リソース平準化とは? 限られたリソースを最大限に活用する方法

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2022年7月22日
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概要

リソース平準化とは、限りあるリソースを有効活用しながらプロジェクトを計画通りに運営するためのプロジェクト管理手法のひとつです。この記事では、リソース平準化の意味とメリット、実践時のポイントを解説します。適切なリソース管理を行って、プロジェクトを成功へと導きましょう。

更新: この記事は「平準化」の意味とリソース平準化のメリットに関するさらに詳しい記述を含めて 2022年 7月に改訂されました。

プロジェクトが計画通りに進まず、リソースの不足が発生した場合、成果物に影響が及ばないよう対策が必要になることがあります。そんな時に活躍するのがリソース平準化です。リソース平準化を実施すれば、タイムラインを調整しなおし、手持ちのリソースを有効活用してプロジェクトをゴールに導けます。この手法を使えば、プロジェクトの目的と目標を満たすために適宜にリソースを割り当てられます。

リソース平準化には、確かなリソース管理スキルと個々のプロジェクトのニーズに関する深い理解が必要です。この記事では、リソース平準化のプロセスを実践例やベストプラクティスを交えて解説します。

平準化の意味

リソース平準化の意味を理解する前に、まずは平準化の意味をチェックしましょう。「平準化」とは不揃いの物事を均一化して公平にすることです。ビジネスシーンでよく聞かれる言葉ですが、もともとは製造業において「さまざまな種類の製品を均等に生産すること」を指す用語として用いられていました。現在では製造業以外でも使用される言葉で、一般的には「業務の平準化」という使われ方をします。ここで言う業務の平準化とは、従業員の業務量を均等にするという意味で、すべての社員の作業やタスクの負担、労力やストレスも把握したうえで業務量を均一にしようとすることを言います。業務の平準化は従業員の働き方改革にも通じるものがあり、結果的に仕事の効率化や生産性の向上が期待できます。また、業務の平準化を試みることで、チームの仕事量を見える化することも可能となります。

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リソース平準化とは?

平準化は「リソース平準化」という使われ方もします。リソース平準化とは、投入可能なリソースを超過せずにプロジェクトを完遂できるよう、過剰な割り当てやスケジュールの競合などが生じた際に用いられるプロジェクトマネジメントのテクニックです。業務の平準化とは人材の作業量の均一化を図る手法でしたが、リソース平準化は、プロジェクトを完了するために必要な時間、資材、ツールを調整する手法です。

リソース平準化とは?

リソース平準化の目的は、投入可能なリソースを最大限に有効活用しながら、プロジェクトの時間、費用、スコープの制約に対応することです。

リソース平準化では、同じリソースを要する複数のプロジェクトにおいてそれらのニーズのバランスをとることが求められるので、こういったケースではプロジェクトマネージャーの力が試されることとなります。

では、具体的にどのような場面でリソース平準化が必要になってくるのでしょうか。チームのニーズにより、以下のような状況が考えられます。

  • 締め切りを守ることが現在のプロジェクト目標である場合は、投入可能なリソースを増やす必要があるかもしれません。

  • プロジェクト目標が現在の手持ちのリソースの限度内でプロジェクトを遂行することである場合には、締め切りを延長する可能性を検討する必要があるかもしれません。

リソース平準化を行えば、過剰な負荷や偏りを防ぐために、リソースの割り当てプロジェクトのスケジュールを調整できます。そうすることで、プロジェクトの成果物の質を維持できます。

リソース平準化とリソース円滑化の違い

リソース平準化と同様、「リソース円滑化」もビジネスシーンでよく用いられる言葉で、双方ともリソース管理のテクニックです。

リソース平準化とリソース円滑化の違い

この 2 つのテクニックの主な違いは、プロジェクトで最も重視される制約条件です。リソース円滑化では時間的な制約が重視されるのに対し、リソース平準化ではリソースの利用上限が焦点となります。

たとえば、あるタスクの作業を 5 日間連続で 1 日 8 時間行う予定が入っているとします。しかし実際のところ、そのタスクを完了するために必要な時間は 30 時間のみなので、スケジュールを 1 日 6 時間に変更します。これがリソース円滑化です。円滑化したことで、プロジェクトの締め切りに影響を及ぼさずに他の作業を行う余裕が生まれます。

リソース平準化は、リソースへの過剰な割り当てが生じた際に使用するのに対し、リソース円滑化はリソースの不均等な割り当てが生じた場合に使用します。リソース平準化ではプロジェクトの開始日や終了日を柔軟に調整できますが、リソース円滑化ではプロジェクトの日付を変更できません。

過剰な割り当てによる競合を解決するためにリソース平準化を使用したら、それに続いてプロジェクトのスケジュールを均等化するためにリソース円滑化を行うとさらに効果的でしょう。

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リソース平準化のメリット

リソース平準化は、リソースへの過剰な負荷を避けながらも、プロジェクトの要件にしっかり対応できるための手法です。このテクニックは、プロジェクトマネジメントだけでなく、チームのワークライフバランスを維持するためにも役立ちます。では、リソース平準化にはどのようなメリットがあるのでしょうか?リソース平準化のメリットを以下にまとめます。

リソースを最適化する

リソース平準化を行えば、手持ちのリソースを最大限に有効活用できます。また、プロジェクトの中でリソースの追加が必要なものはどれで、締め切りが調整可能なものはどれかを判断できます。

予算超過を最小限に減らす

リソース平準化を行えば、プロジェクトの大幅な遅延を防げるため、プロジェクト費用や人件費の損失を最小限に抑えられます。このテクニックを使えば、リソースのニーズに対応しながらも、会社の現在のキャパシティや財務資源を超過する事態を防げます。リソース平準化を効率的に進めるには、こういったサービスの利用もおすすめです。

タスクの過剰な割り当てを防ぐ

人材リソースへの過剰な割り当ては働きすぎにつながり、チームメンバーのストレスの原因となります。リソース平準化を行えば、過剰な割り当てによる問題を解決し、チームメンバーのキャパシティを配慮した締め切りの調整を行えます。

プロジェクト成果物の品質を守る

平準化を行えば、プロジェクトの成果物の品質を同じ水準に保つことにより、リソースと顧客の期待内容の双方を管理できます。総じて、リソース平準化は、予算の問題、リソースへの過剰な割り当て、プロジェクトの遅延などを解決するために役立つテクニックです。

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リソース平準化の実践例

リソース平準化を実際に活用する方法を分かりやすくするために、以下に具体例を紹介します。

実践例 1: プロジェクトの開始日を遅らせる

状況: とあるプロジェクト用に、デザイナーにプロトタイプを作成してもらう必要がありますが、デザイナーのダブルブッキングが生じ、デザインチームも予定に空きがありません。

リソース平準化を活用した解決策: プロジェクトの開始日をデザイナーの予定が空く 2 日後に変更します。デザイナーの仕事のペースは速いので、プロジェクトの終了日はそのままに保ちます。

実践例 2: 追加リソースを確保する

状況: IT チームでは、会社のコンピューターが感染したウイルスに対処するため、大量のIT リクエストに対応していますが、会社の既存のウイルス対策ソフトはその強力なウイルスを撃退する能力が不十分です。

リソース平準化を活用した解決策: チームはコンピューターを修復するために、新しいウイルス対策ソフトへの投資を決定しました。

実践例 3: プロジェクトの終了日を延期する

状況: マーケティングチームでは、新しい SNS キャンペーンをローンチするため、担当者からの承認を待っていますが、その担当者は現在体調を崩して欠勤中です。

リソース平準化を活用した解決策: 緊急性が低いキャンペーンなので、キャンペーンのローンチを数日延期し、マネージャーがレビューする時間を確保します。

平準化は、マーケティング、営業、IT チームなど、あらゆるチームの管理において、リソース利用の競合を解決する手段となります。解決策を決定したら、チーム全体にその計画を伝えましょう。ミーティングのテンプレートを使えば、議題も簡単に計画できます。

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プロジェクトリソースの平準化

プロジェクトリソースの平準化をスキルのレパートリーに加えれば、より効果的なリーダーとしてチームに貢献できます。チームで活用できるリソース平準化戦略を以下に紹介するので、参考にしてみてください。

リソース平準化戦略

クリティカルパス法 (CPM)

プロジェクトクリティカルパス法は、リソースの制約を考慮せずにプロジェクト期間を算出するために、広く用いられている平準化テクニックです。

この手法では、プロジェクトにおいて依存関係がある活動を合理的な順序でつなげ、各活動の開始と終了の最も早い日と最も遅い日を算出します。「クリティカルパス」とは、プロジェクトを完遂するために完了を要する活動の内、所要時間が最長である一連のタスクを指します。

クリティカルパス (最長経路上) の一連の活動を特定したら、「フロート」(余裕時間) と呼ばれるスケジュール調整の柔軟性を判断できます。

トータルフロート (最大余裕時間) とは、プロジェクトの終了日に影響を与えることなく、タスクを最も早い開始日からどれだけ遅らせることができるかを指します。

  • 計算法: (最遅終了日) – (最早終了日) または (最遅開始日) - (最早開始日)

フリーフロート (自由余裕時間) とは、後続の活動の開始日に影響を与えずに遅らせることのできる日数を指します。

  • 計算法: (後続タスクの最早開始日) – (現行タスクの最早終了日)

クリティカルパス上のタスクのフロート (余裕時間) は 0 です。それはつまりそのタスクの 1 つに遅れが生じた場合、プロジェクト全体が遅れることを意味します。

たとえば、IT チームが既存のセキュリティシステムを新しいシステムと交換する際に、2 つのクリティカルタスクと 2 つの非クリティカルタスクを特定したと想定しましょう。

クリティカル:

  • 全社において既存のセキュリティソフトウェアの使用を 2 日以内に中止する

  • 会社の全デバイスおいて新しいソフトウェアのインストールとテストを 4 日以内に完了する

非クリティカル:

  • ソフトウェア業者との購買取引の詳細を 1 日以内に締結する

  • 新しいソフトウェアのユーザーガイドを 2 日以内に作成する

クリティカルパス上の活動はプロジェクトを完了するために不可欠ですが、非クリティカルなタスクは任意のオプションであるため、この例におけるプロジェクト期間は最短で 6 日間です。

ファストトラッキング

顧客の要件を満たすために、プロジェクトを締め切り以前に納品する必要がある場合もあります。そういった場合には、複数のタスクを並行して実施するファストトラッキングを使用すれば、プロジェクトを加速させられます。ファストトラッキングは、活動をある程度同時進行できる場合にのみ使用できるスケジュール短縮のテクニックです。

たとえば、依存関係がある活動はずらし、依存関係がない活動は並行して進められます。

ファストトラッキングの例として、ソフトウェア開発チームがウェブサイトのバックエンドを構築し始め、その間にデザインチームがウェブサイトのプロトタイプを完了させる場合などがあります。ファストトラッキングのテクニックを使えば、期限内かつ予算内に仕事を完了できる一方で、後に修正が必要となる可能性も高くなるので注意が必要です。

クラッシング

ファストトラッキングを適用できない場合、またはその効果が不十分な場合には、クラッシングというテクニックを実施できます。クラッシングは、プロジェクトに追加のリソースを投入してタイムラインを短縮する手法です。これを行う場合には、高優先度タスクのニーズを見極めた上で、最も高価値かつ低コストのリソースの選択肢を探す必要があります。

たとえばマーケティングチームで、とあるプロジェクトの締め切りが 2 日早くなったため、ライターを 2 名追加する必要があるとします。予備のチームメンバーはいないので、プロジェクトマネージャーは、新しいライターを探す代わりに、過去に提携したことがあるフリーランスのライターを 2 名採用することを決めます。

プロジェクトのスケジュールを短縮するためにクラッシングを使用する場合は、追加リソースを取得することについて、必ずマネージャーまたは顧客から承認を得ましょう。

クリティカルチェーン法

クリティカルチェーン法は、クリティカルパス法をアップデートした手法です。クリティカルパス法とは違い、クリティカルチェーン法では、リソースの制約を考慮します。ここで言う「クリティカルチェーン」は、タスクとリソース両方の依存関係を考慮した上でのタスクの最長経路を指します。リソースは 1 度に 1 つのタスクのみに割り当てられます。

この手法を使ったプロジェクトのスケジューリングでは、タスク用に必要なリソースの一覧を作成し、必要に応じてそれらのリソースの利用状況を再評価します。

クリティカルチェーン法では、クリティカルチェーン上の活動で不測の事態が生じた場合に備え、最後のタスクとプロジェクト終了日の間に「バッファー」と呼ばれる期間を挟みます。タスクを早く完了した場合には、その分バッファーが増します。逆に、クリティカルチェーン上の活動に遅れが生じた場合には、そのバッファー期間を使うことになりますが、プロジェクト完了日には影響が及びません。

たとえば、コンテンツ記事を期限内に公開するために、マネージャーは必要なリソース (ライター、デザイナー、開発者など) を判断します。そして、コンテンツレビューやデザインレビューの間の工程で遅れが生じた場合に備え、5 日間のバッファーを設けます。

クリティカルチェーン法は、リソースに過剰な負荷をかけずにプロジェクトを期限内に完了するため、プロジェクト期間とリソースの現実的な予測を目指す手法です。

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リソース平準化を実践するときのポイント

リソース平準化は経験を積むにつれてスムーズに進めやすくなりますが、慣れないうちは効率的に進行できないかもしれません。実践する際に活用できるヒントとポイントをこちらに紹介するので、参考にしてみてください。

ガントチャートの使用

ガントチャートとはプロジェクトのスケジュールを視覚化した横棒グラフで、クリティカルパスを特定し、計画するために用いられるツールです。ガントチャートを使えば、タスクの依存関係、開始日と終了日、プロジェクト期間の全体像を簡単に俯瞰できます。また、プロジェクトを進行させながら、必要に応じてチャートをアレンジし直したり、日付を調整したりできます。

プロジェクト管理ソフトウェアの活用

一部のプロジェクト管理ソフトウェアには、過剰な割り当てによる競合の解決に役立つリソース平準化のアルゴリズムが備わっています。また、プロジェクト管理ソフトウェアを使えば、チームメンバーのスケジュールを可視化しやすくなるため、スケジュールの競合やダブルブッキングを未然に防げます。

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ネットワーク図の作成

ネットワーク図も、プロジェクトのスケジュールを視覚化するためのツールの一種です。タスクの順序を示す一連のボックスと矢印から成る図として表されます。スケジュール計画の他、プロジェクトの進捗を追跡するためにも使用できます。それぞれがタスクと期間を表す一連のボックスをつなげることにより、非クリティカルパスとクリティカルパスを特定できます。

過去のプロジェクトを参照用に使用

過去のプロジェクトプランやスケジュールをアーカイブに保存していれば、類似するプロジェクトを実施する際により的確なプロジェクト計画を策定することができます。その際、成功したプロジェクトだけでなく不成功に終わったプロジェクトも参照すれば、各タスクにどれほどの余裕を設けるべきか、どんなリソースが必要になるかをより正確に予測でき、プロジェクト開始前に投入可能なリソースを把握できます。

リソースのニーズを現実的に予測

リソース平準化は、まずプロジェクトスコープを明確に定義し、それからリソースのニーズを現実的に予測した場合に成功の確率が高まります。より的確に予測するためには、以下の秘訣を試してみてください。

  • チームで予測を行い、個人的なバイアスを減らす

  • プロジェクトの潜在リスクを予測プロセスに含める

  • より幅広い可能性を対象に含めるために、特定の値ではなく範囲を予測する

  • より一貫性のある予測を行うために、毎回同じ予測テクニックを使用する

最初のリソース予測が正確であるほど、後で問題が発生してリソース平準化を実施する場合に大きな変更や見直しを行う必要がなくなります。

リソース平準化はツールを使用して効率的に進める

リソース平準化について、その定義とメリット、実践例、取り組み時のヒントを解説しました。リソース平準化はプロジェクト管理手法のひとつとして、プロジェクトを期限内に完了するために用いられます。投入可能なリソースの配分にリソース平準化テクニックを使用して、限られたリソースを最大限に有効活用しましょう。

リソース平準化には確かなリソース管理スキルが必要ですが、ワークマネジメントソフトウェアを使えば、プロジェクトの調整スキルを新たなレベルへと高められます。リソース平準化を用いて決定した過去の戦略は、IT テンプレートマーケティングテンプレートなど、チーム用にカスタマイズされたテンプレートと組み合わせ、今後のプロジェクト計画やスケジュールの策定に使用しましょう。

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