リーダーシップとは何でしょうか? 一般的なリーダーシップの定義では、単に地位や肩書きではなく、リーダーの行動によって周囲に影響を与え、目標の達成へと導く力を指します。優れたリーダーは、チームに安心感を与えつつ方向性を示す統率力を持ち、組織において欠かせない重要な役割を果たします。
リーダーシップスタイルは多様であり、個人の性格や経験によって形が変わります。絶対的な正解はありませんが、自分に合ったスタイルを把握することは、リーダーとしての成長やチーム力の向上につながります。
この記事では、代表的なリーダーシップの理論と、そこから導かれる 11 種類のリーダーシップスタイルを紹介します。それぞれの特徴、長所、短所を整理し、日本社会における理想のリーダー像やそこへ近づくための具体的なヒントも紹介します。
更新: この記事は、理想のリーダー像へ近づくヒントについての記述を含めて 2025年 9月に更新されました。
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あなたには、理想のリーダー像がありますか?それはどのような姿をしていますか?
リーダーシップの種類はひとつではありません。それぞれのリーダーにはそれぞれの個性があり、それぞれ異なる経験を持ち、そしてそれが独自のリーダーのタイプを形成しています。そのスタイルは時間をかけて変化していくため、今のあなたは自分が理想とするリーダー像とはまだ違っているかもしれません。
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日本社会における「理想のリーダー像」は時代と共に移り変わって来ました。昭和の高度経済成長期には「年功序列を背景としたトップダウン型リーダーシップ」が主流だったのが、平成になると「成果主義」や「合議制」が広まり、個人の実力やチーム全体での意思決定が重視されていました。そして現在、令和の時代に求められる理想のリーダー像は、これまでとは大きく異なります。
令和のリーダーに必要とされるのは、単なる指示命令や調整役ではなく、メンバーが安心して意見を述べ、主体的に行動できる環境をつくる存在です。キーワードは「心理的安全性」「多様性の尊重」「デジタル環境への適応」だとされます。
令和型リーダーの特徴
メンバーの声を傾聴し、意見を引き出す姿勢を持つ
役職や年齢に関係なく、フラットでオープンなコミュニケーションを促す
メンバー一人ひとりの強みを理解し、それを活かせるタスクや役割を与える
チームの目標や進捗を透明化し、全員が同じ方向を向けるように導く
テレワークやハイブリッドワークでも信頼関係を維持できる仕組みを構築する
たとえば、チームが新しいプロジェクトを立ち上げる際、昭和型のトップダウンなら「計画を決めて指示する」ことが中心でした。平成型では「合議制で時間をかけて全員の意見を調整」する傾向が強かったでしょう。
一方で令和型リーダーは、最初に目標や方向性を示した上で、メンバーに自由にアイデアを提案してもらい、それを可視化してチーム全体で共有します。意見の違いを否定するのではなく、むしろ歓迎し、そこから新しい価値を生み出すことを重視するのです。
令和の理想のリーダー像とは、組織において方向性を示す統率力を持ちながら、心理的安全性と多様性を尊重する柔軟さを兼ね備えた存在と言えるでしょう。このリーダー像に近づくためには、リーダー自身が学び続ける姿勢を持ち、変化を恐れず新しい働き方やテクノロジーを積極的に取り入れることが欠かせません。
こうした姿勢は、チームメンバーに信頼と安心を与え、結果的に組織全体の生産性や創造性を引き出すことにつながります。
Asana で生産性が向上する理由リーダーシップには唯一の正解があるわけではなく、研究者によってさまざまな理論が提唱されてきました。ここでは代表的な 3 つの理論を取り上げます。
社会心理学者クルト・レヴィンは、リーダーシップを大きく 「権威型」「民主型 (参加型)」「委任型 (自由放任型)」の 3 つに分類しました。
権威型リーダーシップ: トップダウンで意思決定を行い、明確な指示を与えるスタイル
民主型リーダーシップ: メンバーの意見を取り入れながら協働的に進めるスタイル
委任型リーダーシップ: 裁量をメンバーに委ね、自由度の高いスタイル
この分類はシンプルながらも、今日の多くのリーダーシップ研究の基礎となっています。
心理学者ダニエル・ゴールマンは、感情的知性 (Emotional Intelligence、EQ) の重要性に着目し、状況に応じて使い分けられる 6 つのリーダーシップスタイルを提唱しました。
ビジョン型リーダーシップ: 未来の方向性を示し、人を導く
コーチ型リーダーシップ: 個人の成長を促す指導を行う
親和型 (関係重視型) リーダーシップ: 人間関係を重視し、チームの結束を高める
民主型リーダーシップ: 合意形成を重視し、幅広い意見を取り入れる
先導型 (ペースセッター型) リーダーシップ: 自ら高い基準を示し、スピード感を持って引っ張る
命令型 (強制型) リーダーシップ: 迅速な統制を行い、従わせる
ゴールマンは「理想のリーダーは 1 つの型にこだわるのではなく、状況に応じてスタイルを切り替えられる柔軟さが必要」と指摘しました。
経営学者および組織心理学者のバーナード・バスは、リーダーシップを 「取引型」 と 「変革型」 に分類しました。
取引型リーダーシップ: 報酬や罰則といった交換関係を通じて目標を達成させるスタイル
変革型リーダーシップ: ビジョンや価値観を共有し、人々を鼓舞して組織の変革を促すスタイル
この理論は、企業変革やイノベーションが求められる現代において特に注目されています。
経営学者のピーター・ドラッカーは、リーダーに求められる行動や原則について多くの洞察を残しています。
①リーダーは権力ではなく影響力によってチームを導く
②成果に責任を持ち、目標に向かって行動を導く
③メンバーの強みを活かし、適材適所で能力を引き出す
④常に学習し、変化する環境に柔軟に対応する
ドラッカーの考え方は、現代のリーダーにとって実践的な指針として広く引用されています。
これらの理論はそれぞれ異なる視点を持っていますが、共通して「リーダーには多様なスタイルがあり、状況に応じて選択することが重要」という考え方に行き着きます。
この記事では、レヴィン、ゴールマン、バスの理論をベースに 11 種類のリーダーシップスタイル を紹介し、それぞれの長所と短所を解説します。自分に合うスタイルを見極め、柔軟に取り入れましょう。
リーダーシップの種類として一つ目に紹介するのが、権威型リーダーシップです。これはアメリカの心理学者 Kurt Lewin (クルト・レヴィン) 氏が提唱した 3 つのリーダーシップタイプの 1 つです。権威型リーダーシップとは何か、具体例を見ながら紹介します。
権威型、または独裁型と呼ばれるタイプのリーダーは、同僚に対して明確な指示を出しコントロールするタイプのリーダーです。意思決定においては中央集権型で、重要な決定は 1 人で下します。権威型のリーダーはチームの全体像については明確なビジョンを持っていますが、チームメンバーを巻き込むのはタスクごと、または必要に応じてのみです。
権威型のリーダーは、他人を褒めたり批判するときは個人的に行いますが、集団からは明らかに自分を切り離しています。不愉快なタイプのリーダーだと思うかもしれませんが、一般的にはそんなことはありません。あからさまに敵対的になることはほとんどなく、むしろ友好的です。しかし状況によっては、人間味のない態度をとることもあります。
チームの学習よりも自分の学習を優先する。
社内で意見が対立した場合、自分の考えが正しいことが多い
声が多すぎると仕事が進まない
自分が担当しているプロジェクトでは、反対意見を持つ人を無視する
時間的制約のある中でプロジェクトを完了させる能力に長けている
決断力が求められる状況で有効なスタイル
集団の中でリーダーが最も知識豊富な場合に成功する
創造性を高めるスタイルではない
威張っている、支配的だというネガティブな印象を持たれることがある
自分のやり方に固執しやすく、別のリーダーシップタイプに挑戦するのが難しい
レヴィン氏が提唱した 3 つのリーダーの種類のうち、2 つ目がこの参加型リーダーシップです。
参加型リーダー (または民主型リーダーとも呼ばれる) は、メンバー全員の意見を受け入れ、メンバー同士の協力やチームワークを促すタイプのリーダーです。この種類のリーダーシップの特徴は、最終決定権は自分が持っているものの、意思決定の責任をメンバーに分散させることです。
参加型リーダーは自分をチームの一員として認識しています。チームメンバーの成長が最終的には目標達成につながることをよく理解しているので、自分の時間とエネルギーをそのポイントに費やします。もしあなたがグループでの共同作業を得意としているなら、これがあなたのスタイルかもしれません。
チームの学びを優先させることで、自分の役割にもプラスになると思う
社内で意見が合わないときは、全員の意見を聞いたうえで解決策を導き出すべきだと思う
プロジェクトに取り組むメンバーが多いほど、よい結果が得られると思う
多様な意見を交わし合うことで、最終的によりよい製品を作れるので、反対意見を持つ人を歓迎する
レヴィン氏の研究では、リーダーシップの種類の中で最も効果的なスタイルとされている
チームメンバー同士の協力やチームワークを高め、質の高い貢献を引き出す
創造性が高まり、チーム内の一人ひとりが「仕事に参加している」という感覚を得られる
全員がプロジェクトの全体像を理解し、最終目標へ向けて意欲的に取り組む
参加型リーダーのチームは、権威型リーダーのチームと比べて生産性が低い場合がある
共同作業を機能させるには、チームメンバー全員が合意・納得していることが前提で、時に骨の折れる作業となる
レヴィン氏の定める 3 つ目のスタイルは、委任型および自由放任型リーダーシップです。委任型リーダーシップとはどんなスタイルなのか、具体例を挙げながら紹介します。
委任型のリーダーは、チームにほとんど指導を行いません。意思決定のプロセスにおいても、チームメンバーに完全な自由を与えるのが特徴です。つまり委任型リーダーはチームから自分を切り離し、現在のプロジェクトの流れに参加せず、邪魔しないように振る舞います。チームメンバーを信頼し「任せる」スタイルです。
何がベストかなどの決定はチームに任せるが、最終的にすばらしい結果を期待している
社内で意見が合わないときは、自分の意見を聞かずに他の人が決めても良いと思っている
リソースはチームに与えるので、後は自発的に各々で判断して進めてくれるメンバーが欲しい
反対意見を持つ人は、それぞれで自分のやりたいようにやってみてほしい
チームメンバー全員が適任の専門家である場合に有効
自律性を重んじるメンバーが仕事で満足感を得やすい
チームがリーダーと同じ目標を持っていれば、その目標を達成できる (その際、目標管理ソフトウェアを使えば進捗が簡単に確認できます)
レヴィン氏の研究では、自由放任型リーダーのチームは最も生産性が低い
役割や責任範囲が不明瞭になりやすい
各メンバーがお互いに責任を押し付けたり、行動にばらつきが出やすい
実際のプロジェクトでチームの強みを引き出し、効率的にタスクを管理するには、明確なビジョンを共有し、メンバー同士の役割や進捗を可視化することが重要です。
そんなときに役立つのが Asana です。Asana を使えば、チームのタスク管理や進捗状況を簡単に把握でき、参加型や委任型リーダーシップのようにメンバーに裁量を持たせながらも、プロジェクトを確実に前に進めることができます。
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先見型リーダーシップは、レヴィンの権威型リーダーシップと似た特徴を持っています。先見型リーダーは明確で長期的なビジョンを持っており、周りに影響を与え、やる気を引き出すことができます。
このタイプのリーダーシップは、会社が大きく変化する場合や、明確な指示が必要な場合に最適です。そういった状況下では、人々は未知の世界へ進むために信頼できる誰かを必要としています。
ただし、チームメンバーがリーダーとは異なる考えや意見を持つ専門家である場合、この種類のリーダーシップは成功しにくい傾向があります。専門家のメンバーは、同意できないリーダーには盲目的についていこうとは思わないからです。
記事: 専門力を養う方法 (より優れたリーダーになるために)組織のメンバーはリーダーの影響を受け、自分の役割を理解できる
リーダーは最終的な目標を見据えているため、一時的な問題で気落ちすることがない
政治や社会情勢などの外的要因による課題に対して、危機管理計画を立てる能力に長けている
チームの短期的目標が欠けやすい
リーダーの個性が強すぎると、ビジョンが失われる可能性がある
他のメンバーのアイデアを受け入れにくい傾向がある
指導型のリーダーは、チームメンバーの長所と短所を見極め、改善や成長を促す指導を行うタイプのリーダーです。また、メンバーのスキルを会社の目標と結びつけることができます。ではこの指導型リーダーシップとは何か、具体例を含めて見てみましょう。
この種類のリーダーシップは、リーダーが創造性に富み、協力を惜しまず、具体的なフィードバックを与えることができる場合に成功します。たとえば、若手社員が多いチームを率いるときに効果的でしょう。また、リーダーが一歩下がってメンバーに自主性を与えるタイミングを知っているかどうかも重要です。
ただし、「指導」という行為は誰にでもできることではありません。やり方を誤ると、指導型リーダーシップは過干渉と捉えられかねないので注意が必要です。
メンバーのモチベーション を高め、チーム全体 が楽しんで参加できる環境を作れる
期待されていることが明確なので、メンバーのビジネススキル向上や 人材育成につながる
この種類のリーダーシップのもとで働くチームからは、生産性が高く、他人を進んで指導できる人材が生まれるため、会社に競争優位性をもたらす
忍耐と時間を要する
このリーダーシップを受け入れるメンバーがいないと成立しない
人間関係に大きく依存しているため、信頼関係やチームの団結力が成功に不可欠
親和型リーダーシップ (関係重視型リーダーシップ) は人間関係を重視するタイプのリーダーシップです。親和型リーダーの目的は、チーム内に調和を生み出すことにあります。カリスマ性のある親和型リーダーは、職場内の人間関係を構築および育成することで、より協調的でポジティブな職場環境を実現させます。
親和型リーダーは、新しいチームを作る場合や危機的状況に陥っている場合に有効です。ただし、リーダーがメンバーと仲良くなることを重視しすぎて、生産性や会社の目標への関心が低くなってしまうとよくありません。
ポジティブで建設的なフィードバックによって、チームの士気を高める
人間関係のトラブルは迅速に解消される
チームメンバーは自分が必要な存在であると感じ、ストレスが少なくなる
お互いに助け合う力を持つ、緊密で自発性のあるチームを作る
水面下で一部のチームメンバーのパフォーマンスが低下する可能性がある (明確な役割が与えられないと、社会的手抜きにつながる)
リーダーがネガティブなフィードバックを避けるため、メンバーの成長につながりにくい
組織の目標が忘れられがちになる
チームメンバーがリーダーに感情的に依存しやすく、リーダーが移籍や退職すると残ったメンバーが困惑する
リーダーシップ 7 種類目は、民主型リーダーシップです。これはレヴィンの参加型リーダーシップと同じで、チームメンバー全員の参加と意見の共有が奨励されます。では民主型リーダーシップとは何か、その具体例も見てみましょう。
最終決定権はリーダーにあったとしても、メンバーにも決定権があるように感じられるのが、この民主型リーダーシップです。そのため、自信をつけさせたいメンバーがいる場合や、スキルは高いものの自分で判断し意思決定をするのが苦手なメンバーがいる場合に効果を最大限発揮します。また、このタイプのリーダーはコミュニケーションを積極的にとるので、チーム内の情報伝達も円滑化します。
ただし、このタイプのリーダーシップは取り組んでいる内容に関する経験や知識の少ない初心者チームではあまり機能しません。あくまでもスムーズに仕事をこなせるメンバーが集まっている場合に効果的です。また、迅速な行動力を求められるような状況にも向いていません。
共同作業によって創造性や革新性がもたらされる
従業員の当事者意識と信頼が高まる
共通の目標を持つことで、高い責任感と生産性につながる
共同作業に時間がかかる
リーダーがメンバーの意見を聞かずに決断すると、信頼が失われる
チームメンバーに一定のスキルがあることが不可欠
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リーダーシップ 8 種類目は、先導型のリーダーシップ (ペースセッター型リーダーシップ) です。先導型のリーダーとは、生産性、パフォーマンス、品質の高さでメンバーの手本となるタイプのリーダーです。メンバーはリーダーの手本にならう形となり、それについていけない場合はリーダーが介入し、タスクを適切に完了します。
先導型リーダーシップは、リーダーが明確な要件を設定し、納期に間に合うようチームを鼓舞できる場合に有効です。逆に、チームメンバーがリーダーへの信頼を失っていたり、ストレスや過労を感じ、やる気を失っている場合はうまく機能しません。
この種類のリーダーシップを用いると、ビジネス目標を予定通りに達成できる
先導型のリーダーによって、チームの能力を最大限に活用できる
何かトラブルが起きた場合も、ステータスレポートを活用することで迅速に把握できる
チームメンバーのストレス増加ややる気の喪失、士気の低下につながる可能性がある
リーダーに一挙一動を監視、修正されると、メンバーはリーダーへの信頼を失いやすい
結果や期限を意識しすぎることで、創造性が低下する
リーダーからメンバーへのフィードバックが限定的になる
命令型リーダーシップは、指示型リーダーシップや強制型リーダーシップとも呼ばれます。このスタイルでは、リーダーが明確な目標と目的を持ってそれをチームに伝え、メンバーに従ってもらいます。また、手順や方針を決めることで構造を作ります。
命令型リーダーシップは通常、メンバーがスキルや専門知識を持っていない場合に使用されます。そのような状況下では、メンバーは自分のタスクを完了するための順序立った構造を必要としています。また、議論している時間がないような緊急事態にも有効です。このタイプを用いる場合は、他のスタイルと組み合わせるとより効果的です。
明確な期待を持つことで、仕事のパフォーマンスが向上する
迅速に意思決定できるため、危機的状況下に適している
スキルの低いグループや経験の浅い社員を支援できる
チームメンバーの進捗や遅れをすぐに把握できる
リーダーがグループ内で経験豊富でなければ成り立たない
共同作業が少ないため、創造性が発揮されにくい
チームの士気が下がり、社員の当事者意識が低下する可能性がある
リーダーへの依存が強くなり、ボトルネックが発生する原因になる
命令型のリーダーは独裁型になりがち
感情的リーダーシップ論に基づいて、6 種類のリーダーシップスタイルを紹介しました。この理論は、日々の仕事に簡単に取り入れることができます。まずは一緒に働いているチームのタイプを見極め、次にあなたの仕事を一番効率よくサポートするリーダーの種類を考えましょう。状況に応じて感情的リーダーシップタイプを調整していくことが大切です。
記事: チームの仕事量を管理するための効果的な方法レヴィンのリーダーシップ理論、そして感情的リーダーシップ理論に加えて、注目すべきリーダーシップの種類がもう 2 つあります。それが、「変革型」と「取引型」です。
どちらのスタイルも、組織行動やリーダーシップを研究していたアメリカの心理学者 Bernard M. Bass (バーナード・バス) 氏によって文書化されたものです。スタイルの名前は聞いたことがなくても、きっと職場で見かけたことがあるはずです。
バーナード・バス氏の最も有名な理論は、「4 つの I」とも呼ばれる変革型リーダーシップ理論です。この理論は 1978年に James MacGregor Burns (ジェームズ・マグレガー・バーンズ) 氏が提唱した、「リーダーとフォロワーがお互いに助け合い、士気とやる気を高めていく」というコンセプトに基づいています。
変革型リーダーシップの「4 つの I」とは以下の通りです。
Individualized consideration (個別の配慮)
Intellectual stimulation (知的な刺激)
Inspirational motivation (モチベーションの鼓舞)
Idealized influence (理想化による影響)
この 4 つの I は、リーダーがどれだけ変革的であるかを測るために使う指標です。 この種類のリーダーシップを用いると、リーダーは自分に従いたいと思う人々の信頼と尊敬を効果的に獲得することができます。
指導や励ましによってチームに力を与える
チームメンバーは個別にコーチングを受け、独自のスキルを有効活用できる
チームは共通の目的のために団結し、会社の成長につながる
メンバーに自由が与えられる
小さなタスクが忘れられやすくなる
リーダーが常に関与すると、プレッシャー増加や燃え尽き症候群につながる可能性がある
リーダーの目標が会社の目標と一致していない場合、リスクが伴う
チーム全員がリーダーを尊敬し、アプローチに賛同していなければ成り立たない
取引型リーダーシップは社会学者の Max Weber (マックス・ウェーバー) 氏によって初めて概念化され、その後バーナード・バス氏によって確立されたリーダーのタイプです。バス氏はこの種類のリーダーシップを、変革型リーダーシップと対立するものとして取り上げています。
取引型リーダーシップは「報酬と罰」を用いてチームメンバーのやる気を高めます。このタイプのリーダーは、明確な命令系統がパフォーマンスの向上につながると考えています。チームメンバーはリーダーの指示に従わなければならず、リーダーによって厳しく監視されます。
解決すべき問題が明確な状況下で有効
メンバー全員が明確な役割を持つため、危機的状況下でも役立つ
メンバーはリーダーが自分に何を期待しているのかを理解できる
チームメンバーの創造性を抑制する
メンバーの感情面のサポートが行われない
個人の取り組みを評価しない傾向がある
短期目標に集中しすぎるため、長期的な成功には向かない
リーダーシップとマネジメントはよく同じ意味で使われますが、その意味は異なります。
チームに刺激を与えながら、自分のビジョンを持って会社を前進させるのがリーダーです。また社会的にポジティブな影響力を持ち、それを組織のために活用することができます。一方マネージャーは、特定のマネジメントスタイルを使ってプロジェクトを順調に進めるという、会社の運用的な役割を担っています。
リーダーとマネージャーは常にイコールで結ばれるわけではありません。リーダーはトップレベルの役職や管理職だけでなく、企業内のあらゆる役割に存在します。もしあなたが自分の役割の中でよりよいリーダーになることを目指しているのであれば、自分の現在のリーダーシップスタイルのメリットとデメリット、さらにどんなタイプのリーダーシップを習得すべきかを理解することが、よいリーダーへの近道となります。
記事: リーダーシップとマネジメントの違いとは?理想のリーダーになるためには、まず自己認識を高めることが重要です。自分の強みや弱みを理解し、どのリーダーシップスタイルが自分やチームに最も適しているかを見極めましょう。
リーダーは、チームの問題解決や集団維持機能を支える存在でもあります。メンバーの意見を適切に取り入れ、組織としての目標達成に向けて調整する能力は不可欠です。また、日々の業務においてはコミュニケーション能力を発揮し、誤解や情報の滞りを防ぐことが大切です。
さらに、リーダーは自ら行動で示すことで、チームに信頼され、メンバーのやる気を引き出します。変化の激しいビジネス環境では、迅速に判断し、柔軟に対応することが求められます。加えて、リーダーには倫理観も不可欠です。公正で透明性のある意思決定は、長期的にチームの信頼と成果を高めます。
理想のリーダー像に近づくためのポイント
自己認識を高める
チームの問題解決と集団維持機能を意識する
コミュニケーション力と行動力を発揮する
ビジネス環境に応じた柔軟な判断を行う
倫理観を持って意思決定する
このようなポイントを日々の業務で意識することが効果的です。これらを組み合わせることで、チームの信頼を得ながら成果を出せるリーダーに近づくことができます。
この記事では 11 種類のリーダーシップと、それぞれの特徴を紹介しました。どのスタイルが正しいわけではなく、自分に合うスタイルを理解し、状況に応じて使い分けることが大切です。
令和の理想のリーダーは、自己認識が高く、チームメンバーと信頼関係を築きながら問題解決に取り組む人物です。コミュニケーション力と行動力を発揮し、組織目標の達成を支えるとともに、柔軟で倫理的な判断ができることも求められます。
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