分散チームの管理に効果的な 7 つのヒント

寄稿者 Sarah Laoyan の顔写真Sarah Laoyan
2024年2月5日
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概要

分散チーム管理は、チームメンバーがさまざまな場所やタイムゾーンに分散している環境で行うものです。こうしたチームでは、世界中から豊富な知識が集まる一方で、独特な課題にも直面します。この記事では、分散チームを最適な方法でサポートするための 7 つのヒントを紹介します。

経済のグローバル化が進むにつれて、顧客がどこにいてもサービスを提供できるグローバルチームの存在が必要になります。チームメンバーがさまざまなロケーションやタイムゾーンにいるチームのことを分散チームといいます。さまざまなメリットがある一方で、分散チームならではの課題もあります。

分散チーム管理とは?

分散チーム管理とは、中心となる拠点を持たずに、さまざまなロケーションに散らばっているチームのメンバーを管理することです。たとえば、あるメンバーはある都市のオフィスで働き、また他のメンバーはリモート、さらに別のオフィスで働くメンバーもいるといった組織は分散チームの例です。

分散チーム管理とは、このように異なる場所に散らばったチームを管理するということです。分散チームは、ユニークな体制を取るため、メンバー全員が一か所に集まって働く従来のチームよりも管理しにくい場合があります。

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分散チーム、リモートチーム、ハイブリッドチームの違いとは?

分散チームとリモートチームという用語を同じ意味で使う人もいますが、これらには少しだけ異なる点があります。分散チームとは、異なる場所に分散していますが、オフィスで働くメンバーが含まれる場合があります。リモートチームとは、特定の拠点を持たず、メンバー全員が別々の場所にいるチームのことを指します。ハイブリッドチームは分散チームとリモートチームの要素を少しずつ組み合わせたチームで、メンバーたちが中心的なオフィスに集まる時間および在宅勤務とオフィス勤務のどちらかを選択できるフレックスな曜日が設けられています。

分散チーム管理を行う理由とは?

分散チームは、世界中にオーディエンスがいる企業にとって欠かせない存在です。分散チームは、以下のように企業に多くのメリットをもたらします。

  • ターゲット市場にアクセスしやすい。通常のタイムゾーンの外にある市場にリーチしたいなら、そのターゲット市場にチームメンバーを配置すると一番簡単にその市場のオーディエンスにアクセスできます。たとえば、あなたの企業がカリフォルニア州に拠点を置き、ターゲット市場がニューヨークにあるという場合、その潜在顧客とは営業時間がわずか数時間しか重なりません。ですが、ニューヨークにチームメンバーがいれば、そのメンバーの勤務時間をターゲット市場に 100% 合わせることができます。

  • より広い範囲で人材を探せる。リモートチームや分散チームを持つことには、1 つの都市よりもはるかに広い範囲で人材を探せるというメリットがあります。これにより、候補者を特定の都市限定で探したり、本拠地に移転してもらったりすることが必要な場合よりも、かなり多くの人材と話すチャンスが生まれます。また、従業員が重要視するポイントが大きく変わってきています。多くの働き手は、家族との時間を増やせるよう、リモートで働く選択肢を提供する企業を探すようになっています。こうした人材の希望に応えられるよう、メリットの幅を広げれば、より多くの優れた候補者たちをチームに迎え入れることができるようになります。

  • コストを抑えられる (雇用主と従業員の両方)。雇用主にとっては、オフィスで勤務するチームよりも、分散チームを管理する方がコストを抑えられる場合があります。なぜなら、分散チームの場合、企業は、オフィススペースのような基本的なオーバーヘッド (間接費) を支払わなくてよいからです。分散チームを管理する企業は、特定の従業員の生活費をベースにした給与をチームメンバーに支払うことによって費用を浮かせられる可能性があります。また、その従業員がどこで暮らしているかによっては、企業全体の資金を節約できることもあります。従業員は、コーヒーやランチの外食を控え、またガソリン代や公共の交通機関の運賃を浮かせることによって、お金を節約できる場合があります。

分散チームを管理するための 7 つのヒント

分散チームを管理するのと従来のオフィス環境のチームを管理するのとは大きく異なります。以下に、分散チームを管理するのに役立つヒントをいくつか紹介します。

1. 一貫性のある会議を開催する

毎週同じ時間に会議を開けば、それがチームメンバーにとって決まったスケジュールとなります。そうすると、チームメンバーは、必要に応じて、その会議を中心にスケジュールを調整できるため、自分たちに一番都合の良いかたちで日々のスケジュールを立てることができます。また、会議の内容を一貫させることも大切です。そうすれば、チームメンバーは、チームの定例会議に貢献することが必要であれば、どのような形で、またどのタイミングで貢献すべきなのかを把握できるようになります。定例会議に出席できないメンバーがいれば、非同期的に情報を確認できるようにしましょう。会議を録画したり、会議が終わった後にメモを共有するなどすれば、メンバー全員の間で情報が共有されます。

役に立つヒント

チームメンバー全員の空き時間が合わない場合は、どうすれば良いでしょう?その場合は、毎週行う代わりに、2 週間ごとのサイクルを組みます。Asana でグローバルコミュニティ部門長を務める Josh Zerkel は、自分自身がサンフランシスコを拠点にしている一方で、チームはヨーロッパとアジアに分かれているため、2 通りの時間帯を交互に使っています。ある週に太平洋標準時間の午前に会議をしたら、次の週は太平洋標準時間の午後に会議を開きます。会議は毎回録画して、誰が出席できるかに関係なく、チームメンバー全員が非同期的に録画を確認できるようにしています。

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2. オンボーディング中に期待事項を設定する

どの企業にとってもベストプラクティスとされていることですが、分散チームのコミュニケーションの取り方の標準をオンボーディングプロセスの中で示すことが重要です。勤務時間中はどのようなコミュニケーションの仕方が許可されるか、情報はどこで共有されるか、特定のチームメンバーとのコミュニケーションの取り方などについて情報を提供します。こうした事柄は、オンボーディングプロセスの早い段階で扱うと良いでしょう。期待事項を早い段階で決めておくと、個々のメンバーは、会社が設定した標準的な境界線に加え、独自の境界線も設定できます。

役に立つヒント

新しく加わるチームメンバーに会社のベストプラクティスについて教育することは重要ですが、マネージャーにとっては、会社のベストプラクティスとチームメンバー間のコミュニケーションに関する最新の取り決めについて把握しておくことも重要です。コミュニケーションスタイルは文化によって異なるため、日本にいるメンバーとの効果的なコミュニケーションは、ニューヨークにいるメンバーとコミュニケーションを取る場合とは異なるかもしれません。

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直接的な人もいれば、フィードバックや助けを求めるのが苦手な人もいるなど、文化はそれぞれ異なることを認識しましょう。チームメンバーそれぞれの文化規範や好みを理解するように心がけ、適切にチームを管理できるように努めていきましょう。”
Jessica Gilmartin、Asana、収益マーケティング部門長
記事: リモートでのオンボーディングならではの 4 つの問題とその解決策

3. 境界線を尊重する

分散チームで働くときは、会社やチーム、個々のチームメンバーが設定した境界線を尊重することが重要です。サンフランシスコにいるメンバーが太平洋標準時間の午後 4 時にベルリンにいるメンバーにメールをして、すぐに返事が来るのを期待するという状況は避けたいものです。ベルリンにいるチームメンバーの勤務時間を考慮できていないだけでなく、米国の西海岸にいるチームメンバーは、ワークフローに合うかたちで必要な情報を得ることができません。お互いの境界線を把握し、それを尊重できるプロセスを設定すれば、こうした状況を避けることができます。

役に立つヒント

勤務時間が通常の午前 9時から 午後 5時を超えることを受け入れなくてはいけない場合もあるため、柔軟な対応が必要になります。毎日 18 時間も働かなくてはいけないということではありません。しかし、異なるタイムゾーンで働くメンバーに合わせて、普段より早くにサインオンしたり、サインアウトする時間を遅らせたりする日があることは避けられません。

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4. 複数のコミュニケーションプラットフォームを用意する

分散チームで働くということは、従来の「9時 5時」の仕事よりも少し柔軟なスケジュールで働けるということです。チームメンバーによっては、外出先で電話に対応したり、メールに返信したりすることがあるでしょう。Slack のようなメッセージングソフトウェアや Zoom のようなビデオカンファレンスツール、Asana のようなワークマネジメントプラットフォームなど、複数のコミュニケーションスタイルを用意すれば、チームメンバーはそうした選択肢を使い分けて、適切な情報を適切な場所で伝えることができます。また、モバイルデバイスを使ってコミュニケーションを取れるようにすれば、チームメンバーは自分たちの好みやスケジュールに合う方法で働けます。

役に立つヒント

さまざまなコミュニケーションスタイルがあるのは嬉しいですが、メッセージがすぐに行き違ってしまう場合もありますので、すべての最終決定事項を一元管理する場所を用意する必要があります。これは、母国語が自分とは違うチームメンバーがいる場合に特に便利です。文章の代わりに動画を使うと、テキストによるコミュニケーションを使う場合よりもトーンや背景情報を伝えやすくなります。

5. 明確で測定可能な目標とチームがそれを達成する方法を確立する

明確で測定可能な目標を立てると、チームはそうした目標を達成するためのアクションプランを立てることができます。すると、そうした目標を達成するためにチームメンバーが完了させる必要のある作業が明確になります。この 2 つを揃えれば、最も都合の良いタイミングで必要な作業を行うという自律性を分散チームのメンバーに与えることができます。彼らは、自分の作業を期日までに済ませる限り、一番都合の良いやり方で働くことができます。

役に立つヒント

目標を達成するのは素晴らしいことですが、分散チームにとって、チームの成果を祝うことは特に大切です。メンバー全員が直接顔を合わせる時間は確保しにくいため、チームの成果を一緒に祝うことが重要になります。バーチャルでも、対面でも良いので、皆で集まって、一緒に時間を過ごし、成果を祝う計画を立てましょう。

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6. 定期的に交流し合う時間を設定する

分散チームを管理することには、チームメンバー同士が交流し合って仲間意識を高める機会をなかなか得られないという大きな欠点があります。普段から分散チームのメンバーと仕事以外のことについて談話したり、チームメンバーが一緒にリモートで仕事に取り組むといった通常の作業セッションを行う時間を設けることが大切です。

役に立つヒント

自分と同じオフィスにいるチームメンバーと一緒に作業を行う場合は、そのメンバーとの「雑談」に注意しましょう。そうした会話は、チームメンバーとの良い関係を築く上で重要ですが、自分とは別のオフィスにいるチームメンバーに対して拠点のサイロをうっかり作ってしまわないように注意しましょう。

7. 自律性を提供する (ただし定期的に状況確認を行う)

分散チームで働いていると、オフィスにいるときのようにチームメンバーと自由に会話をすることができないため、チームメンバーとつながるのに少し苦労してしまいがちです。そのため、マネージャーが定期的にチームメンバーと状況確認を行うことが重要になります。定期的に状況確認を行うことで、チームメンバーに仕事で必要なサポートを提供することができます。何らかの障害が起これば、一緒に解決策について話し合うための時間が確保されます。

役に立つヒント

チームメンバーと一貫して定期的に 1on1 ミーティングを行うと、直属の部下が仕事に関する問題について話し合うための時間を確実に、また簡単に確保できます。それはまた、チームがオープンに、または匿名でマネージャーにフィードバックをする手段にもなります。そして、チームはマネージャーに対して批判的意見も伝えられるようになるため、マネージャーはチームが本当に必要としているサポートを提供できるようになります。

分散チームが大きな成果を挙げる姿を見ましょう

分散チームの管理にはリソース調整面での課題が伴いますが、多様なチームが成長していく様子を見られるのは、マネージャーにとっても、企業にとっても嬉しいことです。企業が国際的に成長していく中、世界中に散らばるチームメンバーがコラボレーションを行い、一緒に素晴らしいことを成し遂げるのは、珍しいことではなくなるでしょう。

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