ポモドーロテクニック: チームの生産性を高める方法

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年6月28日00
facebooktwitterlinkedin
ポモドーロテクニックの記事バナー画像

To-Do リストを一目見るだけでストレスが押し寄せ、期限までに完了する自信が揺らぐことはありませんか?ポモドーロテクニックのような時間管理戦略を活用すれば、生産性を最大化し、プロジェクトを計画通りに完了できます。

ポモドーロテクニックは、集中的な作業セッションと短時間の頻繁な休憩をベースとする手法で、その目的は生産性を高めつつ精神疲労を減らすことです。

複数のチームメンバーと共に複数のプロジェクトに取り組んでいる場合には、このテクニックを使えば、タスクのタイムブロッキングを行うことにより、ワークロードによるストレスを軽減できます。

このガイドでは、ポモドーロ法の詳しい仕組み、メリット、実施方法を解説します。時間を効果的に管理し、チームメンバーも同様に時間管理ができるようサポートを提供すれば、チームの生産性を向上させ、仕事の効果を高められます。

ポモドーロテクニックとは何か?

ポモドーロテクニックとは何か?

ポモドーロテクニックは、集中力を最大化するために、仕事を 25 分ずつのセッションに分け、短い休憩をはさんで行う人気の高い時間管理テクニックです。

このテクニックは 1980年代に当時大学生だったフランチェスコ・シリロにより開発されました。時間管理と生産性の問題に悩んでいたシリロは、10 分間集中的な勉強に専念することにしました。

その際に勉強時間を測定するために使ったのが、トマトの形をしたキッチンタイマーでした (イタリア語でトマトは「ポモドーロ」です)。その後何度も試行錯誤や微調整を重ね、ポモドーロテクニックを完成させたのです。

この手法では、作業と休憩のセッションを交互に繰り返します。25 分間の作業セッションである「ポモドーロ」の後、5 分間の休憩を取ります。ポモドーロを 4 回繰り返したら、長い休憩を取ります。短時間のセッションで作業を集中的に行うことで、生産性を高めつつ、モチベーションを維持できます。

ポモドーロの最中に集中力を維持するためには、集中を乱す要因を最小限にすることがカギとなります。たとえば、携帯電話を機内モードにしたり、チャットやメールの通知をオフにしたりするなどです。しかしそれでも、チームメイトから急を要するタスクを依頼されるなど、コントロールできない外部要因が発生する可能性があります。

それに対しシリロは、作業の中断につながる外部要因に対処するために、以下の 4 つのステップから成る手法を開発しました。

  1. 知らせる: 現在作業中で忙しいことを相手に知らせる

  2. 交渉する: 問題について話し合う時間を交渉する

  3. 予定する: ただちにミーティングの予定を立てる

  4. 電話を折り返す: ポモドーロ完了後に電話を折り返す

このようにチームメンバーへの敬意を示すコミュニケーションの取り方を実行することで、フロー状態を達成、維持できます。

また、このテクニックはチームとしても活用できます。

この手法をチーム環境において活用するには、各チームメンバーが始業時に割り当てられたタスクをポモドーロのセッションを使って完了します。そして終業前にチームミーティングを行い、タスクの進捗状況と完了したポモドーロの回数を確認します。

この手法に慣れると、各タスクに必要なポモドーロの回数を予測できるようになるため、今後のワークフローやプロジェクトのタイムラインを計画しやすくなります。

記事: 最高の成果を出すためのタイムマネジメントのコツ、タイムマネジメント術、クイックウィン (すぐできる改善) 18 選

ポモドーロ法を活用して時間を管理する方法

ポモドーロ時間管理法

ポモドーロ法を活用するには、まず以下のような時間管理ツールを選びます。

  • タイマー: 物理的なタイマーまたはデジタルタイマーを使ってセッションを管理します。

  • ポモドーロタイマー: ポモドーロのセッション専用にプログラミングされているタイマーもあります。専用タイマーのスタートボタンを押すと、ポモドーロの完了時や休憩の終了時に通知されます。

  • ポモドーロアプリ: iOS や Android のスマホでポモドーロ用のアプリをダウンロードしてポモドーロを管理することもできます。

ツールを選んだら、以下の手順に従いスタートしましょう。

  1. 今日達成したいタスクを優先度順にリストアップします。

  2. 作業を進めたいタスクを 1 つ選び、25 分間のポモドーロを開始します。

  3. セッションを完了後、達成できたことを確認し、チェックマークを付けます。

  4. 5 分間の休憩を取ります。

  5. 手順 2~4 を繰り返し、ポモドーロをあと 3 回行います。

  6. 計 4 回ポモドーロを行ったら、15~30 分間の休憩を取ります。

  7. 上記のサイクルを繰り返しつつ、タスク完了までにかかったポモドーロの回数を記録しておきます。

一般的に、フルタイム勤務であれば 1 日に 16 回ポモドーロを行えることになりますが、必ず 16 回行わなければならないというわけではありません。To-Do リストを完了するために必要なだけポモドーロを行いましょう。

完了したポモドーロの回数を記録しておくと、今後のスケジュールを計画しやすくなります。次回類似するタスクが発生した際には、時間表を作成し、過去の記録を使用して、そのタスクを完了するために必要なポモドーロの回数を予測できます。

ポモドーロを準備する

タスクを計画する際のコツを以下に紹介します。

  • 複雑なタスクを細分化する: プロジェクトやタスクが複数のステップから成り、ポモドーロが 5 回以上必要となることが予想できる場合には、より小さい、より簡単なステップに細分化しましょう。たとえば、レポートを作成する必要があれば、レポート作成プロセスの段階別にタスクを作成できます (調査、アウトライン作成、ドラフト作成、編集)。

  • 小さなタスクをグループにまとめる: ポモドーロの回数が 1 回分に満たない簡単なタスクを他のタスクと組み合わせましょう。たとえば、「会議を予定する」と「メールに返信する」は同じセッションに含められます。これをタイムブロックと呼びます。

  • ポモドーロの作業セッションを多めに予定しておく: タスクが予想以上に長引いた場合を想定し、ポモドーロをいくつか多めに予定しておきましょう。計画に余裕を持たせておくことで、問題が発生しても焦らずに対処できます。結果的にポモドーロが余ったとしても、自習や優先度の低いタスクに活用することができます。

ポモドーロの休憩中には何を行えばよいか

ポモドーロの作業セッション後の休憩は、精神的な疲れを取ることを目的としています。休憩中には、脳を休めて情報を吸収できる時間をつくるため、精神的な負担につながる活動はなるべく避けましょう。

画面から目を離し、身体を動かしてみるのもおすすめです。

ポモドーロの休憩中にできることの例を以下にいくつか紹介します。

  • ストレッチやエクササイズ

  • 散歩に行く

  • 机を整理する

  • おやつを食べる

  • コーヒーやお茶を入れる

  • 音楽を聴く

頻繁に休憩を取ることで、身体も心も充電され、残りのタスクに集中できます。

ポモドーロを Asana と組み合わせる

ポモドーロテクニックを他のワークフロー管理ツールや生産性ツールと組み合わせれば、その効果を最大化できます。生産性ソフトウェアを使えば、ポモドーロ法の強みをさらに引き出し、仕事の整理と時間管理を両立できます。

Asana のようなワークマネジメントソフトウェアを使ってポモドーロを計画する方法を以下にいくつか紹介します。

  • To-Do リストを作成する: Asana の To-Do リスト機能を使えば、好きなだけ詳細にタスクを追加できます。また、期日のリマインダーを設定したり、表示をカスタマイズしたり、チームメイトと共有したりできるので、チームとしてポモドーロを実施する場合にはとても便利です。

  • チームのタスクを管理する: かんばんボードやそれに類似するツールの方がニーズに合う場合には、プロジェクト管理機能を使えば、タスクを割り当てたり、リアルタイムの更新情報を通じて進捗を確認したりできます。また、タスク完了にかかったポモドーロの回数を後でチームが参照できるように記録できます。すべての情報を 1 つの場所で管理することにより、情報が整理整頓されコミュニケーションの効率も上がります。

  • ワークフローを管理する: 効果的なワークフローを導入すれば、チーム全員が効率的に作業を進めつつ、最新の進捗状況を常に把握できます。ワークフロー管理機能を使えば、期待値を設定し、あらかじめ進捗確認のタイミングを予定し、数日前、数か月前からタスクの予定が立てられます。

生産性ツールやプロジェクト管理ツールを活用すれば、ポモドーロ法とうまく連動するようにチームのワークフローをカスタマイズすることができます。

Asana で生産性を向上

ポモドーロテクニックのメリット

ポモドーロテクニックによる時間管理術が人気を集める理由は、集中的な作業を通じて生産性を高めることができるためです。

ポモドーロテクニックのメリット

ポモドーロテクニックが生産性全般にもたらすメリットをいくつかご紹介します。

1. 集中力を高める 

ポモドーロテクニックを使えば、一般的に人間の脳が得意としないマルチタスクの癖を直すことができます。1 度に 1 つのタスクのみに集中することで、適切な間隔で休憩時間を取る習慣が身に着きます。このプロセスを実践すれば、より短時間で質の高い成果を生むことができます。

2. プロジェクトの計画を促進する 

ポモドーロを実践することに慣れれば、タスクやプロジェクトの計画をより正確に立てられるようになります。たとえば、レポートの作成にポモドーロが何回必要か予測し、適切な期日を定められます。

記事: 仕事を順調に進めるプロジェクト計画の作り方

3. 集中を乱す要因を防ぐ

シリロの手法に従って 1 日の勤務時間中に集中を乱すさまざまな要因に対処し、それらを取り除くためのステップを実行すれば、集中して作業に打ち込める時間をつくるために仕事環境を最適化できます。たとえば、携帯電話を機内モードにしたり、メールの自動返信を設定したりするのも有効な手段です。

4. 精神疲労を減らす

国際学術誌「Cognition」に掲載された研究によれば、タスクの時間が長引くとパフォーマンスが下がり、逆にタスクに短い休憩を挟むと集中力を維持しやすくなります。ポモドーロに定期的な休憩を挟めば、脳を休息させることにより、過度な疲労を感じることなく再び作業に集中できます。

5. チームのコミュニケーションの効率が上がる

チームでポモドーロを使用すれば、全員が自分の役割を明確に理解し、お互いの集中時間を尊重できます。加えて、進捗確認以外のチームミーティングが必要なくなるため、会議の必要回数と所要時間を減らせます。

6. モチベーションを維持する

タスクを細分化し、短期間で集中して取り組むことで、25 分間でどれだけのことを達成できるのかを知り、満足感を感じられます。またこれが高い生産性を維持するモチベーションとなり、仕事の先延ばし防止にもつながります。4 回目のポモドーロを完了すれば長い休憩を取れるというシステムも、モチベーションアップの要因となります。

記事: チームの仕事の効率を向上させる 9 つの方法

ポモドーロは本当に効果があるのでしょうか?

時間の管理の仕方は、仕事の環境や仕事のスタイルにより、十人十色です。ポモドーロ法は研究により効果が実証されているので、あなたの仕事においても役立つかもしれません。

ポモドーロ法は主にタイムボクシングから得られたヒントをもとに開発されました。タイムボクシングは、カレンダーに予定されたブロックの時間内にタスクを完了することを通じて生産性を向上させる戦略です。生産性を高める 100 種類のテクニックを対象としたテストでは、タイムボクシングの効果がトップにランク付けされました。タイムボクシングと同様に、ポモドーロ法も一定の時間内に作業を行う手法です。

ポモドーロを使って生産性を計測すれば、時間の経過がネガティブな観念からポジティブな観念に変わり、どれだけ時間を失ったかではなく、どれだけ達成できたかを表すものとして意識できるようになります。

哲学者のアンリ・ベルクソンは、遅れたくないという強迫観念にかられて時間を計ることは、ストレスと不安を引き起こすことにしかつながらないと示唆しましました。

一方で、時間の経過を一連の出来事として認識できた場合には、そのようなストレスの発生にはつながりません。そこで活躍するのがポモドーロテクニックです。このテクニックを使えば 1 日の仕事をポモドーロセッションの連続として捉えることができるため、時間に関連するストレスを軽減できます。

シリロが「時間への依存性の逆転」と表現したこのテクニックにより、これまで不安の源だった時間という概念がモチベーションへと変わります。毎回のポモドーロでほどよいプレッシャーが与えられることにより、向上心や仕事をもっと進めたいという気持ちが高まります。

その一方で、このテクニックは確実な理論に裏付けられているものの、その効果は人により異なります。

自分の仕事のスタイルに合わせてポモドーロ法を適応させる

一般的なポモドーロ法があなたにマッチしない場合には、仕事のスタイルや好みに合わせてカスタマイズできます。

以下にその方法をいくつか紹介します。

  • ポモドーロの長さを変える: ポモドーロセッションの長さを調整して、自分の仕事の習慣に合わせることができます。たとえば、休憩を長く取ったり、作業セッションを短縮したりできます。作業と休憩を交互に繰り返すパターンを守ってさえいれば、このテクニックの効果を得ることができます。

  • 他の戦略と組み合わせる: たとえば Getting Things Done (GTD) メソッドなど、整理整頓や生産性向上のための戦略がお好みであれば、それをポモドーロ法と組み合わせることもできます。お気に入りの方法で整理したタスクをポモドーロ法で遂行しましょう。

  • 仕事で最も必要な時にポモドーロを実施する: ポモドーロのセッションを 1 日の勤務時間すべてを通じて無理に行う必要はありません。多くのタスクが同時進行するプロジェクトの作業を行う時など、ポモドーロが最も必要な時に活用しましょう。生産性の高さが 1 日を通じて変動する場合には、生産性がピークに達する時間帯にポモドーロ法を活用してみましょう。

記事: カレンダーをタイムブロックしていますか?今すぐタイムブロッキングを始めるべき理由

位置について、よ~い、ポモドーロ!

ポモドーロテクニックは、集中的な作業セッションと休憩を交互に繰り返すことにより、簡単に時間が管理できる方法です。

タスクを完了するために必要なポモドーロの予測回数に基づき計画を立てることで、自分の進捗を把握でき、チームとの進捗共有もスムーズに行うことができます。

このテクニックを使えば、生産性を高め、プロジェクト管理を向上し、チームワークを強化できます。ワークフローをさらに磨き上げるには、ポモドーロテクニックを生産性ツールやタスク管理ソフトウェアと組み合わせましょう。

仕事の効率をさらに向上させるには、今日から生産性を高めるための 12 のヒントをご覧ください。

Asana を無料で試す

関連リソース

記事

What is deep work? 7 rules to boost concentration and unleash your full potential