3C 分析とは?意味、メリット、やり方などをわかりやすく解説

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2024年10月25日
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概要

この記事では、経営課題の発見やマーケティング戦略を考えるときに重要な「3C 分析」について解説します。自社の強みと弱みを的確に分析し、競合他社との差別化を図るのに役立てましょう。

ビジネスを順調に運営していくには、すでにブランド力がある企業にもスタートアップ企業にとっても、市場での立ち位置や目指すべき方向性を明確にすることは必要不可欠です。そのために役立つフレームワークが「3C 分析」です。この記事では、3C 分析とは何か、その目的やメリット、デメリットをまとめ、分析のやり方と分析する際の注意点を解説します。

3C 分析とは

3C 分析とは、Customer (顧客、市場)、Competitor (競合)、Company (自社) という 3 つの要素を分析することで自社の現状を把握するのに用いられるフレームワークです。3C という呼び名は Customer、Competitor、Company、それぞれの頭文字「C」から来ています。3C 分析は日本の経営コンサルタントでビジネスブレイクスルー大学学長でもある大前研一氏の著書『企業参謀 (The Mind of the strategist)』の中で「戦略的三角関係」として提唱されました。

3C 分析の 3 つの「C」

3C 分析の 3C とは、以下の要素のことを指します。

- Customer (顧客、市場)

- Competitor (競合)

- Company (自社)

また、これら 3C にもう 1 つの「C」である Channel (チャネル) を加えた 4C 分析というフレームワークも存在します。

3C 分析の目的は?

3C 分析の目的は、事業の成功要因 (KSF) を見つけ出すことです。先述した 3 つの C の分析結果を基に、企業は現状を把握することができ、そこからマーケティング戦略や営業戦略の組み立て、経営課題の発見を行うのです。市場における自社の競争力を高めるという意味で 3C 分析は効果的なフレームワークです。3C 分析の重要性は、企業が市場で優位に立っていけるための成功要因を見つけることにあると言えるでしょう。

3C 分析のメリットは?

3C 分析のメリットには、次のようなポイントが挙げられます。

  • 客観的な視点から事業を取り巻く外部環境分析ができる。

  • ビジネスの方向性を明確化できる。

  • 顧客のニーズを知り、競合他社と差別化できる。

  • 自社の強みと弱みを把握できる。

3C 分析のデメリットは?

3C 分析は多くの企業やチームで使用されている人気のフレームワークですが、デメリットも存在します。

  • 情報収集がしにくい場合がある。

  • 情報を集め分析するのに時間がかかる。

市場規模が大きすぎる場合などは、分析するべき情報が膨大となることもあるでしょう。そのようなケースでは、分析に時間がかかってしまいます。このようなデメリットも存在することを理解して、まずは自分のチームや事業で 3C 分析が機能するかどうかを見極めることが重要です。

3C 分析のやり方は?

では具体的に 3C 分析のやり方を解説します。3C とは先述のとおり「顧客、市場」「競合」「自社」のことを指しますが、それぞれどのように分析していけばいいのでしょうか?

3C 分析の順番は?

3C 分析は以下の順序で分析します。

1. Customer (顧客、市場)

2. Competitor (競合)

3. Company (自社)

1. 顧客、市場を分析する

まずはじめに分析すべきは、Customer (顧客、市場) です。ここでいう「顧客」には、既存の顧客 (ユーザー) はもちろん、これから顧客になる可能性のある一般の消費者も含まれることに注意しましょう。

市場を分析するときは、自社ではコントロールできない外部要因を分析する「マクロ分析」と、自社の働きかけである程度はコントールが可能な外部要因を分析する「ミクロ分析」に分けて行います。

マクロ分析では PEST 分析を使って、次の点を分析しましょう。

  • Politics (政治的要因): 税制改正、貿易品の税率、政権交代など

  • Economy (経済的要因): 利率、インフレ率、経済成長パターン、失業率など

  • Society (社会的要因): 人口統計、流行、世論、ライフスタイルなど

  • Technology (技術的要因): コミュニケーション、情報技術、研究開発、特許など

ミクロ分析ではファイブフォース分析 (5 フォース分析) を使うのが一般的です。次に挙げる項目を分析し、自社製品やサービスが市場でどの程度優位性があるのかを分析します。

  • 新規参入業者の脅威: 

  • 業界内の競合他社

  • 売り手 (自社) の交渉力

  • 買い手 (顧客) の交渉力

  • 代替品の脅威

ファイブフォース分析フレームワーク
記事: 7 つの戦略計画モデルと計画プロセスをスタートするのに便利な 8 つのフレームワーク

市場分析が終わったら、次は顧客分析です。以下のようなポイントに着目して分析していきましょう。

  • ニーズ

  • 購買行動

  • 購買プロセス

記事: AIDMA とは何か?ユーザーの購買行動モデルを理解する

2. 競合を分析する

顧客と市場の分析が済んだら、3C 分析の 2 つ目、競合 (Competitor) を分析します。このステップでは、市場にある競合に関する、次のような項目について分析してみましょう。

  • 市場シェア状況、業界内の影響力

  • 開発力、技術力、資金力、リソース

  • 規模、顧客数

  • 製品やサービスの特徴

  • マーケティング戦略

自社が市場で影響力を増すためには、競合の強みと弱みを把握しておくことが重要です。そのために、なぜその競合他社が市場内で優位に立っているのか、なぜ良い結果を出せているのかを分析しましょう。

競合分析テンプレートを作成

3. 自社を分析する

前述した 3C 分析の 2 つの要素は、外部要因でした。市場と顧客、競合という外部要因の分析が済んだら、最後に分析するのは内部要因である Company (自社) です。ここで分析のターゲットとなる項目には次のようなものがあります。

  • 売上、顧客数

  • 市場シェア状況、業界内の影響力

  • 開発力、技術力、資金力、リソース

  • 自社商品やサービスの特徴

自社分析は SWOT 分析を用いて行いましょう。

強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)
  • 自社の強み (strengths)

  • 自社の弱み (weaknesses)

  • 機会 (opportunities)

  • 脅威 (threats)

SWOT 分析は、内部環境 (強みと弱み) と外部環境 (機会と脅威) を分析し、競合機会を見出すのに便利なフレームワークとして知られます。

3C 分析を行うときの注意点とポイント

3C 分析の方法をまとめたところで、ここでは実際に行うときの注意点と考慮すべきポイントをご紹介します。的確な 3C 分析を効率的に実施できるよう、参考にしてみてください。

客観的な分析を心がける

3C 分析をするときに懸念されるのが、主観的な意見や先入観で分析してしまうことです。情報を収集し客観的に分析してはじめて価値ある結論にたどり着くことができるので、3C 分析を行うときは意見や個人の解釈は含めず、客観的な情報や事実だけを集めるようにしましょう。

分析はスピーディーに行う

3C 分析を行うときに気を付けたい 2 点目が、分析はできるだけスピーディーに実施しなければならない点です。業界は常に動的で、トレンドや世論、消費者のニーズもどんどん変化します。いくら徹底的な分析を行っても、収集した情報が “時代遅れ” になってしまっては意味がありません。3C 分析は「時間」も気にしながらスピーディーに行いましょう。

3C 分析のテンプレートを使う

前項と関連した 3C 分析のコツとして、テンプレートの使用があります。3C 分析のテンプレートがあれば活用して、時間短縮を目指しましょう。エクセルやパワーポイントなどのフォーマットを使用してもいいですが、自由にカスタマイズができてクラウド上でチーム全員と共有できるテンプレートだと便利です。個人のニーズに対応できる Asana で作成できるテンプレートは、3C 分析のテンプレートとしても活用できるのでお試しください。

成功する戦略は 3C 分析で立てる

3C 分析について解説しました。3C とは何を指すのか、3C 分析の重要性や目的、分析方法を理解して、成功する戦略策定に役立てましょう。Customer (顧客、市場)、Competitor (競合)、Company (自社) の 3 つの要素を的確に分析することで、事業戦略やマーケティング戦略、営業戦略を立て、ビジネスの方向性を明確にすることができます。3C 分析を行ったら、チームと共有するのも忘れないようにしましょう。

記事: Web マーケティングとはどんな仕事か?わかりやすく解説

市場での競争優位性を確保し、また競合他社との差別化を図るために効果的な考え方「バリューチェーン」についてもの記事もご覧ください。

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