ディールデスクでセールスフローを改善

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2024年1月24日
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概要

ディールデスクとは、重要案件をリードから契約締結まで導く部門横断チームです。ディールデスクを作ることでセールスパイプラインが強化され、チームメンバーは効率よく働けます。この記事では効果的なディールデスクの構築法をご紹介します。

会社を成功させるには、利益を上げる必要があります。つまり、リードを見つけて、契約を結ぶ必要があります。その責任はセールスチームに課されることが多いですが、それほど重大な責務であれば、他のチームのメンバーも関わるべきではないでしょうか?

ディールデスクとは、複雑な取引を評価し、会社の収益を増やすための協力的なアプローチです。このプロセスでは、さまざまな部門のメンバーが協力してトップリードを引き入れ、パイプラインの最後まで導きます。セールスオペレーションを改善するディールデスクの構築法をさっそく見ていきましょう。

ディールデスクとは?

[インラインのイラスト] ディールデスクとは (要約)

ディールデスクとは、価値の高い取引をセールスパイプラインの最後まで迅速かつ効率的に進めるために、協力して働く部門横断チームです。大抵の取引はセールス担当者によって行われますが、ディールデスクは複雑または高価値な取引に重点的に対応します。ディールデスクを使ってセールスオペレーションの体制を整えることで、セールスサイクルが最大 40% 短縮され、セールスチームの生産性が最大 20% 向上します。

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ディールデスクアナリストの役割と責任

ディールデスクに関わるメンバーは、すでに他の役割や責任を持っていることがほとんどですが、物事がスムーズに進むよう、デスクのオペレーションを担当するデスクアナリスト、またはデスクスペシャリストを選任する必要があります。

ディールデスクアナリストは、顧客と接する役割ではありません。取引のプロセス側に特化しており、主に以下のような役割を持ちます。

  • ディールデスクのメンバーと協力して、セールスプロセスの各職務に対応する

  • ディールデスクチームの連携を保つ

  • 取引をセットアップする

  • プロセスを改善し、ディールデスクのパフォーマンスを管理する

ディールデスクアナリストは全員の連絡窓口として機能する、ディールデスクには欠かせないメンバーです。高価値な、複雑な、または緊密なやりとりを要する取引をうまく進めるためのワークフローを管理するのがディールデスクアナリストの役割です。

ディールデスクに参加するチーム

部門横断チームで高価値な取引に取り組むと、よりよい結果が期待できます。以下のチームのメンバーを入れることを検討しましょう。

  • マーケティング: マーケティングチームのメンバーはデータを使ってターゲットオーディエンスの分析や、見込み客リストの作成、問題や悩みを想定できます。

  • セールス: ディールデスクのセールス担当者は、クライアントや顧客のために説得力のある取引をまとめ上げます。

  • 法務: 法務チームのメンバーはディールデスクで取引をチェックし、契約として正当であることを確認できます。

  • 財務: 財務チームのメンバーは取引の価格設定をチェックしたり、取引が決まった後は金銭的なやり取りをサポートできます。

効果的なディールデスクの構築法

ディールデスクがうまく機能するよう、事前にしっかりとしたプロセスの流れを作っておきましょう。ディールデスクのメンバーは、ディールデスクの取引以外のタスクも抱えています。そのため、ディールデスク全員の認識を合わせることと、適切なタスクの優先順位付けが重要となります。

[インラインのイラスト] ディールデスク作成の 6 ステップ (インフォグラフィック)

以下の手順で、特別な取引をパイプラインの最後までスムーズに進める効果的なディールデスクを構築しましょう。

1. 目標を設定する

ディールデスクの働きは、会社によって異なります。まず最初にすべきことは、ディールデスクの目標を決めることです。セールスオペレーションの現状を確認し、埋める必要のある穴を特定しましょう。たとえば、以下のことについて検討します。

  • セールスチームがサポートを必要としている箇所はどこか?

  • 現在のセールスプロセスの弱点は何か?

  • どうすればセールスサイクルの回数と成約率を上げられるか?

こうした問いへの答えを、ディールデスクの目標設定に利用しましょう。時間と労力のかかる高価値な取引にセールスチームが苦労しているなら、ディールデスクがそうした取引を最初から最後まで担当するのもいいでしょう。そうすれば重要な取引を丁重に扱いつつ、結果として他のメンバーは低価値の取引に集中してより多くの時間を費やすことができます。

2. チームを特定する

ディールデスクの目標が決まったら、その目標のために必要なチームメンバーを決めるのはそう難しくないはずです。ディールデスクが高価値の取引を最初から最後まで担当すると決めたなら、以下のようにセールスプロセスの各部分を担当できるメンバーを集めましょう。

  • セールス担当者

  • 法務チームのメンバー

  • 財務チームのメンバー

  • マーケティングチームのメンバー

  • カスタマーサクセスチームのメンバー

これらのメンバーがそれぞれ高価値な取引のリード創出、契約の段取り、価格設定、取引の構成、やり取りなどを担当し、セールスチームは低価値の取引に集中します。

3. 取引の基準を設定する

ディールデスクとして働くチームがまとまったら、高価値な取引の基準を設定します。高価値 (または複雑) な取引と見なす基準としては、以下のようなものが考えられます。

  • ある程度の悪評があるクライアント

  • 一定の予算を超えるクライアント

  • 連絡先が複数あるクライアント

  • 多くのやり取りを要するクライアント

ディールデスクで高価値の取引を最初から最後まで担当するには、セールスチームがその基準を満たすすべてのリードを引き渡さなくてはなりません。しかし、セールスプロセスのどこからディールデスクが関与するかは自由です。たとえば、セールス担当者がある程度リードを育成し、ホットリードであることを確認してからディールデスクに回す方が効果的だと考えられる場合もあるでしょう。

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4. 作業戦略を策定する

どんなチームにも、物事を成し遂げるためには戦略が必要です。ワークフローを最初から決めておくことで、実際にチームが集まったとき、それぞれが何を、どのように行えばいいのかはっきりと把握できている状態で始められます。

ディールデスクの戦略はさまざまですが、これまでの例であれば以下のようになるでしょう。

  • セールス担当者が高価値のリードをディールデスクに回す

  • それを受けて、マーケティングチームのメンバーがリードを評価し、ニーズを想定する

  • ディールデスクのセールス担当者がそのリードへ向けた専用の取引構造を作る

  • 法務チームのメンバーが取引を評価する

  • カスタマーサクセスチームのメンバーがリードとやり取りを行い、取引が進む中でリードの支持とエンゲージメントを高める

  • 財務チームのメンバーが金銭的なやり取りを完了する

チームの各メンバーは実際に会うことはないかもしれないので、構造を示しておくことで自分はどこから関与すべきなのか、全員が把握できます。

5. 成功を分析する

他のワークフローと同様、ディールデスクの設置は一度きりのプロセスではありません。ディールデスクを設置し、運用を始めたら、継続的改善を目指しましょう。何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか、分析する時間を取りましょう。セールスソフトウェアを使って、ディールデスクによって利益が増えているかどうか確認しましょう。たとえば、以下のような点に気が付くかもしれません。

  • パイプラインの最後まで到達する高価値の取引が増えている。

  • セールスサイクルが短くなっている。

  • ディールデスク内外のメンバーの生産性が上がった。

  • ディールデスクのサポートにより、低価値の取引の成約率が上がった。

他にもまだ改善が必要な分野があることに気が付くかもしれません。たとえば、ディールデスクのメンバーは今までと異なるメンバーと働くことになるので、最初のうちはコミュニケーションに苦労するかもしれません。そんな場合は勉強会を開催したり、ディールデスクのプロセスとは関係ないアイスブレイク質問を行ったりして、グループダイナミクスの改善を試みましょう。

6. 必要に応じて戦略を修正する

分析によって得られたインサイトを用いて、ディールデスクの戦略を修正しましょう。ディールデスクによってセールスの流れは改善する場合が多いですが、チームがうまく機能していないと利益が下がってしまうこともあります。好ましくない効果を避けるために、セールスプロセスの見直しを行う際には、ディールデスクの分析を行いましょう。定期的な分析が理想的です。分析により、チームの進歩や、有効性をモニタリングできます。

記事: チームリードが求めるプロジェクト横断レポートツールの選び方: 究極ガイド

ディールデスクのメリット

効果的な活用により、ディールデスクはセールスチームにとっても会社にとってもメリットとなります。さまざまな部門のメンバーを集め、各自がスキルを発揮することで、クライアントのニーズに応え、特に高価値の取引を、より確実に成約まで進められます。

[インラインのイラスト] ディールデスクのメリット (インフォグラフィック)

ディールデスクには他にもこんなメリットがあります。

  • 成約までの時間が短縮される: 一人よりも二人の頭、二人よりも四人の頭。チームがそれぞれの役割を理解し、成約に向けて効果的にコラボレーションすることができれば、成約までの時間は短くなります。

  • ニーズに関する深いインサイトが得られる: 部門横断チームは、セールスチームのメンバーだけで構成されるチームよりも多様なスキルを持っています。そのためさまざまな視点から顧客のニーズを理解できるようになります。

  • 一貫性が生まれる: 明確なプロセスが存在することで、一貫した規模やクオリティ、構造のものが提供しやすくなります。

  • 他チームとの一体感が高まる: ディールデスクにはさまざまな部門のメンバーが集まっているため、自然と複数部門へ情報を伝達する手段として機能します。進捗会議や長いプレゼンを行わなくても、ディールデスクのメンバーが自分の部門へ戻って会社のセールスの状況について共有してくれるかもしれません。

  • リスクが低減される: 効果的なディールデスクを設置できれば、会社の利益を上げ、高価値な取引の安定した流れを作ることでリスクが低減されます。

ディールデスクで取引を成功させましょう

強いディールデスクとは、見込み客を忠誠心の高い顧客へと変える、スキルとサポート力を持ったチームです。ワークマネジメントソフトウェアを使ってディールデスクのワークフローを確立し、物事がパイプラインをスムーズに進み、メンバーがそれぞれの仕事をテンポよくこなせるようにしましょう。

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