株式会社CAMPFIRE プロダクトマネージャー兼ディレクター 佐々木 敏明 氏
株式会社 CAMPFIRE (キャンプファイヤー) は、誰でも安心して資金調達ができるクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」をはじめ、「FAAVO」「polca」「CAMPFIRE Owners」、継続課金型コミュニティプラットフォーム「CAMPFIREファンクラブ」、包括的金融サービス「CAMPFIRE Bank」、コミュニティウォレット「Gojo」など様々なサービスを運営しています。
クラウドファンディングは新たな資金調達方法として、今注目されています。 従来の資金調達方法は銀行からの融資やベンチャーキャピタルから出資を受けるなどが主な手段ですが、従来の金融サービスを利用できない人が世界的には数十億人いると言われています。私たち CAMPFIRE は「資金集めを民主化し、世界中の誰しもが声をあげられる世の中をつくる。」を企業理念として掲げています。既存の資金調達方法が受けられないなどの金融領域における社会課題を、インターネットを通じて解決したいと考え、フィンテックにまつわる様々なサービスを運営しています。
2011年6月の開始から、新サービスの立ち上げや、クラウドファンディング事業者との共同運営・事業譲受を通じ、現在(2019年3月4日時点)に到るまで累計流通額は105億円、支援者数は108万人、プロジェクト数は20,000件に到達し日本最大のクラウドファンディングサービスに成長しました。
私はこの CAMPFIRE というサービスのプロダクトマネージャー兼ディレクターとして、プロダクトの戦略立案から実行までを統括しています。 現在はデザイナー3名とエンジニアが外部のパートナーも含めると8名というチーム構成となっています。
プロダクト開発チームの業務としては大きく分けると2つあり、サービス利用者の要望に応え改善を重ねていくことと、企業理念を実現させるためのサービスを作り上げていくことです。今感じている課題としては、事業戦略にもとづいた中長期的なプロダクト開発のロードマップを明確にすることです。 ロードマップの質を高めるために、グロースを測るための効果測定に力を入れており、現在はクラウドファンディングプロジェクトの作成・申請・公開を重視して施策を行っています。
Asana を活用することで、プロジェクトの目的からタスクへの洗い出しと担当者まで、スムーズにかつ期日にコミットして管理できるようになりました。Asana は私が入社した以前より導入されていましたが、当時に比べると利用法はひろがってきています。 主な利用シーンとしては以下があげられます。
ユーザーや社内のリクエスト等のチケット管理
バグトラッキング
スクラム開発のタスク管理
新機能開発のプロジェクト管理
マーケティングのプロジェクト管理
クラウドファンディングプロジェクトの審査管理
Asana 導入により一番効果を感じるのは、特定の目標を決められた期限での「プロジェクトマネジメント」です。 例えば、グロースハックの改善施策はスクラムでまわしていますが、大きなバックログを週単位で回せるスプリントに分け、週ごとのタスクにまとめ担当者に振り分け Asana で管理しています。そして、毎日朝会で進捗を共有し問題がないかを確認しながら日々の業務を進行しています。
また、日々の継続的な改善業務以外にも目的を定めて一定期間で開発するプロジェクトもあります。その場合はプロダクトマネージャーが目標達成に必要な要件定義を行いタスクの洗い出しをします。そして、Asana でタスク化を行い、各担当者に要件を伝えるとともにタスクを振り分けて期日を設定します。
Asana でタスクを作ると、ガントチャートが自動で作られます。全体的なスケジュールとタスクを俯瞰して見ることができ、各担当者はいつまでに何を担当するのかをプロジェクトの全体像の中で把握できます。ひとり一人が責任を持って最善タスクを遂行してくれることで、とても効率的にプロジェクトを管理できるようになりました。
CAMPFIRE にジョインする前は、別のタスク管理ツールや Google スプレッドシートでガントチャートのようなものを作ってチームに共有していました。しかし、Asana を利用すると、タスクが簡単にサクサク作れ、ガントチャートも自動生成されます。担当者へのアサインとコミュニケーションがとりやすい点が Asana の魅力のひとつだと思います。
弊社での特徴的な Asana 活用法として、クラウドファンディングプロジェクトの審査業務があります。まず、ユーザーに、 CAMPFIRE でプロジェクトを作成して概要を入力してもらい、申請をしていただきます。申請されたプロジェクトの情報は、弊社のデータベースに蓄積されますが、Asana とデータベースを連携させて、プロジェクトの申請が行われると自動で Asana のチケットが作成されるようにしています。 チケットが作成されると、担当者が詳細情報を確認し審査を行います。審査は複数人で行い、各自の審査内容を Asana にコメントを残し担当者同士でコミュニケーションを行います。
Asana 導入前は、運営側の管理画面から情報をGoogle スプレッドシートに入力し管理していました。
プロダクト開発、セールス、カスタマーサクセスなどの部門横断で利用している例としては、バグや改善リクエストのチケット管理があります。 Asana を活用する前は Slack で要望があがってきていましたが、対応漏れや期日遅れ、認識齟齬などに課題がありました。そこで、Asana で改善リクエストなどを起票してもらう運用に切り替えました。依頼内容をフォーマット化することでこれまで発生していた課題は解決することができました。
このような部門をまたいだ Asana の利用においては、まだ課題もあります。 弊社ではコード管理と開発ツールに GitHub を利用しており、バグのリクエストやタスク管理は GitHub で一元化すべきだという意見も一部であります。しかし、GitHub Issue と比べて Asana のタスク一覧の UI の方が、ビジネスサイドの人でもタスク内容の把握がしやすいと考えています。そこで現在は、開発状況の大まかな進行は Asana で把握するようにして、開発の詳細は GitHub で管理する運用を試しているところです。
事業・サービスの中心に立ち、部門を横断的に関わりながら目標達成へ舵をとるのがプロダクトマネージャーの業務であり責任です。Asana は、プロダクトマネジメントの強い味方になってくれるツールだと感じています。
今後も Asana をより活用してチームが効率的に働ける環境をつくり、企業理念の実現に向けサービスを開発していきたいと思います。
2019年1月
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