文化的知性を磨くことがマネージャーとしての成長につながる理由

寄稿者 Julia Martins の顔写真Julia Martins2021年7月2日00
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文化的知性 (カルチュラル・インテリジェンス) とは、チームのメンバーがそれぞれ異なる考え方や表現方法を持っていることを認識することです。チームメンバーの文化が自分の文化とどのように違うのかを理解することで、よりインクルーシブかつ協力的で、効果的なマネージャーになることができます。

文化的知性は、1on1 ミーティングを効果的に進めることから、グループでの活動をより居心地の良いものにすることまで、さまざまな場面で活用できます。この記事では、チームメンバーの出身地がどこであってもサポートできるように、文化的知性を身につける方法をご紹介します。

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文化的知性とは?

文化的知性とは、簡単に言えば、複数の文化の中で仕事をする能力のことです。文化的知性の高いマネージャーは、自分のチームで文化が果たす役割を積極的に認識し、それに応じてマネジメントスタイルを調整できます。

文化とは?

大まかに言えば、文化とは、ある集団が共有する信念、行動、規範、伝統、芸術、慣習、習慣などのことです。この包括的な用語は、必ずしも個人の出身国を指すものではなく、その人が属する社会やコミュニティを指すものでもあります。

文化的知性は、たとえ分散チームやグローバルチームで働いていなくても、すべてのマネージャーにとって欠かせないスキルです。なぜなら、個人個人のユニークなバックグラウンドは、チームにとって貴重な資産となる要素の一部だからです。文化的背景がチームメンバーにどのような影響を与えるかを理解することで、より優れたリーダーになることができます。

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文化指数 (CQ) とは?

CQ は、知能 (intelligence) の尺度である IQ や感情的な (emotional) 知能の尺度である EQ と同様に、文化的な知能、つまり文化指数を評価する尺度です。

CQ という言葉の由来は?

文化指数 (CQ) は、2000年代初頭に Christopher Earley と Soon Ang によって初めて使用されました。同時期に行われた David Thomas と Kerr Inkson の研究により、文化的知性の全体像が明らかになりました。Ang と Linn Van Dyne は、この研究を発展させ、研究に裏付けられた異文化間のパフォーマンスを測定する方法として、CQ スケールを構築しました。

2015年、David Livermore は、Ang と Van Dyne が開発した CQ スケールをさらに発展させた『Leading with Cultural Intelligence』を発表しましたLivermore によると、文化的知性には大きく分けて 4 つの要素があります。

  1. CQ 動機: 多様な文化的状況の中で効果的に役割を果たす能力に対する自信を表す。

  2. CQ 知識: 文化間の類似性と相違性に関する理解。

  3. CQ 戦略: 文化的に異なる経験をどのように理解し、処理するか。

  4. CQ 行動: 異文化に合わせて、言語や非言語での行動を適応させる能力。

CQ が高い人は、4 つの能力をすべて持ち合わせています。自分の CQ を測るためにテストや自己評価を受けることができますが、このスキルは IQ などの他の知能のように数値で表されるものではありません。どちらかと言うと、CQ は他のソフトスキルと同じように、人生をかけて身につけるべきスキルなのです。

文化的知性と感情的知性の違い

感情的知性 (EQ) とは、コラボレーション、つながり、共感性を高めるために、自分自身の感情を認識し、調整する能力であり、人とのつながりを深めたり、争いを減らしたりする能力でもあります。EQ は、良好な対人関係を築くための鍵となります。

文化的知性とは、自分とは異なる文化的背景を持つ人々と関わる際に EQ を活用することです。CQ が高い人は、共感力とつながりを駆使して、必ずしも同じ文化的規範を持っているわけではないチームメンバーのニーズを理解します。

文化的感受性とは?

文化的感受性とは、ある文化を他の文化よりも重視することなく、文化の違いを意識することです。これは、チームメンバーが自分とは違うことをするからといって、それが良いことでも悪いことでもないという信念に基づいています。一方で、文化的感受性の高いリーダーは、文化の違いを認識し、それを祝福し、必要に応じて対処することで、強いチーム環境を作る方法を理解しています。

自分の国のことを第一に考え、国際的なことは第二に考える癖がついてしまうことがあります。使う言葉に気をつけて、文化の違い、言語の違い、時差に敏感になりましょう。
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文化的知性がビジネスで果たす役割

文化的知性は、チームビルディングに影響を与えるため、ビジネスにおいてますます重要なスキルとなっています。チームを管理する醍醐味の 1 つは、それぞれがユニークな視点とスキルセットを持ったメンバーと一緒に仕事ができることです。異文化への共感を持ってチームを導くこと、異なる文化的背景を考慮すること、文化的知識を持って問題解決を図ること、これらすべてがリーダーシップスキルを向上させる方法です。

多文化チームには多様な意見が必要です。多様なチームの影響力を引き出し、チームの相乗効果を高めるには、チームワークを管理し、促進する必要があります。そこで、高い CQ が必要になってくるのです。

たとえば、直接的なコミュニケーションやフィードバックが得意なチームメンバーがいる一方で、間接的なフィードバックが得意なチームメンバーもいるでしょう。それぞれのチームメンバーが何を必要としているかを特定することで、自分の意見を聞いてもらえている、そして職場で歓迎されていると感じてもらえるようになります。そうすることで、居心地の良いチームができあがるのです。

チームメイトの立場に立って、ビジネスカルチャーやコミュニケーションスタイルについて、知識を深めましょう。100% 確信を持って言えるのは、ほとんどの場所の、ほとんどの人が、自分とまったく同じようには行動しないということです。

文化的知性を身につける方法

CQ の構築は、継続的なプロセスです。技術的なスキルのように一度で終わるものではなく、時間をかけて努力し、スキルを身につけていく必要があるのです。

1. 自分自身の教育から始める

CQ の学びを活かすためには、まず自分自身の教育と理解に力を入れる必要があります。これには、チームメンバーがどのような文化を持っているのか、彼らのコミュニケーションスタイルはどのようなものか、そしてマネージャーやリーダーとしてあなたに何を期待しているのかを学ぶことが含まれます。

異文化間のつながりを構築する最善の方法は、経験を共有することです。まず、チームメンバーにとって文化的に意味のある祝日や重要なイベントについて学びましょう。メンバーの誕生日、重要な宗教上の祭日、異なる国にいるメンバーの地元の祭日など、何でも構いません。これらのトピックについて学ぶことは継続的なプロセスですが、各チームメンバーの重要なイベントに関心を示すことで、職場での居心地がよくなり、チームに歓迎されていると感じてもらえるようになります。

各チームメンバーの文化について少し学んだら、その学びを自分の行動に応用してみましょう。たとえば、チームメンバーの 1 人がラマダンを実践しており、日中は断食をしている場合、喉が渇いている可能性があるので、できる限りその人の前で飲食しないように配慮します。このような小さなことが、チームの快適さを高めることにつながるのです。

チームメイトがいる地域のニュースを読みましょう。彼らの周りで起きている大きな出来事を理解し、それが彼らの仕事や個人的にどのような影響を与えるかを理解するのです。すべての出来事を知る必要はありませんが、地域的な背景を知ることで、あなたがその地域に積極的に関心を持ち、気にかけていることが伝わるでしょう。
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2. 文化的な規範や期待を考慮する

文化背景が異なるチームメンバーは、通常、異なる方法でコミュニケーションをとります。マネージャーとしてやらなくてはいけないことは、会話の中で、特に建設的なフィードバックを提供する際に、その人が好むコミュニケーション手段を念頭に置くことです。

まだ聞いていない場合は、次回の 1on1 ミーティングの時に、チームメンバーの好みのコミュニケーションスタイルを聞いてみましょう。また、過去のマネージャーうまくやっていたことで、あなたが見習うべきことがあるかどうかを聞くこともできます。抵抗を感じないのであれば、フィードバックの受け取り方についても話し合ってみてください。たとえば、フィードバックは書面で受け取りたいのか、それとも口頭で受け取りたいのか、を尋ねてみるのもいいでしょう。このようなスキルを身につけるには時間がかかりますが、チームメンバーと一緒にできることです。

直接的な人もいれば、フィードバックや助けを求めるのが苦手な人もいるなど、文化はそれぞれ異なることを認識しましょう。チームメンバーそれぞれの文化規範や好みを理解するように心がけ、適切にチームを管理できるように努めていきましょう。
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3. ボディランゲージに注目する

コラボレーションに優れたチームを管理するには、効果的なコミュニケーションが不可欠です。また、チーム内で言われていないことに注意を払うことも同様に重要です。

対立を避ける文化もあるので、チームメンバーが心に思っていることを言わない場合もあります。たとえば、懸念事項を直接伝えることに抵抗を感じるチームメンバーがいるとします。そのチームメンバーにとってより効果的なマネージャーになるためには、オフィスやチームの Slack で黙っていないか気にかけ、何か気になることがないか聞いてみましょう。

同様に、会議中に発言しないチームメンバーがいたら、マネージャーとしてサポートできることはないか、1on1 ミーティングで尋ねてみましょう。中には、会議の議題を事前に確認し、その場で質問を考えるのではなく、準備をして会議に臨みたいという人もいるかもしれません。このような些細なことが、チームをサポートする上で大きな力となるのです。

チームミーティングでは、黙っている人に必ず声をかけましょう。多くの文化圏の人たちが、会議で発言することをためらいますが、バーチャルな環境ではさらに発言がしづらい人もいます。「何か付け加えたいことはありますか?」というような簡単な質問でもいいので、きっかけを与え、直接発言を促すことで、みんなが共有しやすい環境を作りましょう。

4. 感謝の実践

感謝と評価を活用すると、チームメンバーと親密な関係を築き、彼らの仕事ぶりを見ていることを効果的に示すことができます。しかし、積極的に考えていない限り、評価することは難しいでしょう。特に、別のオフィスや、リモートワークで働いていて、毎日顔を合わせていないチームメンバーを評価するのは、簡単なことではありません。そのため、1on1 のミーティングだけでなく、チーム全体の前でも、そのチームメンバーの功績を評価するようにしましょう。

チームミーティングで「称賛」という議題を設けたり、Slack に感謝のチャンネルを設けたりするなど、チーム内で感謝の習慣を作ることを検討してみましょう。自分で率先して感謝の気持ちを共有し始めることもできますが、チームメンバー全員に参加してもらいましょう。

リモートチームは、自分たちの仕事ぶりが評価されにくく、残念ながら「去る者は日々に疎し」状態になってしまいます。会社やチーム全体のイベント (全員参加のミーティングなど) でリモートチームが発表する機会を積極的に見つけ、チーム賞や感謝のメッセージでリモートチームが注目されるような方法を模索しましょう。

5. 実用的なディテールを軽視しない

非言語的なコミュニケーションや文化的なディテールは大切です。しかし、チームのロジスティクスについて考えることも同様に大切です。時差を越えた分散チームを管理している場合、チームメンバーの現地時間を考慮してミーティングの予定やメッセージを送りましょう。そのチームメンバーがミーティングに参加しているかどうかを確認し、参加できない場合は、後で確認できるように録画しましょう。

時には、すべてのミーティングにすべてのメンバーが参加することが不可能な場合もあります。チームが世界中に散らばっている場合は、チームミーティングを別の時間帯に開催することを検討しましょう。たとえば、アメリカを拠点としている場合、定期的に行われるチーム全員参加のミーティングの時間を交互に設定します。ある週は、EMEA チームのメンバーが参加できるように午前中にスケジュールを組みます。そして、その次の週は、APAC 地域のメンバーが参加しやすいように午後に設定しましょう。

メッセージを送ったり、タスクを割り当てたりする際には、夜中にグローバルチームに通知がいかないように、曜日や時間に気を配りましょう。通知をどのように管理するかは個人の自由ですが、受信者にとって都合の悪い時間には送らないように配慮することもできます。
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文化的に多様で、インクルーシブなチームを率いる

文化多様性は素晴らしいことですが、文化的に多様なチームを管理する方法を知るには練習が必要です。そのためには、自分の文化的知性を高めなくてはいけません。他の対人スキルと同様、文化的知性を身につけるには時間がかかります。しかし、努力してこのようなスキルを身につけると、チームメンバーたちが職場でありのままの自分でいられると感じてくれるようになります。

Asana のブログでは、時差を乗り越え、チームの結束を高める方法を紹介しています。

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