リソース平準化とは? (テクニックと実践例)

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年7月15日00
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プロジェクトが計画通りに進まず、リソースの不足が発生し、プロジェクトの成果物に影響が及ばないよう対策が必要になることがあります。そんな時に活躍するのがリソース平準化です。リソース平準化を実施すれば、タイムラインの調整し直し、手持ちのリソースを有効活用してプロジェクトをゴールに導けます。このテクニックを使えば、プロジェクトの目的と目標を満たすために適宜にリソースを割り当てられます。

リソース平準化には、確かなリソース管理スキルと個々のプロジェクトのニーズの深い理解が必要です。このテクニックを駆使するために必要なリソース平準化のプロセスを実践例やベストプラクティスを交えて以下に解説します。

リソースの平準化とは?

リソース平準化は、投入可能なリソースを超過せずにプロジェクトを完遂できるよう、過剰な割り当てやスケジュールの競合などが生じた際に解決するプロジェクト管理のテクニックです。リソースには、プロジェクトを完了するために必要な時間、資材、ツールが含まれます。

リソースの平準化とは?

リソース平準化の目的は、投入可能なリソースを最大限に有効活用しながら、プロジェクトの時間、費用、スコープの制約に対応することです。

リソース平準化では、同じリソースを要する複数のプロジェクトにわたりそれらのニーズのバランスをとることが求められるので、プロジェクトマネージャーの力を試す課題となりえます。

チームのニーズにより、こんな状況が考えられます。

  • 目指すゴールがプロジェクトの現在の締め切りを守ることである場合には、投入可能なリソースを増やす必要があるかもしれません。

  • 目指すゴールがプロジェクトを現在の手持ちのリソースの限度内で遂行することである場合には、プロジェクトの締め切りを延長する必要があるかもしれません。

リソース平準化を行えば、リソースへの過剰な負荷を防ぐために、リソースの割り当てプロジェクトのスケジュールを調整できます。それにより、プロジェクトの成果物の質を維持できます。

リソース平準化はどんな時に必要か

リソース平準化を行えば、リソースへの過剰な負荷を避けながらも、プロジェクトの要件にしっかり対応できます。このテクニックは、プロジェクト管理だけでなく、チームのワークライフバランスを維持するためにも役立ちます。リソース平準化のメリットを以下にいくつか紹介します。

リソースを最適化する

リソース平準化を行えば、手持ちのリソースを最大限に有効活用できます。そして、プロジェクトの内、リソースの追加が必要なものはどれで、締め切りが調整可能なものはどれかを判断できます。

予算超過を最小限に減らす

リソース平準化を行えば、プロジェクトの大幅な遅延を防げるため、プロジェクト費用や人件費の損失を最小限に抑えられます。このテクニックを使えば、リソースのニーズに対応しながらも、会社の現在のキャパシティや財務資源を超過する事態を防げます。

タスクの過剰な割り当てを防ぐ

リソースへの過剰な割り当ては働きすぎにつながり、チームメンバーのストレスの原因となります。リソース平準化を行えば、過剰な割り当てによる問題を解決し、チームメンバーのキャパシティを配慮した締め切りの調整を行えます。

プロジェクトの成果物の品質を守る

平準化を行えば、プロジェクトの成果物の品質を同じ水準に保つことにより、リソースと顧客の期待内容の双方を管理できます。総じて、リソース平準化は、予算の問題、リソースへの過剰な割り当て、プロジェクトの遅延などを解決するために役立つテクニックです。

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リソース平準化の実践例

リソース平準化を実際に活用する方法を分かりやすくするために、以下に具体例を紹介します。

例 1: プロジェクトの開始日を遅らせる

プロジェクトのためにデザイナーにプロトタイプを作成してもらう必要がありますが、デザイナーのダブルブッキングが生じ、デザインチームも予定に空きがありません。そのため、プロジェクトの開始日をデザイナーの予定が空く 2 日後に変更することを決定します。デザイナーの仕事のペースが速いので、プロジェクトの終了日はそのままに保ちます。

例 2: 追加リソースを確保する

IT チームでは、会社のコンピューターが感染したウイルスに対処するため、大量のIT リクエストに対応しています。会社の既存のウイルス対策ソフトはその強力なウイルスを撃退する能力が不十分なので、チームはコンピューターを修復するために、新しいウイルス対策ソフトへの投資を決定しました。

例 3: プロジェクトの終了日を延期する

マーケティングチームでは、新しい SNS キャンペーンをローンチするため、SNS マネージャーからの承認を待機していますが、SNS マネージャーは現在体調を崩して欠勤中です。緊急性が低いキャンペーンなので、キャンペーンのローンチを数日延期し、マネージャーがレビューする時間を確保します。

平準化は、マーケティング、営業、IT チームなど、あらゆるチームの管理において、リソース利用の競合を解決する手段となります。解決策を決定したら、チーム全体にその計画を伝えましょう。ミーティングのテンプレートを使えば、議題も簡単に計画できます。

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プロジェクトリソースの平準化

プロジェクトリソースの平準化をスキルのレパートリーに加えれば、より効果的なリーダーとしてチームに貢献できます。チームで活用できるリソース平準化戦略を以下に紹介します。

リソース平準化戦略

クリティカルパス法 (CPM)

クリティカルパス法は、リソースの制約を考慮せずにプロジェクト期間を算出するために、広く用いられている平準化テクニックです。

このテクニックでは、プロジェクトにおいて依存関係がある活動を合理的な順序でつなげ、各活動の開始と終了の最も早い日と最も遅い日を算出します。「クリティカルパス」とは、プロジェクトを完遂するために完了を要する活動の内、所要時間が最長である一連のタスクを指します。

クリティカルパス (最長経路上) の一連の活動を特定したら、「フロート」(余裕時間) と呼ばれるスケジュール調整の柔軟性を判断できます。

トータルフロート (最大余裕時間) とは、プロジェクトの終了日に影響を与えることなく、タスクを最も早い開始日からどれだけ遅らせることができるかを指します。

  • 計算法: (最遅終了日) – (最早終了日) または (最遅開始日) - (最早開始日)

フリーフロート (自由余裕時間) とは、後続の活動の開始日に影響を与えずに遅らせることのできる日数を指します。

  • 計算法: (後続タスクの最早開始日) – (現行タスクの最早終了日)

クリティカルパス上のタスクのフロート (余裕時間) は 0 です。それはつまりそのタスクの 1 つに遅れが生じた場合、プロジェクト全体が遅れることを意味します。

たとえば、IT チームが既存のセキュリティシステムを新しいシステムと交換する際に、2 つのクリティカルタスクと 2 つの非クリティカルタスクを特定したと想定しましょう。

クリティカル:

  • 全社において既存のセキュリティソフトウェアの使用を 2 日以内に中止する

  • 会社の全デバイスおいて新しいソフトウェアのインストールとテストを 4 日以内に完了する

非クリティカル:

  • ソフトウェア業者との購買取引の詳細を 1 日以内に締結する

  • 新しいソフトウェアのユーザーガイドを 2 日以内に作成する

クリティカルパス上の活動はプロジェクトを完了するために不可欠ですが、非クリティカルなタスクは任意のオプションであるため、この例におけるプロジェクト期間は最短で 6 日間です。

ファストトラッキング

顧客の要件を満たすために、プロジェクトを締め切り以前に納品する必要がある場合もあります。そういった場合には、複数のタスクを並行して実施するファストトラッキングを使用すれば、プロジェクトを加速させられます。ファストトラッキングは、活動をある程度同時進行できる場合にのみ使用できるスケジュール短縮のテクニックです。

たとえば、依存関係がある活動はずらし、依存関係がない活動は並行して進められます。

ファストトラッキングの例として、ソフトウェア開発チームがウェブサイトのバックエンドを構築し始め、その間にデザインチームがウェブサイトのプロトタイプを完了させる場合などがあります。ファストトラッキングのテクニックを使えば、期限内かつ予算内に仕事を完了できる一方で、後に修正が必要となる可能性も高くなります。

クラッシング

ファストトラッキングを適用できない場合、またはその効果が不十分な場合には、クラッシングというテクニックを実施できます。クラッシングでは、プロジェクトに追加のリソースを投入してタイムラインを短縮します。これを行う場合には、高優先度タスクのニーズを見極めた上で、最も高価値かつ低コストのリソースの選択肢を探す必要があります。

たとえばマーケティングチームで、締め切りが 2 日早くなったため、ライターを 2 名追加する必要があるとします。予備のチームメンバーはいないので、プロジェクトマネージャーは、新しいライターを探す代わりに、過去に提携したことがあるフリーランスのライターを 2 名採用することを決めます。

プロジェクトのスケジュールを短縮するためにクラッシングの使用を決定する前に、追加リソースを取得することについて、必ずマネージャーまたは顧客から承認を得ましょう。

クリティカルチェーン法

クリティカルチェーン法は、クリティカルパス法をアップデートした手法です。クリティカルパス法とは違い、クリティカルチェーン法では、リソースの制約を考慮します。ここで言う「クリティカルチェーン」は、タスクとリソース両方の依存関係を考慮した上でのタスクの最長経路を指します。リソースは 1 度に 1 つのタスクのみに割り当てられます。

この手法を使ったプロジェクトのスケジューリングでは、タスク用に必要なリソースの一覧を作成し、必要に応じてそれらのリソースの利用状況を再評価します。

クリティカルチェーン法では、クリティカルチェーン上の活動で不測の事態が生じた場合に備え、最後のタスクとプロジェクト終了日の間に「バッファー」と呼ばれる期間を挟みます。タスクを早く完了した場合には、その分バッファーが増します。逆に、クリティカルチェーン上の活動に遅れが生じた場合には、そのバッファー期間を使うことになりますが、プロジェクト完了日には影響が及びません。

たとえば、マネージャーは、コンテンツ記事を期限内に公開するために、ライター、デザイナー、開発者など、必要なリソースを判断します。そして、コンテンツレビューやデザインレビューの間の工程で遅れが生じた場合に備え、5 日間のバッファーを設けます。

クリティカルチェーン法では、リソースに過剰な負荷をかけずにプロジェクトを期限内に完了するために、プロジェクト期間とリソースの現実的な予測を目指します。

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リソース平準化のツール

リソース平準化は経験を積むにつれてスムーズに進めやすくなります。このテクニックを実践する際に活用できるヒントやツールを以下に紹介します。

  • ガントチャートの使用: ガントチャートとはプロジェクトのスケジュールを視覚化した横棒グラフで、クリティカルパスを特定し、計画するために理想的なツールです。ガントチャートを使えば、タスクの依存関係、開始日と終了日、プロジェクト期間の全体像を簡単に俯瞰できます。また、プロジェクトを進行させながら、必要に応じてチャートをアレンジし直したり、日付を調整したりできます。

  • プロジェクト管理ソフトウェアの活用: 一部のプロジェクト管理ソフトウェアには、過剰な割り当てによる競合の解決に役立つリソース平準化のアルゴリズムが備わっています。また、プロジェクト管理ソフトウェアを使えば、チームメンバーのスケジュールを可視化しやすくなるため、スケジュールの競合やダブルブッキングを未然に防げます。 

  • ネットワーク図の作成: ネットワーク図も、プロジェクトのスケジュールを視覚化するためのツールの一種です。タスクの順序を示す一連のボックスと矢印から成る図として表されます。スケジュールの計画の他、プロジェクトの進捗を追跡するためにも使用できます。それぞれがタスクと期間を表す一連のボックスをつなげることにより、非クリティカルパスとクリティカルパスを特定できます。

  • 過去のプロジェクトを参照用に使用: 過去のプロジェクトのプランやスケジュールをアーカイブに保存し、類似するプロジェクトを実施する際により的確なプロジェクト計画を策定するために、それらを参照しましょう。過去に成功したプロジェクト、不成功に終わったプロジェクトの両方を参照すれば、各タスクにどれほどの余裕を設けるべきか、どんなリソースが必要になるかをより正確に予測できるため、プロジェクト開始前に投入可能なリソースを把握できます。

  • リソースのニーズを現実的に予測: リソース平準化は、プロジェクトスコープを最初に明確に定義し、リソースのニーズを現実的に予測した場合に成功の確率が高まります。

より的確に予測するための秘訣を以下に紹介します。

  • チームで予測を行うことで、個人的なバイアスを減らす

  • プロジェクトの潜在リスクを予測プロセスに含める

  • より幅広い可能性を対象に含めるために、特定の値ではなく範囲を予測する

  • より一貫性のある予測を行うために、毎回同じ予測テクニックを使用する

最初のリソース予測が正確であるほど、後で問題が発生してリソース平準化を実施する場合に大きな変更を行う必要がなくなります。

リソース平準化とリソース円滑化の違い

リソース平準化とリソース円滑化は双方ともリソース管理のテクニックと見なせます。

リソース平準化とリソース円滑化の違い

双方のテクニックの主な違いは、最も重視される制約条件です。リソース円滑化では時間的な制約が重視されるのに対し、リソース平準化ではリソースの利用上限が焦点となります。

たとえば、あるタスクの作業を 5 日間連続で 1 日 8 時間行う予定が入っているとします。しかし、そのタスクを完了するために必要な時間は 30 時間のみなので、スケジュールを 1 日 6 時間に変更します。それにより、プロジェクトの締め切りに影響を及ぼさずに他のタスクの作業を行う余裕が生まれます。

リソース平準化は、リソースへの過剰な割り当てが生じた際に使用するのに対し、リソース円滑化はリソースの不均等な割り当てが生じた場合に使用します。リソース平準化ではプロジェクトの開始日や終了日を柔軟に調整できますが、リソース円滑化ではプロジェクトの日付を変更できません。

過剰な割り当てによる競合を解決するためにリソース平準化を使用したら、それに続いてプロジェクトのスケジュールを均等化するためにリソース円滑化を行えます。

記事: ビギナーズガイド: 制約理論

リソース平準化スキルをレベルアップする

投入可能なリソースの配分にリソース平準化テクニックを使用して、限られたリソースを最大限に有効活用することで、プロジェクトを期限内に完了できます。

この戦略を IT テンプレートマーケティングテンプレートなど、チーム用にカスタマイズされたテンプレートと組み合わせ、プロジェクトの計画やスケジュールの策定に使用しましょう。

リソース平準化には確かなリソース管理スキルが必要ですが、ワークマネジメントソフトウェアを使えば、プロジェクトの調整スキルを新たなレベルへと高められます。

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