インポスター症候群を自信に変える、個人や管理職のための 15 のヒント

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年8月11日00
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概要

インポスター症候群に悩んでいる個人の方や、チームメンバーのインポスター症候群を防ぎたい管理職の方のために、Asana が有益なヒントをご紹介します。この記事ではインポスター症候群とは何か、またそれを乗り越える方法を、個人と管理職両方の視点からご紹介します。また、インポスター症候群に悩まされた経験のある Asana 社員が、どのようにしてそれを克服したのか、それぞれの経験談をお読みください。

誰もインポスター (詐欺師) のような気分で働きたくないものです。しかし、インポスター症候群というものは実際に存在します。自分には居場所がない、自分には今の仕事はふさわしくない、そう感じたことがあるなら、それはあなただけではありません。

インポスター症候群とは?

インポスター症候群とは、仕事における達成に関する自己不信感のことです。今の仕事は自分に釣り合わず、自分が詐欺師であるかのように感じてしまったり、あたかも仕事ができるかのように同僚をだましているように感じてしまう、という症状もよく見られます。

症状は他にもこんなものがあります。

  • 今の自分があるのは、自分のスキルや能力のおかげではなく、ただ運がよかっただけだと感じてしまう。

  • 自分の価値を、主観的に見た自分の能力に基づいて判断してしまう。

  • 満足な成果を上げるためには、完璧主義者である必要があると感じてしまう。

  • より多くの仕事をこなすために、自分の生活を犠牲にしている。

  • 孤独を感じていたり、本当の姿がばれないように孤立したほうがいいと感じている。

  • 過労やバーンアウト (燃え尽き症候群) による精神的不調。

  • そんな証拠はないのに、自分はそれほど有能ではないということをいつか誰かに見抜かれるような気がしている。

こんな症状に心当たりがあっても心配は要りません。Asana の調査では、およそ 3 分の 2 (62%) ものナレッジワーカーが、インポスター症候群を経験したことがあると回答しています。

インポスター症候群は新入社員だけではなく、どんな人でも陥る可能性があります。実は上級職に就いている人ほど、インポスター症候群に陥る可能性が平均より高い傾向にあります。

インポスター症候群の特徴

インポスター症候群の症状は人によって少しずつ異なりますが、一般的なインポスター症候群の特徴として以下のようなものがあります。

  • 自己不信

  • 自分のスキルや能力を現実的に評価できない

  • 自分の成功を運のような外的要因のおかげだと思い込む

  • 自分の能力不足を恐れる

  • 自分の成功を無意識に妨害している

  • チームメンバーとの関わりを断っている

  • 完璧主義

  • 過労やバーンアウトの状態にある

  • 高すぎる基準を自分に課している

  • 自己評価が低い

  • 失敗を恐れる気持ちが強い

  • 自分に自信がない

記事: 働き過ぎの人やチーム必見、仕事とプライベートのバランスを取り戻すための戦略

インポスター症候群の歴史

元々は「インポスター現象」と呼ばれていたインポスター症候群は、ポーリン・R・クランス博士とスザンヌ・A・アイムス博士の著書、『The Impostor Phenomenon in High-Achieving Women: Dynamics and Therapeutic Intervention』(成功している女性のインポスター症候群: そのダイナミクスと治療的介入) で初めて紹介されました。1978年に出版されたこの本では、優秀な仕事ぶりが公に認められた、150 人の成功している女性に対するインタビューが行われています。しかしその多くは、自分の成功は運によるものだと考えていたり、自分の功績は誇張されていると考えていたのです。

こうしたインポスター的感情の影響を受けるのは 1970年代の女性だけではありません。現代でもあらゆる職業の成功者やプロがその影響を受けています。

1985年、ポーリン・R・クランス博士はインポスター症候群の研究をさらに進め、「Clance impostor phenomenon scale」(クランス式インポスター現象尺度) という、インポスター症候群を測定する最初の尺度を発表しました。この尺度では、インポスターシンドロームを以下 6 つの側面から測定します。

  1. インポスターサイクルを持つ

  2. 特別または一番でありたいという気持ちがある

  3. スーパーマンやスーパーウーマンのような特性を持つ

  4. 失敗への恐れがある

  5. 能力を否定したり称賛を受け入れない

  6. 成功に対する恐れや罪悪感がある

インポスターサイクルとは?

インポスターサイクルとは、インポスター的な感情の循環的な性質です。このサイクルは、タスクが割り当てられるところから始まります。この時点で、インポスター症候群の人は不安や自己不信を感じます。こうした感情が、先延ばしまたは完璧主義のいずれかにつながります。

コロナ禍のインポスター症候群

2020年の過去に類を見ないような状況も、インポスター症候群増加の原因となりました。実際に世界中のナレッジワーカーの 47% が、インポスター症候群のような感覚が 2020年に増加した報告しています。自宅など分散した環境下で働く中で、チームから孤立しているように感じてしまうのも無理はありません。

リモートワークによって人とつながる機会や成功を祝う機会が減ることで、インポスター症候群が深刻になってきています。組織はリモート勤務でも日常的に仕事が認められ、支持されるような環境と、新入社員が自信を持てるようなサポート体制を整える必要があります。

あなたは一人ではありません

インポスター症候群は対処の難しい問題です。自分が詐欺師のように感じられても、その気持ちを他人に打ち明けるのは難しいでしょう。またマネージャーの場合はチームをサポートしたくても、インポスター症候群を発見して対処することはそう簡単ではありません。

あなたがどんな立場にありどんな気持ちを感じていたとしても、あなたは一人ではありません。世界で働く人々の 62% がインポスター症候群を経験しているというデータがあります。データにあまり興味がない方には、同じような体験をした人の話をお届けします。ここではインポスター症候群に関する Asana 社員の言葉をご紹介します。

“インポスター症候群は人々が考えるよりずっと一般的なもので、どんな立場にあっても起こるものです。むしろ、上の立場になって責任が重くなるほど悪化します。だからこそ、しっかりと戦略を立ててこの問題を認識し、対処することが重要なのです。” – Andrew

“否定したくなるかもしれませんが、聞いてください。重要なのはあなたがどこから来たかではなく、あなたがこれからどこへ行くかです。” – Rishika

“あなたが尊敬する先輩も、かつてはその分野について何も知らなかったのです。実はあなたが思うより人々には思いやりがあり、あなたを助けてくれたり質問に答えてくれたりするものです。” – John

“同僚の肩を叩いてすぐに協力してもらうことができないような状況ではインポスター症候群のような気持ちが強くなりますが、あなたが今の立場にいるのはチームがあなたを信頼しているからだということを忘れないでください。” – Asana チームのメンバー

“仕事やプライベートでの独自の経験が、あなたの考え方を特別で価値あるものにしているのです。緊張しても自分の考えを共有することが、チームでよりよい答えを導き出すことにつながります。” – Erica

“「自分は成長できる」と思っていいのです。「まだよくわからない」という言葉を使ってみましょう。そうすれば、何か知らないことがあっても、それがこの世の終わりではないと自分に言い聞かせることができます。あなたには、それを理解するチャンスがまだあるのですから。” – Leah

“自分を他人と比較しないようにしましょう。人は皆異なる道を歩んでいて、あなたは他人の道の始まりを見ていないだけかもしれません。自分の力不足を責めるのではなく、自分よりも経験豊富な人たちから学ぶようにしましょう。” – Robert

“キャリアアップは難しく、怖いものです。時には自分の手を広げて新しい何かに挑戦することで、自己不信感に見舞われることもあります。でも、あなたは一人ではありません!自信を持つためにサポートやアドバイス、評価が受けられないか、信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。一番厳しい批評家は自分自身ということもあります。” – Asana チームのメンバー

“私は経験豊富なリーダーでさえも不安や自己不信を感じていると気づくまで何年もかかりました。自分が何をしているのかよくわからなくてもいいのです。ほとんどの人がそうですから!上司に率直に気持ちを伝えましょう。そうすれば、あなたが自分の居場所を認められるようサポートしてくれるでしょう。” – Jessica

“最近聞いて心に響いた言葉があります。「人は自分が心の中で批判している自分の姿と、他人が外側に見せる他人の姿を比べている。」” – Dave

“自分の「理想の姿」や「本当の姿」がわからなくても大丈夫。人生は発見です。自分は誰かをまねているだけの存在だと思うのではなく、学び、適応するための猶予を自分に与えましょう。” – Rose

記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響

インポスター症候群に対処するための 9 つのヒント

もしあなたがインポスター症候群に悩んでいるなら、そういった感情を減らすためにできることはたくさんあります。一番重要なのは、そんな風に感じるのは決して異常なことではなく、「あなただけではない」ということを忘れないことです。成功したいと思っていても、自分はそれほど仕事ができないと思うのはよくあることです。そんな気持ちが、だんだんとインポスター症候群へと変化していくのです。

しかし、時間をかけて努力すれば、インポスター症候群は乗り越えられます。ここでは、その方法をご紹介します。

1. 事実に焦点を当てる

インポスター症候群になると、自分は今の仕事に向いていないと感じます。実は多くの場合、この気持ちは現実ではなく恐怖心に基づいています。インポスター症候群に対処する一番の方法は、自分の感情を事実と切り離すことです。

Conscious Leadership Group は、これを「事実対ストーリー」と呼んでいます。「事実」とは、ビデオカメラに映るもののような、目に見える真実のことです。「ストーリー」とは、そういった事実に関するあなたの解釈です。

脳がストーリーを作り出すのを止めることはできませんが、事実を中心に考えることはできます。今度インポスター症候群のような感覚に陥ったときは、その状況の「事実対ストーリー」を考えるようにしましょう。たとえば、チームミーティングで自分の意見を述べた後に申し訳なく思ったなら、チームメンバーが実際に言ったことに焦点を当ててみましょう。

インポスター症候群には、事実で対抗しましょう。定期的に自分の気持ちと事実を振り返る時間を取ることで、自分にコントロールできないものを手放すための具体的なステップが見いだせます。

2. 認識し、承認し、そして手放す

出来事に対するあなたの解釈が「ストーリー」であるからといって、その感情には価値がないというわけではありません。インポスター症候群の対処法は、自分の感情を無視することではなく、むしろ自分の気分が落ちていることを認識し、それが大丈夫であると承認し、その感情が現実に基づいていない場合はそれを手放すことが、一番の対処法なのです。

私は簡単な手順で認識と承認、気持ちの切り替えを行っています。インポスター症候群に気づき、その名前を付け、認めることで、自分の気持ちをコントロールできるようになります。自分の気持ちを分析したり、承認するのに役立ちます。まずは自分にこう問いかけます。「何か取り組むべき現実的な問題があるのか、それともこれはただの自己不信か?」大抵はこのステップで自分の感情は本物であるものの、頭の中にしか存在しない問題だということがわかります。そうしたら、気持ちを切り替えます。それは感情を無視するということではなく、そういった感情が生まれても前へ進み、目標を達成するということです。

3. 自分の気持ちを共有する

インポスター症候群は強い孤立感をもたらします。しかしこれまでお伝えした通り、これは仕事において本当によくあることです。世界中のナレッジワーカーの 3 分の 2 近くがインポスター症候群を経験しています。なので、今度そんな気持ちになったときはその気持ちを誰かと共有してみましょう。

自分の気持ちを共有することには、2 つのメリットがあります。

  1. 感情を内にとどめず認識することで前へ進める。インポスター症候群の感情は隠していると徐々に大きくなり、対処が難しくなります。感情を誰かと共有することは、その感情を認識し、インポスター症候群克服への道を進むための有効な手段です。

  2. 他にもインポスター症候群を経験している人が見つかる可能性がある。残念なことに、インポスター症候群は職場で発生しがちな現象です。あなたが相談した人も、インポスター症候群を経験したことがあるかもしれません。そういった人が見つかることで、そんな気持ちになっているのは自分だけではないと感じることができます。

私が Asana に入社したとき、私が働くチームの規模は 50 人から 1000 人以上になりました。きっと圧倒されるだろうと思っていました。しかし自分の気持ちをチームに伝えると、不安や自己不信感、自分を偽っているかのような感覚はすべて消え去りました。チームは全力で私をサポートし、それぞれ経験を共有し、私を自信付け、励ましてくれました。

4. 証拠を探す

自分の気持ちを認めたり共有したりしても効果がなければ、証拠で気持ちに対抗しましょう。インポスター症候群は多くの場合、事実に基づいていません。事実に焦点を当てて、感情に対抗しましょう。

予定通りに仕事が進まないとよく感じる人は、最近のプロジェクトを振り返ってみてください。自分が行った仕事を確認して、その感情が事実に基づいているか判断しましょう。それが事実であるなら、あなたは改善に向けて取り組める具体的な何かを見つけたことになります。事実でないなら、次に頭の中から自分の力不足を責める声が聞こえてきたときはその事実を使って対抗しましょう。

自分の仕事を振り返る簡単な方法がない場合は、Asana のようなワークマネジメントツールをお試しください。こういったツールは自分の仕事を整理し、過去のプロジェクトを振り返り、今後の取り組みを成功させる準備を整えるのに役立ちます。

迷ったときは、自分がユニークで、才能があり、スキルを持っている証拠を探します。必要に応じて、過去の経験や他の人からもらったフィードバックを利用することもあります。そうすることで、他人から不適格だったり力不足だと思われているような気持ちになったとき、その感情と具体的な証拠を比べることができます。もし具体的な証拠があった場合は、その状況を改善するために何か自分にできることはあるかを考えます。

5. 自分の思考を言い換える

思考には大きな力があります。あなたの世界との接し方には、現実をポジティブにも、ネガティブにも変える力があります。

ネガティブな心の声によく悩まされる人は、自分の心の声をモニタリングして、可能であれば修正してみましょう。このテクニックではすぐに効果は出ませんが、時間をかけて行うことでよりポジティブに対処できるようになります。

たとえば、次にミスをしたときは「ひどいミスだった」と考えるのではなく、「あれは最高の出来ではなかったけど、次はもっとうまくやれる」のように考えるようにしましょう。心の中の言葉を言い換えることで、より協力的な脳に作り替えることができます。

言葉遣いを変えることには、大きな効果がありました。「手伝った」「サポートした」「調整した」というような受動的な言葉の代わりに、「私がリードした」「共同作業をした」「パートナーを組んだ」など、より強い、自信に満ちた言葉を使うようにしました。

6. メンターを探す

インポスター症候群に立ち向かうために、積極的にハードスキルとソフトスキルを鍛えましょう。そうすることで「自分は力不足だ」というような声が頭の中で聞こえても、「今向上しているところだ」と言い返すことができます。

そのためには、メンターを見つけることが有効です。自分の会社や業界で、実用的なアドバイスをくれたりサポートしてくれる人を見つけましょう。尊敬している上司や、他の会社のリーダーでも構いません。

その分野で尊敬できる人を見つけて、その人から学べる立場に身を置きましょう。その人が信頼できる人であれば、インポスター症候群の気持ちも共有しましょう。私がメンターに気持ちを打ち明けたとき、メンターは私がそんな風に感じていたことに驚いていました。それが大きな自信につながりました。
記事: ハードスキルとソフトスキルの違い: Asana チームメンバー 14 名の例

7. チームメンバーから学ぶ

インポスター症候群の一般的な特徴の一つに、自分を同僚と比べて、自分の方が仕事ができないと感じてしまうというものがあります。人はつい自分を誰かと比較したくなってしまうものですが、そんな感情を別の形に変える方法はたくさんあります。

今度自分を同僚と比較したくなったら、一歩引いて、その同僚から自分が何を学べるかを考えてみてください。実際、あなたの所属するチームの中にはあなたよりも優れた点を持っている人もいるでしょう。だからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。それはあなたにとって学びの機会となります。同様に、あなたにも同僚の成功のために共有できる独自の才能やスキルがあるのです。

他の人の素晴らしい仕事を見たときは、自分の力不足を感じるのではなく、その仕事を保存することにしました。他人の仕事は、比較して自分を評価するためのものではなく、自分の仕事をより良くするためのツールとして捉えるようにしています。本当に質の高い仕事を成し遂げるために足りなかったものは、設計図だったということもあります。それに、他の人だって自分の仕事の一部を他人からもらっていることはよくありますからね。

8. インポスター症候群を予期して影響を抑える

特定の何かが起こった後に、いつもインポスター症候群になっていることに気づくこともあるかもしれません。そういう場合は対処できるように事前にその状況に備えておきましょう。

たとえば、よくチームのパフォーマンス評価のプロセスで自己評価を記入しているときにインポスター症候群になってしまうとします。そういった振り返りがストレスになるような場合は、四半期や一年の間に達成したことをリスト形式でコラボレーションソフトウェア上に記録するようにしましょう。そうしておけば、パフォーマンス評価の段階ではすでに自己評価が完成しているので心配する必要もなくなります。

恐怖心を受け入れても、あなたの代わりに運転席に座らせてはいけません。私は会議で発言するのが怖いということを認めています。でも、発言しないことにしたときは自分の意図を確認するようにしています。何も付け加えることがなかったからなのか、それとも恥をかくのが怖いだけなのか。後者であれば、怖いもの知らずになる日を待つのではなく、怖がりながらも行動する自分を受け入れるようにしています。

9. 誇らしく語る

正面から立ち向かうのがインポスター症候群への一番の対処法ということもあります。今度何かがうまくいったと感じたときは、それを祝いましょう。できるようであれば、その成果をチームとも共有しましょう。もしまだ今は難しいようであれば、友達や家族など、仕事関係以外の人と共有しましょう。

自分を褒められるのは、いい成果を出せたときだけではありません。自分の持っている資質やスキルのリストを作ってみましょう。「営業に長けている」など役職特有のものでも、「いつもチームメンバーを支えている」のようなもっと一般的なものでも構いません。そのリストをこれまでに上司や同僚から受けたフィードバックと併せて保管しておき、元気を出したいときに見直すようにしましょう。

私はチームの人たちからもらったフィードバックをピックアップして集めています。Slack の何気ないメッセージから、しっかりとしたパフォーマンス評価まで色々あります。悪いことがあった日は、このセクションを見てその日は順調なキャリアの中での悪い一日に過ぎないのだと考えるようにしています。よいことがあった日は、このセクションで今の自分を作り上げた率直なフィードバックを見直すようにしています。

管理職がインポスター症候群を防ぐための 6 つのステップ

チームを管理している人なら、チームをサポートして、インポスター症候群の可能性を減らしたいと考えるでしょう。そのためには新入社員が初日から活躍できるようなオンボーディングが重要となります。しかしオンボーディングのタイミングでなくても、チームをサポートするために使えるテクニックがあります。さっそく見てみましょう。

記事: チームの燃え尽き症候群を防ぐためにマネージャーができること

1. 早い段階で明確な期待値を設定する

インポスター症候群対策はできれば初日から始めるべきです。期待される仕事内容、成功指標、進捗状況のチェックポイントを明確に説明することで、あなたの部下はこれから何を行うのか明確に理解できます。

まずは新しいメンバーが入社した初日に、入社 30 日後、60 日後、90 日後の期待値を設定しましょう。期待値となる目標は、オンボーディングで会社のことを学ぶ間に達成できるような短期的な目標にしましょう。そして新入社員が慣れてきたら、より長期的な重要業績評価指標 (KPI) を一緒に設定しましょう。ここで重要となるのが、目標を常に測定可能なものにし、期限を設けることです。必要に応じて SMART な目標など目標設定のための手法も活用しましょう。

私の上司は私の気持ちを理解し、私の長所を強調し、もっと成長できる点を伸ばすための具体的な手順を考えるサポートをしてくれました。
記事: よりよい SMART な目標作成のためのヒントと実例

2. すぐに交流の機会を提供する

初日から成功への道を示すだけでなく、新入社員が他のメンバーと交流できる機会を十分に設けるようにしましょう。

早い段階で新入社員にメンターをつけるのも効果的で、隣のチームの同僚をメンターにつけるのが理想的です。そうすることで、自分の上司ではない誰かに相談することができます。

同様に、組織が提供している従業員コミュニティの存在も、忘れずに知らせておきましょう。ERG (従業員リソースグループ) のようなリソースや、仲間同士が集まる活発な Slack コミュニティなどがあれば、気の合う人を見つけやすくなります。子どもがいる場合は子持ちのグループ、犬を飼っている場合は犬を飼っているグループなど、共通点を持つ人たちのグループを紹介するのもいいでしょう。

3. コミュニケーション規範を明確にする

新入社員にとって、誰に質問すればいいのかわからないような状況は辛いものです。リモート環境で入社したメンバーは特にそうでしょう。チームや会社のコミュニケーション規範がよくわからないと、チームメンバーは最初のコミュニケーションのハードルを乗り越えるのに苦労することになります。

管理者はチームのコミュニケーション規範をよく知っているので、これはなかなか気づきにくい問題です。だからこそ早い段階で新入社員と話し合い、あらゆる疑問に答えるようにしましょう。たとえば、以下の内容は伝えておくといいでしょう。

  • どんなときに、どのツールを使うのか

  • 質問があるときは誰に聞くべきか

  • 会議中の質問などに関するチームのルール

コミュニケーション計画を立てることで「手探り」の状態が減り、コミュニケーションのハードルも低くなります。

大きな会議の前には、内容と関係者を共有するよう上司に言われていました。早い段階でフィードバックや質問を受けることができたので、会議中に質問されて困ったり、確信が持てないようなことはありませんでした。
記事: 職場で効果的にコミュニケーションをとる 12 のコツ

4. こまめに状況を尋ねる

インポスター症候群は入社初期だけの問題ではありません。上記のような対策を取ることによって初期のインポスター症候群は防ぐことができますが、その後もチームメンバーの様子をこまめにチェックするようにしましょう。

1on1 ミーティングでは、自己評価のために「バラとトゲ」手法や「信号機チェック」手法 (◯△×の 3 段階で評価する) を取り入れてみましょう。新入社員が自分の状況を共有する場を提供し、その経験に応えてあなたも自分の状況を正直に話すことで、感情に関する会話の扉を開くことができます。

私は最初の 6 か月間、ずっと成果を出さなければというプレッシャーを自分にかけていました。上司は誰もそんなプレッシャーをかけていないということを気づかせてくれ、プレッシャーを解消する方法を教えてくれました。他にも、自分の成長を実感できるようなポジティブなフィードバックをたくさんくれました。

5. 早期かつ頻繁にフィードバックを共有する

チームメンバーのインポスター症候群が疑われるようなときは、不安を煽りたくないあまり、フィードバックの提供がはばかられる場合もあるでしょう。しかし、ポジティブな内容でも建設的な内容でも、フィードバックはメンバーが自分の状況を把握するのに役立つものです。

インポスター症候群は多くの場合メンバーの実際の状況に基づいていません。やり取りの中に頻繁にフィードバックを盛り込むことで、チームメンバーが実際の仕事ぶりに基づいて考えられるようにサポートできます。

私の上司はいつも Slack を使ってマイクロフィードバックをリアルタイムで送ってくれます。通常、フィードバックはよかった点に関する 1 行と、もっとうまくやれた点に関する 1 ~ 2 行です。こういったマイクロフィードバックが得られることによって、自分の仕事ぶりについて独自の「ストーリー」を構築する余地がなくなります。ストーリーを構築する代わりに、上司のマイクロフィードバックに基づいて事実の基盤を築くことができます。
記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツ

6. キャリアアップへの興味をサポートする

自分は今の仕事に向いていないというような感情から、チームメンバーがインポスター症候群に陥ってしまうこともあります。この問題について管理職にできることは、チームメンバーのキャリアアップに関する興味と向き合い、その成長をサポートすることです。

たとえば、チームメンバーがマネジメントに興味を持っているなら、新入社員のメンターとしての役割を提案したり、夏の間新しいインターンのプロジェクトを担当させてもいいでしょう。あなたがチームメンバーを信頼し、キャリアアップに向けてサポートしていることを示すことで、メンバーは自分が仕事に適した存在であると思えるようになります。

前の上司に、私の専門分野に関するトレーニングセッションを開くように依頼されたことがあります。自分がその分野を誰かに説明していることを客観視すると、自分には価値や資格があるだけでなく、すでに誰かを成長させられる立場にいるのだと実感できました。

インポスター症候群を初めて知った方へ

インポスター症候群は、どうしようもないような孤立感をもたらすことがあります。そんな気持ちを感じていたとしても、それはあなただけではありません。今度インポスター症候群に陥ったり、チームメイトのインポスター症候群に気づいたときは、上記の 15 個の戦略を試してインポスター症候群を乗り越えましょう。

親身で積極的な聞き手になるためのヒントについては、アクティブリスニングの練習法に関する記事をお読みください。

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