スプリントの振り返り会議を効果的に開催する方法

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil2022年1月7日
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概要

スプリントの振り返り (レトロスペクティブ) とは、アジャイルフレームワークの会議の一種で、チームが次のスプリントに向けて、順調に進んだ作業と改善の余地がある作業について振り返ることです。振り返りは、継続的に改善し、学んだことを次回に反映させるために不可欠なことです。この記事では、スプリントの振り返りを実践する方法と、よくある落とし穴への解決策をご紹介します。

「狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待すること」という有名な言葉は、プロジェクト管理においても通用することです。何かが思い通りにいかないとき、同じことを続けて行うのは狂気の沙汰です。

しかし、アプローチを改善するためには、物事がどのように進んでいるかを振り返る必要があります。そこで役に立つのが、スプリントの振り返りです。

スプリントの振り返りとは?

スプリントの振り返りは、アジャイルフレームワークの中で、各スプリントが終わってから行われるミーティングの一種です。スプリントの振り返りでは、次のスプリントに向けて、順調に進んだ作業と改善の余地がある作業について検討します。

スクラムのスプリントは、通常 2 週間程度の作業セッションです。各スプリントの終わりまでに特定の成果物を作成する必要があります。このように作業を整理することで、チームは迅速に働くために必要な集中力を高められます。さらに、その後の各スプリントでプロセスを改善し反復する機会が得られます。これが、スプリントの振り返りがスクラムに欠かせない要素である理由です。これを行うことで、チームがスプリントプロセスを振り返り、継続的に改善する機会ができるのです。

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スプリントの振り返りとスプリントレビューミーティングの違い

スプリントレビューミーティングもスプリント期間が終わった時点で行われるものです。しかし、このミーティングは、プロセスの改善に焦点を当てるのではなく、アジャイルチームまたはスクラムチームが達成した仕事を披露するために行われます。スプリントレビューミーティングでは、チームは通常、製品デモを使って成果を発表します。これにより、他の部門の関係者が各成果物を視覚的に理解しやすくなります。

一方、スプリントの振り返りは、スプリント中に順調に進んだプロセスと、改善の余地があるプロセスに焦点を当てます。このミーティングでは、特定の成果物に焦点を当てるのではなく、チームのスプリントワークフローを改善することに焦点を当てます。

スプリントの振り返りを実施すべきチームとは?

チームがスクラムを使用しているなら、各スプリントの終わりに振り返りを実施するべきです。スクラムは、製品、エンジニアリング、またはソフトウェア開発チームによって最も一般的に使用されるアジャイル手法の一種です。しかし、どのようなチームであっても、すばやい開発と反復を目標とするならば、スクラムを使用し、定期的にスプリントの振り返りを行うことでメリットを得られます。

また、チームがスプリントで作業していない場合でも、プロジェクトが終了したり、目標を達成したりするたびに、振り返りを実施できます。そうすることで、経験から学び、学んだことを次のプロジェクトに反映させられるのです。

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スプリントの振り返りに参加すべきチームメンバーは誰?

前回のスプリントでタスクに直接取り組んだチームメンバーだけが、スプリントの振り返りに参加すべきです。これには、ミーティングを進行するスクラムマスター (スクラムチームリーダー)、チームメンバー、そして時にはプロダクトオーナーが含まれます。一般的には、毎日のスクラム (スタンドアップミーティング) に参加する全員が、スプリントの振り返りに参加する必要があります。

チームに直接参加していない関係者やマネージャーは、通常、スプリントの振り返りに参加しません。なぜなら、振り返りは製品チームのために実施されるものであり、各チームメンバーがフィードバックを行い、スプリントプロセスを改善する方法をブレインストーミングする場であるからです。スプリントの振り返り会議に参加する人たちを制限することで、製品チームの集中力を維持し、改善の余地があるプロセスについて安心して意見できる機会を提供できます。

他部門の関係者やマネージャーはスプリントの振り返りに参加しませんが、スプリントレビューミーティングには参加できます。

スプリントの振り返りが重要な理由

スクラムフレームワークの基本原則は、時間をかけて継続的に改善することです。そのため、各スプリントには振り返りが組み込まれています。スクラムチームは、その機会を活用することで学んだことを記録し、次のスプリントに反映させられます。このように、個々のスプリントは、チームがスプリント計画プロセスを改良するための学習サイクルとして機能するのです。

チームは、スプリントの振り返りを使って以下のことを達成できます。

  • 順調に進んでいる作業を祝い、続行する。たとえば、タスクが予想以上に長引いたときに、スプリントの振り返りの場を利用して、チームの成果を認め、積極的なコミュニケーションをサポートできます。ポジティブなフィードバックは、チームが何を続けるべきかを明確にするだけでなく、チームのエンゲージメントを維持し、ストレスによる悪影響を軽減します。

  • 改善すべき点を明確にする。たとえば、チームは、各タスクにかかる所有時間の見積もり方法などを変更するべきだと提案するかもしれません。あるいは、バックログリファインメントプロセスを改善し、似たようなタスクをまとめることを提案する可能性もあります。スプリントプロセスを最適化する方法を明確にすることは、継続的な改善に欠かせないことです。なぜなら、建設的なフィードバックがなければ、チームは改善できないからです。

  • スプリント計画プロセスの改善を実施するための計画を立てる。改善策を提案することと、それを実行に移すことは別物です。スプリントの振り返りで、チームは次のスプリントに引き継ぐ具体的なアクションアイテムを考え出せます。たとえば、各タスクの所要時間を見積もるために、ポイントシステムの導入などを決定できます。アクションアイテムを作成することで、チームは責任を持って、スプリントプロセスの改善を実施することになります。

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スプリントの振り返り会議の議題

スプリントの振り返り会議の開催方法はさまざまです。時間が経つにつれて、自分のチームにとって何が一番効果的かがわかってくるので、それに従ってスプリントの振り返り会議の議題を調整し、改良しましょう。標準的な議題テンプレートを作成することで、チームでの共有や、事前のフィードバック収集が容易になります。そうすることで、可能な限り情報に基づいたディスカッションを行えます。

まずは、議題に以下の基本的なステップが含まれているかどうかを確認しましょう。

1. 会議の目標を決める

スプリントの振り返り会議の目標を前もって設定することで、チームは目の前のタスクに集中できます。目標を決めることで、全員が同じ方向を目指して前進できるのです。これを実現するために、ブレインストーミングを行い、スプリントの振り返りがチームにとってどのような意味を持つのか明確にしましょう。そうすれば、その会議の目標をもとに、今後のすべての会議を進めていけます。たとえば、うまくいかなかったプロセスを非難するのではなく、スプリント計画プロセスを改善するために、率直で建設的なフィードバックを提供することに重点を置くことを、会議の目標とするべきです。

2. チームのフィードバックを収集する

スプリントプロセスを改善するために活用できる最高の情報源は、あなたのチームです。スプリントを円滑に進めるために、日々の作業をこなしているチームメンバーたちの意見を取り入れましょう。さらに、チームから直接フィードバックを集めることで、スプリントプロセスが各自のワークスタイルやニーズに合ったものになるようサポートできます。

スプリントの振り返り会議の 1~2 日前に、各チームメンバーに以下の質問を送り、ブレインストーミングとフィードバックができるようにしておきましょう。

  • 前回のスプリントでうまくいったことは?

  • うまくいかなかったことは?

  • 学んだことは?

  • 次回に向けて、変えるべきことは?

これらの質問事項を、事前に送る会議の議題と一緒に共有すると、このプロセスを簡潔にできます。また、Asana などのプロジェクト管理ツールを活用すると、さらに効率化を図れます。たとえば、Asana のスプリントの振り返りテンプレートを使えば、議題の共有とフィードバックの収集が一箇所で行えます。

スクラムチームの中には、スタートストップコンティニュー手法と呼ばれる、よりシンプルな方法でフィードバックを集めるチームもあります。このアプローチでは、各チームメンバーが、チームがやり始めるべきこと、やめるべきこと、続けるべきことを明確にします。

3. インサイトを引き出す

非同期的にチームからデータを集め終わったら、次に、振り返り会議中にパターンや共通項を特定しましょう。複数のチームメンバーが共通して抱えている問題点、今後のスプリントに持ち越すべき重要な学習事項、あるいは前回のスプリント役に立ったプラクティスなどが考えられます。パターンを特定することで、チームが次のスプリントに設定すべきアクションアイテムの優先順位を決められます。たとえば、複数のチームメンバーが「タスクの完了に必要な情報が足りない」と指摘した場合、それがアクションアイテムで対処すべきこととなります。

可能であれば、振り返り中にチーム全体と画面を共有したり、共有ドキュメントでコラボレーションしたりする方法を見つけましょう。そうすれば、あなたがメモを取り、アクションアイテムを書き留め、一人ひとりのフィードバックを真剣に検討している様子がチームに伝わります。これは、エンゲージメントを高め、会話を実行可能なステップに変えるよい方法です。特に、初めて振り返り会議を実施する場合は、この方法をおすすめします。

会議中のフィードバックを見える化し、収集する方法の一例をご紹介します。このかんばんボードには、会議の議題に加え、質問やさまざまなカテゴリのフィードバックを記録する欄があります。

スプリントの振り返りのかんばんボードの例

4. アクションアイテムを設定する

次に、共通の問題点を解決するためにアクションアイテムを作成しましょう。アクションアイテムは、オーナーと期日を明確にした、次に実行する具体的なステップです。これを決めることで、次のステップを完了させることが、チームの責任となります。スプリントの振り返り時にアクションアイテムを設定することで、誰がいつ何をするのかが明確になります。さらに、各アクションアイテムがグループの成功に重要である理由をチームが理解するのに役立ちます。

先ほどの例を使うと、複数のチームメンバーが「タスクの完了に必要な情報が足りない」と指摘した場合、スプリントのバックログリファインメント時に関係者から今まで以上に背景情報を集めるという、アクションアイテムを作成できます。

5. 会議を締めくくる

スプリントの振り返り会議の最後に、数分間、会議をまとめる時間を設けましょう。閉会時には、会議を簡単に要約し、参加者に感謝し、アクションアイテムをどのようにグループと共有するかを明確にします。振り返りを正式に終了させることで、チームの時間と貢献を評価していることを示せます。さらに、今後に向けて、全員が共通認識を持てるようになります。

スプリントの振り返りのよくある落とし穴と解決策

スプリントの振り返り会議は、特に初めて計画する場合は、その進め方が難しいものです。ここでは、よくある落とし穴と、それを食い止めるための解決策をご紹介します。

時間切れ

スプリントの振り返りでは、取り上げる内容がたくさんあるため、決められた時間を大幅にオーバーしてしまうことがよくあります。ここでは、振り返り会議を計画通りに進めるために活用できる、簡単な解決策をご紹介します。

  • 事前にアジェンダを作成し、共有する。会議の議題を明確に作成しておくと、効率的な会議を行えるようになります。議題には、議論すべきトピックの一覧と、それぞれに割り当てられた所要時間を含めましょう。こうすることで、集中力を維持し、必要なときに次のトピックに移り、議題のすべてを確実にこなせるようになります。また、事前に議題を共有することで、チームメンバーが準備万端で会議に臨め、時間の節約にもつながります。

  • 会議の長さを検討する。スプリントの振り返りの議題をすべて完了できるように、十分な時間を確保しましょう。会議の長さは、チームメンバーの数、スプリントの長さ、振り返りプロセスに不慣れな新しいチームメンバーがいるかどうかなど、それぞれの状況によって異なります。一般的には、1 週間のスプリントでは 45 分、2 週間のスプリントでは 1.5 時間、3 週間のスプリントでは 2.25 時間、1 か月のスプリントでは 3 時間確保する必要があります。特に、リモートでミーティングをする場合は、30 分ごとに短い休憩を入れるようにしましょう。調査によると、ビデオ通話では 30 分を過ぎると集中力が低下するそうです。

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エンゲージメントの欠如

フィードバックを共有することは、必ずしも簡単なことではありません。特に、チームメンバーが問題点を共有することに抵抗があったり、自分の意見が評価されていないと感じたりしている場合は、なおさらでしょう。しかし、スプリントプロセスを改善するためには、チームの建設的なフィードバックが必要です。ここでは、メンバーのモチベーションを高め、全員がうまく貢献できるようにする方法をいくつかご紹介します。

  • 会議で話し合う内容を事前に共有すると、チームメンバーに自分の意見を準備する機会を提供できます。人は、特に突然スポットライトを当てられると、即座に判断することが難しくなるものです。振り返り会議でいきなり難しい質問を投げかけるのではなく、少なくとも数日前に会議の内容を送っておきましょう。この内容には、順調に進んだ作業、改善の余地がある作業、次回はどのようなことをすべきなのか、などといったことも含まれます。

  • 緊張をほぐす。楽しく、コラボレーションしやすい雰囲気をつくるために、アイスブレイク質問で会議を始めましょう。「ホットドッグはサンドウィッチか否か」「もしあなたがジャガイモだったら、どのように調理されたいか」「今すぐ CEO に絵文字をメールで送らなければならないとしたら、何を選ぶか?」などが、よく使われるアイスブレイク質問です。

  • 感謝の気持ちを表す。チームにフィードバックを共有してもらいたいのであれば、安全な空間を作り、チームメンバー一人ひとりの経験や意見が貴重であることを示さなくてはいけません。つまり、チームメンバーの発言に対して、積極的に耳を傾け、内容を書き留めて、どんな意見でも重要であることを示す必要があるのです。そして、忘れずにチームメンバーの貢献に対して心から感謝しましょう。建設的なフィードバックをすることは簡単なことではありませんが、スプリントプロセスの改善に欠かせない要素でもあるのです。

記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツ

不明確な次のステップ

たとえば、何時間もかけて建設的なフィードバックを伝え、収集し、振り返り会議を終えたのに、何も起こらないということもあります。フォローアップもアクションアイテムもなく、何も変わっていません。

このような苦労を未然に防ぐために、忘れずに、スプリントの振り返りで収集したインサイトを記録し、フォローアップしましょう。ここでは、それに役立つ方法をご紹介します。

  • メモを取り、可能であれば画面を共有する。会議の進行役を務めるスクラムマスターやプロダクトマネージャーは、スプリント振り返り会議ではメモを取るべきです。そうすることで、チームメンバーはフィードバックに集中できます。会議メモは、重要なポイントやフォローアップすべきアクションアイテムを覚えておくのに不可欠なツールです。また、メモの取り方はさまざまですが、最も重要な内容は、議論されたトピック、重要な決定事項、アクションアイテムです。

  • アクションアイテムでフォローアップする。フィードバックをフォローアップし、スプリントの振り返りの目的である「スプリントプロセスの継続的な改善」を達成する最善の手段です。優れたアクションアイテムには、明確なオーナー、期日、具体的な内容が書かれた (動詞で終わる) タスク名や説明文が含まれます。こうすることで、何をすべきかが曖昧になることを防げます。たとえば、単に「タスクの背景情報を増やす」と書くよりも「バックログリファインメントを始める前に関係者からタスクに関する背景情報を収集する」と書いた方が、やるべきことが明確になります。

  • 情報にアクセスできるようにする。メモやアクションアイテムは便利なものですが、チーム内で簡単に共有できなければ、あまり意味がありません。紛失しやすい書類やメールを渡す代わりに、Asana などのプロジェクト管理ツールを活用して、スプリントの振り返りをまとめてみましょう。そうすれば、一か所で、会議の議題を配布し、リアルタイムでメモを取り、アクションアイテムを割り当てられるようになります。また、Asana を使ってスプリントを調整すれば、チームがツールを切り替えずに、必要な情報にアクセスできるようになります。

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ゴールに向かってスプリント

スプリントの振り返りは、スプリントプロセスを継続的に改善するために不可欠なステップです。次の振り返りを計画する際には、Asana のスプリントの振り返り用無料テンプレートをご利用ください。このテンプレートを活用すると、重要なステップの一つひとつに確実に取り組め、スクラムの振り返りプロセス全体を通してチームが簡単にコラボレーションできるようになります。

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