プロジェクトの立ち上げ: 成功するプロジェクト管理のはじめの一歩

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil2022年6月4日
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概要

プロジェクトの立ち上げフェーズには、新規プロジェクトの強固な土台を確実に作ることができます。これは 5 つのプロジェクト管理フェーズの第 1 のフェーズであり、そのプロジェクトを行う目的や、プロジェクトによってもたらされるビジネスバリューの概要をまとめます。次に、その情報をもとに主要な関係者の賛同を取りつけます。この記事では、プロジェクトの立ち上げフェーズが重要な理由を解説し、プロジェクトを正しくスタートさせるための重要な 4 つのステップを紹介します。

「一番初めから始めましょう、始めるにはぴったりだから」

私たちはオーストリアのアルプス山脈を背に、「ドレミの歌」を歌おうというわけではありませんが、ジュリー・アンドリュースの示唆に富むアドバイスは、音楽だけでなく、プロジェクト管理にも当てはまります。よいスタートとは、成功するプロジェクト管理に必要な土台を固めること。プロジェクトの立ち上げフェーズによって、すべての条件を確実にクリアしてプロジェクトを開始できます。

プロジェクトの立ち上げとは?

プロジェクトの立ち上げとは、新規プロジェクトの開始における最初のステップです。プロジェクトの立ち上げフェーズで、プロジェクトの目的とプロジェクトがもたらすビジネスバリューを固め、その情報をもとに、主要な関係者の賛同を取りつけます。

「プロジェクトの立ち上げ」という言葉は、プロジェクトマネジメント協会 (PMI) が作成した 5 つのプロジェクト管理フェーズモデルに由来しています。PMI は、「プロジェクトマネジメント知識体系へのガイド」、別名「PMBOK® ガイド」でこのモデルの概要を説明しています。このモデルでは、プロジェクトのライフサイクルをこれらの 5 つのステージに分割します。

  • プロジェクトの立ち上げ: プロジェクトを大まかに定義し、賛同を取りつけます。

  • プロジェクトの計画: 詳細な目標とプロジェクトロードマップを作成します。

  • プロジェクトの実行: 最初の 2 つのステップで収集した情報をもとにプロジェクトを開始します。

  • プロジェクトの監視・コントロール: 重要業績評価指標 (KPI) を使ってプロジェクトの効果 (パフォーマンス) を測定します。

  • プロジェクトの終結: プロジェクトの関係者との振り返りを行います。 

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プロジェクトの立ち上げとプロジェクト計画の違い

「プロジェクトの立ち上げ」フェーズでは、ビジネスバリューを示すことを目的として、プロジェクトを大局的にとらえて定義します。主要な関係者の賛同を得て、プロジェクトが実行可能だと証明できたら、「プロジェクトの計画」フェーズに移ります。ここで、具体的な目標成果物プロジェクトロードマップをより詳細に定義します。つまり、立ち上げフェーズでは承認を得るために必要な情報を提供し、ゴーサインを取りつけたあとで、時間をかけてプロジェクト計画の詳細を決めていくのです。

プロジェクトの立ち上げフェーズが重要な理由

新規プロジェクトの開始は心が躍るものですが、いきなり計画フェーズに飛び込む前に、そのプロジェクトが実際にビジネスに価値をもたらすのか、確認する必要があります。そこで役立つのが、プロジェクトの立ち上げフェーズです。このフェーズによってプロジェクトのビジネスケースをアピールし、これから取り組む仕事が実行可能であることを順序よく証明できます。また、早い段階で確実に関係者に情報が共有されるため、必須のリソースの確保やプロジェクトの可視化が可能になり、プロジェクト開始後に、高コストの問題が起きることを防げます。

記事: プロジェクトはなぜ失敗するのか?よくある 7 つの原因と解決策

プロジェクトの立ち上げプロセス: 立ち上げの 4 つのステップ

素晴らしい新規プロジェクトを思いついたら、まず何をするべきでしょうか。ここでは、このプロジェクト管理の最初のフェーズにどう取り組むか、そして新規プロジェクトの強固な土台を作る方法を見ていきましょう。

1. プロジェクト憲章もしくはビジネスケースを作成する

この第 1 のステップでは、あなたのプロジェクトが必要な理由と、それがもたらすメリットをアピールします。これにはプロジェクト憲章か、ビジネスケースを使用します。これらの文書の基本的な考え方は同じで、どちらもプロジェクトの重要な詳細をまとめ、関係者に対してプロジェクトのピッチを行うためのものです。この二つの文書の大きな違いは、そのスコープです。プロジェクト憲章は、比較的小規模なプロジェクトにも使用できますが、ビジネスケースは、多大なリソースを必要とする、大規模なプロジェクト向けです。たとえば、会社のホームページのデザイン刷新にはプロジェクト憲章を、全社的なリブランディングにはビジネスケースを作成するとよいでしょう。

プロジェクト憲章とビジネスケースのどちらも、プロジェクトがビジネスバリューをどのように追加するのか、そして予算や設備、チームメンバーなどの特定のリソースを必要とする根拠をアピールするチャンスです。次に、この二つの文書に含まれる典型的な内容を簡単にまとめました。

プロジェクト憲章

プロジェクト憲章は、あなたのプロジェクトが重要である理由、プロジェクトの内容、プロジェクトに携わる人員などを、以下の 3 つの要素で明示します。

記事: プロジェクト憲章に必要な 3 つの要素

ビジネスケース

ビジネスケースには、プロジェクト憲章のすべての要素に加え、次の要素が含まれます。

  • 詳細な財務分析。プロジェクトによってもたらされる投資対効果 (ROI) の概算も含まれます。

  • プロジェクトのリスク分析とリスク管理計画

  • 意思決定プロセス (RACI チャートなど)、コミュニケーション計画、ビジネスケースが承認された場合、次にとるべきステップを含む、アクションプラン。

記事: ビギナーズガイド: 効果的なビジネスケースの書き方

2. 主要な関係者を特定し、プロジェクトをアピールする

次は、プロジェクト憲章またはビジネスケースについて誰の承認を得る必要があるかを判断します。これには、プロジェクトの結果に対する決定権のある主要な関係者が含まれます。たとえば、あなたが予算やリソースを求める相手である、経営トップ、プロジェクトの出資者、部門横断チームなどがこれに当たります。主要な関係者が明確でない場合は、次の問いについて考えてみましょう。

  • 誰にプロジェクトの承認を得る必要があるか?

  • プロジェクトのリソースを提供するのは誰か?

  • プロジェクトに影響を及ぼし得るのは誰か?

また、プロジェクト関係者の分析を行い、重要な関係者を見落とさないようにすることもできます。この方法では、関係者を 4 つの大きなグループに分けます。すなわち、影響力と関心の大きな人々、影響力は大きいが関心の少ない人々、影響力は小さいが関心の大きな人々、影響力も関心も少ない人々、の 4 つです。第 1 の「影響力と関心の大きい人々」の分類される人は、立ち上げフェーズでプロジェクトの承認を行うべき主要な関係者であることが多いでしょう。

記事: プロジェクトマネジメントにおける関係者の分析とその重要性

この段階で、主要な関係者のほかに、プロジェクトによって影響を受ける可能性がある個人や、プロジェクトに関心のある個人も特定しておきましょう。プロジェクトにこれらの人々の正式な承認は不要ですが、特にプロジェクトが彼らの業務に影響を与える場合は、前もって通知しておくことは有用です。また、意見やリソースの形でさらに協力を得られる場合もあります。

立ち上げフェーズで関係者の賛同を得ることは、承認や協力、リソースの確保だけでなく、プロジェクトの可視性を高め、プロジェクトのライフサイクルが進んでから、コストの高い障害が発生することの予防にもつながります。

3. 実現可能性を調査する

ここまでで、あなたはプロジェクトの賛同を求めるピッチを行い、プロジェクトがビジネスバリューを追加し、会社全体の戦略計画に沿っていることをアピールしました。今度は、あなたが使用できるリソースでプロジェクトが実現可能であることを確認するフィージビリティー・スタディを行います。

フィージビリティー・スタディとは、簡単にいえばプロジェクトが成功するかどうかの評価です。これには次の問いに答える必要があります。

  1. チームには、プロジェクトを完了するために必要なリソースがあるか?

  2. このプロジェクトには、実施に値する投資対効果はあるか?

どちらの問いにもイエスと答えられるなら、プロジェクトを前進させるだけの確固とした根拠があることになります。フィージビリティー・スタディによって、予算やリソースが不足していることがわかった場合は、それを強力な裏付けとして、関係者のところへ戻り、予算やリソースの追加を求めましょう。また、プロジェクトの ROI が芳しくない場合は、そのデータをもとに、プロジェクト計画を調整するか、方向転換してまったく別のチャンスを追求することもできます。

記事: プロジェクト管理でフィージビリティースタディを使用する方法

すべてのプロジェクトにフィージビリティー・スタディは必要か?

フィージビリティー・スタディは、会社のリソースを多大に必要とする比較的大規模なプロジェクトで使用されることが一般的です。長期的なインパクトが最小限の、小規模なプロジェクトにはフィージビリティー・スタディを行う必要はないかもしれません。また、過去に同様のプロジェクトを管理したことがある、競合他社がすでに同様のプロジェクトで成功している、過去 3 年間で、似通ったフィージビリティー・スタディを実施している、といった場合には、このステップを省いてもいいでしょう。フィージビリティー・スタディは時間とリソースを必要とするため、本当に必要かどうかを確かめてから始めてください。

4. チームとツールを編成する

プロジェクトが承認され、実現可能性も証明されたら、ここで初めてチーム、ワークスペース、ツールの編成を始めましょう。開始するに当たっての指標をいくつかご紹介します。

  • 優秀なチームがいれば、プロジェクトを成功に導くために非常に有利になります。しかし、必要な経験やスキルのあるメンバーを探すには時間がかかります。プロジェクトにゴーサインが出たら、できるだけ早い段階でこのプロセスを始めましょう。新しい従業員を雇ったり、請負業者をチームに組み入れたりする場合はなおさらです。会社の手続きに応じて、従来からいる従業員をあなたのプロジェクトに異動させるには、前もってリクエストを出さなくてはならない場合もあります。

  • チーム構造をどのようにするかを考えましょうたとえば、チームメンバー全員が一人のリーダーの部下であるような、単純な階層構造がよいのか、地理的な区分でチームを分割するほうが理にかなっているのか、といった具合です。

  • 働く場所によって、働き方に影響がある場合もあります。プロジェクトをリモートで管理しようと計画している場合は、必ず、バーチャルチームの管理に適したインフラを整えましょう。チームがオフィスで働くことになるなら、プロジェクトキックオフミーティングよりも前に、余裕をもってオフィススペースの確保をリクエストする必要があるかもしれません。

  • 適切なツールを選択しましょう。日々のタスクでチームがどのようにコラボレーションするか考えます。たとえば、あなたは、メール、Google ドキュメント、あるいはパワフルなプロジェクト管理ソフトウェアのどれを使うでしょうか。Asana のような、チームのコミュニケーションを 1 か所に集め、タスクに担当者と期日を明確に設定し、あなたのチームに合わせた方法でプロジェクトを簡単に整理できるツールの導入を検討するのも一考です。

記事: チームに適したプロジェクト管理ソフトウェアを選ぶ方法

次のステージ: プロジェクト計画

プロジェクトの立ち上げフェーズでは、プロジェクトの強固な土台を固めることができます。この段階で、プロジェクトに対するビジネス上のニーズを証明し、必要な承認を獲得したら、その実現可能性を確認した上で、チームの編成を開始します。

そこまで完了したら、プロジェクト計画の詳細を最終的に決定し、具体的な目標、成果物、マイルストーン、プロジェクトロードマップを決定できます。張り切って計画を始めましょう。ぜひ数多くの素晴らしいプロジェクトを立ち上げ、成功に導いてください。

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