コミュニケーション計画のテンプレート

ミスコミュニケーションは起こってしまうものです。日常で言えば、行き違いによってレストランに着くのが 10 分遅れてしまったり、毎週のディナーの主催が自分の番であることを忘れてしまったりすることもあるでしょう。プロジェクトマネジメントでは、スコープクリープや期限の超過、ステークホルダーの不満など、ミスコミュニケ―ションがより重大な結果につながることがあります。

ミスコミュニケーションを減らし、全員の認識を合わせられるようにするには、コミュニケーション計画テンプレートが必要です。コミュニケーション計画テンプレートとは、プロジェクトを通して、チームがどのようにステークホルダーとコミュニケーションを取るのかをまとめたものです。コミュニケーションの取り方を決めておくことで、チームの足並みを揃え、余計な作業やミスコミュニケーションを減らし、全員が適切なタイミングで、適切な情報を得られるようにできます。

コミュニケーション計画とは？

プロジェクトマネジメント (プロジェクト管理) におけるコミュニケーション計画とは、プロジェクトに関する重要な情報を、主要なステークホルダーに伝達する方法をまとめたものです。コミュニケーション計画には、プロジェクトに関する進捗共有を行う頻度や、使用するチャネルなど、そのプロジェクトでのコミュニケーションの取り方やタイミングに関する情報を含めると効果的です。各ステークホルダーが必要とする情報や、その情報を必要とするタイミングに関する概要を事前に提供することで、不要な作業を減らし、全員の足並みが揃った状態でプロジェクトの詳細情報を共有できます。

コミュニケーション計画テンプレートとは？

コミュニケーション計画テンプレートとは、基本的なコミュニケーション計画の概要をまとめたものです。このテンプレートがすべてのプロジェクトのコミュニケーション計画を立てる際の基本となり、テンプレートを使って常に同じステップに従うことで見落としを防げます。

逆にテンプレートがなければ、新しいプロジェクトを立ち上げるたびにコミュニケーション計画を一から作成しなければなりません。テンプレートがあれば、すでにまとめられたコミュニケーション計画の構造を複製して、それを基に新たな計画を作成できます。

コミュニケーション計画テンプレートが必要な理由

ミスコミュニケーションを減らし、全員が適切なチャネルで適切なプロジェクト情報を得られるようにするために、すべてのプロジェクトに戦略的なコミュニケーション計画が必須です。コミュニケーション計画テンプレートとは、どのプロジェクトでも繰り返し使用できる標準的な構造を作ることで、それをさらに一歩発展させたものです。

デジタルなコミュニケーション計画テンプレートを使うと、以下のことが可能になります。

• プロジェクト情報をステークホルダーに伝える方法と場所について、全員が共通認識を持てる。

• 各情報に担当者を設定することで、誰の担当か全員が把握できる。

• 情報の共有場所を統一することで、仕事の重複を減らせる。

• 非同期的コミュニケーションで済むような非生産的な会議など、不要な仕事やミスコミュニケーションを減らせる。

• チーム全体のコミュニケーションに関するガイドラインを提供することで、コミュニケーションの内容も明確になり、仕事を進めやすくなる。

• 社内のチームメンバーと外部のステークホルダーの間の透明性を高められる。

• 連携機能を使うことでアプリの切り替えを減らし、インパクトの大きな仕事に集中できる。

• 進捗共有で使用する、標準的なプロセスを提供できる。

• ステークホルダーがフィードバックを残し、プロジェクトを通してチームとコラボレーションできる場を作れる。

• チームメンバーと外部のステークホルダーの期待事項を合わせることで、スコープクリープを減らし、プロジェクトを予定通りに進められる。

コミュニケーション計画テンプレートに含まれるもの

コミュニケーション計画テンプレートは、あらゆるプロジェクトのコミュニケーション計画の作成に使用できる基本的な構造を提供するものです。コミュニケーション計画テンプレートには、主に以下の内容が含まれます。

• 共有する情報に関する説明 (プロジェクトのマイルストーンや、成果物に関する進捗など)

• 情報を共有する頻度 (毎週プロジェクトの最新情報を共有するなど)

• 情報の伝達に使用するコミュニケーションの形式やチャネル (チーム会議やブレインストーミングには Zoom を使い、非同期的でいい、ちょっとした確認には Slack を使うなど)

• コミュニケーションのターゲットオーディエンス (外部のステークホルダーなど)

• その情報の共有を担当するプロジェクトチームメンバー

コミュニケーション計画テンプレートの使い方は？

コミュニケーション計画テンプレートは、静的なツールとして使用すべきではありません。チームがプロジェクトにおけるコミュニケーションのニーズを満たせるように更新したり、カスタマイズしたりできる動的ツールなのです。基盤となるコミュニケーション計画テンプレートのコピーを作成したら、特定のプロジェクト向けにカスタマイズを開始しましょう。考えられる手順には、次のようなものがあります。

• プロジェクトに進捗把握が必要な主要関係者を特定する。

• 同期 / 非同期コミュニケーションの両方に合わせてコミュニケーション方法を確立する。

• 異なるプロジェクトの詳細を関係者グループに共有するためのアクションプランについて説明する。

• 共有するプロジェクトの進捗情報の種類とそれぞれの進捗共有の対象メンバーを決定する。

• プロジェクト情報を受け取るための理想的なコミュニケーション方法を見出すために関係者と協力する。

• 関係者のニーズに適切に対応し、プロジェクトを順調に進めるための進捗共有の最適頻度を決定する。

• 情報共有のタスクにオーナーを割り当てることで、チームに共通の責任意識を与える。

• 共有頻度や共有場所など、重要な情報を示すカスタムタグを設定する。

• 繰り返しタスクを使用してコミュニケーション計画を順調に進める。

コミュニケーション計画テンプレートに組み込まれた機能とおすすめのアプリ

コミュニケーション計画テンプレートを使用し、どの情報を共有するのか、そしてチーム内で共有を担当するメンバーを明確に定義することで、チームに透明性が生まれます。Asana と同期可能な機能やビジネスアプリを活用し、アプリ間の切り替えを減らし、情報共有を合理化することでコミュニケーションはさらに容易になります。

組み込まれている機能

1. リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。

2. オートメーション: 手作業を自動化することで、チームは忙しいだけの無駄な作業に費やす時間を減らし、本来の業務に専念できるようになります。Asana のルールは、トリガーとアクション、つまり「X が発生したら Y を行う」という基本的な仕組みに基づいて機能します。ルールを使用して、作業の自動割り当て、期日の調整、カスタムフィールドの設定、関係者への通知などを行います。単発のオートメーションからワークフロー全体まで、ルールを活用することで、チームはスキルを要する仕事や戦略的な仕事に取り組む時間を取り戻せます。

3. カスタムフィールド: カスタムフィールドは、作業のタグ付け、ソート、絞り込みに最適な手段です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが一目でわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。

4. 複数プロジェクトへのタスクの追加: 仕事を実行するには、他部門との協力が欠かせません。チームはさまざまな部門と効果的に協力し合う必要があります。しかし各部門が独自のファイルシステムを使っている場合、仕事が滞り、サイロ化します。Asana を使えば、複数のプロジェクトを横断するタスクを、簡単に追跡、管理できます。そうすることで仕事の重複が減り、チーム間の可視性が高まるだけでなく、タスクの背景情報や、誰が何に取り組んでいるのか確認できるようになり、チームメンバー同士のつながりも、タスク同士のつながりも深まります。

おすすめのアプリ

1. Slack: Slack 上にあるアイデアや仕事のリクエスト、アクションアイテムを追跡可能な Asana のタスクやコメントに変換しましょう。ちょっとした質問やアクションアイテムが、期限と担当者つきのタスクに変わります。仕事を簡単に取り込めるので、やるべきことが Slack の中に埋もれ、流れることはありません。

2. Google Workspace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana のタスクにファイルを直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。

3. Zoom: Asana と Zoom は提携を結び、チームが目的意識を持ち、集中して会議に参加することをサポートしています。Zoom と Asana の連携により、会議の準備やアクションにつながる話し合い、そして通話後の情報へのアクセスが容易になります。Asana で会議の議題を共有し、これから話しあう内容や経緯が明確な状態で会議を始められます。会議の際、チームメンバーは、Zoom 内ですばやくタスクを作成でき、詳細やアクションアイテムを見落とすことはありません。会議終了後は Zoom と Asana の連携により、会議の文字起こしや録画が Asana に取り込まれるため、コラボレーターや関係者は必要に応じて会議を振り返ることができます。

4. Gmail: Asana for Gmail との連携を使用すると、Gmail の受信トレイから直接 Asana タスクを作成できます。Gmail から作成するタスクにはメールのコンテキストが自動的に含まれるので、それまでの経緯を完全に把握できます。メールの作成中に Asana タスクを参照する必要があるときは、わざわざ Asana を開かなくても、Asana for Gmail アドオンを使い、直接 Gmail の受信トレイから簡単にそのタスクを検索できます。

FAQ (よくある質問)