大きなプロジェクトを終えて、ほっとひと息。次のステップは、プロジェクトのポストモーテム会議を開くことです。このためにテンプレートを作成すれば、次のプロジェクトでどのようにプロセスを改善すればよいか、チームと一緒に検討できます。このページでは、今後のプロジェクトの改善に役立つポストモーテムテンプレートの作成方法をご紹介します。
テンプレートを作成する登録して独自のテンプレートを作成する
優秀なプロジェクトマネージャーなら、最後の成果物が完成したからといって、プロジェクトが完了したことにはならないことを心得ているはずです。プロジェクトが完了したら、チームでじっくりと振り返り、何がうまくいったのか、何を改善できるのかなどを、プロジェクトのポストモーテムで話し合いましょう。
会議に求められる成果が不明確なために、ポストモーテム会議そのものが省略されることもよくあります。しかし、このポストモーテムのプロセスをテンプレート化することで、こうした会議の実施が楽になり、プロジェクトが終わるたびに簡単に行えるようになります。
プロジェクトのポストモーテム (死後の「検死」という言葉から転じて「事後分析」) とは、プロジェクトの最後に行う会議の一種で、うまくいったこと、改善の余地があることなどを振り返るために行うものです。これは、チームにとって、大きな成果を祝い、チームのワークフローを振り返り、次のプロジェクトに向けたプロセスの改善について話し合う絶好の機会となります。
ポストモーテムテンプレートとは、プロジェクト終了後に行うポストモーテム会議のフレームワークを作る際に役立つツールです。チームは、ポストモーテム会議を計画したり、チームメンバーが過去のプロジェクトを振り返りながらアイデアを集めたり、次のプロジェクトのためのアクションアイテムをまとめたりするために、このテンプレートを利用できます。
ポストモーテムテンプレートは、ポストモーテム会議を始める前と、その最中に使われるものです。この会議の目的は、このプロジェクトでうまくいった点、うまくいかなかった点、次回に向けてチームが改善できる点の 3 つについて、チームメンバーと話し合うことです。
この点を踏まえて、ポストモーテムのテンプレートには、次のような内容を盛り込むとよいでしょう。
うまくいった点
うまくいかなかった点
次回に向けて改善できる点
アクションアイテム
アクションアイテムの優先度
各アクションアイテムの担当者
ポストモーテムテンプレートを使うことで、企業全体で一貫したプロセスを確立し、振り返りと継続的な改善を行う企業文化を築くことができます。アジャイルプロジェクトマネジメントの手法の中には、継続的な改善を目的としたものが多いため、このテンプレートはアジャイルプロジェクトマネジメントの手法を使っているチームにおすすめです。次に、ポストモーテムテンプレートがどのようにチームの役に立つかをご紹介します。
ベストプラクティスを導入できる: ポストモーテム会議を重ねるうちに、この会議を効果的に進めるにはどのような戦略が必要かが見えてきます。また、このテンプレートを使えば、チームのニーズに合わせてリアルタイムにベストプラクティスを調整できるので、テンプレートを更新するだけで、すぐに次のプロジェクトに反映できます。
調整可能なテンプレート: 多くのチームが、さまざまな戦略の出発点として多種多様なテンプレートを使用しています。ポストモーテムのプロセスに慣れていない場合、テンプレートを使えば、スムーズに作業を始められます。その結果、自分たちに合ったプロセスを見つけられるチームもあるかもしれません。組織で共通の基本的なポストモーテムテンプレートを使用している場合でも、チームごとに、自分たちのニーズに合わせてテンプレートを調整することもできます。
一貫性を確保する: プロジェクトが終わるたびにポストモーテムやレトロスペクティブ (振り返り) の会議を行っていると、次第にチームもその流れに慣れてきます。ポストモーテムテンプレートを使用すれば、このような会議を一貫して行うことができ、チームはこのリズムに合わせて準備を始めるようになります。そうすると、チームはプロジェクトが終わるたびに会議が開かれることを前提に仕事を進めるようになり、次のプロジェクトの改善に役立つ、具体的なフィードバックを提供できるようになります。
ポストモーテムのテンプレートは、特定の場面で使うととても便利なツールです。次に、その中でも特におすすめの場面をご紹介します。
ポストモーテム会議: ポストモーテム用テンプレートは、ポストモーテム会議と組み合わせて使われることを想定して作られています。このテンプレートを使って、その会議であがった今後のアクションアイテム、決定事項、成果物を記録します。
インシデント発生後の対応: サーバーダウンや重大なインシデントが発生した場合、その状況を振り返り、問題の根本原因を特定することが大切です。ポストモーテム分析用のテンプレートを使用すれば、インシデント対応を行うたびに同じ手順を踏むことができます。
ポストモーテムワークフローの自動化: デジタルプロジェクト管理ソフトウェアの中には、アンケートやフォームをプロジェクトやテンプレートに関連づけられるものがあります。チームが、ポストモーテム会議前にポストモーテム調査やアンケートを使用する場合、会議が始まる前に重要なポイントをあらかじめ入力しておくことができます。これにより、会議を合理化し、プロジェクトのポストモーテムをさらにスムーズに進めることができます。
ボードビュー: ボードビューとはプロジェクトの情報を複数の列で表示するかんばんボード形式の表示スタイルです。「To-Do」「進行中」「完了」など、タスクのステータスに基づいて整理するのが一般的ですが、各列の扱いはプロジェクトのニーズに合わせて調整できます。それぞれの列ではタスクはカードとして表示され、タスク名、期日、カスタムフィールドなどの関連情報も併せて表示されます。タスクは進行するにつれてステージを進んでいくので、プロジェクトの進捗を一目で確認できます。
フォーム: メンバーがフォームに入力すると、Asana のプロジェクト内に新しいタスクとして表示されます。フォームを介して情報を取り入れることで、仕事を開始する方法や必要な情報を集める方法を統一し、仕事の見落としを防ぐことができます。リクエストをその場限りのプロセスとして処理するのではなく、標準のシステムやメンバー全員が回答しなければならない一連の質問を作成するとよいでしょう。あるいは、ブランチ機能を用いて、ユーザーの過去の回答に基づいて質問を調整する手もあります。フォームは、入ってくるリクエストを管理するために費やす時間と手間を省く効果があり、チームはより多くの時間を重要な仕事に使えるようになります。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、仕事のタグ付け、ソート、絞り込みにぴったりの方法です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが瞬時にわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
マルチホーミング (タスクを複数のプロジェクトに追加する): 仕事には部門間のつながりが不可欠です。チームはさまざまな部門と効果的に協力し合う必要があります。しかし、各部門が独自のファイルシステムを使っていると、仕事が滞り、サイロ化します。Asana を使用すると、複数プロジェクトのタスクの追跡、管理が簡単になります。これにより仕事の重複を減らし、チーム間の可視性を向上させることができるだけでなく、チームは、タスクを背景情報と一緒に確認でき、誰が何に取り組んでいるのか把握できるため、チームとタスクのつながりを維持できます。
Jira: 技術部門とビジネス部門をインタラクティブにつなぐワークフローを作成し、製品の開発状況をリアルタイムで見える化します。しかも Asana を離れる必要はありません。プロジェクトのコラボレーションと引き継ぎを合理化し、Asana 内ですばやく Jira の課題ログを作成することで、適切なタイミングで技術部門とビジネス部門の間で仕事をスムーズに引き渡せるようになります。
Zendesk: Asana と Zendesk を連携させることで、ユーザーは Zendesk のチケットから直接 Asana のタスクをすばやく、簡単に作成できるようになります。コンテキストの追加やファイルの添付、既存のタスクへのリンクを介して、チケットをクローズする上で必要な作業を管理できます。この連携により、両システム間でシームレスな可視性が生まれるため、メンバー全員が最新情報をリクエストしなくても、進捗を把握できます。
Gmail: Asana for Gmail の連携を使用すると、Gmail の受信トレイから直接 Asana タスクを作成できます。Gmail から作成するタスクには、それまでの経緯を完全に把握できるよう、メールのコンテキストが自動的に含まれるようになっています。メールの作成中に Asana タスクを参照する必要があるときは、わざわざ Asana を開かなくても、Asana for Gmail アドオンを使い、直接 Gmail の受信トレイから簡単にそのタスクを検索できます。
Slack: Slack 上にあるアイデアや仕事のリクエスト、アクションアイテムを追跡可能な Asana のタスクやコメントに変換しましょう。ちょっとした質問やアクションアイテムが、期限と担当者つきのタスクに変わります。仕事を簡単に取り込めるので、やるべきことが Slack の中に埋もれ、流れることはありません。
ポストモーテムテンプレートを作成して、今後のプロジェクトをスムーズに進めましょう。