OJT とは?目的、メリット、効率的に運用する方法を解説

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2025年8月15日
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概要

OJT は、新入社員や若手社員が現場で即戦力として活躍できるよう育成する実践型の社員教育方法です。この記事では、ビジネスシーンにおける OJT の重要性と導入ステップ、成功させるコツなどの基礎知識をまとめます。新入社員が実際に現場で活躍できるよう行われる OJT。その仕組みと効果的なやり方をチェックしましょう。

更新: この記事は、良い OJT トレーナーになるためのヒントに関する記述を含め、2025年 8月に更新されました。

OJT は第一次世界大戦時代のアメリカで人材育成を目的に誕生しました。現在でも、社員教育のために多くの企業が取り入れる育成方法として実施されています。社外での社員研修やマニュアルだけでは補いきれない実際の業務のノウハウを確実に教えるために効果的な OJT。意味や進め方を理解し、正しく実施できるようにしましょう。

この記事でわかること:

  • OJT とは何か?目的やメリット・デメリットは?

  • OJT の進め方

  • OJT を効果的に運用するヒント

  • 良い OJT トレーナーになるためのポイント

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OJT とは?

OJT とは、実務を通じて行う従業員の教育訓練のことを言います。OJT とは On the Job Training の略語で、日本語では職場内訓練、職場指導、職務上指導などとも呼ばれます。

たとえ研修を事前に受けていたとしても、実際に職務についてみるとわからないことが多々あるのが現実です。そこで途方にくれないように、職場の上司や先輩が「OJT トレーナー (OJT 担当者、OJT リーダー)」となり、実務を通じて計画的かつ継続的に指導していく教育方法が、OJT です。新入社員は OJT を通じて業務に必要な知識やスキル、技術を身に付けていきます。

Off JT との違い

Off JT (Off the Job Training) は職場外訓練のことをいい、OJT の対語になる言葉です。新人研修や集合研修、講習会、セミナーの開催などがこれにあたり、日常業務が行われる現場とは離れて、一般的知識を習得できる場となります。インプット中心の学習となる Off JT に対し、OJT はアウトプットが中心です。

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OJT の目的

ビジネスシーンにおける OJT には大きく 3 つの目的があります。

  • 不安の解消

  • 人材の早期戦力化

  • 業務効率の向上

OJT の重要性と併せて、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

不安を解消する

新入社員や未経験の職場に配属されたメンバーは、誰しも不安を抱えているものです。そういった不安がたまるとモチベーションの低下にもつながります。そういったマイナスポイントを解消するのが、OJT です。新人の不安を解消することは、結果的に職場への定着率向上にもつながります。

一方 OJT は、指導対象者とトレーナーとのコミュニケーションも促します。業務面だけでなく職場の人間関係に不安を抱えているであろう OJT 対象者にとって、上司や先輩との活発なコミュニケーションはプラスとなるでしょう。

早期戦力となる人材を育てる

実際の現場で日常業務に関する OJT を行うことで、早期戦力となる人材を育てることができます。OJT は計画的かつ継続的にプログラムされていますが、それぞれの対象者に合わせて柔軟性を持って実行するようにします。そうすることで、自分のペースで業務スキルを習得し、戦力となることができます。

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業務効率がアップする

OJT はトレーナーから対象者に対してノウハウや知識を与えるだけでなく、トレーナー自身のスキルアップにもつながります。指導する側はその業務に関する知識を改めて深く学ぶことができるため、結果的に組織全体の業務効率向上生産性向上をもたらすでしょう。


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OJT 研修とは?

OJT 研修とは、OJT を担当する人材を育成するための研修です。

OJT は場当たりに実施しても成功しません。正しく計画し実行していくためには、指導員としての OJT トレーナーが OJT の仕組みをよく理解していることが不可欠となります。そこで OJT研修が行われ、前述したような OJT の重要性や目的をしっかりと理解したトレーナーを育成していくのです。

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OJT のメリット

OJT は、実際の業務を通じてスキルを習得できるため、即戦力となる人材の育成に効果的です。また、個々の理解度やレベルに応じた指導が可能であり、柔軟な学習プロセスを実現できます。さらに、指導者との密なコミュニケーションを通じて、フォロー体制を強化し、メンバーの能力開発やキャリア成長を支援することができます。

OJT のメリットをまとめると、以下のようになります。

  • 対象者のメリット: 実践力が身に付く。フィードバックをすぐにもらえる。

  • トレーナーのメリット: 自身の成長、キャリアアップにつながる。

企業のメリット: 低コストで効率的に実施できる。社内コミュニケーションが活性化する。


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OJT のデメリット

OJT を正しく実施するには、OJT のデメリットも知っておくことが重要です。

  • 対象者のデメリット: 実践スキルの習得はトレーナーの能力 (指導力や考え方) に左右される。体系的に学べない。

  • トレーナーのデメリット: 手間がかかる。

  • 企業のデメリット: 指導、育成効果にばらつきが出る。

上記のように、OJT 運用には注意点も存在します。こういったデメリットへの解決策は、OJT 指導者の育成に企業が注力することにあります。OJT の重要性をしっかりと理解し、それを実際に実行する人材育成に力を入れれば、結果的に企業に多くの恩恵をもたらすこととなるでしょう。一方、体系的な教育には不向きな OJT ですが、Off JT とうまく組み合わせれば、相乗効果につながります。

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OJT の進め方: 4 つのステップ

では実際に、OJT は何をするのでしょうか?基本となるステップに分けて考えてみます。OJT は 4 つのステップを循環的に行います。OJT の進め方を、こちらで詳しく見ていきましょう。

1. やってみせる

まずはトレーナーが実際に業務をやってみせ、OJT 対象者が仕事の全体像を理解できるようにします。このとき、言葉だけの説明だけにとどめるのではなく、目の前でやってみせてあげましょう。その様子を動画に残しておけば、さらに効果的です。

2. 説明、解説する

業務の具体的な内容を説明します。どうしてこの業務が必要なのか、目的や役割、他の業務とのかかわり、背景など、深く理解してもらえるようにしましょう。このステップを飛ばして業務をやらせてみても、成果は上がりません。

3. やらせてみる

実際に仕事をやってもらいます。このとき、OJT 対象者がひとりで業務を行うようにすることが大切です。トレーナーはあくまで横で見守る、サポート役に徹します。たとえ失敗したとしても、責めてはいけません。

4. フィードバックする

前ステップのフィードバックをします。できていたこと、できていなかったこと、改善点などをできるだけ具体的に伝えるようにしましょう。特にできなかったことに関してはしっかりと指導し、次の計画時には改善できるようにします。もちろん、できていたことを評価することも忘れないことが重要です。

OJT 導入のポイントは?

それでは最後に、OJT を運用するときのポイントをご紹介します。

目的を明確にする

名ばかりの OJT は成功しません。なぜこういった訓練やトレーニングを行うのか、その目的や目標を常に明確にしておきましょう。事前に OJT 対象者とも目的、目標を共有し、トレーニング中は両者が同じ方向を向いて進めるようにしておくことが大切です。

計画的かつ継続的に行う (PDCA サイクル)

行き当たりばったりのトレーニングは、OJT ではありません。事前にしっかりと計画してから実施します。このとき、計画 (Plan)、実施 (Do)、評価 (Check)、改善 (Action) という PDCA サイクルを念頭に置いておくと効果的でしょう。PDCA サイクルを正しく回し、質の高い OJT を目指します。

OJT 管理システムを整える

OJT の仕組みが漠然としてあいまいなままでは、メリットを受けることはできません。また、トレーナーによって質に大きな差が出るのも問題でしょう。こういったことを避けるためにも、OJT 管理システムをしっかりと構築しておくことが重要です。取り組み方や進捗状況などをチーム全体で共有できるようにしておけば、OJT トレーナーを引き継ぐときやトレーナー間での情報のやりとりにも便利です。


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良い OJT トレーナーになるためのポイント

OJT (オン・ザ・ジョブ・トレーニング) は、通常業務の中でマンツーマンで指導しながら社員を育成する教育手法です。OFF-JT (職場を離れた研修) と比べ、実際の業務内容や業務の流れに即した指導ができるのが大きなメリットです。一方で、指導方法や教え方が属人的になりやすいというデメリットもあります。

ここでは、厚生労働省の「能力開発基本調査」や実務の知見を踏まえ、効果的な OJT の進め方を解説します。

1. OJT の基本を理解する

良いトレーナーは、OJT のメリットとデメリット、および計画的な OJT の重要性を理解しています。4 段階職業指導法 (示範→解説→やってみる→評価および指導) など、体系的な知識や教育手法を取り入れることで、指導の質が安定します。

2. 必要なスキルを身につける

OJT 担当者には、専門知識だけでなくビジネスマナーや指導スキルが求められます。中堅社員であっても、新入社員研修の内容や組織開発の方針を理解し、相手の習熟度に応じた説明ができることが大切です。必要に応じて外部講師やオンライン研修を活用するのも有効です。

3. 計画的な実施とフォローアップ

OJT の実施は、単に業務を教えるだけでは不十分です。業務内容と目標達成のプロセスを明確にし、評価基準を共有することでトレーニーの成長が可視化されます。また、指導期間終了後もフォローアップを行い、学びを定着させます。


良い OJT トレーナーとは、業務遂行の現場で適切な指導方法を選び、相手の習熟度に応じて教え方を工夫できる人です。計画性と柔軟性を兼ね備えた育成手法を実践すれば、OJT は単なる業務の一部ではなく、組織全体の成長を支える重要な仕組みになります。

まとめ: 効果的な OJT で即戦力を育成する

OJT の意味や重要性、メリットとデメリットなどの基礎知識と、良い OJT トレーナーになるためのポイントをまとめました。OJT は即戦力の育成や社内コミュニケーションの活性化など、多くのメリットをもたらします。基本ステップを踏んで、効果的な訓練ができるように準備を整えましょう。OJT 導入のポイントも押さえておけば、より効率的に行うことができます。

OJT 管理だけでなく、Asana は個々のワークマネジメントやプロジェクトマネジメントなど、効率的に仕事を管理できるプラットフォームです。

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