稟議書
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概要

稟議書とは、自分の権限だけでは決められない事柄について、関係者や上司から承認・決裁を得るための社内文書です。本記事では、稟議書の意味や読み方、決裁・起案との違いを整理したうえで、稟議書の種類や書き方の基本、承認をスムーズに進めるためのポイントを解説します。

稟議書とはどのような書類か

稟議書とは、自分の権限だけでは決められない事柄について、関係者や上司に内容を回覧し、承認や決裁を得るための社内文書です。物品の購入や新規取引先との契約、社員の採用など、一定の金額や影響範囲を超える意思決定を行う際に作成されます。

稟議書の読み方

「稟議」は「りんぎ」と読みます。「ひんぎ」と読み間違えられることがありますが、正しい読み方ではないため注意しましょう。

稟議と決裁、起案の違い

稟議書に関連する言葉として、決裁と起案があります。

稟議とは、関係者を回覧して承認を得る一連の手続きを指します。稟議書を作成する人を起案者、起案者が最初に作成する原案を起案書と呼びます。近年は、起案書と稟議書がほぼ同じ意味で使われるケースも増えています。

一方、決裁とは、稟議書の内容について最終的な判断を下す手続きです。決裁を行う人を決裁者と呼び、稟議書は決裁書と呼ばれることもあります。稟議は複数の承認者が段階的に確認していく手続きであるのに対し、決裁は決裁者による最終判断という位置づけの違いがあります。


稟議書はなぜ必要なのか

稟議書が必要とされる大きな理由は、関係者を集めた会議を開かなくても、複数の承認者から合意形成を得られる点にあります。稟議申請の形で内容を回覧すれば、それぞれの承認者が都合のよいタイミングで内容を確認でき、スケジュール調整の手間も省けます。

また、稟議書は「誰が、いつ、何を、どのような理由で稟議にかけたのか」を記録として残せるという役割も持っています。後から経緯を確認したいときや、社内稟議の内容についての説明責任が求められたときにも、稟議書があれば経緯をたどることができます。


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稟議書は何円以上から必要か

稟議書が必要になる金額の基準は、法律で定められているわけではなく、多くの企業では社内規定の一つである決裁権限規定によって定められています。一般的には、数万円程度の少額な物品購入から、数百万円規模の設備投資や人件費に関わる採用まで、金額や影響範囲に応じて稟議が必要な基準や承認ルートが変わることが多くあります。

自社の基準がわからない場合は、上司や総務・経理部門に決裁権限規定の内容を確認してみるとよいでしょう。


稟議書の主な種類

稟議書は、目的によっていくつかの種類に分けられます。

人に関する稟議

新しく人材を採用する際に作成するのが採用稟議 (採用稟議書) です。応募者の選考状況や採用条件、採用にかかる人件費などを記載し、人事部門や決裁者の承認を得ます。

物品・設備に関する稟議

パソコンや設備などを購入する際に作成するのが購買稟議 (購買稟議書) です。少額な物品購入から、数百万円規模の設備投資まで幅広く該当し、見積書などの添付資料をもとに費用対効果を説明します。

契約・その他の稟議

新規取引先との契約を結ぶ際の契約稟議、契約書や重要書類に押印する際の捺印稟議、取引先との会食にかかる費用を申請する接待交際稟議なども代表的な種類です。稟議書の種類によって、記載すべき内容や添付資料、承認ルートが異なる場合があるため、自社でどのようなフォーマットが用意されているかを事前に確認しておきましょう。


稟議書に書く基本項目とフォーマット

稟議書には、いくつか共通して記載すべき項目があります。

タイトルには、稟議内容が一目でわかるよう、要点を簡潔にまとめて記載します。起案者の氏名や所属部署、決裁者の氏名も明記しましょう。稟議内容には、稟議にかける目的や背景、理由に加えて、実施することで得られる効果と、かかる費用を比較した費用対効果についても記載すると、承認者が判断しやすくなります。

見積書や資料など、判断の根拠となる添付資料もあわせて用意します。稟議書がどの承認者を経て決裁に至るのかという承認ルート (承認経路) も、社内規定に沿って正しく設定する必要があります。

稟議書の記載例

実際にどのように書けばよいか、購買稟議と採用稟議の記載例を紹介します。自社のフォーマットに合わせて、項目や表現は調整してください。

購買稟議の記載例

タイトル:営業部用ノート PC 購入の件

起案者:営業部 田中太郎 決裁者:営業部長

稟議内容:

背景・理由:営業部で使用しているノート PC の一部が老朽化し、動作が不安定になっているため、新しい機種への入れ替えを希望します。

購入内容:○○社製ノート PC 5 台(1 台あたり 120,000 円、合計 600,000 円)

費用対効果:動作不良による業務停止のリスクを解消でき、資料作成や商談準備にかかる時間の短縮も見込めます。

添付資料:見積書、対象 PC の故障履歴

採用稟議の記載例

タイトル:マーケティング部 契約社員 1 名採用の件

起案者:マーケティング部 佐藤花子 決裁者:マーケティング部長、人事部長

稟議内容:

背景・理由:新規プロジェクトの立ち上げに伴い、コンテンツ制作を担当する人員が不足しているため、契約社員の採用を希望します。

募集条件:契約社員、月額給与 ○○ 円、勤務地:本社

費用対効果:外部委託と比較して、長期的なコスト削減と社内ノウハウの蓄積が見込めます。

添付資料:求人票案、採用予算内訳


稟議書の書き方のポイント

承認を得やすい稟議書を書くうえでは、いくつかのポイントがあります。

要点を簡潔にまとめる

背景・理由・費用対効果を分かりやすい順序で記載することが基本です。専門用語を多用すると、専門外の承認者には内容が伝わりにくくなるため、初めて稟議書を読む人にもわかるような言葉を選ぶことも意識しましょう。

根拠となるデータを添付し、課題にも触れる

根拠となるデータを添付し、メリットだけでなく想定される課題やリスクにも触れておくと、客観性のある稟議書になります。

稟議書を通す前に根回しをしておく

稟議書を回覧する前に、関係者へ事前に内容を説明しておく根回しも、スムーズな承認につながる実務上のポイントです。


稟議書でよくある課題

稟議書の運用には、いくつかの共通した課題があります。

差し戻しの繰り返しと承認の遅延

内容に不備があったり、記載が不十分だったりすると、差し戻しが繰り返され、その都度修正と再提出の手間が発生します。承認ルートが複雑だったり、承認者が不在だったりすると、承認の遅延も起こりやすくなります。

押印文化がテレワークの妨げになる

紙の稟議書に押印を回す運用が残っている場合は、テレワークや在宅勤務が中心のメンバーにとって、出社しなければ手続きが進まないという新たな負担にもなります。

初めて作成する人にとってわかりにくい

初めて稟議書を作成するメンバーにとっては、社内特有の専門用語やフォーマットが分かりにくく、何度も上司に確認しながら作成することになるケースも少なくありません。


稟議書を電子化・デジタル化するメリット

こうした課題を解決する方法として、稟議書を電子化・デジタル化する企業が増えています。電子稟議やワークフローシステム、クラウドサービスを活用すれば、稟議書の作成から承認までの一連の流れをオンライン上で完結できます。

電子化のメリットとしては、押印のための出社が不要になりテレワークや在宅勤務にも対応しやすくなること、承認ルートや進捗状況が可視化され、誰の承認待ちかがひと目でわかること、紙の印刷や保管にかかるコストを削減できることなどが挙げられます。


Asana で稟議の申請から承認までをスムーズにする方法

稟議書の差し戻しや承認の遅延は、多くの場合、フォーマットのばらつきや、承認ルートが可視化されていないことが原因で起こります。

フォームで起案フォーマットを統一する

Asana のフォーム機能を使えば、稟議の種類ごとに必要な項目をあらかじめ用意でき、回答が送信されるとタスクが自動で作成されるため、起案者ごとにフォーマットがばらつくことを防げます。

承認ルートを可視化し、遅延を防ぐ

承認フローシステムを改善する Asana の使い方を使えば、ばらばらだった承認ルートを組織として統一し、タスク内のコメントに稟議に関するやり取りを集約できます。承認者が不在の場合でも、代理の担当者が状況をすぐに把握できるため、承認の遅延を防ぎやすくなります。

稟議の種類ごとにテンプレート化する

採用稟議や購買稟議など、稟議の種類ごとに繰り返し使う稟議書は、プロジェクトテンプレートやタスクテンプレートとして登録しておくことで、毎回ゼロからフォーマットを作る手間を省けます。Asana のリクエスト管理ツールとしての使い方も、稟議申請の窓口を一本化したいチームの参考になります。

金額や種類をカスタムフィールドで管理する

カスタムフィールドを使えば、稟議金額や稟議の種類、決裁ステータスといった情報をタスクに追加し、組織全体で同じ形式で管理できます。稟議の全体像を統一したルールで運用したい Admin・バックオフィス担当者には、Asana のワークフロー管理ソフトウェアとしての使い方も参考になります。


散らばった仕事の情報を、1 つの場所に

タスク、ファイル、コメント、進捗をひとつのワークスペースに集約すれば、情報を探す時間も、確認のための手間も減らせます。Asana で、仕事そのものの一元化を始めましょう。

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まとめ

稟議書とは、自分の権限だけでは決められない事柄について、関係者や上司から承認や決裁を得るための社内文書です。

稟議が必要になる金額の基準は法律ではなく社内規定によって決まり、稟議書の種類によって記載内容や承認ルートも異なります。

差し戻しの繰り返しや承認の遅延といった課題は、フォーマットのばらつきや承認ルートの不透明さが原因になっていることが多く、Asana のようなツールでフォームとワークフローを整えることで、稟議の申請から承認までをスムーズに進められるようになります。


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