状況対応型リーダーシップ理論: 4 つのスタイルと資質

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年9月10日00
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概要

状況対応型リーダーシップとは、リーダーがリーダーシップの方法を選択する際に、自分が貢献するチームメンバーや、あらゆる状況の独自性を考慮することを促すものです。このガイドでは、4 つの状況対応型リーダーシップのスタイルと、それらを活用してチームメンバーをサポートする方法についてご説明します。

チームを率いていると、さまざまな場面で異なる対応が必要になることに気づくはずです。たとえば、マーケティングチームが技術的な作業の多いプロジェクトを担当する場合、タスクを割り当てるだけではなく、未知の領域に挑むチームを導く必要があるかもしれません。しかし、チームがこれまでに経験したことのあるようなプロジェクトであれば、口出しをせずに、サポート役に回ることができます。

状況対応型リーダーになるには、目の前の状況に応じて自分のリーダーシップスタイルを調整しなくてはいけません。このガイドでは、4 つの状況対応型リーダーシップスタイルと、それらを使って柔軟で適応力のある職場環境を作る方法についてご説明します。

状況対応型リーダーシップとは?

状況対応型リーダーシップとは、リーダーが、担当するチームメンバーのレディネスレベルや、あらゆる状況の独自性を考慮するリーダーシップのスタイルです。状況対応型リーダーシップモデルは、Paul Hersey と Ken Blanchard が、1969年に「組織行動マネージメント」の研究中に開発したものです。

状況対応型リーダーは、民主的な職場環境を作り、順応性と柔軟性を促進することで、チームの長所を最大限に引き出します。

状況対応型リーダーシップの仕組みとは?

状況対応型リーダーシップのアプローチは、チームメンバーの成長レベルに合わせてリーダーシップのスタイルをカスタマイズするため、チームメンバーとの関係を深めるのに役立ちます。チームメンバーは、それぞれ独自のレベルで、実践的で積極的にコミュニケーションを取るリーダーを必要とします。チームメンバーのスキル、自信、やる気を評価し、どのようなリーダーシップスタイルを使うかを判断しなくてはいけません。

チームメンバーの能力、自信の度合い、仕事へのモチベーションの度合いはそれぞれ異なります。全員に同じリーダーシップスタイルを用いれば、それを喜ぶチームメンバーもいれば、不満を感じるチームメンバーも出てくるでしょう。状況対応型リーダーシップの手法には柔軟性があるので、全員のニーズに合わせてリーダーシップスタイルをカスタマイズすることができます。

4 つの状況対応型リーダーシップスタイル

リーダーシップのスタイルは 4 つに分類することができます。管理するチームや場面によって、採用すべきスタイルは異なります。これらのリーダーシップスタイルを、指導的行動のレベルとサポート的行動のレベルの関係を示すグラフに沿って配置することができます。

状況対応型リーダーシップスタイルの種類

指導的行動とは、リーダーがチームメンバーに何をすべきか、どのようにすべきか、どこですべきか、いつまでに完了すべきかを指示することです。サポート的行動には、リーダーがチームメンバーとコミュニケーションをとり、話に積極的に耳を傾け、タスク関連の進捗を認めることなどが含まれます。

サポート的行動のレベルと指導的行動のレベルを比べることで、どのような状況的リーダーシップスタイルを使っているかがわかります。

1. 教示型

スタイル 1 は、教示型リーダーシップスタイルで、ガイドや指示型とも呼ばれています。このスタイルでは、指導的行動のレベルは高く、サポート的行動のレベルは低くなります。このリーダーシップスタイルは、チームメンバーが経験不足であったり、目の前のタスクへのコミットメントが低いなどの理由で、リーダーによる綿密な監督を必要とする場合に最も効果的です。

例: 新しいチームメンバーがグループに加わりましたが、潜在的なクライアントへの促進メールを送った経験がほとんどありません。このようなプロジェクトに参加するのは初めてなので、一人でプロジェクトを処理することに不安を感じているようです。教示型の状況対応型リーダーシップスタイルを用いて、各ステップでそのチームメンバーを指導し、ミスが発生しないようにします。

2. コーチ型

スタイル 2 は、コーチ型リーダーシップスタイルで、説得型や説明型とも呼ばれています。コーチ型の場合、指導的行動が多く、サポート的行動も多くなります。この状況対応型リーダーシップスタイルは、初心者ながら意欲の高い人に最も効果的です。というのも、細かく監視することなく見守り、サポートすることができるからです。

例: SNS マーケティングの分野で働いたことがないにもかかわらず、経験を積みたいと考えているメンバーがいます。経験は浅いですが、タスクに関連した経験を積ませるために、見守りながら SNS プロジェクトに取り組ませます。そして、プロジェクト終了後には、パフォーマンスのフィードバックを行います。

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3. サポート型

スタイル 3 はサポート型リーダーシップで、参加型や進行型とも呼ばれています。このスタイルはスタイル 1 や 2 と異なって、サポート的行動が多く、指導的行動が少ないため、チームメンバー主導のスタイルにななります。チームメンバーが目の前のタスクを完了するために必要なスキルを持っているが、それを成功させるための自信ややる気がない場合に、このリーダーシップスタイルを使います。リーダーは、自由形式の質問をすることで、問題点を把握し、解決策を見出すことができます。

例: 突然、職場で最も優秀なチームメンバーのパフォーマンスが低下し始めました。通常は有能な人なので、リーダーのあなたは心配になります。そこで、サポート型の状況対応型リーダーシップを実践し、このチームメンバーと 1on1 のミーティングを行うことにしました。問題が個人的なものであることがわかると、その従業員の話に耳を傾け、メンタルヘルスのための休暇を取り、戻ってきてから全力で仕事に取りかかることを提案しました。

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4. 委任型

スタイル 4 は、委任型リーダーシップスタイルで、エンパワーメント型やモニタリング型としても知られています。このスタイルは、チームメンバー主導のリーダーシップスタイルであるため、指導的行動は少なく、サポート的行動も少なくなります。チームメンバーが自立した達成者である場合、口出しをせずに権限や責任を任せてくれるリーダーが必要です。このスタイルは、チームメンバーの自由を促進し、チーム間の信頼関係を育みます。

例: 数年間一緒に仕事をしてきたチームメンバーが、今度のプロジェクトを一人で完了させる自信があると伝えてきました。過去の経験から、その人がそのプロジェクトに必要なスキルを持っていることもわかっています。質問や最終確認以外は、監督なしで自由に仕事をさせることをにしました。

状況対応型リーダーシップの資質

状況対応型のリーダーとして成功するには、柔軟性が必要です。一つのリーダーシップスタイルに固執するリーダーは、チームメンバーに合わせてアプローチを変えないでしょう。状況対応型リーダーは、チームメンバーそれぞれに合わせて状況対応型のアプローチを行い、模範となるように努力しなければなりません。

状況対応型リーダーシップの資質

洞察力

状況対応型のリーダーは、洞察力があり、どのような状況下でもチームメンバーのニーズを理解します。洞察力があれば、チームメンバーが自信を持っているのか、不安を感じているのか、やる気があるのかないのか、一人でタスクをこなせるのか、追加のサポートが必要なのかを見極めることができます。

柔軟性

状況対応型リーダーには、柔軟性も必要です。チームメンバーが自分に何を求めているかがわかれば、そのニーズに合わせて自分のマネジメントスタイルをすばやく調整することができます。柔軟性が要となるのは、複数のチームメンバーが、さまざまな状況対応型リーダーシップスタイルを必要とする場合です。一人ひとりに合わせた対応ができるかどうかは、リーダー次第なのです。

信頼性

信頼性は、状況対応型リーダーシップの最も優れた資質の一つです。チームメンバーがリーダーを信頼すれば、仕事で成功する可能性が高くなります。コミュニケーションを促進し、ポジティブなつながりを促進することで、チームメンバーと信頼関係を築くことができます。

問題解決

状況対応型のリーダーは、何よりも問題解決と意思決定に優れています。さまざまな問題が発生したときに、それを解決できる慎重に大局的な考え方ができることは、非常に貴重なスキルです。自分の頭で考え、さまざまなリーダーシップスタイルを使い分けることで、チームを成功に導くことができるのです。

メンターとコーチ

コーチ型は 2 番目の状況対応型リーダーシップのスタイルですが、優れた状況対応型リーダーは、常にチームのコーチとして行動する必要があります。日々の仕事の中でチームに指示を与えながら、チームの意欲を引き出し、育成することができるはずです。

このようなリーダーシップスキルを身につければ、自分は効果的なリーダーであり、チームを最大限にサポートしていると自信を持つことができます。

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状況対応型リーダーシップのメリットとデメリット

どんなリーダーシップスタイルにもメリットとデメリットがあります。優れたリーダーになり、直面する可能性のある課題を未然に防ぐために、自分のリーダーシップの取り方に関わる欠点を認識することが役立ちます。

状況対応型リーダーシップのメリットとデメリット

メリット:

  • 生産性が向上する: 状況対応型リーダーシップの利点の一つは、チームメンバーの全体的な生産性を向上させることです。チームメンバーのスキルややる気のレベルはそれぞれ異なるため、状況に適応したリーダーシップスタイルを用いることで、全員を個別に評価し、それぞれのアウトプットを最大限に引き出すことができるのです。

  • チームメンバーに焦点を当てる: 状況対応型リーダーシップモデルは、チームメンバーに焦点を当てます。一つのリーダーシップスタイルをチームメンバー全員に使うことは、全員を同じ型にはめるようなものです。状況対応型リーダーシップメンバーは、チームメンバー一人一人に熱心に取り組み、自力で成長できる場を設けます。

  • 柔軟性を促進する: 状況対応型リーダーシップは、各チームメンバーのスキル、やる気、自信のレベルに合わせてリーダーシップを調節するため、柔軟性を促進します。柔軟性に欠けるリーダーシップモデルでは、各チームメンバーのやる気レベルが考慮されない可能性がありますが、状況対応型リーダーシップでは、生産性の向上につながる柔軟性が求められます。

デメリット:

  • 混乱を招く可能性がある: 状況対応型リーダーシップの欠点の一つは、混乱を招く可能性があることです。リーダーシップスタイルが統一されていないため、チームメンバーは自分がいつ何をすべきなのか疑問に思うことがあります。たとえば、ある週には完全に任せられてタスクに取り組んでいたのに、次の週にはリーダーからきめ細かく指示を出されて働くことになったら、抵抗を感じるチームメンバーもいるでしょう。チームメンバーに、どのような状況対応型リーダーシップスタイルを好むかを尋ねることで、混乱を防ぐことができます。

  • 短期目標に焦点が当たる: 長期的な目標を重視したいチームメンバーは、短期的な目標を重視する状況対応型リーダーシップを好まないかもしれません。リーダーシップスタイルを変更する際には、数か月前に計画されたタスクや目標ではなく、目の前のタスクに集中する必要があります。チームメンバーは、次の週や月にどのようなリーダーシップスタイルに遭遇するかわからないと不安になるかもしれません。チームメンバーが長期的な計画を必要としている場合は、事前にタスクを計画し、今後のタスクごとにどのようなリーダーシップスタイルを好むかを話し合うことで、ちょうどよいスタイルを見つけることができます。必要に応じて、自由にリーダーシップスタイルを変更できることを伝えれば、チームは安心するでしょう。

  • リーダーが責任を負う: 状況対応型リーダーシップでは、どのようなスタイルをいつ実行するかを決める際に、リーダーに大きな責任が伴います。このモデルでは、常に柔軟に適応しなければならないため、ストレスを感じることもあります。また、相手の感情、仕事のスキル、社会的スキルなどを把握し、リーダーシップの必要性を判断しなくてはなりません。

自分の負担を減らすためにも、チームメンバーたちの人となりを知るようにしましょう。チームメンバーのことをよく知れば、その人が好むリーダーシップスタイルが一貫していることに気づくかもしれません。チームメンバーの中には、時々スタイルを変える必要がある人もいるかもしれませんが、ほとんどのチームメンバーには好みのコミュニケーションスタイルがあります。

状況対応型リーダーシップでチームのニーズに応える

状況対応型リーダーシップは、柔軟性と適応性に優れています。チームの状況に合わせてリーダーシップスタイルを調整することで、チームのモチベーションを高め、仕事でのパフォーマンスを向上させることができます。

プロジェクト管理ソフトウェアを使用することで、チームメンバーの進捗状況を把握し、それぞれのチームメンバーの能力を深く理解することができます。また、プロジェクト管理ツールを使って、フィードバックを行い、コミュニケーションの環境を整えることもできます。

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