一般社員もリーダーとして活躍できる方法

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil2022年6月27日
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概要

マネージャーになることだけがキャリアアップの道ではありません。この記事では、管理職への昇進をプレッシャーに感じることなく、一般社員がリーダーシップスキルを身につけ、チームにインパクトを与えられるようサポートする具体的な方法を 7 つご紹介します。

管理職への昇進は、昔から出世の目安とされてきました。仕事で成果を上げれば、チームを管理する立場に昇進するという、なんともわかりやすい流れでした。

しかし、この従来のキャリアの歩み方では、ある重要な事実が見落とされていました。それは、誰もがマネージャーになりたがっているわけではない、という事実です。優秀な一般社員は、優秀なマネージャーと同じくらい価値がある存在です。このような人たちは、まさに真の専門家でありリーダーであり、チームが問題解決や現場での指導を任せられる存在なのです。一般社員は他人を管理する立場ではありませんが、組織にプラスの変化をもたらせます。

一般社員が活躍できる環境を整えるには、管理職を育成するのではなく、リーダーを育成することが必要なのです。

一般社員とは

英語で Individual Contributor (個人貢献者、略称 IC) とは、チームに貢献するものの、他の従業員を管理することはない、社員やフリーランスなど個人のメンバーを指します。この記事では「一般社員」という言葉を使います。マネージャーではないといっても、必ずしも新卒の従業員とは限りません。ソフトウェアエンジニア、アニメーター、熟練した営業担当者など、長年にわたって専門的なスキルを身に付けてきた人たちである場合が多いのです。また、一般社員は管理職ではありませんが、リーダーとして、プロジェクトを推進したり、専門的なアドバイスをチームに与えたりすることができます。

一般社員とマネージャーの違い

企業が成果を上げるには、一般社員とマネジャーの両方が必要です。マネージャーは、経営レベルの戦略を提供し、ブロッカー (問題点) を取り除き、従業員が仕事の目標を達成するために必要なサポートとリソースを確保するために欠かせない存在です。また、チームに対して仕事の方向性を示し、1 対 1 の指導を行い、部門横断チーム間の橋渡し役も担います。

マネージャーのおかげで、一般社員はキャリアコーチやメンターといった役割ではなく、自分の専門的な仕事に集中できます。一般社員は、アプリのコーディングやブログ記事の執筆など、仕事を通じて成果を出し、プロジェクトを実行する存在です。そのため、会議に参加する時間はマネージャーよりも短くなりがちです。そして、個人貢献者としての役割を担う人たちは、タスクを達成するために、邪魔されない形で長い時間集中できる環境が必要なのです。

役割の違い、スキルの違い

一般社員として使うスキルと、マネージャーに求められるスキルはまったく別物です。優れたマネージャーになるにはトレーニングが必要です。作家が優れた作品を生み出すために時間をかけて腕を磨くのと同じように、マネージャーもスキルを身につけ、成長しなければならないのです。また、一般社員が自分の専門分野における特定のスキルに焦点を当てるのに対し、マネージャーはコミュニケーション対立解決、戦略的思考、心の知能といった幅広いスキルを培う必要があります。

これは、一般社員を管理職に昇格させる際に忘れてはならないポイントです。デザインやプログラミングの専門家だからといって、すぐにチームをまとめられるようになるとは限りません。優秀な一般社員をただ昇進させて終わりにするのではなく、きちんとしたトレーニングを行い、新しくマネージャーとなった人が必要なスキルを身につけ、活躍できるようサポートしなければなりません。

誰もがマネージャーを目指しているわけではない

昔からの典型的なキャリアパスと言えば、一般社員が仕事で活躍し、マネージャーに昇進し、どんどん大きなチームを率いて出世の階段を上り、最終的には部長や経営幹部になるという流れが定番でした。これまで成功をこのように定義してきたため、結果としてたくさんの個人貢献者が管理職に就くことをプレッシャーに感じるようになりました。たとえ一般社員の仕事にやりがいを感じていたとしても、管理職になることが唯一の昇進ルートであるかのように感じてしまうのです。

実際のところ、世の中には管理職への昇進を目指さない人もいます。もちろん、それは問題ない選択肢です。専門的なスキルを持つシニア一般社員は、プロジェクトリーダーや専門家と同じように、チームにとって貴重な存在です。シニア一般社員は、その経験を活かしてチームメンバーを指導し、専門分野の複雑な問題を解決できるため、その分、マネージャーは経営レベルの戦略に専念できます。

理想的には、どの企業にも管理職を目指さない一般社員向けの成長路線があれば、一般社員は管理職に就くことを強いられていると感じることなく、自分のスキルを伸ばし、キャリアを発展していけるでしょう。会社の役割構造を変えることは必ずしも簡単ではありませんが、一般社員が貴重な経験を積み、キャリアアップできるようサポートすることは可能です。その秘訣は、マネジメントではなく、リーダーシップに焦点を当てることです。

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントは別物です。Asana の共同創業者 Dustin Moskovitz によると「マネジメントとは、優先順位の設定、優先順位の評価、雇用や解雇の決定、報酬の決定など、オペレーション的なもの指す」そうです。これらは、どんなマネージャーにも必要なとても具体的で大切なスキルです。

一方、リーダーシップとは、チームにやる気を起こさせ、成長を促し、仲間の問題解決をサポートすることに重点を置いたものです。たとえ一般社員がチームを管理していなくても、仲間に影響を与え、組織にポジティブな変化をもたらすリーダーとなることは決して不可能ではないのです。

記事: リーダーシップとマネジメントの違いとは?

一般社員をリーダーに: 成長への道筋

マネージャーという肩書きがなくても、優れたリーダーになれます。ここでは、一般社員がリーダーシップを発揮し、キャリアアップするための方法をご紹介します。

1. 一般社員の目標を尋ねる

まず、一般社員のキャリア開発をサポートするためには、その人の長期的な目標や動機を把握することが大切です。目標は人それぞれなので、自分の目標と違っていても大丈夫です。管理職に就きたい人、専門技術を身につけたい人、チームの一員になりたい人、安定していてサポートが受けられる職場環境を求めている人など、さまざまな人がいます。どれも立派な動機であり、それぞれに合ったキャリア開発が必要なのです。つまり、一般社員が何を望んでいるかを知ることで、その人が望む形でキャリアアップをサポートできるのです。

2. 透明性を保つ

一般社員の役割によって、成功の定義が異なります。たとえば、IT 担当者であれば、従業員に満足のいく技術サポートを提供することで成功したと言えるでしょうし、セールス担当者であれば、重要な商談を成立させることで成功したと言えるでしょう。どのような一般社員の役割であっても、期待される成果を定義し、成長の道筋を明確にすることが不可欠なのです。そうすることで、従業員は職場で活躍するために何をすべきかを正確に把握できます。

企業によっては、役割ごとに「サクセスガイド」を作成することでこれを実現しています。サクセスガイドでは、その役職の主な担当業務を定義し、その担当業務を役割のレベル別に分類します。たとえば、レベル 1 のソフトウェアエンジニアは開発タスクを完了することを担当し、レベル 4 のソフトウェアエンジニアは複雑な開発プロジェクトを計画し、調整することも担当するといった具合です。このシステムを使う場合、一般社員が現在のレベルを把握し、次のレベルに移るために必要な能力を理解することが重要になってきます。

3. 責任範囲を設ける

Asana では、チームメンバーに特定の Area of Responsibility (AoR、責任範囲)、つまりその人が最終的な意思決定権を持つ領域を割り当てています。管理職ではないチームメンバーは、リーダーとして成長し、オンボーディング、社内文書、顧客パートナーシップなどの特定のビジネス領域で責任を担う機会を得ます。Asana は、AoR を担当するメンバーが、担当分野に関する知識を深め、必要に応じて問題を解決し、質問に答え、重要な意思決定を行えるようにサポートしています。

たとえば、あなたは IT 部門に所属しており、チームメンバーの一人がソフトウェアアップデートの管理を担当しているとします。その人は AoR 担当者として、ソフトウェアのアップデートについて従業員に連絡し、今後のアップデートに関する質問に答え、問題を解決し、社内のソフトウェアに関する文書を最新の内容に保つ役割を担っています。ソフトウェアのアップデートが行われる際には、チーム (そして会社) にとってリーダー的な役割を担い、アップデートがスムーズに行われるように努めます。

4.一般社員がメンターになれるようにサポートする

リーダーとは、仲間に影響を与え、指導する人のことです。メンターになれば、同僚を管理する責任を負うことなく、こうしたスキルを身につけられます。また、将来的に管理職を目指す一般社員にとっては、対人コミュニケーション、心の知能、対立解決などの重要なマネジメントスキルを磨く機会にもなります。

メンターシップにはさまざまなタイプがあります。何から始めたらよいかわからないという方のために、チームの一般社員にメンターシップの場を与える方法をいくつかご紹介します。

  • 新入社員一人ひとりにメンターを割り当てる: 新入社員のメンターは、通常、同じチームの同僚が担当し、定期的に新入社員と顔を合わせます。つまり、新入社員にとってメンターは、上司以外に相談できる相手であり、何か問題があれば気軽に相談できる存在なのです。

  • ベテランの一般社員と経験の浅い一般社員をペアにする: もしチームに新入社員がいない場合は、経験に応じてメンバーを組み合わせるのもよいでしょう。たとえば、長年経験を積んできた社員に、あるプロジェクトで経験の浅い従業員とパートナーを組むようにすすめます。そうすれば、メンターは新入社員の仕事ぶりを見てフィードバックをしたり、月に一度、コーヒーを飲みながらキャリア目標について話し合ったりする機会を持つことができます。

5. プロジェクトを管理する機会を設ける

プロジェクトのリーダーとなり管理することで、一般社員は自分のスキルを伸ばし、チーム外の他部門のパートナーと協力して働く術を身につけられます。プロジェクト管理は、コミュニケーション問題解決などのソフトスキルだけでなく、予算編成関係者管理などのハードスキルの向上にも役立ちます。プロジェクトのリーダーを担当することで、一般社員は自分のプロジェクトに責任を持つことができ、その結果、自信を持ち、仕事へのエンゲージメントを高められるようになります。

もし、一般社員が初めてプロジェクトのリーダーを務めるのであれば、少しばかり手間をかけてサポートしましょう。こうして最初に手ほどきをすることで、一般社員は自信とノウハウを身につけ、将来、さらに複雑なプロジェクトに取り組めるようになります。そして、この先、あなたがマネージャー業務で手いっぱいになったときに、プロジェクトを任せられる人材が生まれるのです。

記事: プロジェクトマネージャーになるために知っておくべきすべてのこと

6. 学習に重点を置く

一般社員には、それぞれの分野の専門家になれる貴重な機会があります。それは、複数の従業員の管理に時間を割く代わりに、自分の仕事に打ち込み、日常的にスキルを磨けるからです。管理職に昇進することを望まない一般社員は、OJT (現任訓練)、学習や能力開発コース、会議、同僚との会話などを通じて知識を深めることに専念できます。そうすることで、他のチームメンバーから信頼される専門家や講師的存在になれるのです。

記事: キャリア開発計画 (PDP) と 6 つの作成ステップ

7. 成功を認識する

マネージャーになることは、キャリアアップの道のほんの一例にすぎません。一般社員が管理職に就くことを望んでいない場合は、インパクトのある成果をあげられるようサポートすることに重点を置き、その成果をきちんと評価することが大切です。たとえば、一般社員がリーダーを務め、プロジェクトを成功させた場合、チーム、他部門の関係者、そして組織全体に対するそれぞれのインパクトを具体的に伝えます。

こうすることで、一般社員は、たとえマネージャーでなくとも、自分の専門知識が評価されていると実感できます。また、一般社員の仕事がマネージャーの仕事と同じように大きなインパクトを与えることを示すことで、「管理職への昇進 = 成功者」という固定観念を打ち破ることにもつながります。その結果、チームへの定着率を高め、一般社員との関係を改善し、チーム文化を強化できます。

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