プロダクトオーナーとは?スクラムチームを成功に導く 5 つの重要な役割

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil2022年1月20日
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概要

プロダクトオーナーは、スクラムチームにおける標準的な役割で、可能な限り最高の製品を提供することに集中して取り組みます。スクラムチームと関係者を結びつけ、エンドユーザーのニーズをサポートし、製品が何を達成しようとしているのか、またその理由を誰もが理解できるように努めます。この記事では、プロダクトオーナーの 5 つの重要な役割と、スクラムチームが最高の成果を達成するためにプロダクトオーナーがどのように役立つかについてご紹介します。

たとえば、あなたが家を買ったばかりだとします。新しい住宅所有者のあなたの役割は、これから家がどうあるべきかという長期的なビジョンを決めることです。高額な投資を最大限に活用するために、装飾、メンテナンス、改善などをどのように行うかを決定しなくてはいけません。そのためには、住宅検査官や建築業者、同居人たちと調整し、経済的なバランスや長期的な目標を考えながら、最高の住環境を実現しなくてはいけません。責任重大な役割ですね。

住宅所有者のように、プロダクトオーナーは長期的なビジョンに責任を持ちますが、家の改善の代わりに製品の改善に努めます。プロダクトオーナーは、関係者 (住宅所有者の場合は、建築業者や同居人など) と協力して、エンドユーザーにとって最良の製品を作り上げるのです。どのような新機能が最も大きな価値をもたらすかを判断し、その機能を実行可能なタスクに分割して関係者が取り組めるようにします。

プロダクトオーナーとは?

プロダクトオーナーは、スクラムチームにおける標準的な役割で、エンドユーザーに可能な限り最高の製品を提供することに集中して取り組みます。このために、プロダクトオーナーは、製品のあるべき姿をビジョンとして描き、特定の製品機能を定義し、それらの機能をスクラムチームが作業できるようにプロダクトバックログ項目に分割します。プロダクトオーナーは、完成した製品に対して責任を持ち、ビジネス関係者、スクラムチームメンバー、およびエンドユーザー間の連絡役も務めます。

スクラムとは?

スクラムはアジャイルプロジェクト管理のフレームワークで、チームがすばやく開発、反復できるようにします。製品開発、エンジニアリング、ソフトウェア開発のチームで最もよく使われていますが、どんなチームでもスクラムフレームワークを活用できます。スクラムチームは、スプリントと呼ばれる一定期間 (通常 2 週間) の間、特定の成果物を完成させるために、作業に集中します。スプリントが終わると、スクラムチームは学んだことを取り入れ、次のスプリントに向けてプロセスに改善を加えます。

スクラムチームには、通常、プロダクトオーナーを含む 3 つの役割があります。

  • プロダクトオーナー: 関係者、エンドユーザー、スクラムチームと協力し、最終製品がユーザーの要件を満たし、ビジネス目標と合致していることを確認します。

  • スクラムマスター: 開発チームをリードし、スプリントの準備と実行をサポートします。また、スクラムマスターは、社内プロセスの継続的な改善にも注力します。

  • 開発チーム: 各スプリントで完成させる必要のある成果物に取り組みます。開発者は、プロダクトバックログ項目の完了と、新しい製品機能への実装を担当するため、スクラムチームの中核をなす存在です。

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プロダクトオーナーとスクラムマスターの違い

プロダクトオーナーとスクラムマスターは、似て非なるものですが、スクラムチームには欠かせない役割です。スクラムマスターは、スクラムチームが作業を完了するために必要な内部プロセスをリードし、改善します。開発者が連絡や調整ではなく、専門とする作業に集中できるように、チームがスプリントの準備をし、成功できるようにサポートすることに重点を置きます。スクラムマスターは、計画会議、毎日のスタンドアップミーティング、スプリントの振り返り会議などの進行役を担います。また、チームリーダーとして、開発者の障害となるものを取り除き、全員がスクラムのフレームワークの原則に沿えるようにします。

一方、プロダクトオーナーの役割は、スクラムマスターに比べ、より外部に焦点を当てたものです。チームのプロセスをリードするのではなく、製品そのもの、特にエンドユーザーにとって最良の製品をどのようにして作るかを重視します。そのために、プロダクトオーナーは、関係者やエンドユーザーから集めたフィードバックを取り入れ、それをスクラムチームが取り組めるように、具体的な製品機能やバックログ項目に変換します。

プロダクトオーナーとプロジェクトマネージャーの違い

プロダクトオーナーとプロジェクトマネージャーは、似ているようで大きく異なる点が複数あります。プロジェクトマネージャーはスクラムチームの標準的な役割ではありません。一般的に、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの成果物の実行とリソースの管理に焦点を当てます。プロジェクトとは、特定の目標を達成するためにやらなくてはいけないタスクの集合体であると考えると、プロジェクトマネージャーの役割は、チームが期限内に目標を達成するために、それらのタスクの計画、管理、実行をサポートすることと言えるでしょう。

これは、プロダクトオーナーの役割とは異なります。プロダクトオーナーは、エンドユーザーのために優れた製品を作ることだけに専念し、日々の仕事を調整することはありません。スクラムチームでは、プロダクトオーナーとスクラムマスターの両方が、プロジェクト管理を担当します。たとえば、プロダクトオーナーはプロダクトバックログを作成し、スクラムマスターはタスクの割り当て、リソースの割り当て、チームのキャパシティの管理などをサポートします。

プロダクトオーナーとプロダクトマネージャーの違い

プロダクトオーナーとプロダクトマネージャーは、しばしば同じ意味で使われる言葉です。しかし、プロダクトオーナーはスクラムチーム内の特定の役割であることが多いのに対し、プロダクトマネージャーは通常、一般的な役割であり、必ずしもアジャイルフレームワークに当てはまるとは限りません。

しかし、チームにはプロダクトオーナーとプロダクトマネージャーの両方がいることもあります。その場合、その役割は通常次のように区別されます。

  • プロダクトマネージャーは経営レベルや戦略的なものに重点を置き、会社の目標や市場の動向に基づいて製品のビジョンを策定します。

  • プロダクトオーナーは戦術的な役割を担います。プロダクトマネージャーの戦略を実行可能なタスクに変換し、他部門のパートナーと協力してこれらの要件を実行します。

しかし、アジャイルチームのプロダクトオーナーは、プロダクトマネージャーの役割を担うことが一般的です。プロダクトオーナーは、製品に関する経営レベルの戦略を検討し、さらに機能を実行可能なタスクに変換するなどの戦術的な作業を行います。

記事: 戦略と戦術の違いとは?

プロダクトオーナーとスクラムチームの連携方法

プロダクトオーナーはスクラムチームと緊密に連携して作業を行います。バックログ項目が製品全体のビジョンの中でどう機能するかをチームが理解できるようにサポートし、スクラムチームとビジネス関係者の間の連絡役となるのです。そうすることで、チームは他部門パートナーとのやり取りよりも、タスクの実行に集中できます。さらに、プロダクトオーナーは、開発中の製品に関する専門的な知識が必要な場合、スクラムチームに頼ることができます。たとえば、どのような変更が可能か、異なるタスクがどのように互いに依存しているかなどの説明が必要な場合は、スクラムチームに尋ねるとよいでしょう。

そのために、プロダクトオーナーはスクラムチームと毎日または毎週ミーティングを行います。

  • 日々スタンドアップミーティング: プロダクトオーナーは、日々のスクラムミーティングに参加し、進捗状況や潜在的な問題点を直接聞けます。プロダクトオーナーは、製品開発チームとビジネス関係者の間の連絡役を担っており、このようなミーティングに参加することで、他のチームに最新情報を伝えられるのです。

  • 毎週のバックログリファインメントミーティング: プロダクトオーナーは、通常週一回スクラムチームとミーティングを行い、バックログリファインメントと次のスプリントに向けたバックログ項目の準備に取り組みます。プロダクトバックログタスクの実行方法に関しては、開発チームメンバー以上に詳しい人はいません。そのため、プロダクトオーナーは開発チームの意見を参考にしながら、各スプリントでどのような製品の改善や機能を現実的に提供できるかを判断します。

  • スプリントレビューミーティング: スクラムプロダクトオーナーは、各スプリント期間の終わりにスプリントレビューミーティングを実施します。スプリントレビューミーティングでは、スクラムチームが達成した作業を紹介します。通常は、他部門の関係者が各成果物をイメージし、理解しやすいように、製品デモを行います。

記事: アジャイル手法におけるスプリント計画の重要性

プロダクトオーナーの 5 つの重要な役割

プロダクトオーナーは、スクラムチームと関係者を結びつけ、エンドユーザーのニーズをサポートし、製品が何を達成しようとしているのか、またその理由を誰もが理解できるように努めます。プロダクトオーナーはさまざまな役割を担っていますが、その役割は次の 5 つによって定義されます。

1. 製品の目標を明確にする

プロダクトオーナーは、各製品の目標を決定し、その目標を達成するために必要な具体的な製品機能を定義できます。

目標を設定するためには、ユーザーがその製品に何を求めているのか、そしてユーザーが共通して抱える問題は何なのかを理解しなければなりません。つまり、関係者と協力してユーザー調査を行うことが、プロダクトオーナーの仕事の重要な要素なのです。たとえば、カレンダーアプリの改良を任されたとします。具体的な目標を決めるには、ユーザーが既存のアプリをどのように操作しているかを調査し、何に悩まされ、何を改善したらいいかを尋ねるとよいでしょう。

プロダクトオーナーの役割には、ユーザーから集めたフィードバックに基づいて目標を定めることだけでなく、すべての新機能が会社全体のビジネス目標に合致していることを確認することも含まれます。たとえば、ユーザーが組織外の人とカレンダーを共有することを望んでも、セキュリティやユーザーのプライバシーを向上させるという組織全体のビジネス目標とは合致しないこともあります。プロダクトオーナーの役割は、ユーザーの要望うちどれを優先するかを見極めることです。

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2. 製品機能を決定し、バックログ項目を作成する

次にプロダクトオーナーは、スクラムチームが作業を行えるように、上記で設定した目標を具体的な製品機能やバックログ項目に変換します。そうすることで、スクラムチームは、各バックログ項目の具体的な詳細を把握できるようになります。また同時に、プロダクトオーナーは、各バックログ項目が特定の会社の目標やユーザーのニーズに対応できるようにサポートできます。

カレンダーアプリの例で言えば、これには、チームメンバーそれぞれの希望勤務時間を記録する機能を定義することが挙げられます。その後プロダクトオーナーはスクラムチームと協力して、その機能を、プロダクトバックログの小さな実行可能なタスクに分割できます。これらのタスクには、フロントエンドデザインを開発するタスク、ユーザーが希望勤務時間を入力できるインターフェイスを作成するタスクなどが含まれます。

3. ユーザーストーリーを作成する

プロダクトオーナーの役割には、チームメンバーが各機能の背景を理解できるように、ユーザーストーリーを作成することも含まれています。アジャイルプロジェクト管理におけるユーザーストーリーとは、ユーザーの視点から書かれた製品機能の非技術的な説明のことを指します。開発チームが、自分たちが何を作っているのか、なぜそれを作っているのか、それがどんな価値を生み出すのかを把握できるように、ユーザーストーリーを通じて製品機能の最終目標を定義するのです。

ユーザーストーリーは多くの場合、次のような構成で、一文で表現されます。

「(ペルソナ) として、(結果) ができるように、(ソフトウェアの目標) をしたい。」

カレンダーの例の場合、プロダクトオーナーは、次のようなユーザーストーリーを作成して、機能の目標を定義するかもしれません。

「リモートチームのマネージャーとして、全員の都合のよい時間帯にミーティングの予定を組めるように、メンバーの勤務時間を把握したい。」

4. プロダクトバックログの優先順位を決め、管理する

プロダクトオーナーは、製品の機能を定義するのと同時に、バックログリファインメントを行う役割を担っています。これには、ビジネスニーズ、製品目標、ユーザー要件に基づいて、プロダクトバックログを管理し、タスクに優先順位をつけることが含まれます。プロダクトオーナーは、製品のビジョンと、それがビジネス全体目標にどのように適合するかを、経営レベルで把握しています。そのため、スクラムチームが最初に何に取り組むべきかを判断する際にサポート役を担えます。たとえば、ユーザーのプライバシー向上に焦点を当てた会社全体のイニシアチブに一致するように、セキュリティ関連のタスクを優先することが考えられます。

優先順位づけに加え、プロダクトオーナーの重要な役割は、関係者がプロダクトバックログを見て理解できるようにすることです。そうすることで、関係者は、スクラムチームが自分たちのフィードバックを具体的な製品機能にどのように変換しているのか、なぜ特定のタスクを他のタスクよりも優先するのか、新しい機能に関するリクエストの現実的なスケジュールはどのようなものかを把握できます。

5. 製品開発段階を総括する

新しい製品や機能を開発する際、製品が適切に定義され、テストされ、実装されるように、チームは多くの場合、事前に定義されたプロセスに従います。これは製品開発プロセスと呼ばれるもので、製品の初期コンセプトから最終的な市場投入までの 6 段階の計画のことです。

プロダクトオーナーは、主要な関係者たちと連携し、製品開発プロセスの各段階において製品を導きます。

  1. アイデア出し: 顧客ニーズや市場調査に基づいて、製品コンセプトのブレーンストーミングを行います。

  2. 製品の定義: 機能のスコープを決め、その顧客価値 (バリュープロポジション) を定義し、成功指標を明確にします。

  3. プロトタイプ作成: 製品の概念実証 (POC) 版を作成し、さまざまな機能のフィージビリティー (実現可能性) を確認し、開発戦略を策定します。

  4. 初期デザイン: 関係者やエンドユーザーからのフィードバックを収集するために、製品の最初のモックアップ版を作成します。

  5. 検証とテスト: 製品のすべて部分が効果的に機能していることを、一般に公開する前に確認します。

  6. 商品化: 最終製品をリリースし、実装します。

このプロセスに従うことで、スクラムチームはリスクを最小限に抑えながら、最良の製品を生み出せるのです。

プロダクトオーナーが重要な理由

プロダクトオーナーは、成功を収めているスクラムチームにとって不可欠な存在です。チームがプロダクトオーナーに期待することは以下のとおりです。

製品ビジョンを定義する

新しい製品の機能を定義し、製品ロードマップを作成するには、膨大な計画が必要です。プロダクトオーナーは、エンドユーザーが製品や製品の改良に心から満足できるかどうかを確認するだけでなく、それぞれの新機能がビジネス全体の目標に合致していることを確認しなくてはいけません。各バックログ項目の目的を明確にすることで、スクラムチームは本当に重要なタスクに時間を費やせるようになります。

関係者やエンドユーザーから集めた意見を優先する

関係者は、自分のプロジェクトが優先順位が高いと考えがちですが、スクラムチームが最初に何に取り掛かるべきかを判断するのは、背景情報を把握しているプロダクトオーナーです。プロダクトオーナーはビジネスの優先順位を認識しているため、特定のイニシアチブがなぜ重要なのか、それがどのように仕事につながるのかを理解しています。つまり、関係者から集めたフィードバックに優先順位をつけ、スクラムチームが最も重要な作業に集中できるようにサポートするのです。プロダクトオーナーがいない場合、スクラムチームは部門横断チームの指示に基づいて、仕事の優先順位を決める傾向があります。

さらに、プロダクトオーナーはユーザーテストを通じて、エンドユーザーからフィードバックを収集します。これにより、ユーザーのニーズを常に把握し、共通の問題点を解決するために、仕事の優先順位を随時調節できます。

製品開発ガイドラインの遵守を確認する

また、プロダクトオーナーは、製品開発プロセス全体を通じて関係者やスクラムチームのガイド役を務めます。このプロセスは、企業によってさまざまなバリエーションがありますが、通常、初期の製品アイデアから実際に実装するまで、6 つのステップで構成されています。この事前に定義されたプロセスを踏むことで、チームはリスクを最小限に抑えながら製品のリリースを目指せます。チームが行うプロセスの例としては、初期コンセプトをテストするためにプロトタイプを作成し、開発のエラーやリスクを特定するためにフロントエンドのテストを完了し、完成した製品がエンドユーザーの期待や要件を満たしていることを確認するためにユーザーテストを実行することが挙げられます。

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このプロセスは、プロダクトオーナーによって一から作られるわけでなく、通常、製品チーム内のリーダーによって定義されます。しかし、関係者と連携し、チームが各ステップに従えるようにするのは、プロダクトオーナーの役割です。

責任を持つ

プロダクトオーナーはスクラムチームにとって不可欠な存在です。誰もが新機能の目的と重要性を理解できるように、経営レベルで製品のビジョンを策定し、チームがそのビジョンを実行できるようにサポートします。

プロダクトオーナーとして成功するためには、スクラムチームメンバーや関係者と日常的にコラボレーションしなくてはいけません。作業の効率化、スプリントの計画、タスクの実行、コミュニケーションのすべてを一箇所で行えるように、プロジェクト管理ツールの導入を検討しましょう。

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