげましょう。また、Teams 会議中に、ブラウザーで Asana タブを開く必要なく、タスクの作成、割り当て、表示ができます。
ここまで、ベーシックなプロジェクト憲章テンプレートの作成方法を紹介してきました。このテンプレートはチームの具体的なニーズに合わせてカスタマイズすることもできます。
以下に、プロジェクト憲章テンプレートをカスタマイズする方法をいくつかご紹介します。
アジャイルプロジェクト憲章テンプレート: アジャイルプロジェクトマネジメントを使用する場合は、スクラムマスターやプロダクトオーナー、開発チームなど、アジャイルに特化したチームの担当業務を要約できます。プロジェクトのリソースを見積もる際は、ストーリーポイントを使って、各成果物の所要時間を判断することもできます。
シックスシグマプロジェクト憲章テンプレート: チームがシックスシグマを使用する場合は、プロジェクト成果物をシックスシグマプロジェクトのライフサイクルを構成する各フェーズ (定義、評価、分析、改善、管理) に整理しましょう。
建築プロジェクト憲章テンプレート: 建築のイニシアチブの場合は、推定コストを「人件費」や「資材」といった種類別に整理すると便利かもしれません。また、主な関係者と担当業務を整理する際には、一緒に働く下請け業者やサプライヤーを明確にすることもできます。
Asana でカスタマイズ可能なテンプレートを作成する方法をご紹介します。今すぐ無料で始めましょう。