内発的動機づけとは何か、その仕組みとは?

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana2021年8月23日00
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概要

内発的動機づけとは、内的報酬によって引き起こされる行動のことです。内発的動機づけと外発的動機づけがバランスよく職場環境に取り入れられると、チームにとってプラスに作用し、働き手のやる気増進につながります。

チームのモチベーションを高める、外的報酬以外の方法をお探しですか?その答えが、内発的動機づけだとするとどうでしょう。内発的動機づけとポジティブなフィードバックの言葉でチームに働きかけることが、業績に対してインセンティブを与えるよりも健全な方法なのです。 

この記事では、内発的動機づけとは何か、その仕組み、そしてチームの連携を考えた場合の内発的動機づけと外発的動機づけの差について説明します。

内発的動機づけとは?

内発的動機づけとは、内的で本質的な欲求によって引き起こされる行動のことです。言い換えると、個人の行動の要因となる、内面から湧き上がる動機づけ (モチベーション) のことです。この場合、モチベーションは、報酬や称賛など、外部からの誘因に関係なく、自分自身からのみ発生しています。

内発的動機づけ理論は、飢えや渇き、基本的な心理的欲求といった人間の欲求に基づく理論です。社会心理学や、自己決定理論 (人は「有能さ」「関係性」「自律性」への欲求が満たされたときに自己決定的に行動するとする理論で、動機づけ研究のフレームワーク) と関連する理論です。 

自己決定研究は、職場をはじめ、さまざまな場面において、多くの人が満たそうとする動機づけに焦点を当てています。仕事のやりがいや人とのつながりなどへの内発的欲求は、自己決定論の根幹となる欲求であり、最高のパフォーマンスの原動力となります。内発的動機づけがあれば、内なる喜びや目的意識が得られる活動が見いだされ、業務に対するチームの積極性が向上します。 

内発的動機づけと外発的動機づけの比較

一方、外発的動機づけとは、内的な欲求からではなく、外的報酬や罰によって引き起こされる行動を指します。つまり、外発的動機づけに関しては、いずれにせよ外部誘因が存在するモチベーションであり、報酬や恐怖のどちらもが関与する場合がありうるということです。

内発的動機づけと外発的動機づけの比較

両者の違いを確認しましょう。 

  • 内発的動機づけは、個人的な満足感につながる動機づけです。内発的動機づけの原動力は、好奇心や新しいことへの挑戦などです。  

  • 外発的動機づけは、懲罰を回避する、報酬を求めるなど、外的要因による動機づけです。外的要因の中で、チームメンバーのモチベーションを高めるものには、売上インセンティブや成果報酬などの外的報酬があります。

そもそもモチベーションの源泉は個人によって異なるものであり、チームのモチベーションについても同様です。内的要因に動かされやすい人もいれば、外的要因に動かされやすい人もいるのです。チームにおいて重要なのは、チームのニーズやチーム全体のウェルビーイングにとってベストな手段を検討することです。

内発的動機づけの例

内発的動機づけの理論を理解したら、早速実践してみましょう。職場環境で内発的欲求が動機となっている事例をまとめてみました。

ポジティブな職場環境を整えるには、マネージャーは自身のリーダーシップスタイルに関係なく、チームメンバーが内発的動機づけによって自ら行動できるように導く方法を理解することが重要となります。さらに、外発的動機づけについても理解する必要があるでしょう。

内発的に動機づけられている人というのは、内なる喜びや好奇心が原動力となって行動し活動します。たとえば、次のような場合です。

  • チームビルディングゲームに参加する理由は、楽しいからであって、報酬が欲しいわけではない。

  • コーディングなどの新しいスキルを学ぶ理由は、新しいことに取り組むのが好きだからであって、課せられたからではない。

  • チームメンバーとのコラボレーションは、何かしてあげたいからであって、業務上の義務ではない。

  • 勤務先のイベントにボランティアとして参加するのは、充実感が得られるからであって、目標達成のためではない。

  • 勉強を続けているのは、挑戦し続けることにやりがいを感じるからであって、キャリアアップのためではない。

この例からも、何かに取り組む際の動機というのは、本人の内的な欲求に起因していることがわかります。状況や考え方にもよりますが、「義務感にかられた」行動よりも「自発的に望んだ」行動のほうが、長期的には仕事の質も幸福度も共に高まると考えられます。 

内発的動機づけの要因と影響

マネージャーの職務上、また、チームリーダーの皆さんにとっても、内発的動機づけを促す要因を考えることは重要です。考えておくことで、内発的動機づけによってもたらされるチームメンバーや組織への影響を確認することができます。 

動機づけ要因と影響

内発的動機づけのないチームでは、充足感や幸福感が感じられず、燃え尽き症候群に発展する可能性があります。そのような場合でも、チームのモチベーションを内発的に向上させる具体的な方法があります。

内発的動機づけを促す要因には、以下のようなものがあります。

  • 好奇心: 人のモチベーションは、何かに関心を持つことで高まるものです。この好奇心という感覚によって、チームメンバーは職場環境で探索行動や学習行動をとります。物理的な好奇心 (知覚的好奇心) と刺激的な好奇心 (認知的好奇心) のどちらとも、人が何らかの行動をとる動機となります。

  • 課題: 具体的な目標や、達成したい業績など、課題を持つと、意欲的に仕事に取り組むことができます。最高のパフォーマンスを発揮できるよう努力を続けようという気持ちを後押ししてくれます。

  • 自己承認: 自身の仕事ぶりを認めることで、役割を果たせているという実感がわき、新たな成果に向けて励む気持ちを持つことができます。

  • 所属意識: チームメンバーとの協力関係は、コミュニティ意識の醸成につながり、従業員が職場を自分の居場所として感じられるようになります。人の役に立つことで満足感が得られ、個人の内発的動機づけが高まります。

  • 問題解決能力: バーチャルなチームビルディングゲームに参加すると、問題解決能力へのよい刺激となります。このゲームでは、批判的思考によって自分の行動を変えることが求められます。

人はそれぞれ違います。モチベーションの源泉もそれぞれに違うのです。内発的動機づけ、外発的動機づけの両方が機能することもありますが、できれば、上記の内発的動機づけの要因から取り組んでみましょう。 

過剰正当化効果によって、外発的動機づけが内発的動機づけを損なう現象が見られるとする研究結果があります。これは、外的報酬の提供が早すぎると、その価値が低下し、内発的動機づけを阻害する現象です。 

ところが、別の研究では、タスクの早い段階で報酬を与えると、内発的動機づけが高まるとされています。これらの研究から得られる結論とは?どちらの動機づけの要因を採用すればよいかがわかっても、それは明確な答えとはなりません。モチベーションはさまざまな理由から発生するものであり、内発的な要因と外発的な要因の両方が混在するのはよくあることです。 

だからこそ、内的な目的意識や職場での生産性を高めつつ、正の強化子としてインセンティブを活用することが重要なのです。

職場でのモチベーション向上を促す方法

モチベーションに関しては、内的報酬と外的報酬の両方がパフォーマンスに関わっています。どんなチームにでも通用する万能なアプローチはありません。モチベーションを高めるための方法は、チームメンバーの数だけ存在するのです。

重要なのは、チームのモチベーションを高めるには、正のフィードバックが有用であるということです。人は、機会や課題を与えられると、内発的に思考するようになり、周囲の人にもポジティブな影響を与えるようになります。 

職場でのやる気を高める方法

具体的には、問題解決をチームメンバーにまかせる、スキルの向上につながる機会を与える、組織全体に伝わる方法でチームメンバーの仕事ぶりをたたえる、などが考えられます。 

チームメンバーの自信と力を引き出す

問題解決に取り組む新たな機会をチームメンバーに与えると、さらなる成長や、新しいスキルの習得に対するモチベーションを高めることができます。 

具体的には、プロジェクトの変更、新しいチームメンバーのオンボーディングを担当するなどの機会が考えられます。チームの問題解決力を引き出すためには、以下の方法があります。

チームメンバーに自律性を与える: 問題解決の方法自体をチームに指導してしまうのも一つの方法ですが、答えを与えるのではなく、自主的な問題解決を促すために自律性を与えるのもよい方法です。 

  • チームビルディングゲームや名言でモチベーションを高める: チームのコラボレーションは、士気を高め、困難な問題にメンバーと共に取り組む力を引き出します。

このようなシンプルなタスクで、チームメンバーにコミュニティとしての一体感が生まれ、問題解決力だけでなく、チームとしてのメリットのためにコラボレーションする力が向上します。

記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響

仕事ぶりを認める

チームの士気の向上に効果が高い外発的動機づけの方法として、チームの仕事ぶりを認めることがあげられます。役割を果たせているという実感が得られ、さらにスキルを磨きたいというモチベーションとなります。評価する仕事の内容は、社内のコミュニケーションタスクを完了させるなどの小さな内容でも、新規プロセスの導入などの大きな内容でもかまいません。 

プロジェクトの規模や影響の大きさにかかわらず、頻繁に仕事を評価することが重要です。チームの仕事ぶりに評価を示すには次の方法があります。

  • よい仕事ぶりを組織に広く知ってもらう: Slack などの共有コラボレーションスペースに投稿する、全員参加ミーティングで発表する、組織全体に知らせるなどしましょう。

  • 仕事ぶりに対する評価はなるべく頻繁におこなう: 仕事ぶりに対する評価の頻度について厳密なルールはありませんが、少なくとも四半期に一度を目安にしましょう。

対面で話す際に仕事ぶりを評価することもモチベーションにつながりますが、チームや組織全体に仕事の成果を発表するのもよい方法です。 

挑戦すべき目標を与える

挑戦すべき目標をチームに与えることで、新たなスキルに対する意欲を引き出すことができます。これは、個人の長期的かつ仕事上の成長を考えた場合に重要となります。

チームに挑戦すべき目標を与えるには、以下の方法があります。

  • チームメンバーを解決策に導く: 解決策を与えることは、与えられた解決策からチームメンバーが自力で答えを探し出すことができるという自律性が与えられているため、答えを与えることとは異なります。  

  • 仕事を任せる: 仕事の機会を与えると、チームメンバーは、新しいスキルを発見したり、新しい課題に取り組むことができます。

このような解決策をチームに提示することで、新しい状況への適応力を高め、職場における個人の自尊心を高めることができます。

内発的動機づけでチームの意欲を引き出す

モチベーションにはさまざまなタイプがありますが、必要なのは内発的な思考です。チームにも内発的な思考を促しましょう。モチベーションが適切であれば、チームメンバーの意欲を引き出し、チームの効率を向上させ、士気を高めることができます。 

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