多くのマーケティングリーダーと同様に、私の AI との道のりは、ワクワク感と実験から始まりました。 チームはさまざまなツールを試し、メンバーはそれぞれのやり方で AI をワークフローに組み込みました。その結果、生産性は向上したものの、同時に、成果物の一貫性のなさ、ワークフローの分断、チーム内の導入状況のムラなど、いくつかの課題も発生しました。
私は後に、この断片的なアプローチを「AI のワイルドウェスト」と呼ぶようになりました。現在、多くの組織が、まさにこの AI のワイルドウェストに陥っています。 AI の活用機会を摸索するフェーズは重要ですが、こうした場当たり的な実験から戦略的な連携へとシフトすべき時がきています。
AI は単なるツールではなく、チームメイトです。重点を置くべきポイントをアドバイスし、仕事に関するアクションを起こし、組織に適応する、Asana AI をご紹介します。
「ワイルドウェスト」フェーズは一見魅力的に映ります。 スピード感もありますし、テストも自由にできます。そのため、チームは気ままに AI を試すことができます。 しかし、その自由が監視されないまま進むと、すぐに重複作業や成果物の不一致、さらにテックスタックの脆弱化を招いてしまいます。
当時、私たち自身もこの兆候を感じ始めていました。チームには、ブログ記事の作成に ChatGPT を用いるメンバーもいれば、Claude を好んで使用するメンバーもいたため、ブランドボイスが大きくぶれてしまっていました。SEO 担当者は独自のプロンプトを使用していましたが、コンテンツチームとは共有されていませんでした。こうした細かい矛盾は最初のうちは無害に見えましたが、すぐに足並みの乱れにつながりました。 この兆候は、共通の基準を設けないままでいると、そのうち大規模な問題が発生しかねないことを示唆していました。
実験のペースが加速していく中で、構造を損なうことなくイノベーションを促進できるような、統一したアプローチが必要であると確信しました。
「ワイルドウェスト」フェーズを抜け出すために、チームにおける AI の活用方法を変革するマーケティング BrAIn Trustアプローチを開発しました。 この戦略の中心には、実践的な学習とスキル向上という目標を据えています。具体的には、チームメンバー全員が実験し、気づきを共有し、成長に必要な AI スキルを身につけられる場を設けることです。 AI を個々のツールの集合体として見なすのではなく、整備された AI エコシステムを構築しています。そこでは、実際の経験則や共有された知識に基づく、標準化されたプロンプトとプロセスが使用されます。
この BrAIn Trust 戦略は、社内の実践的な学習、AI ガバナンス、スキル開発の基盤となっています。 AI を日常のワークフローに直接組み込むことで、単に AI の導入を可能にするだけでなく、そのあり方を形作っています。 このアプローチにより、一貫性が生まれ、断片的な実験における主な課題に対処できます。
私たちは最初から、この変革は人を第一に考え、学習を中心に据える必要があると認識していました。 BrAIn Trust をチームに導入する前に、人事部門のパートナーと緊密に連携し、意図を明確にしました。これは、役割を置き換えることではなく、従業員が新しいスキルを身につけ、より戦略的でインパクトのある仕事に取り組めるようサポートすることだと伝えました。 この足並みの揃えにより、スケールアップに必要な明確さと自信が得られました。
BrAIn Trust は、そのビジョンを行動に移します。 まず、Asana を「カスタマーゼロ」として、チームがすでに毎日使用しているツールやワークフローに AI をシームレスに組み込み、AI の使用を不可欠なものにしていきます。
私たちの哲学の中心にあるのは、あらゆる活動の指針となる 3 つの原則です。
わかりやすくする:実際の演習を通じて、すぐに価値を実感できるようにします。 抽象的な約束はしません。チームメンバーは、最初の学習セッションから、これらのツールがどのように時間を節約し、品質を向上させるかを肌で感じることができます。 明確なガバナンスと文書化されたユースケースを提供することで、誰もが AI の使い方だけでなく、いつ、なぜ AI を使用するのかを理解できるようにします。
簡単にすること:まずは Asana から始め、その後他のツールに拡大していきます。チームがすでに使っているツールからアプローチします。 当社のプロンプトは既存のワークフローに適合するため、AI の導入が業務を妨げることなく、自然に感じられます。 シンプルなテンプレート、ガイド付きの練習セッション、そして誰でも自分のペースでサポートを受けられる定期的な相談時間を設けています。
楽しくする:私たちはチームのためにソリューションを作成するのではなく、チームと一緒にソリューションを共創します。 毎週開催されるプロンプト共有セッションは、チームメンバーが AI を試したり、気づきを共有したり、お互いから学んだりできる学習ワークショップへと進化しました。 私たちは、威圧的なテクノロジーではなく、頼りになるチームメイトのように感じられる、親しみやすい口調の擬人化された AI アシスタントを開発しています。
これは単なるツールのアップグレードではありません。 チームとして学び、成長する方法を意図的に変えているのです。 BrAIn Trust は、しばしば相反するように感じられる 2 つの優先事項のバランスを取るのに役立ちます。つまり、チームに実験の自由を与えつつ、その実験の結果が有用で、スケーラブルで、組織全体で共有可能であることを保証します。
当社のBrAIn Trustは、多くのチームが直面するいくつかの課題に対処します。
導入のばらつき:私たちは、学習の過程における人々の状況に寄り添い、初心者から上級者までをサポートします。
品質のばらつき: 学習を共有して標準化することで、全員が一緒に成長し、一貫した成果を上げられるようになります。
時間の浪費:当社の集団的なナレッジベースにより、誰も単独で学習したり、他の人がすでに開発したソリューションを再現したりする必要がなくなります。
工数の重複: 定期的な情報共有セッションにより、学んだことがチーム全体に迅速に広まります。
アプローチを一元化することで、以下を実現しています。
あらゆるスキルレベルに合わせた実践的な学習の機会
チームの実験から生まれたプロンプトとワークフローのライブラリ
個人に合わせたサポートやガイダンスを提供する定期的なオフィスアワー
技術的な連携のサポートと、プロンプトのカスタマイズに関するガイダンス
集団学習と経験から生まれるベストプラクティス
一夜にして完全な変革を試みるのではなく、実践を通じてチームの自信を高めながら、価値を実証するインパクトの大きいユースケースを選んでいます。 各セッションでは、チームメンバーが AI がどのように自分の仕事を変化させられるかを実際に目の当たりにすることで、賛同が得られやすくなります。 これらのワークフローは、プラットフォームの機能の進化に合わせて発展しており、チームメンバーが日々の経験に基づいて積極的に改善に貢献しています。
AI は単なるツールではなく、チームメイトです。重点を置くべきポイントをアドバイスし、仕事に関するアクションを起こし、組織に適応する、Asana AI をご紹介します。
すでに、実験から生まれた 2 つの主要なワークフローを無事に立ち上げることができました。
高度なチームリーダーシップ支援システム (ATLAS):数時間の試行錯誤を通じて私が開発した、リーダーシップを支援するための AI を活用した包括的なワークフローセット。次のようなテンプレートが含まれます。
チーム指標の管理と分析
タスクの完了状況のモニタリング
キャパシティレポートの作成
ステータス更新の生成
これらのワークフローにより、AI が事務作業の負担を処理する一方で、私は戦略に集中できるようになり、週に 4~5 時間の時間を節約できています。
プロジェクトインテリジェンス & 優先順位付け計画アシスタント (PIPPA):プログラムマネジメント向けのプロンプトライブラリで、当社の PM がコラボレーティブラーニングセッションを通じて作成しました。次のようなテンプレートが用意されています。
リクエストの受け付けと評価
タスクの優先順位付け
タイムラインのリスク特定プロンプト
このワークフローは、PM が新しい発見を共有するたびに進化し続けます。AI がプロジェクトトラッキングにおける管理作業の多い側面を処理するため、PM は関係者との関係構築に集中できます。
当社の目標は、コンテンツ作成から SEO、メールマーケティングまで、マーケティングチームの各職務において、それぞれの業務を補完するように設計された専門的なプロンプトライブラリやワークフローを実践することで、AI に関する専門知識を身につけてもらうことです。 この的を絞ったアプローチにより、AIは既存のワークフローを妨げることなく強化し、持続的なスキルを構築できるようになります。
この学習イニシアチブを拡大するには、バラバラのツールや一時的な対処策に頼ることはできないと、最初からわかっていました。 私たちが必要としていたのは、戦略的な基盤でした。つまり、私たちと共に進化し、既存のシステムと連携し、技術チーム以外のチームが学習し、直接貢献できるようにする基盤です。
そのため、私たちの導入戦略は、Asana のコード不要の AI スタジオ機能の使用を中心に据えています。 すでにチームが Asana を使用しているため、そこから始めることで、AI の導入が自然に感じられます。
この戦略的な選択は、当社のラーニングファーストのアプローチにいくつかのメリットをもたらします。
統合リスクの低減:複数のポイントソリューションではなく、コアワークマネジメントプラットフォームを基盤とすることで、将来のベンダー統合のリスクを軽減しています。
データソースの統合:さまざまなシステム (Contentful、SkillJar、GitHub、Tableau など) の情報を、AI ワークフローに直接連携しています。
スケーラブルな開発:ノーコードアプローチにより、チームメンバーは専門の開発リソースを必要とせずに、新しいプロンプトやワークフローを迅速に学習し、イテレーションを行い、展開できます。
一貫したエクスペリエンス:慣れ親しんだプラットフォームをベースにすることで、導入の障壁が低くなり、学習や試行錯誤がしやすい環境が生まれます。 AI の機能が日々のワークフローに組み込まれると、自然に導入が進みます。
このアプローチにより、当社の AI 戦略はチームの既存の働き方に沿ったものとなり、同時に学習のための安全な空間が生まれ、実験へのハードルが下がり、AI の使用がオプションのアドオンではなく、全員の業務において避けられないものになります。
当社では時間の節約を追跡していますが、ROI の定義は効率性にとどまりません。 当社は、AI が次のことを実現できているかどうかを測定しています。
管理業務の負荷軽減
アウトプットの品質と一貫性の向上
戦略的思考に費やす時間の増加
市場投入までの時間の短縮
チームの満足度とエンゲージメントの向上
すべてのスキルレベルにおいて、AI リテラシーと自信の向上
これらの指標は、AI の連携が単に作業を高速化するだけのものではなく、私たちが共に働き、共に学ぶ方法を根本的に改善するものだということを示しています。
AI の導入を進める中で、マーケティングチームの働き方が大きく変わろうとしているのを目の当たりにしていると思います。 成功を収める組織とは、最も多くの AI ツールを導入する組織ではなく、人間の能力を補完し、高める方法で AI をチームに戦略的に組み込む組織でしょう。
未来は、AI のワイルドウェストを抜け出し、人間と AI のコラボレーションに対する連携のとれた、慎重なアプローチを構築できるチームのものとなるでしょう。 今、戦略的フレームワークを構築することで、私たちはこの未来に備えるだけでなく、積極的に未来を形作っているのです。
AI は単なるツールではなく、チームメイトです。重点を置くべきポイントをアドバイスし、仕事に関するアクションを起こし、組織に適応する、Asana AI をご紹介します。
次の記事では、これらの共有ワークフローとプロンプトライブラリを、マーケティング組織のメンバー全員にとって真のチームメイトとして機能する、人格化された役割ベースの AI アシスタントへと進化させる方法についてご紹介します。どうぞお楽しみに。
Asana を無料でお試しいただけます。クレジットカード情報は不要です。
大規模な企業をつなぐ Asana の仕組みを、デモでご確認ください。
Asana を活用したスムーズなチーム連携の方法についてご案内します。