経費報告書テンプレートを使ってコスト管理を改善する方法 (実例付き)

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2024年1月19日
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概要

経費報告書とは、組織内で事業経費を負担した人が提出するフォームのことです。組織が支出を追跡し、チームメンバーに対して対象となる購入にかかった費用を払い戻すために使用します。この記事では、経費報告書テンプレートの使い方と、フォームの一般的な提出プロセスについて解説します。また、従来型の経費報告とデジタルの経費報告の違いについても見ていきます。

企業を運営するには、当然費用がかかります。企業は、クライアントに最高のサービスを提供しようと、デザインソフトウェアやコミュニケーションツールを購入することが多々あります。また、チームメンバーも業界の知識を得たり、グループダイナミクスを改善したりできるよう、自分たちに投資する必要があります。社内で発生するコストには、キャリア開発やチーム作りを目的とした旅行、特定の職務の出張などが含まれます。

事業経費には、定期的なものや繰り返し発生するものがある一方で、どの企業も、時には、上述したような特別なニーズを満たすために、さまざまなものを購入します。経費報告書は、払い戻しを完了し、支出を全体的に追跡する上で欠かせません。この記事では、経費報告書テンプレートの使い方に加え、従来型の報告とデジタルの報告の違いについて解説します。

経費報告書とは?

経費報告書とは、組織内で事業経費を負担した人が提出するフォームのことです。予算は、経費を事前に計画するために使用するものですが、経費報告書は、発生した経費を追跡するものです。

経費報告書には、社内経費に使用するものや、社外経費に限定したものなど、さまざまな種類があります。また、一定の期間内に繰り返し発生する経費を記録するために使用する場合も、同じ経費区分内で、期間を問わず単発的に発生する費用を記録する場合もあります。経費区分の例として以下のようなものがあります。

  • 出張経費

  • オフィス経費

  • 賃金および福利厚生

  • 修理および保守

経費報告書には、経費を負担した人にその金額を払い戻すのに必要な情報と経費を追跡するのに必要な情報が記載されていなくてはいけません。たとえば、以下のような情報が含まれます。

  • 経費が発生した日

  • ベンダーまたは提供されたサービス

  • 特定のクライアントやプロジェクトに割り当て可能な経費であるか否か

  • 支払われた金額の合計 (税金、コミッション、手数料を含む)

  • 経費の種類

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従来型の経費報告とデジタルの経費報告の違い

企業に属する人なら、誰でも事業経費を負担することがあります。プロジェクトマネージャーなら、毎月のサブスクリプションやクライアント手数料など、高価な購入を担当することがあるでしょう。しかし、他のチームメンバーも、出張経費など、払い戻しが必要になるビジネス上の購入を行う場合があります。

経費報告書は、部門やプロジェクト全体をカバーするものであるため、追跡プロセスは理解しやすく、かつアクセスしやすいものでなくてはいけません。印刷可能な経費報告書は、シンプルで使いやすいですが、経費報告はプロジェクト管理ソフトウェアと組み合わせて行うと、コストの提出、追跡、予算立てを 1 か所で行えます。

経費報告書テンプレートの使い方

経費報告書テンプレートの多くは、シンプルな表形式になっており、企業によっては、すべての部門で使用できる標準化された一連のフォームが提供される場合があります。報告書の作成方法だけでなく、自分が支払った経費の払い戻しを受けられるように、報告書の使い方と提出方法も理解する必要があります。迷ったときは、社内ポリシーを参照したり、財務チームにさらなる情報提供を求めたりしましょう。

以下に、経費報告書を提出する際の一般的なステップを紹介します。しかし、経費報告書を提出する前には、すでに使われている特定のシステムや形式がないか、必ず社内の財務チームに確認しましょう。また、事業経費の最終的な承認も、通常は財務チームによって行われます。そこで、事業経費が正確に計上されていることが承認されます。

経費報告書テンプレートの使い方

1. 条件を満たす経費を列挙する

経費報告の最初のステップは、報告そのものです。時間ベースの経費報告書の場合は、特定の期間内に負担するすべての事業経費をリストアップし、テンプレートの各項目に記入します。経費区分ベースの経費報告書の場合は、対象となる経費区分で経常的に発生する経費を記録します。また、1 年に 1 度開催されるカンファレンスの費用や、企業が提供すると同意した寄付金の払い戻しなど、1 回きりの経費を対象とした経費報告書を提出する場合も考えられます。

経費報告書の種類を問わず、経費をリストアップする際のベストプラクティスには、以下のようなものが含まれます。

  • 自分が報告した情報を財務チームが確認できるよう、自分が負担した経費の領収書はすべて保管しておく。

  • 自分が負担した経費はそれぞれ別の行に入力する。

  • 税金とチップの小計を分類して、帳簿をつけやすくする。

  • 経費が発生した理由とそれがクライアントのアカウントに請求できる経費であるかどうかを説明する。

  • 経費の支払いに使用した支払い方法 (クレジットカードや現金など) を記載する。

  • 必要に応じて補足情報を追加する。

ヒント: デジタル経費報告書を使用すると、経費の入力、領収書のアップロード、情報の共有を 1 つのプラットフォームで行えるため、このステップがよりシンプルになります。紙の報告書を使うと、長期に渡って管理が必要となる上に、その報告書を適切な人物へ渡すという作業も増えます。

2. 経費報告書を提出して承認を得る

経費報告書が完成したら、提出して承認を得ます。財務報告書を誰が承認するかについては、企業によってチーム構造がそれぞれ異なりますので、経費報告書を提出する前に、経費の最終的な承認者が誰なのかを財務チームに確認しておきましょう。

プロジェクトマネージャーは、こうしたドキュメントを上司にあたる部門長に提出したり、財務チームに直接提出したりする必要があるかもしれません。あなたの部下が経費報告書を作成した場合、そのメンバーはまずあなたに提出して承認を得てから、次の担当者に提出する可能性があります。

ヒント: 経費報告書は、頻繁に持ち主が変わるため、行き来する間に紛失する恐れがあります。紙のドキュメントだと紛失しやすかったり、誤ったタイミングで誤ったメンバーに渡してしまったりするかもしれません。経費報告書を提出するデジタルなシステムがあれば、経費報告書が必要な担当者に送信されるよう設定できます。

3. 必要に応じて変更を加える

経費報告書の内容を十分に確認していても、承認を受ける前に、財務チームから何らかの質問を受ける場合があるかもしれません。それは、何か問題があるということではなく、経費の払い戻しを受ける前に、求められた変更を加える必要があるというだけの話です。一般的に、以下のような変更を加えることを求められる場合があります。

  • 経費の種類を明確にする

  • 料金の詳細な内訳を提供する

初期費用について提供する情報が細かければ細かいほど、提出後に修正を求められる可能性が低くなります。財務チームが報告書の処理に費やす時間を減らし、経費の払い戻しを受け、仕事へ戻るために、スムーズに承認を受けられるようにしましょう。

ヒント: 紙の経費報告書に変更を加えるのは、面倒な場合があります。コンピューターに保管してある報告書の元のファイルを見つけ、その内容を送り返されてきた報告書のメモと照らし合わせ、変更を加えてから、新しいものを印刷して、もう一度提出するという作業が必要になるでしょう。デジタル報告書なら、オンライン上の文書を更新するだけですべての修正が完了します。

4. 財務チームによる経費報告を待つ

これまでのプロセスを経て、経費報告書が無事に承認されたとします。一般的に、経費報告のプロセスはこれで完了です。しかし、対象となる経費がプロジェクトに関連したものである場合は、さらなる報告が必要になる場合もあります。プロジェクトスコープを守り、大規模な事業目標を順調に進められるよう、こうした経費は必ず会社の予算やプロジェクト予算に含めておきましょう。

ヒント: プロジェクト管理ソフトウェアを使わずにプロジェクトや企業の財務計画を可視化するのは困難です。経費報告書のコストをより優れたコスト管理システムにインプットすれば、経費の発生元を示し、今後に向けて戦略的な財務計画を立てることができます。

5. 払い戻しを受ける

最後のステップでは、自分が負担した経費のうち、対象となる分の払い戻しを受けます。これで報告プロセスは完了となります。新たに経費を負担することがあれば、またこのプロセスを最初から繰り返します。

ヒント: 年間を通して、さまざまなタイミングで、多くの従業員が経費を負担し、それぞれの払い戻しサイクルが開始、終了していくため、報告のプロセスはバタバタする場合があります。すべての従業員が使う、しっかりとしたプロセスが欠かせないのは、そのためです。オンラインのフォームオートメーションを使用すれば、ミスや遅延が発生するリスクを抑えられます。

記事: チームリードが求めるプロジェクト横断レポートツールの選び方: 究極ガイド

経費報告書テンプレートと実例

下の例は、マーケティング部門のチームメンバー向けの経費報告書に記入したものです。Sally Brown さんは、1月 15日から始まる週に負担した事業経費を記入し、勤め先企業の財務チームに提出しました。この週次経費報告書には、各経費の目的やコストの内訳など、さまざまな詳細が記載されています。

Sally さんの報告書を見ると、彼女は出張でマーケティングカンファレンスに参加したほか、モデルの写真撮影の現場まで車で移動し、そのモデルに報酬金を支払ったことが分かります。

経費報告書の例

週次経費報告書のテンプレートは、以下のリンクからダウンロードが可能です。ただし、使用する前にまず必ず財務チームから形式やレイアウトに関する承認を得るようにしましょう。承認を得たら、チームメンバーはこのテンプレートを使って事業経費を入力し、経費が発生した理由を説明し、提出することにより払い戻しを申請できます。

週次経費報告書の無料テンプレート

経費報告書が重要な理由とは?

組織内の従業員 1 人またはグループが単独でビジネス上のあらゆる購入を負担することはできません。企業のためにすべてのチームメンバーが何らかの購入をするとは限りませんが、経費報告のプロセスを確立しておくと、従業員はいつでも必要なときに経費を報告し、払い戻しを受けることができます。

経費報告書を使うメリット

経費報告書が重要な理由としては、以下のようなものがあります。

  • チームと会社による支出を追跡できる

  • コストの削減が可能な項目を示すことにより、コスト管理を改善できる

  • 総収入から経費を差し引くことにより、収益性を判断できる

  • 従業員に事業経費を払い戻せる

お金は組織の中でモニタリングする必要のある一番大事なものの 1 つであり、経費報告は、スケールの大きなコスト管理のパズルを構成するピースの 1 つです。

フォームで経費を報告して予算をモニタリングしましょう

印刷可能な経費報告書は、チームメンバーが購入したアイテムをさっとリストアップしたいときに便利ですが、オンラインフォームを使用すると、企業の財務状況をより高いレベルでモニタリングできます。報告書に変更を加え、自動的に提出し、簡単にドキュメントを共有できる柔軟なシステムが必要であれば、間違いなくデジタル報告が便利です。Asana を使用すると、経費の入力と払い戻しを簡単に行える標準的な受け付けプロセスを構築できます。

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