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有限会社ゑびや -  有限会社ゑびや 代表取締役 小田島 春樹氏

難しいとされる飲食業のDXを成功させた「ゑびや大食堂」実体験に基づいて構築したITシステム事業も展開中

有限会社ゑびや) logo
地域日本
会社の規模1 - 99人
業界食品 / ホスピタリティ
主なワークフロー
キャンペーン管理クリエイティブ制作クリエイティブリクエスト目標の追跡と OKRIT リクエスト製品開発
主な機能
automation iconルールform iconフォームgoal iconゴールmobile iconデスクトップアプリとモバイルアプリportfolio iconポートフォリオreporting iconレポートダッシュボードproject-view iconプロジェクトビューtemplate iconテンプレートworkload iconワークロード
主な連携
Microsoft Office 365
Salesforce のアイコン

江戸時代、庶民が一生に一度は行きたいと願った「お伊勢参り」は、現代も年間約800万人の参拝があるといいます。その伊勢神宮の門前町にある老舗「ゑびや大食堂」は、1912年の創業以来、約100年以上もの間、お伊勢参りをする人々に「郷土の味」をふるまってきました。老舗のよさを活かしつつ業務効率と収益率を上げ、飲食ビジネスのDXのお手本となったゑびやのAnasa活用について取材しました。

昔からの勘に頼る経営ではなく、データに基づいた経営に転換 東京の大手IT企

業に勤務していた小田島春樹氏が伊勢神宮の門前町にある有限会社ゑびやの経営に携わるようになったのは、2012年のこと。

「東京に残って起業も考えましたが、これまで得てきた知識と経験を地方で役立てたら」と、妻の実家である同社の経営に飛び込みました。

当時、ゑびやにはエアコンがなく、注文は手書きの食券、売上げ票はそろばんを弾いて計算したものをファイリングするというものでした。提供するメニューは蕎麦やカレーなどの軽食。小田島氏は昔ながらのやり方と立地の優位性に助けられての商売に危機感を覚え、「勘に頼る経営ではなく、データに基づいた経営」への転換をスタートさせました。

2年後、ゑびやのデータ戦略は、その日の天候から売上実績、人気メニューの売上げ、観光予報プラットホームからの近隣ホテル宿泊数などのデータをExcelで入力するまでになり、その後、クラウドPOSレジの導入、Excel入力の自動化へと進化していきました。

小田島氏がAIやデータ活用をするきっかけとなったのは、小売飲食経営とその現場で働く人々の厳しい現状を目の当たりにしたからだったといいます。

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サービス産業に携わる人々に笑顔がなかったら、伊勢神宮に来られたお客さまへのおもてなしは難しくなります。炊いて余った米や仕入れた魚や肉、野菜を毎日のように大量に廃棄する食材ロスも気になっていました。食材を捨てることは、飲食で働く人たちの士気にも関わるものと感じていたからです”
小田島氏

Microsoft Teamsと連携しやすく、使いやすかったAsanaを導入

多くの課題を解決するプロジェクトのために小田島氏が立ち上げたのが、マーケティングやデータ分析、商品・メニュー開発、店舗運営、ソフトウエア開発のためのエンジニアなどのチームでした。プロジェクトの成功の鍵は、社内のチームが連携し、さらにそれぞれのチームが社外との連携をスムーズにすることです。ゑびやでは、コミュニケーション・ツールとしてフロー型のMicrosoft Teamsを使用していましたが、これにAsanaの「チーム状況の共有」や「タスクスケジュールの管理」「目標管理」などを組み合わせてプロジェクトの迅速化を図ることにしました。

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プロジェクトを管理する製品やサービスはたくさんありますが、Asanaを選んだのは、チームでプロジェクトを進めていくために必要な仕組みが整っていたこと、そしてMicrosoft Teamとの連携がスムーズだったことです。使い方を解説する動画もありますし、慣れないスタッフでも、研修しなくても触っていれば使えるようになる操作性のよさも気に入りました”
小田島氏
有限会社ゑびや -  実際のAsana画面

Microsoft Teamsのメッセージ画面からAsanaのタスク管理画面にスムーズに移れたり、Microsoft Teamsの画面でAsanaの営業タスクを確認できるなど、Asanaがさまざまな製品やサービスとスムーズに連携できることを高く評価しているそうです。

有限会社ゑびや -  Asana上で管理するスマート日報

メンバーがタスクを登録するAsanaは、自律的に動く土壌を育ててくれる

小田島氏はさらに「Asanaの豊富なテンプレートとメンバーがタスクを登録できるシステムを評価したい」と話します

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テンプレートは、タスク管理のフローをすぐに作れることと、必要な情報をすぐに見つけられる高い検索性を備えています。そのため情報はAsanaに集めておき、必要なときに必要な情報を取り出して利用することができます。必要な情報をすぐに検索して見つけられるので効率的に動くことができ、実際に複数の開発プロジェクトが同時進行しているエンジニアチームからは、メンバーのToDoリストが整理されていて使いやすいと好評です”
小田島氏

整理されて見やすいリストは、仕事の抜けや漏れの防止にもなるといい、またスマートフォンからでも利用できるAsanaは外出先や打ち合わせ後に情報確認やタスクの登録ができるため、仕事の効率化・迅速化につながっているといいます。

さらに、Asanaのタスクの登録が管理者ではなく、メンバーそれぞれが登録できるシステムについて次のように話してくれました。

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Asanaの「ゴール」機能は、すべてのチームとそのメンバーが「自分の仕事が事業にどのように貢献したか」が見えるようになっています。各メンバーがタスク登録できることは、目標に向かって自律的に動く土壌を育ててくれています”
小田島氏

データ分析により来客数の的中率は9割、食材のロスは80%削減

2012年にスタートした老舗「ゑびや大食堂」のDXは順調に進み、2018年には独自の来客予測システム「TOICH POINT BI」を完成させ、IoTデバイスによる在庫の管理と自動発注を開始。勘に頼っていた食材などの発注を重量センサーで管理し、自動発注できるようになりました。また、周辺ホテルの宿泊情報やホームページのアクセス数、天候、気温、各メニューの売上げなどのデータ200種類以上を分析して予想し、現在、来客数の的中率は9割を超えているそうです。

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どの時間帯に何人来店するかを事前に把握できるため、適切な人員を配置できます。スタッフの作業負担が軽くなり、一人当たりの生産性は当初の10倍になりました。その利益は賃金アップなどで還元できています”
小田島氏

大量に廃棄されていた食材も、来客数の予測によって食材の仕入れを計画的にできるため、80%の削減できたそうです。また、ゑびやではメニュー開発により、新鮮でおいしい三重の地のものを生産者から直接仕入れていますが、仕入れの無駄がなくなったため、生産者の希望価格で取引できるようになり、結果、品質のよい食材を届けてもらえるようになったと話します。

2018年、ゑびやは実体験に基づいて構築したITシステムを還元したいと、「EBILAB」を設立。POSデータ分析や来客予測などのシステム、テレワーク支援などのサポート事業を展開しています。ゑびやがそうであったように、デジタルの技術を人手不足に悩む小規模な飲食店などに活用してもらい、「笑顔を売る人が、笑顔でいられる世の中にする」(小田島氏)ことを目指しているといいます。

そしてゑびやが新事業を展開する中でも、Asanaはゑびやの「組織を拡大せずに生産性向上で成長する」という理念のもと、「リソースを節約する」要として、引き続き活用されています。

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