稼働率をトラッキングしてチームの収益性を上げる

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年12月16日
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概要

稼働率とは、使える時間のうち、どれほどの時間が請求可能な仕事に費やされたのかをパーセンテージで表すものです。稼働率はチームメンバーの請求可能時間 (作業した時間) の合計を、チームメンバーの作業可能時間 (勤務時間) の合計で割ることで計算できます。この記事では稼働率の計算方法と、無駄な仕事や過剰なホウレンソウなどの「仕事のための仕事」を減らしてチーム全体の稼働率を上げる方法についてご紹介します。

プロジェクトをスコープ内にとどめつつ、高い顧客満足度を維持するには、さまざまな成功指標をトラッキングする必要があるでしょう。あなたの会社がクライアントから依頼された仕事を請けている場合は、おそらく請求可能時間に関する成功指標があるはずです。クライアントへの請求が利益に直結するからです。チームメンバーの稼働率を把握すれば、会社の持つ時間に対する請求可能時間の割合を確認できます。

タスクの中には社内の運用に関するものもあるため、すべての作業に対して支払い請求するわけにはいきません。稼働率を計算することで、チームが収益性のある仕事に費やせる時間がわかります。この記事では、稼働率の計算方法と、無駄な仕事や過剰なホウレンソウなどの「仕事のための仕事」を減らしてチームの稼働率を上げる方法についてご紹介します。

稼働率とは?

稼働率とは、使える時間のうち、どれほどの時間が請求可能な仕事に費やされたのかをパーセンテージで表すものです。稼働率はチームメンバーの請求可能時間の合計を、チームメンバーの勤務時間の合計で割ることで計算できます。たとえば、以下の例をご覧ください。

  • 1 人のチームメンバーの 1 週間の勤務時間が 40 時間であり、1 週間で 34 時間分の作業をクライアントに請求する場合、そのメンバーの稼働率は 85% となります。

稼働率とは?

ここで注意しなければならないのは、社内の業務もあるため稼働率が 100% になることはないということです。重要なのは、チーム会議、電話、トレーニング、請求可能な作業の健全なバランスです。

したがって、稼働率を計算し、トラッキングする目的は稼働率を 100% にするためではありません。勤務時間の多くを占める不必要な手作業での仕事や重複する仕事を減らすためです。「仕事の解剖学」インデックスによると、平均的なナレッジワーカーは勤務時間の 60% を情報の検索、承認の確認、アプリの切り替えなど「仕事のための仕事」に費やしています。この不要な仕事のための仕事を減らすことで、チーム全体の稼働率を上げ、よりインパクトの大きな仕事に費やせる時間を増やせます。

稼働率のトラッキングに最適なのが、Asana のようなワークロード管理ツールです。ワークロード管理ツールを使うと誰がいつまで何をしているのか簡単に確認できるので、バランスを取りながら燃え尽き症候群も防ぐことができます。それぞれのメンバーがどれだけの仕事を抱えているのかもはっきり確認できるため、勤務時間を超過しないよう効果的にチームのワークロードを管理できます。

必要に応じてチームの仕事量を調整するAsana を使用してチームの仕事量を管理する

稼働率を上げるには

チームの稼働率の低さに納得がいかないこともあるかもしれません。しかしその原因の多くはよくないプロセス、一貫性のないコミュニケーション、複雑なツールなどにあります。端的にいえば、稼働率の低さの原因は内部と外部のワークロードのバランスが崩れていることにあります。ここでは、稼働率を上げる 4 つの方法をご紹介します。

稼働率を上げるには

稼働率を上げるために、以下のプロジェクト管理プロセスを導入してみましょう。

  1. 基準となる稼働率を設定する: 基準となる稼働率を設定しなければ、チームメンバーは目指すべき稼働率がわかりません。チームメンバーの役割に応じて、異なる基準値を設けることもできます。たとえば、デザイナーの稼働率の基準は、人事部の部長の稼働率の基準よりも高くなるでしょう。デザイナーは通常クライアントと直接連携しており、請求対象の時間も多くなるためです。理想とする稼働率に基づいて基準値を設定する必要があります。

  2. 会社全体の稼働率をモニタリングする: 会社全体で稼働率のトラッキングを行うことで、生産能力はどのくらいなのか判断がしやすくなり、チームメンバーの時間が足りているのか、そうでないのか確認できます。また、全社規模でトラッキングを行うと他のチームの時間が余っているかどうかも確認できるため、フリーランスを雇わずに請求可能な作業を完了できる可能性があります。

  3. 仕事のための仕事を減らす: 仕事のための仕事を減らすことは、稼働率を上げるうえで非常に重要です。社内業務に費やす時間はゼロにはなりませんが、プロジェクト管理のベストプラクティスタイムマネジメント術を取り入れることで、無駄な仕事に費やす時間を減らせます。仕事のための仕事の例としては、仕事に関するやりとりや、情報の検索、アプリの切り替え、変化する優先順位の管理などが挙げられます。

  4. 時間追跡ツールを使用する: 時間追跡ツールを使うことで特定のクライアントに仕事の料金を請求したり、会社のスケジュール内にタスクを予定したりすることができるため、時間追跡ツールは稼働率の向上になくてはならないものです。時間を追跡することはチームメンバーが時間の使い方を意識して、それぞれの基準値に到達できるよう心がけるきっかけにもなります。各メンバーが仕事にかかった時間を入力したら、その情報を一つの大きなデータセットとして分析しましょう。

稼働率の計算方法

チームメンバーの稼働率を計算すれば、会社の全体的な収益性がわかります。チームメンバー 1 人の稼働率の計算は簡単ですが、会社が理想とする数値を計算するには、いくつかの計算式を使う必要があります。

稼働率の計算方法

1. 稼働率の計算式

チームメンバーの稼働率を計算するには、以下の基本的な稼働率の計算式を使います。

  • 稼働率の計算式: (請求可能な時間数 ÷ 勤務時間)

たとえば、1 人のチームメンバーの 1 週間の勤務時間が 40 時間であり、1 週間で 32 時間分の作業をクライアントに請求する場合、そのメンバーの稼働率は 80% となります。

チームメンバーの稼働率は役職や生産性によって異なるため、チームメンバー 1 人の稼働率を計算するだけでは不十分です。チームメンバー全員の稼働率をトラッキングして、会社のパフォーマンス状況をより正確に把握しましょう。

仕事のための仕事を減らすことが、稼働率アップにつながる理由

チームや部門の稼働率が低い場合は、会社で使っているツールやプロセス、期待要件などを確認してみましょう。稼働率が低い場合、それはチームメンバーがほとんどの時間を請求対象でない仕事に費やしていることを意味します。どんなことに時間が費やされているのでしょうか?アプリの切り替えや手作業での仕事など、仕事のための仕事は適切なツールやプロセスがあれば減らすことができます。

たとえば、平均的なナレッジワーカーは 1 日に 10 個のアプリを最大 25 回切り替えながら使っていることがわかっています。このアプリの切り替えによって生産性が下がり、それが稼働率の低下につながっているとチームメンバーから報告があったなら、アプリを統合できるビジネスツールを探してみましょう。複数のアプリを連携させてまとめることで、ツールの切り替えで貴重な時間を失うことなく、仕事に必要なすべての情報を簡単に見つけられるようになります。

ヒント: 時間追跡ツールを使えばチームメンバーの指標を整理でき、計算も簡単です。また計算から得られるデータも正確で、計算のミスも見つけやすく、修正しやすいのでおすすめです。

2. 生産能力

生産能力とは、チームメンバーの稼働率を平均したものです。この計算式を用いることで、リソースコストを回収し、利益を上げることができるかどうかを確認できます。

  • 生産能力 = チームメンバーの稼働率の合計 ÷ チームメンバー人数の合計

会社の生産能力を計算するには、すべてのチームメンバーの稼働率を合計し、それをチームメンバーの人数で割ります。

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3. 適正請求レート

チームの生産能力を計算したら、今度はそのデータを使って、利益を上げるためにクライアントに請求すべき金額、つまり適正請求レートを計算しましょう。

リソースコスト、間接費 (オーバーヘッド)、利益幅 (マージン) を合計します。リソースコストとは、人件費や直接材料費、生産費などです。間接費はチームメンバー 1 人あたりの金額を加える必要があります。利益幅とは、ビジネスにかかるコストを超える利益分ですが、これも達成したい利益幅に基づいて加えます。

通常利益幅はパーセンテージで表しますが、適正請求割合を算出するにあたってはドルで表します。リソースコストと間接費を使って以下の計算式で計算する必要があります。

  • ドル単位での利益幅 = (リソースコスト + 間接費) x パーセント単位での利益幅

  • 適正請求レート = ( (リソースコスト + 間接費 + 利益幅) ÷ 平均労働時間の合計 ) ÷ 生産能力

たとえば、従業員一人あたりの人件費が 50,000 ドルで、10,000 ドルの間接費がかかり、適正利益幅が 25% だとすると、適正利益幅はドル単位では (50,000 ドル + 10,000 ドル) × 0.25 = 15,000 ドルとなります。そして平均労働時間の合計を 1,000 とすると、2 つ目の計算式の分子は 75 になります。生産能力が 0.80 の場合、1 時間あたりの適正請求レートは 94 ドルということになります。

  • 適正請求レート = ($50,000 + $10,000 + $15,000) ÷ (1,000) 

                                                _____________________________________

                                                                             0.80

4. 理想的な稼働率

生産能力を計算することによってチームメンバーの労働時間の合計に対する請求対象時間の平均が得られますが、この計算式ではその平均値が会社のコストと比較して理想的な値であるかどうかはわかりません。収益性を高めるうえで理想的な稼働率を知るには、以下の計算式が最適です。

  • 理想的な稼働率 = (リソースコスト + 間接費 + 利益幅) ÷ (勤務時間の合計 x 適正請求レート)

理想的な稼働率を計算するためには、まずリソースコスト、間接費、収益幅の合計を出して、それを勤務時間の合計と適正請求レートの積で割ります。

上記の例を使って計算すると、この計算式の分子は 75,000 ドルになります。そして分母となる 1,000 x 94 を計算すると 94,000 になります。最後に 75,000 ドルを 94,000 で割ると理想的な稼働率が出せます。この場合は四捨五入で 80% となり、生産能力と理想的な稼働率が一致していることがわかります。

  • 理想的な稼働率 = ($50,000 + $10,000 + $15,000)

                                                 _____________________________                 

                                                              (1,000 x 94)

仕事のための仕事を減らして稼働率をアップさせましょう

稼働率はチームメンバーや会社のパフォーマンスを評価するために、把握しておくべき重要な指標です。稼働率が高ければ、運用コストを回収しやすく、継続的に利益を増やすことができます。一方で稼働率が低い場合は、プロセスに何らかの問題があるサインかもしれません。

全体の稼働率を把握するには、チームメンバーにかかった時間を報告してもらい、しっかりとしたプロセスを導入するのが最適です。チームメンバーが請求対象とそうでないタスクにかかった時間をリアルタイムで報告できれば、リソースを管理しやすくなり、タイムマネジメントに関してもより明確に把握できます。

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