チーム憲章テンプレート: チームを成功に導くロードマップ (実例付)

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2024年2月18日
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概要

チーム憲章とは、チームが拠って立つビジョンと運営方法をまとめた文書です。共通の目標、戦略、プロセスを文書にすることで、チームはあらゆるプロジェクトに一致団結して取り組めます。チーム憲章の作成方法を学び、チームで共有するビジョンとメンバーのよりどころとなる情報源を確立しましょう。

チームとは、例えるなら慎重に並べたドミノのようなもの。多様なスキルを組み合わせて、素晴らしい結果を生み出すこともできますが、誰か一人がよろめくと、全員に動揺が伝わります。困難に立ち向かい、大きな成果を上げるために必要なのは、前向きなシナジーです。「チーム憲章」を使って、シナジーに火をつけましょう。

チーム憲章とは、「全体は、個々の力の総和に勝る」こと、つまり効果的なチームのあり方を示すチームのための共有文書です。この記事では、チーム全体のビジョンと、メンバー全員のよりどころとなる情報源を確立するために、チーム憲章を作成する方法を解説します。

チーム憲章とは?

チーム憲章は、チームが拠って立つビジョンと運営方法を見やすくまとめた文書です。文書化された共通の目標、戦略、プロセスがあれば、チームはあらゆるプロジェクトに一致団結して取り組めます。チーム憲章は、コラボレーションのプロセスであり、チーム全体の一元的な情報源として機能します。チーム憲章の役割には次のようなものがあります。

  • チームメンバーの説明責任の根拠になる

  • チームに合わせてカスタマイズされたプロセスを文書化する

  • プロジェクトの成功に向けた共通のビジョンを確立する

  • チームメンバー間のコミュニケーションを改善する

  • チームメンバー全員がチームの理想を理解できるようにする

チーム憲章は、チームにとってのメリットに加え、全社にチームの目的を示すにも有効です。目的そのものを記述するセクションはもちろん、文書全体を読むことで、チームメンバー以外の人も、あなたのチームがどんな働きをしているのかを理解できます。

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チーム憲章に含まれるもの

チーム憲章の作成方法に進む前に、チーム憲章テンプレートの基本要素を押さえましょう。チーム憲章のテンプレートは、マインドマップからフローチャートまで、さまざまな形式で作成できます。

チーム憲章の構成要素
  • ミッションと目的: チームの目的と、全員で達成しようとしている目標を書きます。

  • 役割と責任: チームメンバーの役割と責任をリスト化し、全員が自分や他のメンバーに求められている内容を確認できるようにします。

  • 予算とリソース: プロジェクトの予算の決定方法を説明し、プロジェクトのリソースを配分します。プロジェクトの財政管理に関する一般的なルールがあれば記載します。

  • 作業プロセス: チームのプロジェクトワークフローの概要を段階を追って記載し、チーム全員がプロセスを理解できるようにします。

  • パフォーマンス評価: チームが客観的、主観的にプロジェクトの成功を測定する方法を説明します。

  • コミュニケーションルール: チームメンバーが互いにやり取りする方法と手段のほか、話題によってコミュニケーション方法を変更するべきかを決めます。

  • ルールおよび対立の解決: チームメンバーが連携して働くための基本ルールをまとめ、対立が起きた場合の解決戦略も提示します。

  • 署名欄: チームメンバーが文書に署名する欄を設け、署名によって、合意した提示内容を承認したことを示します。

チーム憲章の作成方法

チームのマネージャーなら、チーム憲章の各セクションに入れたい情報はもうわかっている、という場合が多いでしょうが、チーム憲章を作成する際には、チームの協力も重要です。作成のプロセスにチームメンバーも参加すれば、全員が誇りを持てるチーム憲章を一緒に作り上げることができます。それでは、下のステップに従って作成してみましょう。

チーム憲章を作成する 8 つのステップ

1. チームの目的を述べる

チームが複数のプロジェクトに携わっているとしても、そうした仕事の背景には、より大きなプログラムが存在していることが多いはずです。チーム憲章を書くにあたって、自分のチームが社内でどんな仕事をしているのかを考えましょう。これがチームの目的を書く手がかりになります。

ヒント: チームの目的は、「ミッションと目的」のセクションに書きましょう。チームの目的をクリエイティブに表現する方法を探すことは、チームにとってつながりを深めるチャンスにもなります。チームの目的についてみんなでブレインストーミングを行い、アイデアをすべて書き留めます。次に、チームの目的を一つの文に絞り込みます。これはいわばチームの正式なミッションステートメントです。チームによっては、これを「ノーススター (北極星)」と呼んでいます。

2. チーム構造を簡潔にまとめる

チーム内の最上位の職務から始め、チームの構造を細分化し、各職務に関連する責任範囲を列挙します。このセクションは、チームメンバーそれぞれの役割を再確認するために役立つだけでなく、チームメンバーが同僚の仕事を理解するための資料にもなります。

複数チームが連携する際には、このセクションが特に便利です。チームの規模が大きかったり、チーム歴が浅かったりすれば、人によって他のメンバーの職務内容を把握していないこともあり得ます。チーム憲章で全員の役割と責任範囲を共有すれば、何か質問したいときに参照できる、チームにとって信頼できる情報源となります。しかも、メンバーが交代したり、新規メンバーが加わったりしても、状況の変化に合わせてセクションを簡単に更新できます。

ヒント: チーム構造の細分化をチームで協力して行うなら、このセクションをチームビルディングのアクティビティにすることをおすすめします。オンラインか対面でチームメンバーを集め、全員でお互いの名前や職名、職責を覚えるためのチャレンジを行いましょう。

記事: 部門横断チームを作る 9 つのコツとメリット

3. 予算とリソース戦略について話し合う

プロジェクトの予算とリソースは、確保するのも、管理して配分するのも簡単ではありません。コスト管理戦略のセクションを設けておくと、プロジェクトの計画時や、変更管理が必要な状況でチームメンバーの負担が軽くなります。

記載する戦略の例:

  • プロジェクト計画の一環として詳細な予算提案書を作成する

  • 作業内容が判明したらただちにリソース配分を行う

  • 可能な限り、コストを削減する

  • あらかじめプロジェクトの変更を織り込む

コストの予測を立て、コストを削減する方法を心得ているチームは、関係者から高い評価を得られるはずです。

ヒント: このセクションで第一に目指すのは、プロジェクトの予算の扱いについて、基本的なプロセスを文書化し、全員の認識を一致させることです。マネージャーは、チームでこの問題を話し合う際に、必ずメンバーに意見を述べる機会を与えるようにしてください。

4. プロジェクトのワークフローを説明する

ワークフローは、仕事の開始から終了までをカバーするプロセスであり、適切なタイミングで適切な人材と情報を結びつけることによって、チームの目標を達成しやすくします。ワークフローを設定すると、理解しやすく、今後も再現可能な形で情報を整理できます。

プロジェクトのワークフローは必ず、標準的なプロジェクト計画のフェーズで始まります。これは次の 7 つのステップで構成されます。

  1. 目標とプロジェクトの目的を定義する

  2. 成功指標を設定する

  3. 関係者と役割を明確にする

  4. 予算を設定する

  5. マイルストーン成果物について認識を合わせる

  6. 大まかなタイムラインスケジュールを決める

  7. コミュニケーション計画を共有する

プロジェクトはそれぞれ独自の特徴があるため、少しずつ異なりますが、成果物を作成してプロジェクトを成功させるまでの基本的なプロセスを設定しておきましょう。

ヒント: 管理しているプログラムや仕事の流れが複数あれば、チームによってはワークフローが 2 つ以上あるかもしれません。そうした場合は、主要なワークフローごとに、チームメンバーが大まかなプロセスと、疑問がある場合の問い合わせ先を確実に把握できるようにします。

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5. チームにとっての成功を定義する

チームにはプロジェクトの成功を判断する基本的な方法が必要です。成功を定義するには、客観的な方法と主観的な方法を組み合わせて使いましょう。これによって、チームはプロジェクトを開始するとき、必ずあらゆる観点を考慮に入れるようになり、マンネリに陥りません。

チームにとっての成功の具体的な定義を決めるには、以下について考えます。

  • プロジェクトの成功を定義する際、プロジェクトの結果を当初のプロジェクトの目的と比較するか?

  • 関係者や顧客のフィードバックを成功指標の測定の参考にするか?

  • チームの目的に基づき、成功をより広い視野でとらえているか?

ヒント: 目標は、主観的なものも含め、SMART 目標メソッドに従って設定しましょう。SMART とは、Specific (具体的)、Measurable (測定可能)、Achievable (達成可能)、Realistic (現実的)、Time-bound (期限がある) の頭文字をつなげた言葉です。

6. 標準的なコミュニケーションスタイルを決める

チームのコミュニケーションは、プロジェクトの成功のカギとなりますが、チームメンバーとのやりとりの方法は一つではありません。対面やオンラインでの会議がチームの連絡手段として適切な場合もあれば、プロジェクトの話し合いの記録を残していくことが、内容を頭に入れ、必要に応じて振り返るのに有効な場合もあります。

チームの標準的なコミュニケーションスタイルを決めるには、次の点について考えましょう。

  • プロジェクトについて話し合う際のチームのコミュニケーション方法 

  • チーム内の連絡にチームメンバーが使用するコミュニケーション方法

  • チームメンバーは何を使ってクライアントとコミュニケーションをとるべきか。あるいは、チームメンバーはマネージャーに情報を伝え、クライアントとのコミュニケーションを引き継ぐべきか。

ヒント: チームのコミュニケーション方法を統一する際には、現在のコミュニケーション方法について話し合う時間を設けましょう。改善が必要な部分を見つけて、それをチーム憲章を作成する起点にします。

記事: 非同期コミュニケーションに関する誤解

7. 基本的なルールと、対立の解決手順を設定する

チームの意見は必ず対立するものです。しかし意見が食い違うのは、チームメンバーが本音を話し、自分自身をさらけ出せると感じているからこそであるため、意見の不一致はチームの協力関係が強いことの証とも言えます。ただし反論のための反論は無意味なため、チームの方針や基本ルールを設定し、対立がエスカレートしないようにすることが重要です。

チームのルールは、たくさんある必要はなく、チームが重視する価値観に関するものに絞ります。ブレインストーミングでチームにとって重要な価値観をチームメンバーと出し合い、基本ルールを作成しましょう。

以下は、チーム憲章の基本ルールの例です。

  • 全員に対して敬意を払う。

  • 必ず善意の意図があるという前提に立つ。

  • 顧客、同僚、上司を平等に扱う。

  • お互いに、達成したことを認め合う。

  • 批判は建設的な批判のみ。

  • アクティブリスニングを実践する。

簡単な基本ルールを設定することで、対立やコミュニケーションの行き違いを避けられます。対立が起きても、対立解決の戦略をチーム憲章に定めてあれば、チームメンバーが問題を乗り越えて先に進みやすくなります。

チーム憲章に盛り込む対立解決の戦略の例:

  • 問題を悪化させない。

  • 意図したことと結果を区別する

  • 対立についてオープンに話し合う。

  • 協力して解決策を見つける。

ヒント: チームの基本ルールに意図せず反してしまうような難しい状況を想定し、チーム憲章のこのセクションに基づいてコラボレーションアクティビティを行いましょう。対立解決の戦略を実践して、妥協点を探ります。多くのソフトスキルと同様、対立の解決スキルも一朝一夕には習得できません。しかしチームとして練習を重ねていけば、全員のスキルを磨けます。

8. レビューと承認の署名

チームの全員が、チーム憲章に含める内容について認識を一致させる必要があります。Asana のようなワークマネジメントソフトウェアを使って文書をデジタルで共有し、誰でもアクセスして変更を確認できるようにしましょう。

ヒント: チームの団結を維持し、確実に全員の認識を合わせておくためには、四半期ごとにチーム憲章を再配布して、チームメンバーに見直してもらいましょう。そのうえで会議を行い、全員に提案や、改善が必要な点の指摘を求め、文書を新しい状況に合わせてアップデートします。

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チーム憲章テンプレート (実例付)

ここでは、マーケティングチームのチーム憲章の例をご紹介します。延々とテキストをスクロールする必要がないよう、各セクションが見やすくまとめられています。この形式なら、情報を探し、必要に応じて変更するのも簡単です。

チーム憲章の例

あなたのチーム憲章は、おそらくこの例より詳細なものになるでしょう。しかし、それでも手に取りやすく、理解しやすい点では十分です。下のリンクから無料のチーム憲章テンプレートを入手して、作成に取りかかりましょう。

チーム憲章の無料テンプレート

チーム憲章で目標を明確にする

チームのシナジーを生み出すには、もともとの相性以上のものが必要です。結果を出せるチームは、コアバリューを守り、協力して意思決定を行います。チーム憲章があれば、全員がチームのプロセスと目的を継続的に把握できます。

Asana のようなワークマネジメントソフトウェアとチーム憲章を組み合わせれば、チームはコラボレーションによって素晴らしい成果を達成できるでしょう。

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