アクセス制御とシンプルなユーザー管理を基にセキュリティを強化
オートメーションを行い、従業員のオンボーディングや他のルーチンプロセスにおいて手作業で行っていたステップを不要に
リモート環境でも当事者意識を高めることに成功
周りの人に与えているものを、たまに自分で使ってみるということは大切です。顧客企業が販売のサイクルを最適化し、生産性の極めて高いチームを作るサポートを提供するセールスマネジメントプラットフォーム Outreach。同社は、このような最適化は、自分たち自身の仕事、特に、社内のワークフローにもメリットがあることに気が付きました。
ワシントン州に本社を構え、ロンドンとプラハにも海外拠点を持つ Outreach は、規模の拡大により、社内のワークフローを制御しきれなくなっていました。チームメンバー全員が、ワークマネジメントプラットフォームやスプレッドシート、メモ帳アプリなど、別々なツールを使っていたため、プロジェクトスコープの定義や期限の遵守、さらには共通の目標に向かって足並みを揃えるということに苦労していました。これに加え、IT 部門は急増しつつあるツールの管理に追われ、アクセス権限の付与方法を簡素化ながらセキュリティのリスクを管理する必要がありました。
IT プロジェクトマネージャー兼プログラムマネージャーを務める Carley McGee 氏は、何とかしなくてはいけないと考えていました。Carley 氏は、社内において大規模な IT の導入の指揮を取り、Outreach のソフトウェア調達プログラムを担当しています。7 人のメンバーからなる彼女のチームは、600 人を超える従業員を支え、その全員から「仕事を管理するのにどのツールを使えばいいですか」という質問を受けています。
潜在的なセキュリティリスクに加え、ワークフローの断片化が原因となり、職場は以下のような状況に陥っていました。
エグゼクティブが仕事の状況を俯瞰できない。チームは、仕事のデータを提示するのに苦労し、仕事や決定事項を整理したアーカイブもなかった。
仕事が一元管理されておらず、メールを見落としがちになっていた。プロジェクトの詳細が混乱の中で失われることさえあった。
推測に基づいたリソース管理。どのような仕事が予定されているのかがわからず、キャパシティの計画が立てられなかった。
「仕事の解剖学」インデックスによると、ワークマネジメントソフトウェアを使用している組織の 64% は、会社全体で効率よく仕事ができていると話しています。仕事を管理するシステムを持たない会社では、この数字は 27% にまで下がります。Outreach が確実にこの前者の枠に留まることができるようにしたいと考えた Carley 氏は、操作とセキュリティ保護が簡単に行える上に、個別に学ぶ従業員にとっても使いやすいソリューションを見つける決意をしました。従業員が実際に使ってくれるツールであるということが何よりも大切でした。
Carley 氏は、特に、EU の一般データ保護規則 (GDPR) やカリフォルニア消費者プライバシー法 (CCPA) といった現在の規制を考慮して、強力なセキュリティ対策がなされたプラットフォームを必要としました。退職者が出た際、Outreach は、データを同僚にきちんと移行できる必要があり、また社内のチームがサードパーティと協働したときには、コラボレーターのアクセス権限を簡単にコントロールできる必要がありました。
最初のステップとして、Carley 氏のチームは社内の他のチームが使用していたツールを確認しました。エンジニアリングチームは、あるプロジェクトマネジメントプラットフォームを好んで使っていました。当初、Carley 氏のチームは、そのツールをより広範に、チームをまたいで使用できるように拡張することを検討しましたが、そのインターフェイスは複雑で、会社全体でオンボーディングするとリソースが圧迫されると思われました。最終的に、エンジニアリングチームは引き続き既存のツールを使い、それ以外のチームは Asana を使用するという決断に至りました。その理由は、Asana はシンプルな上に、さまざまなユースケースに適応可能であったためです。Outreach は、単純に、エンジニアリングチームが使用していた Jira と Asana を連携して、各チームがお互いの進捗を把握し合い、プラットフォーム間で情報を共有し合うことで、サイロ化を防げるようにしました。
Asana を使うようになり、Outreach の IT チームは、会社の成長に合わせてライセンスを追加できるという柔軟性を手にしました。また、セキュリティ保護された ID 管理ツールとして使用していた Okta との連携も可能になりました。マーケティング担当者は、自分たちのキャンペーンに参加する請負業者のアクセスを制限できるほか、Asana が提供する複数のセキュリティ認証があるおかげで、チームは安心して機密情報を管理できます。
Outreach は、当初 Asana のライセンスを 100 個あまりしか購入しませんでしたが、使用数は 1、2 か月の間に膨れ上がりました。
新しい従業員が入社すると、Carley 氏は、Okta との連携を使ってその社員を Asana に追加しています。Asana を使用するのが初めてというメンバーには、テンプレートを使って「Asana の基礎」のオンボーディングプロジェクトを作成することで、新メンバーが積極的にプラットフォームの使い方を学べるようにしています。一般的に、Outreach 社内のさまざまなチームのプロジェクトマネージャーに代表されるパワーユーザーや Asana の支持者は、ベストプラクティスを共有したり、新メンバーを指導するための Slack チャンネルを持っており、新メンバーは簡単に質問をすることができます。
ワークフローの変更をエグゼクティブに説得するのは、そう頻繁にできることではありません。しかし、Asana の導入時には、パワーユーザーの 1 人がセールスオペレーションを統率しました。彼は、週間エグゼクティブ会議の場で、ポートフォリオを使い、自分のチームの仕事を披露しました。すべてのプロジェクトは、すでに Asana に取り込まれており、最新の状態にあったため、仕事の成果をかき集めたり、最新の状態に更新したりするなどの手間はかかりませんでした。彼の Asana 使用方法は、エグゼクティブがいとも簡単に可視性を確保できるということを示すよいデモンストレーションとなり、組織内の他のメンバーからも支持を得ることができました。
Carley 氏がお気に入りの Asana の機能の 1 つに、使用状況とログインを報告する組み込みのレポート機能があります。従業員が実際にプラットフォームを使用しているのかどうかを簡単に確認できます。Outreach 社内で Asana のライセンス数が増える中、費用対効果を追跡することもできます。
Outreach の各チームは、柔軟に設計された Asana を使い、以下のように各々のワークフローを管理しています。
マーケティングチームは、キャンペーンを実施し、請負業者とコラボレーションを行い、社外イベントを管理している。
セールスオペレーションチームは、リクエストを受け付け、システムアップデートを管理し、近日予定の仕事を綿密に計画する。
セールスマネジメントチームは、年間計画や直属の部下とキャリアアップの説明責任について話し合う 1on1 ミーティングに Asana を使用している。
Asana 内で OKR も管理しているチームもある。
人事部は、新入社員を迎え入れる際、スプレッドシートを使ってすべてのプロセスを手作業で追跡するのはやめ、Asana で作成したオートメーションを活用しています。採用決定後、採用チームは、オンボーディングの社内プロセスを管理する目的で、「新規採用者用のパッケージを送付する」などのタスクを含むプロジェクトを通じて、採用者が決定したことを人事部に通知します。このオートメーションを活用することにより、人事部は二度手間となるステップを 2 つも取り除いています。
プロジェクトやタスク、期日など、Asana が提供するワークマネジメントの基本的な機能の他にも、Outreach の各チームには、お気に入りの機能がいくつかあります。分析チームが好きなのは、フォームです。リクエストの受け取りに使用し、必要な詳細を取り入れてからキューの管理を行える点が好評です。複数のチームに大人気なのが、ステップの自動化と時間の節約に役立つルール、そしてプロジェクトの状況を把握するのに便利なポートフォリオです。
会社全体で Asana を使用するようになった結果、マネージャーと直属の部下との間に新しいレベルの説明責任が生まれました。無駄なコミュニケーションが減り、仕事の可視性が高まりました。Outreach の全チームがリモートで働いていることもあり、この 2 点は同社にとって 2020年の大きなメリットとなっています。IT 部門の Carey 氏のチームは、アプリケーションの管理に時間がかからなくなり、セキュリティリスクも簡単に管理できるようになりました。
今や、Outreach では仕事の見落としがなくなり、Asana にはプロジェクトの開始と期日のリマインダーがあるおかげで、チームは事前に行動を起こすようになりました。シームレスなワークフローを手にした Outreach は、クライアントをより効果的にサポートできるようになり、レベルアップした効率を基に引き続き世界中の販売サイクルを最適化しています。
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