1on1 ミーティングがチームの成功に不可欠な理由

1on1 ミーティングは、当社を含む多くのスタートアップ企業で普遍的に行われています。Asana はミーティングの削減に力を入れていますが、それでも 1on1 ミーティングを重視するのには理由があります。それは、上司と部下が差し迫った問題について情報を共有したり、強力な関係を築き上げたり、社員が仕事や、それ以外のことでも、目標に向かって前進していると実感できるようにするためには、1on1 が最善だからです。

しかし、適切なフレームワーク、議題、心構えがなければ、1on1 ミーティングも無駄な会議の 1 つになりかねません。ここでは、あなたが上司でも部下でも、1on1 ミーティングを最重要ミーティングにするための戦術的な作戦をご紹介します。

1on1 ミーティングとは？

よい人材を見つけるのに多くの時間を使っているのですから、その人材の最大限の成長をサポートすることには価値があります。”

1on1 (ワンオンワン、1:1)とは、スケジュール上に、そして頭の中にも確保されている、上司と部下のために予定された、自由形式の会話の場です。進捗報告や戦術的な会議とは異なり、1on1 ミーティングは、コーチング、メンターシップ、背景状況の説明、さらにはガス抜きの場でもあります。このように、1on1 ミーティングは単なる自由な会話の機会にとどまらない、チームメイトやリーダーが定期的につながり、コミュニケーションをとるために用意された時間なのです。

上司はカレンダーで予定を確保しましょう

1on1 ミーティングは、チームの足並みを揃える機会です。定期的な状況確認は、大きな問題の悪化を防ぎ、即時かつ定期的なフィードバック可能にし、オープンなコミュニケーションを促進します。しかし、上司のスケジュールはミーティングで埋め尽くされることが多いため、1on1 ミーティングのための時間と場所を確保するのは難しい場合があります。

スケジュールを守るために、毎週または隔週で各チームメンバーにつき 30〜60 分話す時間を確保しましょう。場所は会議室でなくてもかまいません。オフィスから出て散歩するのでも、カフェに行くのでもいいでしょう。

上司の中には、1on1 のために丸一日確保するやり方を好む人もいれば、精神的な存在感を最大限に高めるために、一週間を通して 1on1 を行う人もいます。同じ日にまとめて 1on1 を行うメリットは、チーム内で起こっていることから関連性を見出せる機会となる点です。自分に最も適した方法を見つけてスケジュールを立て、部下に最大限還元できるようにしましょう。

1on1 ミーティングを最大限に活用する

1on1 ミーティングのやり方は 1 つではありません。実際に、管理下にある人々の感情的なニーズや、人間関係、チームメンバーの経験値など、1on1 のベストなやり方を決定づける要因はさまざまです。

1on1 ミーティングを成功させるために最も重要な要素は、それぞれの頭の中にある問題や懸念について気軽に話し合える場を作ることです。このミーティングは主に部下のためのものであるため、部下の積極的な参加が不可欠です。

議題を事前に用意しておくことで、重要な話題について確実に話し合えます。事前に情報を共有するためだけではなく、両方の参加者がミーティングの主導権を握れるようにするためにも、共同編集できる議題のリストを作成しましょう。話し合う必要のある議題について、時間を区切っておきましょう。

前もってミーティングの準備をしておくことで、背景情報の共有にかかる時間がなくなり、すぐに重要な話題に入れます。

上司へのヒント

1on1 は、自由回答形式の質問から始めましょう。そうすることで、部下が今一番気にしている、最重要の話題を浮上させることができます。以下は質問の例です。

• 体調はどうですか？

• 何か気になっていることはありますか？

• 今一番楽しみにしていることはありますか？

• 今一番心配していることはありますか？

コーチにとって一番重要なことは、フィルターをかけずに話を聞くことです。フィルターとは、話し手がありのままの体験を伝える妨げとなる、聞き手の態度や偏見のことです。”

そして最も重要なのが、部下の話をよく聞くことです。上司として重要なことの一つは、自分の声が届き、安全で、支援されていると部下に感じてもらうことです。話を十分に聞いたら、解決策を見つける手助けをしましょう。部下が何を楽しみにしていて、成功へ導くためにはどうすればよいのかを明らかにし、最高の仕事ができるよう障害となるものを取り除きましょう。信頼して話せる場をつくるための手法をいくつかご紹介します。

• まずは相手の考え方に賛同する

• 自分の弱みや、つまずきなどを伝える

• 成長できる点について、率直なフィードバックを行う場合でも (むしろその場合は特に) 無条件で相手の味方になる

• 相手を単なる仕事の実行者としてではなく、人として尊重し、仲間として扱う

数週間ごとに、今の 1on1 はどうか、部下と確認しましょう。区切った時間通りにうまく進められていますか？そうでない場合は、必要に応じてプロセスに修正を加えていきましょう。

部下の 1on1 活用法

1on1 ミーティングは、あなたが今考えていることを上司に伝え、アイデアをブレインストーミングし、将来的な目標について話し合える場です。この時間をうまく活用しましょう。

• 事前にミーティングで話したいことを整理し、それを議題に追加しましょう。

• もどかしいことや、困っていること、詰まっているところ、楽しみにしていることなどはありますか？そう感じている理由について考え、上司と一緒に取り組みたい、潜在的な解決策についてざっくり考えておきましょう。

• 何がうまくいっていて、どういった点で上司のサポートが必要なのか、話し合う姿勢を保ちましょう。

• 何が必要なのか、分かりやすく伝えましょう。誰もあなたの心を読むことはできません。もっと責任ある仕事がしたいのか？新人を指導する立場に立ちたいのか？具体的に話し合いましょう。

長期目標と短期目標

1on1 中にうまく答えがまとまらなかった場合は、別途ミーティングの予定を立てて、戦術的な問題について議論したり、進捗を共有したりしましょう。または、戦術的な質問と長期的な話題について、交互にミーティングを開くようにしましょう。

数週間ごとに、長期目標について話し合うことを通常の話し合いよりも優先させて、パフォーマンスについて話せるようにしましょう。1on1 では、長期的な目標や野心に焦点を当てるべきです。また 1on1 は、パフォーマンスレビューで急に何かが指摘されることがないようにする役割も果たします。

以下に取り上げるべき話題や、1on1 で有効な質問をいくつかご紹介します。

役職に関する質問:

• あなたが取り組んでいる仕事の内容を円グラフにするとどうなりますか？理想の円グラフはどのようなものですか？

• あなたは自分の役割をどのように考えていますか？

キャリアの振り返り:

• あなたが理想の役職で最高の一日を過ごしているとしたら、どんなスケジュールで働いていると思いますか？

• 仕事で満足感を得られるのはどんなときですか？

• これまでで一番の成功体験は何ですか？

長期目標:

• あなたの長期目標は何ですか？それを達成するにはどんなスキルが必要ですか？

• それを達成するために越えなければならない壁はありますか？

1on1 で継続的かつ正直にフィードバックを行うことは、上司にとっても部下にとっても多大なメリットがあります。部下の能力を最大限に引き出し、不必要な緊張をなくし、ワークフローを改善し、チームのエネルギーを高め、大事にされていると部下に感じてもらう…あなたが上司なら、1on1 のスケジュールを確保しておく理由はこれだけにはとどまらないでしょう。それぞれのメンバーにとって、1on1 はオープンで率直なフィードバックを上司と共有し、目標とするキャリアを築いていくための場所としての役割を果たします。