従来のチャットでは情報が埋もれて依頼タスクの見落としや実行漏れが発生していたが、Asanaの導入によって担当者や期限が明らかになり改善された。
同じタスクをグループやチームごとに個別管理していたため、複数のステイタスが存在して混乱が生じていたが、Asanaで一元管理することで、シンプルに管理できるようになった。
Asana上にタスク遂行の手順や相談ごとを記すことで、メンバー間の助け合いが生まれ、プロジェクトがよりスムーズに進行できるようになった。
人事労務や人材マネジメント領域でSaaSビジネスを手がける株式会社SmartHR。コーポレートミッション「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」を掲げ、テクノロジーの活用と創意工夫で、日本の労働環境の改善に貢献しています。
同社のカスタマーサクセスグループでは、受注後に顧客がサービスをうまく利用できるように支援していく重要な役割を担っています。デジタルシフトのニーズが高まる中、順調に受注が増え、組織も急成長していくうちに、社内のコミュニケーションに課題を抱えるようになりました。これまでのチャットツールでのやりとりだけでは、同時に発生する複数のプロジェクトをまたがる業務管理に限界が出はじめていました。そこで2020年ごろ、タスク管理のツールを求め、ワークマネジメントツールの「Asana」を導入しました。社内外の多くの人とかかわるカスタマーサクセスグループのマネージャーである長谷田 貴史 氏に、Asana導入の理由や利用状況についてお聞きしました。
働く人の生産性向上を支えるクラウド人事労務ソフト「SmartHR」。当初は労務手続きの効率化や書類のペーパレス化など、人事労務に特化したサービスとして展開していましたが、従業員情報の一元化や人材マネジメントの機能を加え、データを活用した組織改善までシームレスに実現できるようサービス領域を広げています。2015年のサービス提供開始から5万社以上が登録しており、労務管理クラウドでは5年連続シェアNo.1(※1)、クラウド型人事労務システム満足度No.1(※2)、タレントマネジメントシステム満足度No.1(※3)、サービス継続利用率99%と、労働人口の減少が予測される日本企業を支える重要な存在となっています。
受注後の顧客を担当し、ツールの各種機能の活用を支援するのがカスタマーサクセスグループです。「人事関連の書類のペーパーレス化や、人材マネジメントなら社員の声を集めて改善につなげていくなど、さまざまな課題を解決するために、まず業務ツールとして「SmartHR」の導入を支援します。そして、人事・労務担当だけでなく、従業員の皆さんに浸透するための支援もしています」と語るのは、カスタマーサクセスグループでマネージャーを務める長谷田氏です。グループメンバーのオペレーションやデータ分析などによって、成果を高める活動をしています。
SmartHRでは2020年ごろからAsanaの利用を開始し、現在では約半数の社員がAsanaを使ってタスクを管理しています。
「社内での日常的なコミュニケーションにはチャットツールを使っており、業務のやりとりもそこで行われていました。しかし、タスク管理には不向きで、タスク完了も個人任せになっていたため、意図せず実施を忘れてしまうことが起きていました。」(長谷田氏)
顧客の案件は営業支援ツールで管理していますが、その他の社内タスクが実行されないと、次の工程も遅れ、最終的には予算を組む際に支障をきたすことも問題でした。そこで長谷田氏は、こうしたすべての課題を一気に解決できるマネジメントツールを求め、複数のツールを比較検討した結果、Asanaを採用しました。
採用の理由について長谷田氏は「別のツールと比較し、Asanaのほうが使いやすいと感じました。Slack連携ができるのもポイントですね。また、Asanaはアップデートが恒常的に行われていたことも決め手のひとつです。同じSaaS事業者として、より便利に使えるように常にアップデートされているかどうかも重要でした」と評価を述べました。
Asanaの導入で、課題となっていた各種タスクの割り当てや期限、完了状態が見える化されました。どのように見える化したかについて長谷田氏は「カスタマーサクセスの掲示板としてAsana上にプロジェクトを作りました。メインタスク配下のサブタスクにメンバーをそれぞれ割り当て、各自の『完了・未完了』の進捗状況を一目で把握できるようになっています。また、新しいメンバーのオンボード時の研修プロジェクトなどにも活用しています」と説明しました。
長谷田氏のチームでは、週次でやるべきことを整理して、その進捗を毎日夕方に報告・相談し合う「夕会」を設けており、そこでもAsanaが根付いています。「チームは未知のタスクも事前にAsana上に入れ、どう進めるかを話し合います。タスクの進め方もあらかじめ説明欄にメモしてくことで、担当になったメンバーも着手しやすくなります」(長谷田氏)
グループをまたいだタスク管理にもAsanaは使われています。カスタマーサクセスグループがほかのグループにタスクを依頼する際、以前は同じタスクに対して進捗ステイタスが複数存在したり、タイムリーにお互いの進捗を把握することが困難でした。しかし今では、Asanaを業務管理の中心に据えたことで、メンバーが誰でも関連するタスクの進捗状況をタイムリーに参照・管理できるようになりました。
Asana導入から2年以上が経過し、社員の半数ほどが利用しているSmartHR。長谷田氏は、タスクの完了率が高まっていることを実感しています。「各自にタスク管理をまかせていたときは、放置されて業務が止まり、期限を延長することもありましたが、それがかなり少なくなりました。チームのなかでタスクの責任の所在が明らかになっているので、状況を確認して困っていそうな人へ声をかけることもできるようになりました」(長谷田氏)
タスクを立てる際に、その背景の説明を記述したり、タスク実行で困っていることなども記載して他メンバーに伝え、助け合いながらスムーズにタスクを進行できる工夫をしています。長谷田氏は、メンバーから相談を受けた際に、すぐに状況を把握するためにAsanaのダッシュボード機能も活用しているといいます。
「Slackに、顧客対応のための相談チャンネルがあり、その投稿や回答内容をAsanaに保存できるようにしています。Asana側では、どんなところでメンバーが困ったかをカテゴリ分けしていて、ダッシュボードで見られるようにしています。」(長谷田氏)
オンラインで仕事を行うことの多いSmartHRでは、Asanaをチームビルディングにも活用しています。カスタマーサクセスグループにあるイネーブルメントチームでは、、Asana上に気になることを記して共有しています。長谷田氏は「課題というほどではなく、小さな確認事項や相談ごとを『夕会で話したい』といったタグをつけて共有しています。Asanaはデジタルのツールですが、対面に近い感覚で、リモート下でのチームビルディングにも役立っています」と、チームでの使い方について話しました。
カスタマーサクセスの成果を高めるために、今後もAsanaを活用していくという長谷田氏。これまでスプレッドシートで管理していた新メンバーのオンボーディングや業務の手順、各種ツールの学習管理などさまざまなマニュアルをAsanaに展開・テンプレート化し、進捗管理やマニュアル更新管理に役立てたいと考えています。
SmartHRが掲げるコーポレートミッション「Well-Working」を実現するためのバリューには、自主的に解決すべき課題を見つけ出す「自律駆動」や、即断即決によってチームを加速する「早いほうがカッコイイ」があります。そうした企業バリューを支えるものとして、Asanaをはじめとしたデジタルツールの活用は不可欠です。
顧客を成功に導くためには、ユーザーが求めるものを作り、課題を自らスピーディに解決するといった自社のバリューに基づく共通の視点を持つことが大事だと長谷田氏は語ります。
「機能の開発、マーケティングから発信するメッセージ、セールス段階での提案、すべてがカスタマーサクセスのためです。SaaSは継続的にお客様の課題を解決し続けなければならないと思っています。契約したあとも継続して、より良い価値を提供できればと考えています」(長谷田氏)
SmartHRは、今後もますます増えていく時代のニーズに合わせて成長を続けながら、顧客の成功のためにAsanaとともにさらなるアップデートを重ねていくことでしょう。
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