トップダウン型とボトムアップ型アプローチの違い

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年8月24日00
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概要

トップダウン型アプローチとは、会社全体の意思決定をトップレベルのリーダーのみで行うものであり、ボトムアップ型アプローチとは、そのような意思決定においてすべてのチームに発言権を与えるものです。この記事では、トップダウン型とボトムアップ型アプローチの詳細、長所、短所についてご紹介します。

会社によっては、プロジェクトリーダーは数人のチームメンバーの仕事を担当することもあれば、複数のチームを監督することもあります。チームごとに構造や規模、具体的な課題が異なるため、どのようなマネジメント戦略が最適なのかは、各プロジェクトリーダーが決定しなければなりません。

トップダウン型アプローチは、意思決定を最高レベルで行い、それをチーム全員に伝達するというものです。このスタイルは、プロジェクト、チーム、さらには会社レベルで適用することができ、特定のグループのニーズに応じて調整することができます。

多くのチームがトップダウン型アプローチを採用しているのは、混乱を避け、リスクを軽減し、大規模なチームでの取り組みを順調に進めるためです。しかし、トップダウン型マネジメントは誰にでも合うわけではありません。創造性を制限したり、問題解決を遅らせたりする可能性があるため、柔軟性の高さと対応力を必要とするチームには最適な選択ではないかもしれません。

次に、トップダウン型とボトムアップ型アプローチの比較をご紹介しますので、どちらのアプローチがご自身のリーダーシップスタイルに合っているか判断する際に参考にしてみてください。

トップダウン型とボトムアップ型の比較

トップダウン型アプローチのマネジメントとは?

トップダウン型アプローチのマネジメントでは、チームやプロジェクトのマネージャーが意思決定を行い、それがヒエラルキー構造を介して伝達していきます。マネージャーは、知識を集め、分析し、実行可能な結論を導き出します。そして、プロセスを開発して、それをチームの全員に伝え、実行させます。このようなマネジメントスタイルは、「コマンドアンドコントロール」や「独裁型リーダーシップ」と呼ばれています。

マネジメントのプロセスといえば、トップダウン型アプローチを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。小売業、医療、製造業などの伝統的な産業では、一般的にトップダウン型のマネジメントスタイルが採用されています。

トップダウン型アプローチの仕組み

トップダウン型でプロジェクトを進める場合、上層部の意思決定者は組織全体の目標から始めて、その目標を達成するために各グループや個人がどのような行動をとる必要があるかを逆算します。

プロジェクトの計画プロセスは、すべてマネジメントレベルで行われます。そして、アクションプランが作成されると、意思決定者はそれをチームメンバー全員に伝え、実行に移します。通常、この過程に調整の余地はあまりありません。

トップダウン型アプローチは、プロジェクトごとに変わらないため、チームが実践的なプロセスを確立し、時間の経過とともに効率性を高めていくことができるので、効果的です。トップダウン型は安定した信頼性があるため、多くの組織 (IBM、New York Times などのレガシー企業) では、会社全体がこの方式で運営されています。

トップダウン型アプローチを活用するべき場面

今日、純粋にトップダウン型アプローチだけのマネジメントを採用している組織はほとんどありません。多くのチームは、トップダウン型とボトムアップ型の両方を組み合わせたハイブリッド型のアプローチを採用しています。

トップダウン型アプローチは、かっちりとした構造的なアプローチです。そのため、複数のサブチームや様々なプロジェクトの工程など、プロセスの管理が困難な要素のあるチームには、トップダウン型の要素を取り入れることが有効です。一方、小規模なチームやプロジェクトの焦点が絞られているチームでは、ボトムアップ型の手法を積極的に取り入れることができます。

トップダウンマネジメントの利点

トップダウン型マネジメントスタイルにはメリットがあります。特に、広い組織形態の中で、複数の小さなチームやグループが機能し合っている大規模なチームの場合、その傾向が強くなります。

トップダウンマネジメントの利点

よく知られているマネジメントスタイル

トップダウン型のマネジメントスタイルは一般的です。そのため、この構造を採用している会社から新規採用者が転職してきた場合、新しい環境に慣れるのに苦労することはないでしょう。チームリーダーは、新しいチームメンバーがすでに慣れ親しんでいるトップダウン型アプローチの要素を自分のマネジメントスタイルに取り入れることで、早く馴染めるようにサポートすることができます。

明確さの向上

トップダウン型アプローチを採用すると、プロセスが明確になり整理されるため、混乱の余地がなくなります。すべての意思決定が一か所で行われ、すべてのコミュニケーションが一方向に流れるため、他のマネジメントスタイルに比べて、混乱や誤解が起こりにくいのです。

責任範囲の明確化

問題や非効率なことが発生しても、トップダウン型アプローチで管理していれば、原因究明は簡単です。それぞれの責任範囲を明確に定義したチームであれば、問題の発見、診断、解決を迅速かつ効率的に行うことができます。

実行までのスピードが速い

意思決定のプロセスが 1 つのマネジメントレベルで行われるため、複数のリーダーやプロジェクトの関係者の意見を必要とする意思決定よりも、はるかに迅速に最終決定、割り当て、実行できます。

トップダウン型マネジメントのデメリット

トップダウン型にはいくつかの利点がありますが、このアプローチがチームメンバー個人やチーム全体の士気にどのような影響を与えるかという点では、欠点もあります。

トップダウン型マネジメントのデメリット

リーダーへの負担が大きくなる

すべての意思決定を上層部で行うため、プロジェクト管理者の採用ミスが発生すると、チームの成功に大きな影響を与えてしまいます。また多くのプロセス上の問題は下層部からしか見えないため、プロジェクトマネージャーが意思決定の前に個々のチームメンバーからのフィードバックを求めないと、誤って重大な問題、遅延、損失を引き起こしてしまう可能性があります。

創造性の低下

すべてのコミュニケーションがリーダーからチームメンバーへと流れ、対話の余地がほとんどないトップダウン型アプローチでは、創造的なコラボレーションの機会が少なくなります。また、部門間のコラボレーションが少ないと、新鮮な視点が失われ、技術革新が阻害される可能性があります。

チームの熱意が下がる

トップダウン型アプローチを使ったマネジメントの課題の 1 つは、リーダー以外のチームメンバーが一員であると実感し、つながりを感じ、尊重されていると感じ続けるために、積極的な働きかけが必要なことです。すべての決定がトップでなされると、チームメンバーは、自分たちのフィードバックや意見が尊重されていないと感じるかもしれません。

意思決定者と意思決定の間の距離の拡大

ボトムアップ型アプローチでは、プロジェクトに直接参加している人たちが意思決定を行うことができますが、トップダウン型のマネジメントでは、プロジェクトチームと意思決定者の間に距離ができてしまいます。リーダーがプロジェクトチームに意見やフィードバックを求めない場合、情報が不足したまま意思決定を行うことにつながる可能性があります。

ボトムアップ型マネジメントとは?

ボトムアップ型でプロジェクトの目標に向かって進む場合、チームはすべてのレベルで協力し合い、全体の目標を達成するためにどのようなステップを踏むべきかを決定します。ボトムアップ型アプローチは、トップダウン型に比べて新しく柔軟性があるため、ディスラプションやイノベーションが重要視される業界でよく採用されています。

ボトムアップ型マネジメントの例:

  • ハイブリッド OKR: 大きな目標は会社レベルで設定されるが、KR (主要な結果) はチームや個人で設定する。

  • スクラムチーム: 毎日のスタンドアップミーティングでチーム全員が集まり、協力して調整を行う。

  • 民主的マネジメント: リーダーがチームメンバーと協力して、各レベルでどのような決定をすべきかを決めることで、構造を維持しつつ、よりよいコラボレーションを可能にする。

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ボトムアップ型マネジメントの利点

ボトムアップ型マネジメントは、トップダウン型アプローチで生じる問題の多くを解決します。このアプローチは、クリエイティブなチームや、ソフトウェア開発、製品デザインなど、コラボレーションが重要な業界に適した利点があります。

ボトムアップ型マネジメントの利点

情報に基づく決定が多い

コラボレーション型の環境では、プロジェクトに直接参加している人やプロジェクト管理を担当している人が、自分たちの将来の仕事に影響を与える決定事項について意見を述べることができます。上層部は、チームメンバーと直接連携して行動方針を決定するので、チームの意見を聞かずに決定した場合に明らかになる可能性のあるプロセスの盲点をカバーすることができます。

チームの士気が高い

ボトムアップ型アプローチでは、年功序列に関係なく全員に意思決定に影響を与えることができるため、チームメンバーの賛同が得やすくなります。また、プロジェクトの成果に影響を与える機会をすべてのレベルのメンバーに平等に提供することで、同僚間の関係も良好になり、チームの成功に向けてすべてのメンバーが努力する可能性も高まります。

記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響

より創造性を発揮できる

トップダウン型のプロセスでは、チームが意見や提案をする機会が少なくなります。一方、ボトムアップ型のようなコラボレーション型のアプローチでは、フィードバックやブレーンストーミング建設的批判の機会が生まれるため、システムや結果の改善につながることが多いのです。

ボトムアップ型マネジメントのデメリット

もちろん、ボトムアップ型アプローチが広く採用されていないのも事実です。このアプローチにはいくつかの課題があり、チームやプロジェクト、業界の種類によっては相性がよくありません。

ボトムアップ型マネジメントのデメリット

勢いに欠ける

純粋にボトムアップ型アプローチだけで問題を解決しようとすると、「船頭多くして船山に上る」状態になりかねません。グループの全員に協力を求めると、意思決定が難しくなり、結果的にプロセスが遅くなってしまうことがあります。

回避方法: グループリーダーを 1 〜 2 人配置し、全員の意見を考慮した上で、フィードバックに基づいて意思決定を行うようにしましょう。

リーダーとチームとの関係変化

チームメンバーにフィードバックの機会を与えることは重要ですが、人によっては、特にリーダーが同席している中でフィードバックをするのは気が引けるかもしれません。ハードルの高さの感じ方は人それぞれです。フィードバックを強く求めすぎると、正直さや創造性が損なわれる可能性があります。

回避方法: 少会議室、1on1 ミーティング、四半期ごとの匿名フィードバック調査など、チームメンバーが貢献できるさまざまな環境を提供しましょう。先輩のチームメンバーには、誰もが気軽に参加できるよう、新しいメンバーたちと打ち解ける方法を見つけるように促します。

全体像を詳しく把握しにくい

多くの場合、プロジェクトの意思決定はプロジェクトレベルで行われるのが妥当です。しかし、プロジェクトは、会社の目標、予算、予測、指標など、チームレベルでは得られない上位レベルの要因の影響を受けます。ボトムアップ型で設計されたプロセスは上層部のインサイトが得られないため、そういった盲点に悩まされる可能性があります。

回避方法: コミュニケーションの流れを構築して、プロジェクトレベルの意思決定に関連する可能性のある会社レベルの情報をまとめたものを、チームリーダーに提供しましょう。チームリーダーは、チームの意思決定が会社全体の立場や目標に沿ったものになるように、必要に応じて情報をチームに伝えることができます。

部門横断チームを管理するコツ

効果的なマネジメントアプローチを導入するには、プロセスと同様に人材にも投資することが重要です。プロセスの上層部に立つ人が優れたマネージャーであるだけでなく、優れたリーダーでもあるならば、トップダウン型のマネジメントアプローチの問題点は軽減、あるいは完全に解消されるでしょう。

記事: リーダーシップとマネジメントの違いとは?

マネジメントチーム以外とも関係を築く

トップダウン型の企業では、プロセスに関するコミュニケーションは上から下へと流れていくため、個人やグループがサイロ化し、孤立してしまいがちです。部署やチーム、マネジメントレベル、さらには地理的な位置をも超えたコミュニケーションの機会を設けることで、チームメンバー同士が有意義な関係を築けるようになります。

チーム間のコミュニケーションを促進する

トップダウン型でもボトムアップ型でも、普段は一緒に仕事をしていないチーム同士がコラボレーションする機会を意図的に設けましょう。日常的な仕事とは関係がなくても、他のチームとブレインストームを行うことで、創造性を刺激し、人間関係を構築し、クリエイティブなソリューションを導き出すことができます。そして、それを後に実行して会社全体の利益につなげることができるのです。

追加のフィードバックを行う

マネジメント以外のチームメンバーは、自分たちの意見や視点が上層部にいる意思決定者に考慮されていないと、参加意欲が減退する可能性があります。ボトムアップ型のフィードバックを行うために新たなチャネルを構築することで、下層部のチームメンバーの賛同が得やすくなるだけでなく、意思決定者にプロセスのギャップや問題点に関する貴重なインサイトを与えることができます。

優れたマネジメントはバランスが命

結局のところ、有能なマネージャーは、トップダウン型アプローチから得られる効率性と、チームのコラボレーションや創造性から得られるメリットのバランスをうまく取る方法を知っているのです。

異なるマネジメントスタイルの要素を融合させることで、自分とチームに最適なアプローチを見つけることができます。自分たちに合ったアプローチが決まれば、合理的なワークフロー管理を確立することができます。

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