30-60-90 日プラン: 新規採用者のオンボーディングを軽々とこなす方法

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil
2024年4月11日
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概要

30-60-90 日プランは、新しいチームメンバーの最初の 90 日を計画し、社内ポリシー、チームワーク、目標を把握してもらうためのものです。このアクションプランは、新しいチームメンバーが新しい職場環境に慣れていくにしたがい、完了した必須アイテムをチェックしていくのに使えます。この記事では、30-60-90 日プランの主な要素を簡単にまとめ、活用するメリットについて説明していきます。

新しい会社での最初の 90 日間は、誰もがビクビクしながら歩みを進める期間ではないでしょうか。これは、誰のせいでも、新人研修プログラムのせいでもありません。新しいチームメンバーは、さまざまなツールを使ったり、チームの仕事のやり方を感じ取ったり、予想していたことと実際との違いを確認したり、たくさんのことを学ぶ必要があるためです。しかし、ガイダンスを与え、期待する事柄を明確にすれば、新規採用者でも初日からさっそく仕事に取りかかれます。

30-60-90 日プランは、新規採用者のためのオンボーディングプロセスガイドです。このアクションプランを使用すると、チームメンバーは達成可能な目標を設定し、新しい役割に慣れていく中で、完了した必須アイテムをチェックしていくことができます。この記事では、30-60-90 日プランの主な要素を簡単にまとめ、活用するメリットについて説明していきます。

30-60-90 日プランとは?

30-60-90 日プランは、新しいチームメンバーの新しい仕事での最初の 90 日を計画し、社内ポリシー、チームワーク、目標を把握してもらうためのものです。30-60-90 日プランを読めば、新規採用者は、最初の 90 日以内に達成することを期待されているマイルストーンや成果物、さらには長期的な SMART 目標を把握できるでしょう。

30-60-90 日プランとは?

ベンチマークの一例を以下に示します。

  • 1~30 日: 最初の 30 日間は、職務内容について集中的な研修が行われます。新規採用者は、この間に社内ポリシーやチームの構造、担当業務などについてできるだけ多くの知識を吸収します。

  • 31~60 日: 次の 30 日の間に、新規採用者は、新しいタスクに着手して、最初の 30 日で学んだ事柄を実践します。ここが、主な学習期間となりますが、まだまだミスをして成長していく期間でもあります。 

  • 61~90 日: 新規採用者は、3 か月目に仕事に必要なスキルに習熟しはじめます。つまり、ここで 30-60-90 日プランに計画されている SMART な目標の達成に着手できます。この段階に達する頃には、新規採用者はそれぞれに期待される事柄を達成できるようになっているはずです。

30-60-90 日プランは、新規採用者が新しい職場で歓迎されていることを実感し、自分に任せられた役割を理解するためのものです。30-60-90 日プランには、すべての新規採用者に対して、社内ポリシーやリソースといった類似の項目が含まれる場合がありますが、個人の役割と担当業務に応じて内容が変わる部分もたくさんあります。

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新規採用者は、最初の 90 日で何を達成するべきか?

新規採用者は、最初の 90 日間は、社内文化に溶け込み、自分の職務内容を完全に把握することに集中すべきです。この初期段階には、新規採用者がオンボーディング以外のタスクにサポート役として参加する場合もありますが、まずは、新環境の基本的なことに順応することを目指すべきでしょう。

新規採用者には、最初の 90 日間で以下のようなことを達成してもらうとよいでしょう。

新規採用者の最初の 90 日が終わった時点で、業務評価を実施して、進捗状況を評価します。その際に、それまでに達成したことや本人の役割の中で引き続き成長していく方法について建設的なフィードバックを行います。

30-60-90 日プランを作成する方法

通常、30-60-90 日プランは、新規採用者のオンボーディングが始まる前、もしくは本人が業務を開始した直後に作成します。新規採用者の性格や強みについて、まだよくわからない状態で作成することになります。30-60-90 日プランは、チームメンバーの能力に合わせて変えるのではなく、新しい業務においてこのような人材になって欲しいといった期待を基にカスタマイズするとよいでしょう。

30-60-90 日プランを作成する方法

ステップ 1: 質問をする

新しいメンバーを採用したら、全体像を見て、その人がそのビジョンの中でどのような役割を果たせるのかと考えながら、30-60-90 日プランをスタートします。職務内容やオンボーディングプロセス、チームについて、思いつくことがあれば、何でも自問自答しておきます。以下のような質問からブレインストーミングを始めるとよいでしょう。

  • この人にはどのようなニーズを満たしてもらうのか?

  • この人を採用することにより解決したい具体的な問題とは何か?

  • この人は成果を出すために何を知っておくべきか?

  • 新規採用者には日々どのような業務を担当してもらうのか?

  • 新規採用者はプロジェクト開発でどのような役割を担うのか?

最終的には、30-60-90 日プランがあるおかげで、新規採用者の最初の 3 か月の見通しがはっきりとします。こうした質問の答えを早い段階で出しておくと、新規採用者は期待に応える準備をし、職務に必要なスキルを習得できます。

ステップ 2: 現実的な目標を設定する

30-60-90 日プランは、新規採用者が日々取り組むアクティビティの一覧ではありません。その目的は、新規採用者に社内で目指してもらう目的の概要を本人に示すことにあります。

また、30-60-90 日プランを作成するときは、新しいチームメンバーが就職してから最初の数か月の間に達成、吸収できることには限りがあることを覚えておきましょう。どうしても対応しておかなくてはいけない事柄はあると思いますが、就職したてのメンバーにやることを与え過ぎないように注意しましょう。

合理的な作業量はどの程度の量かを検討し、少なくとも最初の 30 日間は最小限に抑えます。知識の習得には時間がかかると考えておきましょう。チームメンバーの知識の吸収が速ければ、適切に作業量を増やしていけます。

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ステップ 3: SMART な目標を立てる

BambooHR が実施した 2014年の調査によると、一般的な企業は、新しい人材を採用した後、最初の 3 か月間でその 6 分の 1 の人材を失っています。新規採用者がチームに加わる時点で SMART な目標を与えると、それが目指すべき評価可能な目標となり、新入社員の定着率を高めることができます。

新規採用者に与える具体的な目標は、社内における役割と地位により異なります。90 日で取り組む職務別の SMART な目標の例をご覧ください。

  • ライター: クライアントのために記事を 3 部公開する。各記事において、QA から社内編集、クライアントによる編集、最終編集にいたる公開プロセスを最初から最後まで実行する。

  • カスタマーサポート: チームメンバーと協力して、チケットを 30 件クローズする。その過程で、社内のコンピューターシステムについて学び、多岐に渡る想定外の技術的な課題を解決する。

  • エージェント: 関係者と共同でプロモーション素材を 1 つ書き上げる。ブロガーに対して宣伝し、少なくとも、クライアントと関連性の高い 3 つのウェブサイトに公開する。

新規採用者の最初の 90 日は、新しい職務に慣れてもらえるようにサポートすることが一番大切ですが、本人のアクションプランに評価可能な目標を加えると、本人はその達成を目指して取り組めます。他の人に付いて回るためだけに存在しているのではないと感じられます。

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Step 4: メンターを割り当てる

30-60-90 日プランは、ただ新規採用者に手渡し、自力で務めを果たせるように使ってもらうための文書ではありません。この文書は、新規採用者があなたや他のチームメイトと共同でタスクを完了させる際に参考資料として使用するものです。

プランを作成するときは、新規採用者に必要と思われるアドバイスやガイダンスを提供できるよう、メンターを割り当てます。このメンターは、最初の数週間、新規採用者の疑問に答えてくれるガイド的存在となります。優れたメンターは、馴染みやすい環境を作ってくれるため、新規採用者は新しい職場環境に圧倒されずに済みます。

新規採用者には、本人のマネージャー (上司) 以外の人をメンターとして割り当てましょう。新規採用者は、チームシナジーやチームルールについてメンターに質問できます。マネージャーは、長期目標やチームコラボレーションのベストプラクティスの全体的なガイダンスを提供することに集中できます。

ステップ 5: 定期的に状況確認の機会を設ける

30-60-90 日プランを作成する際に覚えておきたいことは、柔軟性を維持するということです。たとえ、自分の作成したプランが新規採用者に寄せる期待を正確に書き出せていると感じられるものであったとしても、最初の 90 日が期待どおりに進むことは保証されていません。

たとえば、新規採用者が採用されてから、1 週間しか経っていない時点で他のチームからサポートを求められ、本人のために用意した SMART な目標に取り組む予定が狂ってしまう場合や、新規採用者の学習ペースが思っていたよりも遅い場合があれば、速い場合もあるでしょう。プランはスケジュールではなく、概要であることを理解すれば、プランの出来に自信を持てるようになるでしょう。

30-60-90 日プランの必須要素

30-60-90 日プランの内容は、組織に加わるチームメンバーにより異なりますが、フレームワークそのものは共通しています。30-60-90 日プランには以下のような必須要素が含まれます。

30-60-90 日プランの必須要素
  • 会社のミッション: 30-60-90 日プランの一番上に会社のミッションを簡潔に書き出し、どのような価値観を体現する会社なのかを新規採用者が把握できるようにします。

  • 指針となる原則: 指針となる原則には、社内文化に関する情報が含まれ、ビジネスのコアバリューが詳しく記載されます。たとえば、こうした原則には、「質問をする」「人との関係を大切にする」「チームを重んじる姿勢を持つ」「健康第一」といったものが含まれます。

  • チームメンバーの紹介: このセクションには、新規採用者が直接仕事を共にするメンバーの写真や言葉を書き込みます。新規採用者がメンバーたちの名前やチームの役割について学ぶ際に便利なリファレンスとなるでしょう。

  • 初日の概要: 30-60-90 日プランの中で、新規採用者のスケジュールが細かく記載される唯一のセクションが「初日の概要」です。このスケジュールは変更になる場合がありますが、ログイン情報の受け取りや、メールや留守番電話のセットアップなど、初日の予定をできるだけ詳しく伝えておきましょう。そうすれば、新規採用者は、何をするのだろう、どこに行けばいいのだろうと、不安を感じずに出勤できます。  

  • 最優先事項: プランの最優先事項のセクションには、新規採用者の担当業務とその人に新しい業務で満たして欲しいと期待するニーズを一緒にまとめます。

  • SMART な目標: 上述したとおり、30-60-90 日プランに記載する SMART な目標は、新規採用者に最初の 90 日の間に達成して欲しいと願う、評価可能な、業務関連の目標でなければいけません。

  • リソース: リソースのセクションには、社内ハンドブックや業務内容、チームディレクトリ、その他のリソースへのリンクを記載します。このセクションには、チームメンバーが社内文化や業務に馴染む中で役に立つと思われるリソースなら何でも追加できます。

この 30-60-90 日プランのアウトラインは、オンボーディングする新規採用者それぞれに合ったプランを作成、カスタマイズするためのフレームワークとしてご使用ください。

ワークマネジメントツールを使ってオンボーディングプロセスを合理化する

オフィス勤務の場合であれば、30-60-90 日プランを印刷して、新規採用者の勤務初日に直接本人に渡せばよいでしょう。しかし、誰かをリモートでオンボーディングする場合は、30-60-90 日プランをオンラインで共有しなくていけなくなります。それを効率よく行えるのが、プロジェクト管理ソフトウェアです。プランを共有したら、ソフトウェアを使ってチームメンバーの進捗ぶりを追跡、モニタリングできます。

また、プロジェクト管理ソフトウェアを使用すると、きれいに整理された日々のアクションアイテムを進めるだけで、オンボーディングプロセスを順調に消化できます。新規採用者は、最初の 90 日を終了した時点で、スムーズに正規のチームメンバーとしての役割を担えるようになります。新メンバーが新しい職場環境で好スタートを切れるようにするために、新入社員オンボーディング用の無料テンプレートをご覧ください。

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