実は知らなかったインボックスゼロ

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年9月2日00
facebooktwitterlinkedin
実は知らなかったインボックスゼロ記事バナー画像

概要

インボックスゼロで、メールとのつきあい方を見直しましょう。受信トレイに振り回されないためには、業務の整理に適した仕組みが必要です。この記事では、業務を段取りよく把握し、識別し、トリアージして、本来こなすべき重要な作業に費やす時間を増やすためのヒントをご紹介します。

インボックスゼロとは。バズワード?それとも生産性の切り札?両方か。はたまた否か。 

インボックスゼロについてプロフェッショナルに話を聞くと、十人十色の意見が飛び出すことでしょう。多くのプロフェッショナルにとって、メールはそれだけパーソナルなものなのです。受信トレイの整理や管理方法は、人それぞれに特有の癖があります。とすると、インボックスゼロについて意見が分かれるのは当然のことなのでしょうか? 

この記事では、インボックスゼロの全容、方法、目的についてご紹介します。まず言葉の背景を知り、それから、その可能性が最大限に発揮される導入方法を探りましょう。まずは、方法からご紹介します。

インボックスゼロとは? 

インボックスゼロについては、人それぞれに定義が異なり、意見が分かれています。「インボックスゼロ」という言葉を、何かの記事ではじめて知ったとしたら、文字通り、受信トレイ (インボックス) の中にメールがゼロの状態にすることだと思う人もいることでしょう。もちろん、インボックスゼロは、受信トレイに入っているメールの数ではありません。脳と受信トレイの関係に着目した手法のことです。

インボックスゼロの定義

インボックスゼロは、Merlin Mann 氏が自身のブログ「43 Folders」とポッドキャストで発表した造語です。Mann 氏は一連の記事でメールの受信トレイが最終の目的ではないことを主張しています。受信トレイに縛られすぎないようにすることで、タイムマネジメントを改善し、より有効にメールを活用できるようになるというのです。より有効なメールの活用のためにまず取り組むことは、受信メールのアーカイブやトリアージを実践し、受信トレイのメールをゼロにすることです。 

ただし、受信トレイを常に空の状態に維持することが、Mann 氏の目指すところではありません。それどころか、Mann 氏自身の受信トレイはかなり乱雑な状態なのだそうです。インボックスゼロは、受信したメールを整理し、トリアージし、分類して、自分仕様の受信トレイに変えるアプローチです。 

インボックスゼロがなにかと話題になる理由とは?

インボックスゼロについてのよくある誤解として、受信トレイのメールをゼロにしなければならないと思われています。ですが、メールを受信したら、かならずすぐに読むというソリューションでは決してありません。受信トレイのメール数をゼロに維持することに執着してしまっては、受信トレイが空であろうと満杯であろうと、結局は受信トレイのことを気にして時間を過ごしているだけになってしまいます。受信メールを監視していても生産性にはつながりません。受信トレイとのつきあい方を見直すことが大切です。

インボックスゼロと GTD の比較

インボックスゼロも GTD メソッドも、メンタルの負荷を減らすことに着目しています。Mann 氏のインボックスゼロの原則は、実は David Allen 氏の Getting Things Done (GTD) メソッドにヒントを得ています。 

GTD メソッドでは、5 つのステップで作業のトリアージとリストアップをおこないます。Allen 氏の目標は、作業内容と期限を記憶にとどめておくという脳内の無駄な情報を、To-Do リストのような外部ツールに任せることです。これにより、記憶にとどめておくことではなく、仕事をこなすことに脳の力を集中させることができます。 

仕事が進まないのに疲れていますか?GTD メソッドの 5 つのステップをマスターしましょう。

受信トレイを自分仕様に変える

インボックスゼロの考え方は、受信トレイとのつきあい方を改善することです。そのためには、受信トレイを自分仕様に変える必要があります。メールボックスは、常時確認が必要なものではなく、時間と精神に余裕があるときに効率よく確認すればよい情報の貯蔵庫と捉えましょう。 

これは本当に難しいことです。事実、当社の調査によると、ナレッジワーカーの 80% がメールの受信トレイを開いたまま仕事をしていることがわかりました。しかし、これではメールの受信トレイをタスクリストの代わりにしているようなもので、やがて受信トレイは一杯になってしまいます。

足りなかったのは、ワークマネジメント

インボックスゼロが問題としているのは、メールの受信トレイそのものです。受信トレイは整然としたタスクリストとは非なるもので、インパクトの大きな仕事に優先順位をつけてはくれません。むしろ、受信トレイは、業務に関する重要な通知を記録する仕組みです。 

受信トレイに振り回されないためには、業務の整理に適した仕組みが必要です。業務を段取りよく把握し、識別し、トリアージできれば、やるべき作業が何なのかを覚えておくことに脳の力を取られずに、本来こなすべき重要な作業に費やす時間を増やすことができます。

ワークマネジメントの出番はそこです。

ワークマネジメントとは、ワークフローを整理、調整することで本来こなすべき重要な作業の完遂を目指す体系的なアプローチです。Asana を代表とするワークマネジメントツールは、チーム作業の整理や管理をサポートするツールです。メールの受信トレイとは異なり、タスクの把握や整理をツールに任せることで、本来こなすべき生産的な仕事に費やす時間を増やすことを目的としています。

ワークマネジメントを効果的におこなうことで、「仕事のための仕事」に費やす時間を大幅に減らすことができます。勤務時間の 60% を、タスクの承認を求めるメールのやりとりや、受信トレイの中から文書を探し出す作業に費やさなくても、すべての情報を一箇所に集約すればよいのです。その結果、仕事を整理する時間が減り、タスクに取り組む時間を増やすことができます。 

記事: ワークマネジメントの紹介

ワークマネジメントでインボックスゼロを実現する方法

ワークマネジメントでインボックスゼロのコンセプトを実現するには、「メールのトリアージ」と「集中時間を中断させない」という 2 つの方法があります。

メールのトリアージ

ここでもう一度、受信トレイはタスク管理システムではありません。にもかかわらず多くの人がタスク管理システムかのような使い方をしています。メールは、コミュニケーションに欠かせないツールであり、仕事のほとんどがメールで始まり、メールで終わるのは事実です。しかし、メール単体では、十分ではないのです。 

受信トレイを最大限に活用するために、チーム作業の整理に特化したワークマネジメントツールと組み合わせて使いましょう。これでもう一杯になった受信トレイのことなど気にせず、効率よく仕事を整理し、処理していくことができます。

トリアージは、メールチェックと同時におこないます。仕事をメール一通分ずつこなしていくのはやめて、まずメールを 4 つの D で分類しましょう。

  • すること (Do)。これは、こなすべきタスクや、作業中のプロジェクトです。自分のやるべきことが含まれるメールであれば、その作業はワークマネジメントシステムに入れ、進捗状況や優先順位を把握できるようにします。Asana for Gmail や、Asana for Outlook 連携機能など、メールクライアントと統合できるワークマネジメントツールを探してみましょう。

  • 保留する (Defer)。日々の優先順位が関わってきます。やるべき作業ではあるが、日々の優先順位には入らない要件のメールがありませんか?その作業を優先してできる日まで保留してください。このとき、メールを受信トレイに残さないようにします。保留にしたタスクを、期限などを含めてワークマネジメントツールに取り込み、いつまでに作業するかを送信者に返答します。そして、メールをアーカイブして、受信トレイを整理します。

  • 誰かに任せる (Delegate)。仕事の委任は、適材適所の業務分担のための強力なツールです。自分にとっては優先順位が低く、チームにとっては優先順位が高い仕事があるものです。その場合は、適任のチームメンバーに仕事を任せることができるかどうか検討しましょう。

  • 削除する (Delete)。その場で返信して次に進むことができる内容ですか?返信しなくてもよい内容ではないですか?可能なかぎり、メールを削除したり、アーカイブしたりして、受信トレイを圧迫しないようにしましょう。

メールの受信トレイをトリアージすると、受信トレイが格段に片づくだけでなく、重要かつ実行可能な仕事はすべてワークマネジメントシステムに取り込まれているはずです。そこから、迅速に段取りよくインパクトの大きなタスクに取り組むことができます。 

集中時間を中断させない

世界各地のナレッジワーカーの大多数 (80%) が、メールの受信トレイを開いたまま仕事をする習慣があるというデータがあります。通知を受け取ったら、それまでしていた作業を放置して、すぐにチェックしているということです。 

受信トレイを自分仕様に変えようとしているのは、時間や気力の無駄をなくすためですよね。受信ボックスを開いたままで、通知がある度にすぐに返信していては、本来の作業に集中することはできません。それは、そもそも人間には不可能とされているマルチタスク作業です。 

マルチタスクが可能であるというのは幻想です。1 つの作業からもう 1 つの作業へとすばやく切り替えることを繰り返しているだけであり、切り替えのたびに時間とエネルギーが余分に失われます。そのため、1 つの作業に集中するほうが、ほぼどんな場合でも確実に効率的なのです。1 つの作業に集中し、それが終わってから次へ移ることで、無駄な切り替えコストを使わずに済みます。

インボックスゼロを活用し、受信トレイを自分仕様に変えるためには、メールの受信トレイを最優先事項とする考えを改めましょう。そして、受信トレイに以下のルールを設けましょう。

  • 通知をオフにする。通知のせいでフロー状態から離れ、集中作業が途切れてしまいます。インボックスゼロを達成するための最良の方法の一つは、メールの通知を減らすか、オフにすることです。能動的にメールをチェックすることも、インボックスゼロの一環です。通知をオフにしておけば、重要な仕事の最中に、フローから離れてまでメールをチェックしてしまうことはありません。

  • メールの応答時間をタイムブロッキングする。タイムブロッキングとは、似たようなタスクをグループ化し、カレンダーにスケジュールするタイムマネジメント戦略です。たとえば、朝一番に 1 時間のタイムブロックを作り、重要なメールをチェックして返信するようにします。そうすれば、重要でインパクトの大きな仕事に集中して取り組むことができます。1 日の終わりに、受け取るメールの数に応じて 30 分、もしくは 1 時間ほどタイムブロックを確保して、その日に届いたメールに返信します。そうすることで、受信トレイに振り回されず、メールに対応することができます。

  • 毎日の優先事項を明確にし、それを守る。日中に受け取るメールというのは、まるで優先事項のように感じてしまうものです。メールに返信したり、同僚のちょっとした頼みごとに対応しているうちに、その日の予定がこなせないまま一日が終わってしまうことさえあります。毎日の優先順位を明確にし、守ることで、受け取ったメールがすぐに対応すべき重要な内容なのか、それとも所定のタイムブロックまで保留できるのかを判断することができます。

  • メールの対応時間を設定する。インボックスゼロが最終的に目指していることは、メールの受信トレイに勤務時間を奪われないようにすることです。その対策として、メールに返信する時間としない時間を決めるという方法があります。自分にとって最適なメールの対応時間を考え、そのスケジュールをチームに知らせましょう。たとえば、「急ぎのメールへの対応は平日の夜 8 時まで、週末はメールをチェックしない」というような内容です。このようなルールを設けることで、受信トレイとのつきあい方を改善することができます。

記事: 仕事でフロー状態を活用する 6 つのコツ

ワークマネジメントでインボックスゼロを実現する

メールの受信トレイが最高の仕事をするのに役立つものではないことは、生産性向上の専門家でなくてもわかることです。受信ボックスに縛られていると、脳の力をよい仕事をすることに向けることができません。 

ワークマネジメントツールを使えば、タイムマネジメント能力を高め、中断を減らし、インパクトの大きな仕事を終わらせることができます。今すぐ無料で Asana を試して、実際の機能をご覧ください。 

ワークマネジメントソフトウェアを試す

関連記事

記事

Self-management: 7 skills to become a better leader