製品開発プロセスとは?実例付きフロー解説

寄稿者 Alicia Raeburn の顔写真Alicia Raeburn2022年6月29日
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概要

製品開発プロセスとは、製品が初期コンセプトから最終的に市場に投入されるまでの 6 段階で構成される計画です。このプロセスをとおして、タスクの分割や、部門間のコラボレーションの調整が行われます。この記事では、独自の商品開発プロセスを導入する方法をまとめて、ご紹介します。

製品開発プロセスとは?

製品開発プロセスとは、新製品をリリースするにあたり、初期コンセプトから最終的に市場に投入されるまでに必要なステップのことを指します。このプロセスには、市場ニーズの特定や競合他社の調査、ソリューションのアイデア出し、製品ロードマップの作成、MVP (Minimum Viable Product) の開発などが含まれます。

製品開発プロセスとは?

開発プロセスは、プロセスの進め方によって数種類に分類することができます。各工程をフェーズに分けて順番に完了させていくのがウォーターフォール型で、昔から利用されてきた伝統的な手法です。このほかにも、ユーザーとの意思疎通を行いながらニーズを確認し、くり返し製品に反映していくアジャイル型開発プロセスなどが存在します。

製品開発のプロセスを確立すれば、プロジェクトを体系的に整理し、個々の成果物をより小さなタスクに分割することができるようになります。そうすることで、製品リリースがシンプルになり、さらに、効果的なチームワークとコミュニケーションを行えば、複数チームのコラボレーションも実現できるでしょう。

製品開発フロー: 6 つのステップ

前述のとおり、新商品開発プロジェクトを立ち上げ、実際に商品を市場に投入するには、いくつかのステップを踏む必要があります。ただし、第一段階のアイデア出しから製品がリリースされるまでの開発工程 (開発フロー) に同じものはありません。また、ソフトウェア開発なのか、システム開発なのか、それとも別のタイプの製品なのか、その種類によっても必要な段階の数と種類は異なるでしょう。とはいえ、製品開発プロセスをスタートさせるにあたって一般的な開発のフローというのは存在します。

ここでは、開発プロセスのフローを 6 つのフェーズに分けてまとめます。製品のライフサイクルを知り、次のリリースに役立てましょう。

製品開発プロセスの 6 つのステージ

1. アイデア出し

開発プロセスの第一段階では、まず、新製品のアイデアを創出します。最初のアイデア出しの段階では、お客様のニーズや価格設定、市場調査などのデータ結果を基に、製品コンセプトについてブレインストーミングを行います。 

新製品のコンセプト設計では、以下のような要素を考慮にいれましょう。

  • ターゲット市場: ターゲット市場とは、作ろうとしている製品のユーザー、つまり消費者像のことです。製品コンセプトは、ターゲットとなる市場を軸に策定するので、最初に確定しておかなければなりません。  

  • 既存製品: 新製品のコンセプトが決まったら、既存製品のポートフォリオを評価することをおすすめします。既存の製品に、同じ問題点を扱っているものはありませんか?目的が同じものはありませんか?ある場合は、新しいコンセプトは商品として成立するだけの価値がありますか?これらの質問を考慮することで、新しいコンセプトが成功するかどうかをチェックできます。

  • 機能: 製品の機能については、この時点で詳細に決定していなくてもかまいませんが、機能の概要は必要となります。製品のルックアンドフィールや、製品を購入したくなる理由を考えてみてください。

  • SWOT 分析: 製品の強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) を開発プロセスの早い段階で分析することで、新しいコンセプトを最大限に改善することができます。この分析により、競合他社製品とは異なる、差別化された製品となるのです。

  • SCAMPER 法: アイデアを洗練させるには、SCAMPER のようなブレインストーミングの手法を用います。これは、製品コンセプトを代用する (Substitute)、組み合わせる (Combine)、適応させる (Adapt)、修正する (Modify)、別の用途に使う (Put to other uses)、省略する (Eliminate)、再調整する (Rearrange) 手法です。    

製品コンセプトを検証するために、アイデアをビジネスケースとして文書化することを検討しましょう。文書があれば、初期段階での製品の機能と新製品リリースの目的を、チームメンバー全員が明確に理解できます。 

2. 製品の定義

ビジネスケースを完成させ、ターゲットとなる市場や製品の機能に関する議論が終わったら、いよいよ製品を定義します。スコーピングやコンセプト開発とも呼ばれるこの段階では、重点的に製品戦略をブラッシュアップしていきます。 

開発プロセスにおけるこの段階で重要なポイントは、以下のような具体的な内容を定義することです。

  • ビジネス分析: ビジネス分析では、流通戦略、e コマース戦略、そしてより詳細な競合分析の結果をマッピングします。このステップの目的は、製品ロードマップを明確に定義された内容に仕上げていくことです。

  • 顧客価値: 顧客価値 (バリュープロポジション) とは、その製品によって解決できる問題を指します。考えるべき点は、市場にある他製品との差です。それが市場調査やマーケティング戦略の立案の際に、製品の価値として役立ちます。

  • 成果指標: 製品のリリース後、いつでも成果を評価し、測定できるよう、早い段階で成果指標を明確にすることが不可欠です。追跡しておきたい重要な指標はありますか?たとえば、平均注文額のような基本的なKPI や、組織に関連した独自の目標などの具体的な指標が考えられます。

  • マーケティング戦略: 顧客価値と成果指標が定まったら、ニーズに合ったマーケティング戦略のブレインストーミングを始めましょう。SNS やブログなど、製品をアピールしていくチャンネルを選びます。この戦略は、最終製品の種類によっては修正が必要になる可能性もありますが、製品を定義する際に、あらかじめ考えて計画を立てておくとよいでしょう。

このようなアイデアが定まったら、MVP を開発する初回のプロトタイプ作成に進みましょう。

3. プロトタイプ作成

開発プロセス内でのプロトタイプ作成では、チームはより詳細なビジネス計画を作成し、製品を構築するなど、集中的な調査や文書化を行います。

初期段階のプロトタイプは、図案程度の簡単なものから、コンピューターでレンダリングした複雑なものまでさまざまです。プロトタイプを作成するメリットは、リスクとなりそうな要素を製造前に特定できることです。

プロトタイピングの段階で行う具体的な作業を以下に紹介します。

  1. 市場リスク調査: 実物の製造工程に進む前に、製造に伴う潜在的なリスクを分析することが重要です。これにより、今後発生しうる、製品リリースに影響する問題を回避することができます。また、リスク登録簿に記録することで、チーム全体にリスクを伝えることができます。

  2. 開発戦略: 次に、開発計画の策定に進みます。ここでは、タスクの割り当てと、タイムラインについてしっかり理解していることが大切です。タスクを計画し、タイムラインを見積もる方法として、クリティカルパス法があります。

  3. フィージビリティースタディ: 次のステップでは、フィージビリティー (実行可能性) に基づいて製品戦略を評価します。作業量と、見積もったタイムラインが達成可能かどうかを判断しましょう。達成が難しそうな場合は、必要なだけ日程を調整し、他の関係者にも協力を要請してください。

  4. MVP: プロトタイプ作成段階の最終的な成果は、MVP (実用最小限の製品)、つまり、リリースに必要な機能と、製品として最低限の機能のみを備えた製品です。たとえば、MVP の自転車があるとすると、フレーム、車輪、サドルはありますが、かごやベルはありません。MVP を作成することで、理想的な機能をすべて搭載した場合よりも迅速に製品リリースを実行することができます。理想的な機能は、将来キャパシティが出てきたときに追加すればよいのです。

次は、市場投入に向けて製品の設計に進みます。

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4. 初期デザイン

開発プロセスの初期デザインの段階では、プロジェクトの関係者が協力して、MVP プロトタイプをもとに製品のモックアップを作成します。デザインは、ターゲットを想定に入れて作成し、製品の柱となる機能を揃えたものでなければなりません。 

成功する製品デザインを完成させるには、イテレーションを行い、必要な材料を調達するためにサプライヤーとのやり取りも必要になります。 

初期デザインの制作に関わるワークフローを以下に紹介します。 

  • 材料を調達する: 材料の調達は、最初のモックアップのデザインにおいて重要なポイントとなります。素材を注文する際には複数の業者とのやり取りが発生しますし、自作する場合も考えられます。材料は複数の調達元から仕入れるので、共有スペースに材料の使用状況を記録し、必要に応じていつでも参照できるようにしておきましょう。  

  • 関係者と連携する: デザインの段階では、緊密なコミュニケーションをとり、初期のデザインが正しい方向に進んでいるかどうかを常時確認することが重要です。毎週または毎日のステータスレポートで、最新情報を共有し、必要に応じて承認を得ましょう。

  • 初回フィードバックを受けとる: デザインが完成したら、上級管理職やプロジェクトの関係者に、最初のフィードバックを依頼します。その後、必要に応じてプロダクトデザインを修正し、最終的なデザインに仕上げて実装します。

デザインが承認され、引き継ぎの準備ができたら、製品リリースの前に最終テストを行う検証段階に進みます。 

5. 検証とテスト

新製品をリリースするには、まずはじめに検証とテストを行う必要があります。これにより、製品の開発からマーケティングまでのすべての部分がきちんと機能していることが確認され、リリースに至ります。

製品の品質を確保するために実施すべき項目を以下に紹介します。

  • コンセプト開発およびテスト: プロトタイプのデザインは成功していても、もしコンセプトの開発中に問題が発生した場合は、解決する必要があります。これには、ソフトウェアの開発や初期プロトタイプの実物の製造が含まれます。開発の品質を保証できるよう、チームメンバーやベータ版テスターの協力を得て機能をテストしましょう。

  • フロントエンドのテスト: この段階では、開発コードのリスクや消費者に関わるエラーがないか、フロントエンドの機能をテストします。ページのシステムテストを行ったり、e コマースの機能を確認しリリースに必要な安定性を確保することも含まれます。

  • テストマーケティング: 最終製品の制作を始める前に、マーケティング計画の機能やエラーの有無をテストします。また、キャンペーンの設定がすべて正しくできており、リリース準備が整っていることも、このタイミングで確認しましょう。

最初のテストが完了したら、最終的な製品コンセプトの制作を開始し、顧客ベースに向けてリリースする準備が整います。 

6. 商品化

ついに開発プロセスも最後の段階、コンセプトを商品化するときが来ました。製品をリリースし、ウェブサイトに実装していきます。 

この段階までに、最終デザインが決定し、開発やマーケティング戦略の品質テストも完了させます。最終イテレーションは手応えが感じられ、最終製品の製造準備が整っているはずです。 

この段階で取り組むべき作業を以下に紹介します。

  • 製品開発: ここで言う「製品開発」は、顧客にリリースされる製品の実物をつくることを意味します。実際の制作作業を行う場合もあれば、ソフトウェアのコンセプトを検討しなおすことが必要になる場合もあります。チームに最終プロトタイプと MVP のイテレーションを渡して、製品を正しい仕様で製造してもらいます。

  • e コマース実装: 前のステップが完了し、リリースの準備が整ったら、開発チームは e コマース素材を本番環境に移行させます。この時、前段階のフロントエンドテストで意図したとおりに本番環境で機能するかどうかを確認するために、追加のテストが必要な場合もあります。

いよいよ最終製品がリリースされました。あとは、最初に設定した成果指標で実績を測るだけです。 

製品開発プロセスの事例

製品ライフサイクルの 6 つのステージを理解いただけたと思います。ここでは、新進気鋭のスタートアップ企業が大成功を収めた製品開発戦略の事例から、ヒントを得ましょう。

製品開発プロセス成功例 1: 製品機能を拡充する Figma の手法

  • Figma は、制作者向けの UI デザインツールでは初となる完全ブラウザーベースのツールとして、2012年に登場しました。現在 Figma は、ウェブデザインアプリケーションの一流企業に成長しています。

同社の使命は、デザインを誰にとっても身近な存在とすること、人々が創造性を形にするきっかけを提供することです。この使命のもと、ソフトウェアのリリースでは、複数のフロー機能、ブレインストーミングタイマー、インタラクティブなホワイトボードなど、新機能を継続的に追加することで成功を収め、透明性の高さでも信頼を得てきました。

Figma が、開発におけるバックログ管理に Asana をどのように用いているのか、詳細は、Figma のケーススタディをお読みください。

製品開発プロセス成功例 2: 市場ギャップを解決した Uber の戦略

  • 今でこそライドシェアサービスの最大手となった Uber ですが、最初からそうだったわけではありません。同社もまた、創業以来の魅力的な製品戦略のおかげで、今日のような革新的な企業へと成長を遂げたのです。

Uber の戦略の原点は、既存のタクシー業界が抱えるギャップにありました。支払い処理を簡略化し、配車のプロセスをシンプルにすることでギャップを解決したのです。さらに、製品ポートフォリオの刷新を進め、高価格帯から低価格帯までの車両オプションを開発しました。 

個々に異なる状況においても、適切な製品戦略があれば、革新的なポートフォリオを作ることができます。 

開発プロセスに関わるチームメンバー

製品開発プロセスには、多くの関係者やチームが関わっています。基本的にトップに立つのはプロダクトマネージャーで、アイデア出し、リサーチ、開発、製品リリースに関わるあらゆる製品タスクを統括します。 

製品開発チームを構成する人々

その他、重要な関係者を以下に紹介します。

  • プロダクトマネジメント: プロダクトマネージャーは、製品のライフサイクルのすべての領域を監督し、社内外のさまざまなチーム間で発生するコミュニケーションのギャップを埋める役割を果たします。また、新製品のリリースを始動させ、製品のアイデア出しや市場調査を行います。

  • プロジェクト管理: 開発プロセスでは、プロジェクトマネージャーが部門間のコミュニケーションをサポートすることもあります。また、タスクの割り当てやスケジュールの調整、目標の追跡のサポートにあたる場合もあります。

  • デザイン: デザインチームは、プロトタイプ作成とデザインの段階に参加し、製品のビジュアルコンセプトを提案します。製品のデザインは、ブランドのガイドラインや UX デザインのベストプラクティスに沿っていることが重要です。

  • 開発: 開発チームは、お客様のウェブサイトへの製品の実装を担当します。開発者がチームを構成し、細かな作業の担当者を決めます。コンセプトの複雑さに応じて、連携して新製品を展開して行くのが最も一般的です。

  • マーケティング: マーケティングチームは、マーケティング戦略の策定や、製品リリース前のテストを担当します。また、マーケティング施策の成果を測定します。

  • セールス: セールスチームはプロダクトマネージャーと協力して効果的な戦略を考え、製品の実装後に成果指標を報告します。

  • 上級管理職: 製品のリリースについて、上級管理職による最終承認が必要な場合があります。

他にも、財務チーム、エンジニアリングチームなどさまざまな関係者が関与し、開発プロセスは進んでいきます。すべての関係者が、製品コンセプトの複雑さに応じて、各々の役割を果たしていきます。

記事: プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いとは?

製品開発でポートフォリオの質を高める

新製品開発プロセスにおける 6 つのフェーズを解説しました。また同時に、開発フロー内のそれぞれの段階で完了すべきタスクも紹介しました。開発プロセスが適切であれば、系統的なタスク、チームのコラボレーションも可能となり、各ステップも効率的に進めることができるでしょう。

Asana なら、タスクの調整から製品開発プロセスの整理まで、プロダクトマネジメントのすべてが可能です。さらに、ワークロードの追跡や、シンプルな計画作成もできるので、製品をいち早く市場に投入できます。

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